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口頭

福島第一原子力発電所の汚染水処理から発生したスラッジを対象とした無機固化試料の耐放射線性の評価

佐藤 淳也; 中山 卓也; 川戸 喜実; 目黒 義弘

no journal, , 

福島原子力発電所における汚染水処理設備から発生した放射性スラッジは硫酸バリウム,フェロシアン化ニッケル,水酸化鉄が主成分であり、加えて多量の放射性核種を含有している。そのため、処分のためにスラッジを固型化した固化体への放射線影響が懸念されている。本試験では4種類の無機固型化材を用いた模擬スラッジ固化体について$$gamma$$線照射を行い、水素発生のG値を算出するとともに、シアンガスの発生挙動を調べた。結果、セメント系固型化材においては、先行研究の結果とよく一致し、固化体中の自由水量がG値を決定する上で重要な因子の一つであることが示唆された。また他固型化材との比較では、自由水量とG値に一貫性が見られず、固型化材の種類も水素ガス発生に影響を与えている可能性が示唆された。一方、シアンガスはいずれの試料も検出下限値以下であった。

口頭

電子・$$gamma$$線照射施設の運転・整備・利用状況

上松 敬; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 金子 広久; 山口 敏行*; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.

no journal, , 

電子・$$gamma$$線照射施設はほぼ順調に照射を実施した。平成25年度における運転時間は、電子加速器では1,242時間、コバルト第1棟では18,900時間、コバルト第2棟では11,804時間、食品棟では6,587時間であった。東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する復興対応関連課題については、電子加速器では47回、$$gamma$$線照射施設で91回の利用があった。主要なメンテナンスは次の通りである。電子加速器ではSF$$_{6}$$ガス回収装置の更新、食品棟では定期整備、コバルト第1棟及び第2棟では線源の補充をそれぞれ行った。また、コバルト施設の定期整備期間に線源保管プールから排出した水を一時貯留し再利用するために、容量600m$$^{3}$$の貯水タンクをコバルト1棟横に設置した。

口頭

照射下における高Ni鋼の微細組織安定性に関する研究

山下 真一郎; 山県 一郎; 皆藤 威二; 関尾 佳弘; 井岡 郁夫; 井上 利彦

no journal, , 

高Ni鋼は、良好な耐スエリング特性を有していることから燃料被覆管材料として開発されている一方、照射や高温熱時効に伴う延性の低下が課題である。照射実績を有するNimonic PE16では$$gamma$$'(Ni$$_{3}$$(Ti, Al))析出物の粗大化や粒界での再析出が延性低下の要因の一つとされている。これら課題を克服するため、原子力機構(JAEA)ではNimonic PE16で利用している$$gamma$$'析出型とは異なる炭窒化物析出型の高Ni鋼(15Cr-35Ni鋼)と、$$gamma$$'よりも安定と考えられる$$gamma$$"(Ni$$_{3}$$Nb)を加えた$$gamma$$'/$$gamma$$"析出型の高Ni鋼(15Cr-43Ni鋼)の2鋼種を新たに開発し、特性評価を進めている。本研究では、耐スエリング特性や照射下での微細組織安定性の評価を目的として、系統的な条件での照射試験が可能なJAEA高崎量子応用研究所イオン照射研究施設(TIARA)にてイオン照射を行った。平成24年度までに照射温度550, 600$$^{circ}$$C、照射量100dpa及び照射温度700$$^{circ}$$C、照射量250dpaの照射データを取得しており、平成25年度には照射温度依存性の確認等を目的として試験データの拡充を行った。その結果、比較材であるPNC316よりも耐スエリング特性に優れ、スエリングピーク温度はNi添加量に影響を受けず600$$^{circ}$$Cであることを確認した。

口頭

静電加速器における加速器・ビーム技術の開発

山田 圭介; 齋藤 勇一; 石井 保行; 的場 史朗; 千葉 敦也; 横山 彰人; 薄井 絢; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 宇野 定則

no journal, , 

TIARA静電加速器において平成25年度に行った技術開発の成果を報告する。タンデム加速器では、クラスターイオン電流増強のため、荷電変換ガス(He)の圧力に対するC$$_{60}$$イオンの透過率を測定した。その結果、透過率はC$$_{60}$$$$^{1+}$$で2.6%、C$$_{60}$$$$^{2+}$$で1.4%であった。また、最大の透過率が得られる圧力は、他の炭素クラスター(Cn:n=2-10)と比べ低い値であることが分かった。荷電変換ガス圧力を最適な値に調整することで、ターゲット位置で数十pAのC$$_{60}$$イオンビームが輸送可能になった。シングルエンド加速器では、マイクロPIXE分析に用いられるH$$^{+}$$ビームの時間に依存したエネルギーシフト量を測定するため、$$^{27}$$Al(p,$$gamma$$)$$^{28}$$Siの共鳴核反応を用いたビームエネルギー測定を行っており、軽イオンマイクロビームラインでの測定系の構築及び動作試験を完了した。イオン注入装置では、クラスターイオン電流測定用ファラデーカップ(FC)の構造を検討するため、アスペクト比の異なるFCで100keV及び540keVのC$$_{60}$$イオン電流を測定し比較した。その結果、アスペクト比10, 15, 20のFCで測定値がほぼ一定となることから、本エネルギーではアスペクト比10以上が必要であることが分かった。

口頭

有機水素化合物の検出を目的とした吸光度測定装置の作製

宮下 敦巳; 山本 春也; 吉川 正人

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水素化社会の実現のため、水素を有機水素化合物(OHC)の形で貯蔵・運搬する技術に注目が集まっている。有機水素化合物検知材料(OHC-M)を用いて光学的にOHCを検知するには、OHCから水素を脱離させる反応を進行させるため、OHC-Mの加熱が必要となる。本研究では、検知光と赤外線レーザ光を導入できる小型の吸光度測定装置を試作することにより、ヒータ等の電源設備を用いることなくOHC-Mを光加熱する手法の可能性を調べた。その結果、波長1070nm、出力18.0WのYb赤外光ファイバレーザによる予備実験では、OHC-Mの温度を10分程度で150$$^{circ}$$Cにまで加熱できることが分かった。またOHC-Mの試料台を熱容量の小さなセラミックスで作製した場合、瞬時に150$$^{circ}$$Cまで温度を上昇できることが分かった。膜厚1158nmの3酸化タングステン($$rm WO_{3}$$)薄膜にPtを14.4nm蒸着したOHC-Mを加熱した後、流量200ml/minの1.0%シクロヘキサンを接触させた時の透過光強度の時間経過を調べると、単純な指数関数的減少では無く、減衰時定数の異なる2つの成分を有する減少であることが分かった。今後、OHC-Mの特性評価を進めると共に、異なる2つの成分の物理的要因の解明を目指す予定である。

口頭

微粒子捕集用フレキシブル誘電泳動デバイスの集束陽子線描画による作製

西川 宏之*; 佐野 遼*; 内田 諭*; 喜多村 茜; 石井 保行; 神谷 富裕

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これまでに集束陽子線描画(proton beam writing, PBW)によりシリコン基板上に高アスペクト比の誘電体ピラー構造を有する三次元誘電泳動デバイスを開発し、大腸菌などの捕集効果が高いことを実証した。本研究では、工業利用に不可欠な柔構造化及び更なる捕集効果の向上を目的として、酸化インジウムスズ(ITO)電極付きPETフィルムを用いた誘電泳動デバイスを以下の2ステップで製作した。$$textcircled{1}$$ITO電極付きPETフィルム上にポジ型感光性樹脂を成膜し、電極形状のマスクを付けて紫外線を露光した後、露光部分以外をエッチングしてPETフィルム上に誘電泳動用の電極を製作した。$$textcircled{2}$$この製作した電極付きPETフィルムにネガ型レジスト(SU-8)を15-100$$mu$$m厚で成膜し、PBW装置で径2$$mu$$mのドットを間隔7$$mu$$mと20$$mu$$mで、10$$times$$10列描画した後、熱処理と現像をして高さ15$$mu$$mのピラー構造を製作した。捕集効果は、菌を模擬したリポソームの捕集量を実測して評価した。この結果、従来構造の20$$mu$$m間隔のピラーに対して、7$$mu$$m間隔のそれでは捕集効果が約6倍高くなった。これはピラー間を狭くしたことにより、このピラー間の電場が強くなったためと考えられる。このようにPETフィルムを基板とすることで柔構造を有し、更に従来のものよりも高い捕集効果を持つ誘電泳動デバイスを開発した。

口頭

海水の放射線分解における塩化物イオン、臭化物イオンの影響

端 邦樹; 塙 悟史; 本岡 隆文; 塚田 隆

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海水の放射線分解生成物の発生における塩素イオン,臭素イオン等の海水成分影響を調べるため、$$gamma$$線照射実験を実施した。照射実験には高崎量子応用研究所の$$gamma$$線照射施設を使用し、大気下で閉栓したバイアル瓶中の試料溶液を3.4kGy/hで照射した。照射後に過酸化水素量はヨウ素を酸化することによる溶液の色の変化から見積もった。実験条件を模擬したラジオリシス計算もあわせて実施した。実験と計算の比較から、海水の放射線分解では塩化物イオン,臭化物イオン,重炭酸イオン等のイオンが主な役割を担っていることが示された。また、過酸化水素の発生に対しては塩化物イオンの寄与が大きく、水素分子の生成に対しては臭化物イオンの寄与が大きいことが示唆された。

口頭

マイクロPIXEによる稲穂内部のCsおよびRb元素分布取得方法の開発

小塩 成基*; 伊藤 駿*; 石井 慶造*; 松山 成男*; 寺川 貴樹*; 佐多 大地*; 遠山 翔*; 笠原 和人*; 久保 亮介*; 江夏 昌志; et al.

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本研究では、国内で最も多く消費される農産物であるコメが、セシウム(Cs)を含む土壌で栽培された場合のCsの集積部位を明らかにするために、マイクロPIXE (particle induced X-ray emission)を用いてコメ内部のCsの元素分布測定を行った。また、より高感度にCsの挙動を観察することを目的とし、Csと同族で約5倍の特性X線発生断面積を持つルビジウム(Rb)をCsの代替として用いることを検討した。CsおよびRbを別々に散布した土壌で、14日間および34日間栽培したイネから収穫したコメを試料として用いた。測定の結果、Csは白米部よりも糠や籾殻に多く集積する様子が観察され、栽培期間14日と34日のCsの濃度比は1.5$$sim$$3.0で、栽培期間の比(34日間/14日間=2.43)とおよそ合致していることから、1日で取りこむ量が大きく変化しないと仮定すると、イネの生育によって取り込まれたCsを可視化したと考えられる。Rbの集積部位はCsの場合と類似しており、RbがCsの代替として使用可能であることが示唆されたが、感度については連続X線のバックグラウンドのためCsと同等となり向上は図れなかった。

口頭

高分解能イオン誘起発光分析に用いる顕微光学系の開発

加田 渉*; 三浦 健太*; 花泉 修*; 横山 彰人; 喜多村 茜; 江夏 昌志; 佐藤 隆博; 神谷 富裕

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プロトンマイクロビームを試料に照射することで誘起するionoluminescence (IL)の波長を高分解能で分析することにより、微小領域の化学組成情報が得られる。本研究では、既存のIL検出システムの高感度化を目的に、IL検出光学系とイオンマイクロビームの焦点を一致させた共焦点顕微光学系を開発するとともに、この光学系の反対側の焦点に、直径800$$mu$$mの光ファイバを介して、背面入射冷却CCDの分光器を設置した。その結果、外乱光の遮断によるバックグラウンドの低下により、従来はほとんどILスペクトルが得られなかったAl$$_2$$O$$_3$$:Cr試料から、Cr$$^{3+}$$に対応する幅の狭い689nmのピークを精度よく計測することに成功した。

口頭

多重極電磁石を用いた大面積均一イオンビームの形成とその計測技術の開発

百合 庸介; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 清藤 一; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫

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高崎量子応用研究所のサイクロトロンでは、多重極電磁石を用いてイオンビームの横方向強度分布を均一化する技術及びガフクロミックフィルムを用いたビーム強度分布計測技術を開発している。本研究開発では、ビーム利用において照射条件に応じて効率的に均一ビームを形成するビーム輸送系の調整手順を確立した。ビーム光学系設計、粒子トラッキングシミュレーション及びそれらに基づいた検証実験から、ビーム輸送や形状調整に関する電磁石や薄膜散乱体のパラメータを決定した。この結果、10MeVの陽子や4$$sim$$13MeV/uのアルゴン等のイオンビームにおいて、100cm$$^2$$を超える広い均一照射野や細長いリボン状の均一ビームが1時間程度の調整時間で形成可能となった。ビーム強度分布の計測では、ガフクロミックフィルムHD-V2及びEBT3を新たに使用するため、コバルト60$$gamma$$線照射によりそれらの着色応答の基本的な特性を調べた。その結果に基づいて、HD-V2及びEBT3をイオンビームの強度分布計測へ適用し、それらが大面積均一ビームの特性評価に利用できることを確かめた。

口頭

サイクロトロンにおけるビーム加速・制御の高度化技術の開発

宮脇 信正; 倉島 俊; 柏木 啓次; 吉田 健一; 百合 庸介; 湯山 貴裕; 石坂 知久; 石堀 郁夫; 奥村 進; 奈良 孝幸

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TIARAサイクロトロンに関する研究開発の2013年度における進捗について次の2課題について報告する。(1)サイクロトロンのビーム位相分布測定システムでは、エネルギー幅の狭いビームを生成する方法の一つである位相バンチングを評価するため、126ps以下の時間分解能が求められる。そこでシンチレータを用いた本測定システムの時間分解能を測定と計算により求めた。実際の時間分解能は、測定システムの電子回路系に依存するものとシンチレータの検出位置に依存するものがある。前者はパルスレーザーを用いた実験により、後者はシンチレータの幾何学的形状から計算により求めた。その結果、分解能の合計が44.3ps FWHM以下と126psより十分小さく、位相バンチングの評価に使用できることを確認した。(2)サイクロトロンの位相空間上での加速可能領域であるアクセプタンスの可視化技術の開発では、ビームの存在領域であるエミッタンスを実効的に拡大することが求められる。そこで、位相空間コリメータ上流のソレノイドレンズとステアリング電磁石を用いて、ビームの角度を変えるとともに、位置を移動させた。これにより、実効的に12倍以上に拡大することに成功し、本方法がアクセプタンスの計測領域を拡げる技術として有用であることを実証した。

口頭

高強度重イオンビーム発生用レーザーイオン源の開発

柏木 啓次; 山田 圭介; 倉島 俊

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TIARAのサイクロトロンではC$$^{5+}$$, C$$^{6+}$$等の多価重イオン,イオン注入装置では、Ti, Cu, Au, Pt等の1価の重イオンを生成するイオン源の高強度化が求められている。我々はこれらの高強度重イオンビームを生成するイオン源開発を目的として、様々なイオンの生成及び計測を行うためのレーザーイオン源テストベンチを整備した。本テストベンチでは、Nd:YAGレーザー装置から出射されたパルスレーザー光はミラー・レンズ系を通ってレーザーイオン源チェンバー内でターゲット上に集光され、ターゲット材料をプラズマ化する。プラズマ中のイオン電流の測定は、$$phi$$1mmのアパーチャーでプラズマの大きさを規定した上で、ファラデーカップによって行う。また、イオンの価数分布の測定は静電アナライザーによって行う。本装置を用いてグラファイトターゲットを用いた炭素プラズマ生成実験を行った。効率的な多価イオン生成のため、プラズマ温度が最も高くなるように集光レンズに入射するレーザー径とターゲット位置の最適化を行った。その結果、フルストリップイオンを含むC$$^{4+}$$, C$$^{5+}$$, C$$^{6+}$$の多価イオン生成に成功した。また、ターゲットから0.64m下流における生成イオン電流は最大400$$mu$$Aであった。これは典型的な$$phi$$6mm程度のビーム引き出し電極を用いた場合、十数mAの高強度ビームに相当する。このように、このテストベンチにより、mAクラスの高強度多価重イオンのパルスビーム生成が可能であることを示した。

口頭

300keV小型イオンマイクロビーム形成装置の3段加速レンズ系の性能試験

石井 保行; 大久保 猛; 神谷 富裕; 齋藤 勇一

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MeVイオンマイクロビームは、レーザー光や電子ビームにない物質中での高い直進性を有するが、形成する装置が大型であるため、これが普及の妨げとなっている。そこで、小型装置でこのビームの形成を実現するために、そのプロトタイプとして、イオン源と3段加速レンズ系で構成される300keV小型イオンマイクロビーム形成装置を開発している。この装置は組立てを完了して140$$sim$$150keVの範囲でマイクロビーム形成試験を行う段階にあり、得られたビーム径を理論予測値と比較することで、レンズ性能を評価した。実験での水素イオンビーム径は、ナイフエッジを用いたビーム径測定装置を用いて測定し、143.28keVで最小径(極小値)17.2$$pm$$0.5$$mu$$mを得た。この後、この径の周辺でのレンズ系の性質を調べるため、3段加速レンズ系の最終レンズの電圧のみを変えたところ141.78keV及び144.78keVで、それぞれビーム径25.0$$pm$$0.4$$mu$$m及び21.7$$pm$$0.5$$mu$$mになった。この時のレンズ系のパラメータを用いて計算したビーム径はこれらの測定値と10%以下の範囲で一致し、加速レンズの性質から電圧を外挿することで最大電圧の300keVにおいてもレンズ系が設計通りに機能していることが分かった。これから、このレンズ系の基本構造を用いることによりMeV領域の小型イオンマイクロ形成装置を開発できる見通しが得られた。

口頭

サイクロトロンのアクセプタンス計測技術の開発

柏木 啓次; 宮脇 信正; 倉島 俊; 奥村 進

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高崎量子応用研究所では、AVFサイクロトロン(以下、加速器)において、最大の加速ビーム電流を得るために必要なビーム入射調整を効率的に行うためのツールとして、加速器のアクセプタンスとビームのエミッタンスを測定・可視化する装置を開発している。本装置は、イオン源から加速器へのビーム入射ラインのソレノイド電磁石、ステアリング電磁石、位相空間コリメータ、ビーム強度モニタ1及びサイクロトロン内部のビーム強度モニタ2で構成されている。アクセプタンスは、ソレノイド・ステアリング電磁石によって実効的に拡大したエミッタンスから、二対のスリットから成るコリメータによって位相空間における微小領域に切り出したビームを加速器に入射し、対応する加速されたビームの強度をビーム強度モニタ2によって測定することで求める。一方、エミッタンスは、位相空間コリメータとビーム入射ラインのビーム強度モニタ1を用いて微小位相空間領域のビームの強度分布を測定することで求める。本装置を用いた試験の結果、エミッタンスとアクセプタンスの測定に成功するとともに、測定結果を同一位相平面上に表示・可視化することで、加速ビーム電流を最大化する調整に有効となる両者の相互関係を明らかにすることができた。

口頭

草木系除染廃棄物の浸出水の除染に関する研究

佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 植木 悠二; 笠井 昇; 瀬古 典明

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福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質により空間線量率の高い地域においては、除染作業により発生する大量の廃棄物が、除染作業場近くの仮置場に保管されている。一部の仮置場のピット排水においては、排水基準を超える放射性セシウムが検出され、ピット排水の放射性セシウム濃度を排出基準以下にまで処理する技術を確立する必要がある。本研究では、ピット排水を排出基準以下の放射性セシウム濃度にまで除染するため、放射線グラフト重合法により作製したリンモリブデン酸型放射性セシウム吸着材を用いて、バッチ式及びカラム式除染試験を試みた。バッチ式除染試験においては、放射性セシウム吸着材とピット排水を固液比1:150として12時間振盪した結果、75%の放射性セシウムを除去することに成功した。また、バッチ式除染試験を3回繰り返すことにより、放射性セシウム除去率は95%にまで達した。さらに、カラム式除染試験として、7mm径カラムに0.2mLの吸着材を充填し、40mL/hの流速でピット排水を流通させた結果、吸着材体積の300倍のピット排水を検出下限以下にまで除染することに成功した。

口頭

DNA修復阻害剤AZD-2281と抗癌剤Carboplatinを含む放射線感受性マイクロカプセルを用いた標的薬剤併用療法

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; 石井 保行

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本研究では、放射線による腫瘍治療の効果を増強するために、放射線照射に反応してDNA切断修復阻害剤AZD-2281を放出する直径1$$mu$$m以下の放射線感受性マイクロカプセルを開発してきた。前回、マウス左下腿に移植した乳癌細胞の周囲にこのマイクロカプセルを皮下注射後、100kVの軟X線を10$$sim$$20Gy照射し、抗腫瘍効果を検証したが、腫瘍の増殖を抑制するのみで縮小には至らなかった。そこで今回、AZD-2281と抗癌剤Carboplatinの混合薬剤をマイクロカプセルに封入し、抗腫瘍効果の増強を試みた。マイクロカプセルからの混合薬剤の放出は、Carboplatin中に含まれる白金をTIARAのマイクロPIXE(particle induced X-ray emission)分析システムで測定して確認した。抗腫瘍効果はマウスに移植した腫瘍径を毎日計測することによって評価した。その結果、X線照射によって混合薬剤が25$$mu$$m以上の範囲に放出されることがわかり、約二週間後から腫瘍径の縮小が確認された。

口頭

標準物質によるTIARAマイクロビームシステムにおける種々の検出器の校正

岩田 吉弘*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; 石井 保行

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マイクロPIXE分析における検出器の校正や分析値の相互比較のために、半径6$$sim$$9$$mu$$mの球形のイオン交換樹脂1粒に計11種類の軽・重元素を含有する標準物質(SRM)を作製し、分析感度を特性X線強度と元素含有量から求める方法を開発している。本方法を試験的に用いて、TIARAのマイクロPIXEシステムで従来から使用されている2台のX線検出器(A, C)と、新規導入された高分解能X線検出器(B)について実際に校正を行った。SRMの半径から元素含有量と照射電荷量を算出し、検出器で検出した特性X線のカウントから、元素1pgあたり1nCのプロトン照射による特性X線のカウント数と標準偏差を算出した。その結果、検出器Aは軽元素に感度が高く、また検出器CはMnより原子番号の大きな元素に対して検出器Aの約4倍の感度があることがわかった。従来型より窓が薄い検出器Bはナトリウムより軽い元素の検出に適していると考えられたが、その感度は検出器Aと同等か低かった。このように、多種の元素を含むSRMを用いることで、広い原子番号の範囲で検出器の校正が行えることが確認された。

口頭

加速器中性子源中性子捕捉療法に向けたホウ素可視化と分布の解析

中井 啓*; 山本 陽平*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 松村 明*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.

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加速器中性子源中性子捕捉療法は、予め生体に投与したホウ素化合物に熱中性子を照射し、核反応で生じるアルファ線やリチウム原子核を治療に用いる方法で、細胞の直径程度の極めて短い飛程と、粒子線による高い線エネルギー付与が特長である。ホウ素を悪性腫瘍のみに集積することで、細胞選択的に抗腫瘍効果をもたらすと期待されており、効果の検証には細胞大の分解能のホウ素濃度分布測定が要求される。そこで、高感度と高空間分解能を併せ持つTIARAの大気マイクロPIXE/PIGE(Particle Induced X/Gamma-ray Emission)分析システムを用いた細胞中のホウ素分布分析を行った。細胞培養培地にホウ素化合物を濃度0$$sim$$300$$mu$$g/mLで添加した6種類の試料を用いてホウ素の検出限界を調べたところ、20$$mu$$g/mLの濃度で検出が可能であることがわかった。この培地で細胞を培養し培養液を吸引除去後凍結乾燥した試料では、生体細胞の主要構成元素であるリンやカリウムとホウ素の分布が一致しており、細胞に取り込まれたホウ素が可視化できたと考えられる。このように、TIARAの大気マイクロPIXE/PIGEが加速器中性子源中性子捕捉療法の効果を知る上で重要となるホウ素分布測定に応用可能であることがわかった。

口頭

セシウムの吸着分離に用いるヘキサシアノ鉄酸金属錯体薄膜の放射線耐性

有阪 真; 渡邉 雅之; 石崎 学*; 栗原 正人*; Chen, R.*; 田中 寿*

no journal, , 

本研究では、不溶性フェロシアン化物類縁体であるヘキサシアノ鉄酸金属錯体(MHCF)から成る吸着材を電極に用い、高レベル廃液中に含まれるセシウムを電気化学的に回収することを目指している。今回は、SUS316L基板上に作成したMHCF薄膜の$$gamma$$線照射に対する安定性について調べた。MHCF薄膜への$$gamma$$線照射は、硝酸共存下で行われた。照射後に分離した硝酸をICP-MSにより分析したところ、MHCFを構成する鉄および銅が検出され、鉄および銅の溶出量は、70kGy程度まで一様に増加し、その後一定値となることを確認した。照射前に基板上に固定化されたMHCF重量の20-30%の溶出が起きる一方、共存する硝酸の濃度によりそれらの溶出挙動は変化しなかった。粉末状のMHCFの放射線耐性は非常に高いことがわかっているので、基板上への固定化の方法については再検討が必要であることがわかった。

口頭

アスファルト固化体の塩含有率が放射線分解生成ガス発生に及ぼす影響の評価

入澤 啓太; 目黒 義弘

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原子力機構には再処理工程から発生した低レベル及び極低レベル放射性廃液を固化したアスファルト固化体(以下、固化体と略す)が約3万本保管されている。大半の固化体の組成は55wt.%のアスファルトと45wt.%の塩(硝酸塩,亜硝酸塩,リン酸塩,炭酸塩等)であるが、廃液処理のキャンペーンに依存して塩組成や塩含有率が異なる固化体も一部、存在している。この固化体を処分する際には、塩含有率が異なる固化体から発生する放射線分解H$$_{2}$$ガス量を評価することが重要である。そこで本研究では、塩含有率が異なる模擬固化体を作製し、$$gamma$$線照射時における吸収線量及び線量率がH$$_{2}$$ガス発生量に及ぼす影響を各模擬固化体ごとに調べた。

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