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佐藤 哲也
化学と工業, 72(10), P. 867, 2019/10
価電子の束縛エネルギーを直接反映する第一イオン化エネルギー(IP)を実験的に求めることで、Z100の重アクチノイド元素の電子配置に関する情報を得ることを試みた。実験には、表面電離イオン化と質量分離を組み合わせたオンライン同位体分離器(ISOL)を用いた。重イオン核反応によって合成したFm(半減期2.6分)、Md(4.27分)、No(24.5秒)およびLr(27秒)をイオン化・分離して、各同位体のイオン化効率を測定し、対象元素のIPを決定した。この結果、原子番号の増加と共に、NoまでIPは単調に増加し、Lrで急激に小さくなる傾向を観測した。これは、5f軌道に順に電子が充填され、Noで準閉殻構造[Rn]7s5fをとり、Lrでゆるく束縛された1個の電子を最外殻軌道にもつことに対応する。この構造はランタノイド系列と類似することから、Lrでアクチノイド系列が終わることを初めて実験的に示すことができた。
佐藤 哲也; 永目 諭一郎; 塚田 和明
化学と工業, 68(9), p.824 - 826, 2015/09
103番元素ローレンシウムの第一イオン化エネルギー測定の結果、我々はローレンシウムがアクチノイド最後の元素であることを初めて実験的に証明した。その一方、得られた実験結果から推測される電子配置からは、ローレンシウムは13族に類似した最外殻電子軌道をもつことが示唆された。本研究により、ローレンシウムとルテチウムの周期表における位置に関する議論が再燃した。一連の研究成果とその後の議論について、解説する。
永目 諭一郎
化学と工業, 57(6), P. 624, 2004/06
2003年8月の国際純正応用化学連合(IUPAC)総会において、110番元素の名称をdarmstadtium(元素記号Ds)とすることが了承された。これはドイツのダルムシュタット(Darmstadt)にある重イオン科学研究所(GSI)で発見されたので、研究所のある町の名前にちなんで命名された。また最近ロシアのドブナにある合同原子核研究所で新元素115, 113番元素の合成が報告された。これら新元素の合成実験などを紹介するとともに最近の超重元素の話題を解説する。
永目 諭一郎
化学と工業, 56(1), P. 32, 2003/01
最近の超重元素合成やその核的・化学的性質に関する研究の話題を紹介する。特にドイツ重イオン研究所で合成された110,111,112番元素の評価や、ロシア,ドブナでの112,114,116番元素合成に関して解説する。またヨーロッパの核化学研究グループが108番元素ハッシウムの化学挙動を初めて調べたことなどを紹介する。
吉井 賢資; 阿部 英樹*
化学と工業, 56(7), p.802 - 804, 2003/00
新規超伝導体MgBの薄膜を、不活性雰囲気中における溶融塩からの電気化学反応により作製した。この、「MgB電気めっき法」は、簡便安価な装置により、1段階での薄膜作製を行うことができるという工業応用上の利点を持つ。本手法はまた、任意形状基板の表面に超伝導薄膜を作製できるという特長を備えている。この特長により、従来の超伝導応用技術の枠を越えた、新たな製品が創出されると期待される。
羽場 宏光
化学と工業, 54(5), P. 590, 2001/00
これまで104番元素ラザホージウムから106番元素シーボギウムまでの超アクチノイド元素に対して化学実験がなされ、それぞれ第7周期のIV族からVI族に位置づけられてきた。ところが107番元素ボーリウム(Bh)においては、化学挙動実験を行うのに十分な寿命をもつ同位体がなく、その化学挙動実験は行われていなかった。最近17秒の長い半減期をもつ同位体Bh-267が新しく合成され、早速その同位体を用いて6個のBh原子がオキシ塩化物として単離され、その揮発性が調べられた。Tc並びにReオキシ塩化物の揮発性や相対論電子軌道計算と比較することから、BhがVII族元素であることが初めて確認された。本論文ではこの実験の詳細を解説する。
西中 一朗
化学と工業, 53(5), P. 607, 2000/00
1999年に発表された114,116,118番元素の合成に関する3つの報告を''化学と工業''誌のトピックスとして紹介した。114番元素は、ロシアと米国の共同研究グループにより、ロシア・ドブナ合同原子核研究所においてPu(Ca,3n)114,Pu(Ca,3n)114反応で合成された。114(寿命30秒)は34日間の実験で1事象、114(寿命1.3秒)は32日間で2事象観察され、反応断面積は、それぞれ1pb,2.5pbであった。一方、118番元素は、米国バークレー研究所において、Pb(Ca,n)118反応で合成された。11日間の実験で3事象を観測し、反応断面積は2.2pbであった。また、116番元素116(寿命1.2ミリ秒)は、118(寿命0.2ミリ秒)の壊変系列に発見された。3つの新元素を含む新しい13核種の半減期は、Z=114とN=184の二重閉殻構造を示唆する理論計算と良く一致した。
大越 清紀; 齋藤 勇一; 田島 訓
化学と工業, 52(11), p.1409 - 1412, 1999/11
フリーマンイオン源で高融点物質のニオブ(Nb)、ボロン(B)及びシリコン(Si)等を容易にイオン化するために、化学的に安定なSFガスと固体試料を用いた新しいイオン生成法を開発した。高融点物質の多くはフッ化物になると蒸気圧が上昇する。例えばBの蒸気圧は常温ではほとんどゼロであるが、BFになると10Pa以上になる。SFプラズマ法はプラズマ生成室内に固体試料を置き、SFプラズマにより固体試料のフッ化物を生成し、そのプラズマを得るものである。これにより得られたNb,B及びSiのイオンビーム強度は、従来法(Arプラズマ)と比較するとそれぞれ200倍、13倍及び7倍であった。このようにSFプラズマ法は高融点物質を効率良くイオン化し、大強度のビームを提供することを可能にした。
永目 諭一郎
化学と工業, 51(12), P. 1906, 1998/12
最近報告された106番元素Sg及びSgの合成と半減期決定実験、ならびに超アクチノイド元素の中性子閉殻構造にもとづく安定性に関するトピックスを紹介する。
塚田 和明
化学と工業, 51(4), P. 615, 1998/00
現在、超アクチノイド元素は112番元素まで確認され、104番及び105番元素では化学的性質が調べられてきた。最近、ヨーロッパの核化学研究グループを中心とした国際的協力研究で、106番元素(シーボーギウム)の化学的挙動が初めて調べられた。その結果、シーボーギウムが周期表の6族の性質を示すことが明らかになった。ここでは、そのような106番元素の化学的性質に関する研究について紹介する。
小沢 正基
化学と工業, 50(6), 865- Pages, 1997/06
再処理廃液中のセシウムイオンに対し選択的な抽出能を有する、新しい大環状化合物、カリックスワウラン、の特性を最新の文献からレビューした。
渡辺 清*; 瀬口 忠男; 岡村 清人*
化学と工業, 49(9), p.1256 - 1258, 1996/00
1300Cの耐熱性、2GPaの強度及び10・cmの電気絶縁性を有する窒化ケイ素連続繊維を開発した。原子力施設製鉄、宇宙等の高温環境における絶縁材料として期待できる。
永目 諭一郎
化学と工業, 48(8), 946 Pages, 1995/00
最近ドイツの重イオン科学研究所(GSI)で確認された新元素110、111番元素合成に関して、実験手法ならびに得られたデータについて解説する。
佐々木 祐二
化学と工業, 45(8), p.1433 - 1434, 1992/08
超伝導状態の物質を用いての電極反応は、超伝導物質が電気抵抗0の状態をとり得る、電極内に電子ペアを含有するという独特な性質を持っており、新規な電気化学情報が得られると期待される。超伝導状態を起こし得る、極低温における電気化学測定は溶媒の種類の制限、高い溶液抵抗などのため困難であるが、この様な条件下では微小電極の採用が最も優れている。これは、極めて高い抵抗を持つ系においてもボルタモグラムの測定が可能なこと、高速の電極反応の解析可能なことなどの特徴をもつ。ここでは、臨界温度110KのBiSrCaCuO微小バンド電極を使い、常温でのボルタンメトリーに関する論文と金の微小電極を使っての15388Kにおけるボルタンメトリーに関する論文を主に紹介した。
工藤 博司
化学と工業, 45(5), p.941 - 944, 1992/00
リチウムは水素化物と類似のの化合物を形成する。しかし、最近めざましい進歩をとげている計算化学によると、水素化物の水素原子とリチウム原子との置きかえにより、従来の常識では考えられないような特異な化学結合を有するポリリチウム化分子の生成が示唆されている。筆者らは、理論的に存在が予測されているこのような分子のうち、CLi,LiO,LiO,LiS,LiS,LiPなどいくつかの超リチウム化分子の実在を確認した。本稿では、金属リチウムクラスターおよび超リチウム化分子を対象に、リチウムがつくる新しい分子種の化学結合について解説する。
久保田 益充
化学と工業, 44(8), p.1284 - 1287, 1991/00
化学と工業「ニュースから」の欄に掲載する原稿を依頼されたため、原研における群分離研究開発の状況を、特に高レベル廃液からの超ウラン元素の分離を中心に解説した。その構成は、1.はじめに、2.群分離の対象元素、3.超ウラン元素の分離法、4.群分離プロセスの研究開発、5.今後の課題からなっている。
山本 博之
化学と工業, 43(3), p.377 - 378, 1990/03
低エネルギーイオン照射下での固体表面における化学反応、照射効果等の表面現象、およびその評価に関する留意点等を中心に最近の研究例をまとめた。低エネルギーイオンを固体表面に照射した場合、特に数百eV以下のエネルギー領域では原子撹拌効果は無視し得るほど小さくなり、また表面における特異な選択性を持つ反応を引き起こすことも可能と考えられる。しかしながら、これらの現象は表面数原子層程度の極表面において生ずるために、吸着、不純物、結晶性等種々の影響を受け、その解析が困難であることが少なくない。このような現状をふまえ、最近における研究の成果と諸問題について述べた。
櫛田 浩平
化学と工業, 42(11), p.2052 - 2053, 1989/11
PWI(Plasma Firstwall Interaction)関係の文献紹介記事である。グラファイトにインプラントされたトリチウムが加熱により放出される場合、トリチウムは原子(またはイオン)状で系内を拡散し、表面で分子を形成して脱離するものという従来のイメージに対し、最近、Woellerらは、HとDを二層にインプラントした試料からの放出の様子から、局所再結合・分子拡散モデルを提唱した。さらにSawickiらは、トリチウムの加熱放出の際の深度分布の変化をT(d,)nの核反応を利用して測定し、放出の際、深度分布に変化がないことを確認し、Woellerらのモデルを検証した。
馬場 祐治
化学と工業, 42(2), p.200 - 204, 1989/02
イオンビームが固体表面で誘起する化学反応のメカニズムについて、希ガスイオンを金属に照射した場合を中心に、著者らの研究成果をまじえて解説した。