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中村 彰夫; 筒井 智嗣; 吉井 賢資
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.876 - 878, 2001/05
UO(二酸化ウラン)は30.5Kのネール温度(T)を持つ反強磁性体である。これに2価、3価の異原子価陽イオンを置き換えさせたさまざまな固溶体系では、U間の反強磁性(超交換)相互作用が弱められるため、Tは一貫して低下し、最終的にはキューリー・ワイス型の常磁性体に変化していくことも良く知られている。これらの固溶体系とは違って、UOに固溶しないTiメタル及びTi酸化物:TiO(x=0, 1.0, 1.5, 2.0)とUOとの多相混合物系が高温熱処理により、T30.5~29.0Kとほぼ一定のまま、弱強磁性的なTでの磁化率()の増大を示すことを見いだしたので、その結果を報告する。この現象は相手方がTi酸化物系(TiO(x=1.0),TiO(x=1.5),TiO(x=2.0))の場合特に顕著であり、これらのTi酸化物との接触界面近傍でのUO自身の磁気的性質の変化によって生じるものと推測される。
吉井 賢資; 筒井 智嗣; 中村 彰夫
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.829 - 830, 2001/05
ペロブスカイトコバルト酸化物PrACoO(x0.5, A=Sr and Ba)に付き、その構造及び磁性について調べた。(1)結晶構造は斜方晶Pnmaである。A=Srでは、格子定数はxに対して単調増加するが、A=Baではb軸長のみx=0.4で最大となる。(2)x=0では、磁気秩序は観測されない。xを増加するとともに、x0.2で明瞭な強磁性転移が観測される。A=Srでは、キュリー温度はxの増加とともに240Kまで単調増加する。一方、A=Baではx=0.3-0.4で最大190Kとなる。(3)低温での磁気緩和及び交流帯磁率測定から、観測された強磁性転移にはスピングラスなどのランダム状態が共存する。上記(2)キュリー温度の挙動の違いについては、(1)の結晶構造の結果をもとに、交換相互作用の変化と関連し解釈した。また(3)は類似系LaSrCoOの結果と定性的に同様である。
吉井 賢資; 阿部 英樹*; 筒井 智嗣; 中村 彰夫
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.900 - 901, 2001/05
希土類欠損ペロブスカイトLnTiO(x0.33, Ln=Ce and Pr)に付き、その構造・磁性・伝導について調べた。x=0の系は、TiサイトにTiスピンを持ち、ネール温度約120Kを示す絶縁体である。また、x=0.33の系は、バンド絶縁体である。CeTiO及びPrTiOの両系で定性的に共通の現象が見られた。それらは以下の通りである。(1)x0.2の範囲での結晶構造は斜方晶Pnma、それ以上では斜方晶Pmmmである。(2)xを増すとともに、ネール温度及び低温での磁化は単調に減少する。xが約0.2以上で磁気秩序はほぼ消失する。(3)xが0.1近傍以上では、系は絶縁体から金属に変化する。また、xが0.3近傍での伝導は、温度の1/4乗に比例するVariable range hopping的であった。ただし、絶縁体-金属転移点のxの値などについては、両系ではわずかな違いが見られた。これらは、Lnイオンの半径の違いと関連して解釈した。
生嶋 健司; 青木 大*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.89 - 91, 2001/05
金属間化合物UGa(T=67K)の微視的磁性が、Ga NMR/NQR測定によって調べられた。われわれは、T近傍において異常なNQRスペクトルの変化を見いだした。常磁性状態の72Kにおいて、シャープな1本のNQRラインが、70Kで一次転移的に周波数が変化し、2本の共鳴ピークはほとんど温度依存性がない。これは、反強磁性転移点以下で、内部磁場が温度減少とともに単調に変化する通常の反強磁性転移と明らかに異なっている。この振る舞いは、反強磁性転移近傍で、Ga(4p state)サイトの電子状態が変化していることを意味しており、5f電子の波動関数の変化が混成を通じてGaサイトのMNR/NQRに反映しているのかもしれない。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 木村 憲彰*; 大貫 惇睦
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.87 - 88, 2001/05
重い電子系超伝導化合物UPtについてUメスバウア分光を行った。UPtの超伝導転移温度は0.5Kであり、中性子散乱だけで5Kにおいて反強磁性秩序が観測されている。帯磁率は常磁性状態25K付近で極大を示し、UPdAlやURuSi同様、その温度(Tx)は重い電子の形成と相関があると考えられている。測定したすべての温度のスペクトルで磁気分裂と四極子分裂が観測された。スペクトルの温度変化はTx付近で最もシャープなスペクトルを示し、UPdAlやURuSiの実験結果とは異なった。しかしながら、常磁性状態で観測された内部磁場は磁気緩和によって生じたものであり、観測された磁気緩和は重い電子の形成過程との相関を示唆する。また、5Kでの反強磁性秩序に関しては、UBeのUメスバウアー分光の結果から、2.8Kでは核位置に内部磁場を生じていることを示唆する。
目時 直人; 小池 良浩; 松岡 由貴; 小林 達生*; 山下 正廣*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.414 - 416, 2001/05
NDMAZ及びNDMAPのQ(0 0 0.5)における磁気励起スペクトル測定の結果、NDMAZでは約1.7meVと約3.5meVに、NDMAPでは約0.6MeVにギャップを観測した。これらの値は帯磁率の結果から予想される値とだいたい一致している。さらにこれらの励起の分散関係及び磁場依存性の測定を行った。その結果、0Tにおける0.6MeV付近のピークがゼーマン効果によって分裂し、5Tではギャップは0.2MeV以下まで減少した。さらに、比熱測定によって報告されている臨界磁場(H~6T)以上の磁場を加えたところ、H以下で観測されていた2つの励起が観測されなくなった。これはHでエネルギー順位が交差し基底状態が入れ替わったことによると考えられる。さらに反強磁性秩序状態について調べるために、中性子弾性散乱を行った。おもにQ(0 0 0.5),(1 0 0.5)等の反強磁性の散乱ベクトル近傍を注意深く測定したが、秩序状態に伴うブラッグピーク観察されなかった。
山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 眞榮平 孝裕*; 稲田 佳彦*; 村川 政男*; 大貫 惇睦; 長谷川 彰*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.51 - 53, 2001/05
UCの純良単結晶を育成し、ドハース=ファンアルフェン(dHvA)効果の測定を行った。半金属UCのフェルミ面が3つのだ円正孔面と6つのクッション状の電子面から成ることが明らかになった。これらのフェルミ面の性質はdHvA測定とSRAPW法によるバンド計算を元にして確かめられた。ホール面はCの2p荷電子による寄与が大きく、電子面はUの5f伝導電子による寄与が大きい。ホール面のサイクロトロン質量は小さく静止電子質量程度なのに対し、電子面では4.0~15mと大きくなっている。これはUの5f電子の性質に起因すると考えられる。