Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
神藤 勝啓; 市川 雅浩; 高橋 博樹; 近藤 恵太郎; 春日井 敦; Gobin, R.*; Sene, F.*; Chauvin, N.*; Ayala, J.-M.*; Marqueta, A.*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.493 - 495, 2015/09
日本原子力研究開発機構核融合研究開発部門では、加速器駆動型中性子源を用いた核融合炉材料開発施設である国際核融合炉材料照射施設(IFMIF)の工学実証のための原型加速器の開発を青森県六ケ所村で進めている。この加速器は入射器、RFQ及び超伝導リナックで構成された重陽子線形加速器であり、9MeV/125mAの連続ビーム生成を目指している。入射器はフランス原子力庁サクレー研究所(CEA Saclay)で開発され、2012年秋まで100keV/140mAの陽子及び重陽子の連続ビーム試験を行った。この入射器を青森県六ケ所村の国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)に搬送し、2013年末より入射器の据付作業の開始、2014年11月に陽子ビームの生成に成功した。その後、イオン源のコンディショニングを行いながらビーム試験を実施してきた。本発表では六ヶ所サイトで実施してきたビーム試験の結果など入射器の現状について報告する。
宮脇 信正; 福田 光宏*; 倉島 俊; 柏木 啓次; 奥村 進
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.706 - 708, 2015/09
サイクロトロンのビームエネルギー幅を狭くすることは、ビーム引出し効率の改善やマイクロビーム等のビーム応用に必要である。一般にサイクロトロンでは、ビームの位相幅を狭くすることでビームのエネルギー幅を狭くでき、そのためには位相制限スリットによるビーム位相幅の制限が有効である。そこで、幾何軌道解析モデルを構築してビーム位相幅の制限に必要な半径方向のビーム位置と位相の関係を定式化した。このモデルの正しさを実証するため、JAEA AVFサイクロトロンにおいて、位相制限スリットの半径方向の位置と通過したビームの位相分布の関係を測定し、モデル計算の結果と比較した結果、両者はほぼ一致した。これにより、加速ハーモニックス()1ではスリット位置に依存してビーム位相とその幅が変化するが、
=2では最初の加速の位相差による電圧差でビーム位相幅が圧縮する位相バンチング効果が生じてスリット位置の変化に伴うビームの位相とその幅の変化が小さくなることが分かった。ビーム位相幅を狭くするためには、
毎に位相制限スリットの半径方向の位置とビーム位相分布の関係に基づいてスリット位置を変更する必要があることが判明した。
池田 浩; 菊澤 信宏; 吉位 明伸*; 加藤 裕子
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1312 - 1316, 2015/09
J-PARCのLINAC, RCSから得られる制御に必要な大量なデータは、現在PostgreSQLに格納しているが、これをHBaseに格納する計画を進めている。HBaseはいわゆるNoSQLと呼ばれるデータストアで、大量のデータをスケーラブルに扱うことが可能である。HBaseはHadoopの分散ファイルシステム上で構築され、複数のマシンで構成するクラスタを使用し、障害時の自動復旧や容量増設の容易性が利点として挙げられる。前回の発表では、Hadoopのバージョンアップによって単一障害点であったマスタノードを冗長化し、この新しいバージョンに対する我々のツールの対応と課題について述べたが、同時に、クラスタの構成そのものに対しても幾つかの問題点も述べた。今回の発表では、この問題への対応を含みクラスタの再構築で行ったことについて述べる。具体的には、マスタノード用ハードウェアの強化やノード構築の自動化スクリプトの作成、ノードのモニタリングの導入が挙げられる。また、新規ハードウェアや構成の変更から必要に応じてHadoop/HBaseの設定を調整し、システムのパフォーマンスの測定を行い、その結果と検討を報告する。
羽島 良一; 沢村 勝; 永井 良治; 西森 信行; 早川 岳人; 静間 俊行; Angell, C.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.79 - 83, 2015/09
レーザー・コンプトン散乱で発生する線は、エネルギー可変かつ狭帯域の特徴を有する。電子加速器とレーザーの先端技術を組み合わせることで、高輝度
線源を実現することができる。このような高輝度
線源は、核物質の非破壊測定をはじめとした産業利用、原子核物理の基礎研究に革新的な進歩をもたらすと期待されている。ヨーロッパでは、次世代
線源としてELI-NPの建設が始まっており、2018年の運転開始の予定である。われわれは、エネルギー回収型リニアック(ERL)を用いることで、ELI-NPを超える輝度、強度を持った
線源を提案しており、基盤技術の開発を行っている。本発表では、ERLに基づくレーザー・コンプトン散乱
線源の特徴、産業利用、学術利用の展開について述べる。
前原 直; 助川 圭一*; 只野 秀哉*; 春日井 敦; 鈴木 寛光; 阿部 和彦*; 奥 隆司*; 杉本 昌義
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1140 - 1142, 2015/09
国際核融合中性子照射施設(IFMIF)加速器系の工学設計工学実証活動((EVEDA)では、重陽子イオンビーム125mAを9MeVまで定常運転で加速するためにInjector(100kV-140mA)、運転周波数175MHzを採用したRFQライナック(0.1-5.0MeV-130mA)と超伝導RFライナック(5.0MeV-9MeV-125mA)の開発を進めている。RFQライナックでは8つのRFインプットカプラーを用いて1.4MWレベルのRF電力入射が要求されている。このために6 1/8インチ同軸導波管をベースにループアンテナを採用した定常化RFカプラーの設計を行った。この設計ではループアンテナ内部、内部導体及び高周波窓に冷却チャンネルを設けて常水圧にて数kWレベルの熱除去を施した。試作したRFカプラーの耐電力試験ではHigh-Q load circuitを用いて定在波による耐電力試験を行い、等価的なRFパワー200kW-14秒のCW運転を実証した。この200kW-CW運転のためにはパルス幅1msec Duty 1/2において5日間のRFエージングよる脱ガスを行いカプラーの高周波窓やRFコンタクト部からのガス放出に問題無いことを実証した。本講演では、試作したRFインプットカプラーのHigh-Q load circuitを用いた耐電力試験について発表する。
近藤 恭弘; 長谷川 和男; 東 保男*; 熊田 博明*; 黒川 真一*; 松本 浩*; 内藤 富士雄*; 吉岡 正和*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.948 - 950, 2015/09
沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、加速器を用いたホウ素中性子捕獲療法(BNCT)装置の開発が計画されている。本研究においては、いばらき中性子医療研究センターにおけるBNCT用リニアックからの知見をもとに、医療用機器としての量産型のパイロットモデルの開発を目標とする。加速器の性能は、中性子生成ターゲットでのビーム電力60kWを想定している。ビームエネルギーは、10MeV程度であり、必要な熱外中性子と、それ以外の、高速および熱中性子、線との収量比を最適化するように最終的には決定される。エネルギー10MeVとすると、ビーム電流30mA、デューティー20%で40kWが実現可能である。リニアックの構成は、ECRイオン源、2ソレノイド型LEBT、4-ヴェーンRFQ、アルバレ型DTLと、これまでの開発実績のある技術を用いる。RFQおよびDTLの共振周波数は、352MHZ程度を予定している。医療用機器においては、十分な信頼性と、加速器の非専門家による容易な運転が要求され、加速器機器の中でも複雑な構成となる大強度陽子リニアックにおいて、これらを達成することも、重要な開発目標となる。本論文では、この、BNCT用陽子リニアックの開発状況について述べる。
川瀬 雅人; 高橋 博樹
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.764 - 766, 2015/09
従来の制御システムの設計及び開発では、機器製作終了後から機器仕様を確認することが多く、制御系設計が後回しになることがあった。また、各機器独自の制御プロセスが構築されるため種類も多様になってしまい、メンテナンス性、拡張性及び柔軟性が欠けた制御システムになっていた。これらの課題を克服するため、すべての機器制御を統一化できる制御系の構築が必須と考え、加速器構成機器制御にマシンモデルという抽象化した状態を定義し、機器制御を共通化した。各機器に共通する情報を抽出し、それらの情報から十分な時間をかけてモデリングを行い、マシンモデルと呼ぶ抽象化クラスを構築した。マシンモデルを導入し、アプリケーションレベルの簡略化も実現した。各機器固有の手続き型制御を上位アプリケーションではなく機器側制御系でのみ処理するインターフェースにすることにより、機器改造や拡張時に必要となる上位アプリケーションの修正の手間を大幅に低減できる。本報告では、J-PARC RCSにおける機器の状態定義と、状態遷移を用いた制御系の開発について報告する。
大谷 将士*; 三部 勉*; 吉田 光宏*; 齊藤 直人; 北村 遼*; 岩下 芳久*; 近藤 恭弘
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.56 - 61, 2015/09
ミュオン加速のための加速器を開発中である。この加速器により、ミュオンの異常磁気モーメントを0.1ppmの精度で、また電気双極子モーメントを10e
cmの精度で測定することが可能となり、素粒子の標準理論をこえる物理の探索ができるようになる。最初のステップとして、ミュオンの加速試験を行う予定である。そのための負ミュオニウム源を開発し、既存のJ-PARC RFQ予備機を用いる。また、それに続く低ベータおよび中ベータ加速空洞も開発中である。低ベータにはinterdigital H構造、中ベータにはdisk and washer structureを用いる。本論文では、ミュオン加速試験の準備状況および、加速空洞の開発状況について述べる。
堀 利彦; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.643 - 646, 2015/09
J-PARCリニアックの安定運転を目指して、継続的に324MHzクライストロン用高圧電源の高圧停止頻度改善に向けた取り組みを行っている。今回新たな対策として、25Hzタイミング信号をRF制御ラック内で分配するトリガ分配器の誤動作パルス(クライストロンのM-アノードとボディ間の放電に同期した)をインヒビットするためのVetoモジュールを開発した。このモジュールを今期の電源停止頻度の一番高いクライストロンステーションであるSDTL#16に設置し、#5高圧電源の高圧停止頻度を測定した。結果、2015年6月の1ヶ月間に42回の放電が生じたが、一度も高圧は停止しない良好な結果を得た。
宇佐美 潤紀; 高橋 博樹; 小向 聡*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.760 - 763, 2015/09
IFMIF/EVEDA加速器(LIPAc)制御系の開発は、EUと原子力機構(JAEA)が共同で進めているが、全体監視などを行う中央制御システム(CCS)についてはJAEAが主体となって行っている。また、EUが開発した機器制御系とCCS間はEPICSを介してデータ授受が行われる。JAEAでは、CCSにおける開発要素の1つとしてPostgreSQLを用いたLIPAcの全EPICSデータの保管と参照を行うシステム(データ収集系)の開発を進めている。一方、欧州では機器単体試験においてBEAUTY (Best Ever Archive Toolset, yet)を用いてデータ収集を行うため、CCSのデータ収集系においては、「BEAUTYとのデータの互換性確保」、「複数のサーバ機による収集データを一括で画面参照」、「データ収集とバックアップ作業の平行化」を考慮する必要があり、現在は前者2つについて対応を進めている。そして、入射器のコミッショニングにおいて、開発したデータ収集系の実証試験を行っている。データ収集系は、入射器,放射線モニタ等のデータを収集しており、CSS(Control System Studio)を用いたGUIによるデータ参照も可能である。本件では、入射器のコミッショニングにおける実証試験の結果をもとに、データ収集系開発の現状について報告する。
篠江 憲治*; 阪井 寛志*; 梅森 健成*; 江並 和宏*; 沢村 勝; 江木 昌人*; 古屋 貴章*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.548 - 552, 2015/09
エネルギー回収型リニアックで要求される性能を持つ超伝導加速器を製作したとき、縦測定では性能を満たしてもモジュール化しビームラインに組み込むと性能が劣化するということが起こる。そのような空洞の性能回復の手段としてヘリウムプロセスが有効であるとの報告がある。そこで我々の空洞についてヘリウムプロセスが可能かどうかを検証するために、モデル空洞を用いてヘリウムプロセスを行った。その結果、空洞性能回復が見られ、いくつかのエミッタを取り除くことができた。
大越 清紀; 上野 彰; 池上 清*; 高木 昭*; 浅野 博之; 小栗 英知
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1040 - 1044, 2015/09
J-PARCリニアックでは、ピークビーム電流を30mAから50mAに増強するために、高周波駆動型(RF)負イオン源の使用を2014年10月より開始した。RF負イオン源は、これまでテストスタンドにおいて試験を行ってきたものであり、RFQのアクセプタンスに収まるビーム電流として70mAのビーム引出し性能を有する。現在、RF負イオン源はピーク電流33mAでビーム利用運転を行っており、また、加速器のスタディを行うために短期間ではあるが55mAの運転も並行して行っている。ビーム電流は、電流を一定にするためのフィードバック制御を導入しているため、長期的な変動は無く安定している。いままでセシウム添加量の過多が原因と思われるアンテナ損傷が運転中に1回あったものの、それ以外は大きなトラブルもなく非常に安定に稼働しており、現在まで、33mA条件下で約1,100時間の連続運転に成功している。
沼田 直人*; 浅川 智幸*; 阪井 寛志*; 梅森 健成*; 古屋 貴章*; 篠江 憲治*; 江並 和宏*; 江木 昌人*; 坂中 章悟*; 道園 真一郎*; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.566 - 570, 2015/09
将来の大規模ERL型加速器実現のために、試験加速器であるコンパクトERL(cERL)が建設された。2013年度よりビームコミッショニングを行っており、2014年2月にはビームが周回するようになった。現在は目標のビーム性能を実証するための調整運転を行っている。cERLでは大電流かつ低エミッタンスのビームを高加速勾配の超伝導空洞で安定にエネルギー回収運転できるかの実証を目的としている。主加速器クライオモジュールの性能評価試験結果及びcERL運転時においてのモジュール内の現象を報告する。
湯山 貴裕; 石堀 郁夫; 倉島 俊; 吉田 健一; 石坂 知久; 千葉 敦也; 山田 圭介; 横山 彰人; 薄井 絢; 宮脇 信正; et al.
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.302 - 304, 2015/09
日本原子力研究開発機構のイオン照射施設TIARAでは4台の加速器により、材料・バイオ技術の研究開発への利用を主として、広範囲のエネルギー及び多様なイオン種のビームを提供している。本発表では2014年度のTIARAの稼働状況、保守・整備及び技術開発を報告する。保守・整備及び技術開発の主要な内容を以下に示す。サイクロトロンの高周波系において、ショート板用接触子に焼損が発生したため、接触子の交換及び焼損箇所の研磨を行うことで復旧させた。原因調査の結果、経年劣化によりフィードバックケーブルが断線しかかっていたため、不必要な高電圧が印加されたことが原因と判明した。サイクロトロン制御システムに関して、サポートが停止されたWindows XPをWindows 7に変更し、これに伴い制御システムを更新するとともに、トレンドグラフのログデータ保存機能、操作画面上の制御対象一括選択機能の付加など、各種機能を向上させた。Cイオンビームの計測に関して、複雑な二次荷電粒子を生成するC
イオンビームの正確な電流測定のために、サプレッサー電極の構造を改良することで二次荷電粒子を十分捕集するファラデーカップを開発した。
山本 昌亘; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 田村 文彦; 戸田 信*; 吉井 正人*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1008 - 1012, 2015/09
J-PARC RCSはハーモニック数2のRFバケツに2バンチを入れて加速しているので、ビームの主なフーリエ成分は偶数次となる。しかし、粒子トラッキングの結果から、微小な奇数次成分がバンチ間の非対称性を促進し、ある条件ではそれが急速に増大することが分かった。非対称性が単調に増加した場合、大きなビーム損失を引き起こすことになる。また、奇数次成分が大きな振幅ではないものの、振幅変調しながら続く場合ビームハローを形成し、それが微小なビーム損失を招くことも分かった。本報告では、奇数次成分についての粒子トラッキングの結果について述べる。
二ツ川 健太*; 小林 鉄也*; 佐藤 文明; 篠崎 信一; 千代 悦司; 平野 耕一郎; Fang, Z.*; 福井 佑治*; 堀 利彦; 道園 真一郎*
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1317 - 1320, 2015/09
J-PARCリニアックでは、RFQ下流のビーム輸送路(MEBT1)に設置されているRFチョッパ空洞で不必要なビームを蹴ることにより、中間パルスと呼ばれる櫛形構造のビームを生成している。蹴り出されたビームは、RFチョッパ空洞の約70cm下流に設置されているスクレーパに導かれる。このスクレーパは、ビーム電流を50mAに増強したとき熱負荷が増大して、利用運転に耐えないことが予想された。そこで、スクレーパ2式をビームライン上に鏡対象に用意して、1式あたりの熱負荷の低減することにした。そのためには、チョッパの位相を180度反転させて各スクレーパにビームを正確に導く必要があった。位相反転はLLRFシステムで実施され、25Hzのマクロパルス毎と1.227MHzの中間パルス毎に変更する方法を用意した。本件は、RFチョッパ空洞の位相反転制御システムを紹介するとともに、ビームを用いた試験結果を報告する。
菅沼 和明; 下山 暢善*; 米久 直幸*; 滝 幸奈*; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.686 - 688, 2015/09
本報告は、J-PARC 3GeV Rapid Cycling Synchrotron(RCS)の出射キッカーシステムに使用のセラミック抵抗器の電気抵抗測定に関するものである。キッカー電源に使用するセラミック抵抗器は、使用環境および高い印加電圧によって電気抵抗の値に変化を生じることが散見される。本抵抗器は、その使用方法により油中で使用されている。この抵抗値変化の原因として、抵抗器表面に塗布している耐油性膜に亀裂が発生し、油がセラミック抵抗器に浸入することが考えられる。そこで筆者らは、あえて塗装膜の無い抵抗器を油中に浸し、セラミック抵抗器の油中環境下での電気抵抗の計測を行った。油に浸した抵抗器は抵抗値が増加するが、一定時間を経過すると安定した抵抗値が得られる。この抵抗器をJ-PARCのキッカー電源の励磁エネルギーの終端抵抗として使用することを想定している。
發知 英明
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.103 - 107, 2015/09
RCSは、2014年秋より、1MW設計運転の実現を目指した最終段階のビーム調整を開始し、2015年1月に1MW相当のビーム加速を達成した。RCSのような大強度陽子加速器では、ビーム損失により生じる機器の放射化が出力強度を制限する最大の要因となるため、ビーム損失の低減が1MW設計連続運転を実現するための重要な研究課題となる。2015年1月のビーム試験では、ペイント入射法の最適化により、空間電荷由来のビーム損失をほぼ最小化することに成功した。また、2015年6月に実施したビーム試験では、新規導入した補正四極電磁石を用いて入射過程におけるベータ関数の変調を補正することにより、ペイント範囲の拡幅を実現し、入射中の荷電変換フォイル上での散乱現象に起因したビーム損失を大幅低減させることに成功した。本発表では、ビーム増強過程で顕在化したビーム損失の発生機構やその低減に向けた取り組みを中心に、RCSビームコミッショニングの最近の進捗状況を報告する。
岡部 晃大; 丸田 朋史*; 發知 英明; Saha, P. K.; 吉本 政弘; 三浦 昭彦; Liu, Y.*; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.933 - 937, 2015/09
J-PARC 3GeV-RCSシンクロトロンでは、ビームハローのような極少量のビームロスでさえ加速器機器を甚大に放射化する要因となり、メンテナンス作業を困難なものにする。そのため、大強度ビームの安定的な利用運転を実現するに向けて、RCSではビームハローの抑制が大きな課題となっている。RCSではビーム入射方法として荷電変換による多重入射法を採用しており、入射ビームのtwissパラメータがRCSのオプティクスに整合していない場合、入射過程においてハローが生成される可能性が高い。ビーム損失の要因であるハローの生成を抑制するため、RCSでは入射ビームのtwissマッチング調整を行っている。マッチング調整では大強度ビームの挙動を正確に把握するため、空間電荷効果を考慮した3次元エンベロープ方程式を用いて入射点におけるビームのtwissパラメータを算出している。また、Linac-RCSビーム輸送ライン(L3BT)に設置されたワイヤスキャナモニタを用いてビームプロファイル測定を行い、算出したtwissパラメータと比較しつつ、入射ビーム調整を行っている。本発表ではJ-PARC RCSで行われている入射ビームマッチング調整の手法を紹介する。
堀野 光喜; 高柳 智弘; 飛田 教光; 植野 智晶*; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1175 - 1179, 2015/09
J-PARC 3-GeV RCSの水平シフトバンプ電磁石は、ビーム入射部に4台設置してあり、LINACからの入射ビームとRCSの周回ビームを合流させるバンプ軌道を生成する。本水平シフトバンプ電磁石は、2008年より7年間(約2万3000時間)の長期に渡り、トラブル無く安定した運転を続けてきた。しかし、2015年2月に1台の電磁石でコイルサポートボルトが脱落、同年3月には4台の電磁石を直列に接続する銅バーの冷却用配管から漏水という問題が発生した。現在、原因調査及び恒久対策の検討のため、脱落したコイルサポートボルトはそのままに、銅バーの冷却に関しては水冷を一時的に停止し、送風機を用いた強制空冷を行っている。そして、7月からの夏期保守期間までの間、一週間に一度の加速器メンテナンス時間を利用し、ファイバースコープカメラを使用してコイルサポートボルトの状態を確認すること、更には、強制空冷した銅バーの温度を熱電対により24時間監視する等の対応を行い、安全を確認しながら運転を継続している。本発表では、水平シフトバンプ電磁石の問題発生箇所、メンテナンスの状況報告と今後の対策について報告する。