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論文

次世代原子力システムへの挑戦; 酸化物分散強化型フェライト鋼開発の取り組み

大塚 智史; 皆藤 威二

エネルギーレビュー, 39(1), p.44 - 46, 2019/01

高速炉等の次世代原子力システムの高性能化のため、高温で多量の高エネルギー中性子照射を受ける過酷環境下での使用に耐え得る先進的な材料の開発が期待されている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、将来の高速炉の長寿命燃料被覆管として酸化物分散強化型(ODS: Oxide Dispersion Strengthened)フェライト鋼の開発を進めてきた。ODSフェライト鋼を高速炉被覆管に適用することで、燃料寿命を従来材の2倍以上に延ばし、燃料交換回数および燃料費を大幅に低減することができる。また、発電効率向上に有効なプラントの高温化が可能となる。本稿では、数10年来、JAEAが世界をリードし続けてきたNa冷却型高速炉燃料用ODSフェライト鋼被覆管の研究開発について紹介する。

論文

日米協力を促進する原子力協定; 7月に30年期限を迎え自動延長

須田 一則

エネルギーレビュー, 38(10), p.38 - 41, 2018/09

日本は原子力の研究開発, 利用及び協力を実施する上で、原子力技術の保有国,資源国及びこれから原子力発電を実施する国と二国間原子力協力協定を締結してきている。その根幹となる日米原子力協力協定について、事業者の観点から、協力の起点となった1955年協定から現協定に至る変遷、米国の原子力・核不拡散政策、米国の核不拡散強化が日本に与えた影響の例として東海再処理交渉を取り上げるとともに、長年にわたる原子力の平和利用に係る政府、事業者の協力やその意義について紹介する。

論文

福島県内の原子力機構の研究施設

吉川 英樹

エネルギーレビュー, 37(10), p.13 - 14, 2017/10

福島第一原子力発電所の事故直後からの原子力機構の活動を紹介するとともに、福島県内に設置された原子力機構の研究開発施設を紹介する。

論文

三春町、南相馬市; 福島環境安全センター三春施設・南相馬施設の取り組み

菖蒲 信博

エネルギーレビュー, 37(10), p.21 - 22, 2017/10

福島第一原子力発電所の事故以降、原子力機構は福島の環境回復のための研究開発を行ってきた。ここでは、福島環境安全センターにおける主な取組として、放射線モニタリング・マッピング技術開発、放射性セシウムの長期環境動態研究、除染・減容技術の高度化に向けた技術開発等について紹介する。

論文

楢葉町; 楢葉遠隔技術開発センターの取り組み

荒川 了紀

エネルギーレビュー, 37(10), p.17 - 18, 2017/10

楢葉遠隔技術開発センターは、2013年に福島県楢葉町に設立された。本稿では、設備、研究開発、施設利用について紹介する。

論文

J-PARC核変換実験施設計画と世界の情勢

前川 藤夫; 佐々 敏信

エネルギーレビュー, 37(9), p.15 - 18, 2017/09

放射性廃棄物の低減を目指す加速器核変換駆動システム(ADS)の開発に向けて、J-PARC核変換実験施設計画、および世界のADS開発の情勢について紹介する。

論文

原子力機構における研究開発

辻本 和文

エネルギーレビュー, 37(9), p.11 - 14, 2017/09

加速器駆動システム(ADS)は、加速器と未臨界炉を組み合わせたシステムであり、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチノイドを効果的に変換することを目的としている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、ADSに関する様々な研究開発を実施している。本稿では、核変換システムとしてのADSの概要を述べるとともに、JAEAで実施中のADS関連研究開発の状況と今後の計画について紹介する。

論文

高速炉の炉心安全性試験EAGLEプロジェクト; カザフスタンとの研究協力

神山 健司; 佐藤 一憲; 久保 重信

エネルギーレビュー, 36(11), p.46 - 49, 2016/11

日本原子力研究開発機構がカザフスタン共和国国立原子力センターとの研究協力として実施してきたナトリウム冷却高速炉の炉心安全を対象とした試験研究EAGLEプロジェクトについて、研究の経緯、概要、これまでの実施状況と成果について紹介する。

論文

日本を背負う科学技術への期待; 原子力利用の課題解決と高度利用へ

大井川 宏之

エネルギーレビュー, 36(10), p.10 - 11, 2016/10

原子力機構は、原子力に係る諸問題の解決や、より高度な原子力利用の可能性開拓を目指し、福島第一原子力発電所事故への対処、原子力の安全性の向上、高速炉技術と核燃料サイクルの確立、原子力のバックエンド対策、基礎基盤研究と人材育成など、幅広い原子力の研究開発に取り組んでいる。今後、他の国立研究開発法人, 大学, 企業等との連携を強化しつつ、我が国全体としての成果の最大化を図り、日本発のイノベーション創出に貢献していきたい。

論文

放射性物質移行挙動

日高 昭秀

エネルギーレビュー, 35(9), p.20 - 24, 2015/09

原子炉が運転されると、核燃料物質であるウランやプルトニウムなどが核分裂して核分裂生成物が燃料棒中に蓄積される。炉心が溶融するようなシビアアクシデント時には、核分裂生成物を含む放射性物質が燃料から多量に放出され、原子炉冷却系内や格納容器内を移行し、格納容器が損傷または隔離機能が損なわれた場合には大気中へ放出される。放射性物質は、その間、壁などへの凝縮、重力沈降のような自然現象または格納容器スプレイのような工学的安全設備によって除去される。以上のような様々な過程を経て、環境中に放出される放射性物質の種類と量、放出のタイミングをソースタームと呼ぶ。放射性物質の移行・沈着挙動は、機構論的には、ガス状の放射性物質の付着/蒸発、エアロゾル状の放射性物質の沈着、エアロゾルの成長、工学的安全設備による放射性物質の除去に分類できる。本報では、シビアアクシデント時の放射性物質の移行・沈着挙動について概説する。

論文

福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた取り組み; 研究拠点を整備中

河村 弘

エネルギーレビュー, 35(3), p.38 - 42, 2015/03

東京電力福島第一原子力発電所の廃止措置に向けた取り組みとして、中長期ロードマップで示される研究開発の道筋、原子力損害賠償・廃炉等支援機構及び国際廃炉研究開発機構の位置づけ、福島廃炉技術安全研究所での遠隔操作機器・装置開発・実証試験施設の整備、研究開発基盤の強化として廃炉国際共同研究センターの立ち上げ等に関して報告する。

論文

核セキュリティ強化に向けて; 核セキュリティ・サミットのチャレンジと課題

千崎 雅生

エネルギーレビュー, 34(7), p.46 - 49, 2014/07

2014年3月にオランダで第3回核セキュリティサミットが開催された。核セキュリティ強化に向けての過去2回のサミットの成果をレビューし、核テロ等の国内外事例や国際的な核セキュリティ対策について記述する。また、今回のサミットにおける安倍首相ステートメントの概要、サミットの主要な成果、そして今後の課題について解説する。

論文

高レベル廃棄物を減らす超安全炉

深谷 裕司

エネルギーレビュー, 34(6), p.15 - 19, 2014/06

本質的に安全な高温ガス炉を用いた高レベル廃棄物の発生の抑制する研究に関し解説した。高次のMAが毒性として問題となるため、$$^{238}$$U以外の燃料母材を用いた燃料を想定する。候補としては、Th母材燃料高温ガス炉とYSZ-Er母材燃料高温ガス炉がある。Th母材燃料高温ガス炉ではThから発生する$$^{233}$$U, $$^{234}$$Uの毒性の問題があり、再処理が必須であるが、分離変換と同程度の毒性低減の効果が得られる。YSZ-Er母材燃料高温ガス炉では、毒性低減の効果が若干劣るものの、再処理の必要がない。これらの高温ガス炉技術では分離変換よりも少なく単純な工程で毒性の低減ができるため、技術的成立性が高く、二次的な廃棄物の発生の低減も望める。

論文

超安全炉の考え方

岡本 孝司*; 國富 一彦

エネルギーレビュー, 34(6), p.7 - 10, 2014/06

高温ガス炉の安全性を軽水炉との比較によりわかりやすく解説するともに、高温ガス炉開発の現状を紹介した。高温ガス炉では、「止める、冷やす、閉じ込める」の安全機能を追加の安全設備に頼ることなく、物理現象のみよって担保することができる。つまり、本質的に安全性が高く、運転や制御が容易であることが特長である。我が国においては、日本原子力研究開発機構と原子力産業界が、長年、高温ガス炉の技術開発を進め、大洗研究開発センター内に建設した高温工学試験研究炉(HTTR)により、世界をリードする高温ガス炉技術を構築してきた。今後は、日本における安全な原子炉として建設や開発をすすめるとともに、日本の戦略的技術として世界中に輸出していくことも可能である。

論文

医療用モリブデン; 供給側から見た国産化への取り組み

谷本 政隆; 土谷 邦彦

エネルギーレビュー, 32(5), p.7 - 10, 2012/05

テクネチウム-99m($$^{99m}$$Tc)は放射性医薬品として核医学の分野で最も多く用いられており、核医学診断の80%以上を占めるに至っている。$$^{99m}$$Tcはウラン-235($$^{235}$$U)からの核分裂及びモリブデン-98($$^{98}$$Mo)をターゲットにした中性子照射によって生成されるモリブデン-99($$^{99}$$Mo)から得られる。世界的に$$^{99}$$Moの需要が高まる中、最近になって$$^{99}$$Moの供給不足が懸念されており、とりわけ$$^{99}$$Moを製造しているカナダ等における原子炉の停止やアイスランドでの火山噴火による空路障害により$$^{99}$$Moの供給に影響が出た。本報告書は、こうした供給不足を解決するため国内における安定供給に向け、JMTRを用いた(n,$$gamma$$)法によるMo製造についての技術開発の現状について述べたものである。

論文

原子力機構の福島における環境修復等対応活動

石田 順一郎

エネルギーレビュー, 32(3), p.28 - 31, 2012/03

日本原子力研究開発機構は、その人材・研究施設を活用し最大限の貢献を果たす観点や東電福島第一原子力発電所事故に対する中長期的な対応の観点から、2011年5月当初に理事長を本部長とする「福島支援本部」を設置した。同年6月末には福島市内に、現在の「福島環境安全センター」の前身である福島事務所を設置し、(1)福島地区における関係機関との連絡・調整及び協力、(2)環境修復,、(3)放射線モニタリング・マッピング、(4)遠隔放射線測定技術の開発、(5)放射性物質の環境動態、線量解析等の研究等を行ってきている。本稿では、これら一連の業務のうち、特に、上記(2)及び(3)について概説する。

論文

原子力施設の廃止措置とは何か,6; 廃止措置に必要な技術

柳原 敏

エネルギーレビュー, 30(10), p.54 - 55, 2010/10

廃止措置にかかわる作業はさまざまな技術の組合せによって実施される。この際、考慮すべきことは、作業者の安全(放射線安全及び工業安全)を確保すること、廃棄物の発生量を抑える等環境への負荷をできる限り低減すること、合理的な作業の実施により費用を抑えることなどである。廃止措置に必要となる技術は、施設特性の評価,機器・構造物の解体,除染技術,放射性廃棄物の処理処分技術に分類することができる。また、廃止措置プロジェクトの資源量,費用,工程,リスク評価などの評価を含むプロジェクト・マネイジメントは重要な課題である。本報告ではこれらの技術について概説する。

論文

使用済み核燃料からの有用な稀少金属の活用を考える

小澤 正基

エネルギーレビュー, 30(5), p.42 - 46, 2010/05

使用済み核燃料中の白金族や希土類などのレアメタルについて概説した。生成量,属性並びに分離・利用研究の現状と課題について述べ、研究開発の充実や核燃料サイクル構想自体の転換を提唱した。

論文

低炭素社会実現のオプション; 核融合発電2100年原子力ビジョンを踏まえて

菊池 満

エネルギーレビュー, 29(5), p.7 - 10, 2009/05

原子力機構が2008年10月に発表した提言「2100年原子力ビジョン」を踏まえて、核分裂と核融合の利点と欠点,ビジョンにおける核融合の役割,核融合エネルギーをどう実現するかについての解説を行っている。2100年原子力ビジョンでは、低炭素社会の実現のために、再生可能エネルギー,核分裂エネルギーに加え、核融合エネルギーを実用化し、二酸化炭素排出量を9割削減するとしている。このためには、長期的観点から実験炉,原型炉を経て実用化を進める必要がある。このための次の一歩として実験炉の建設,幅広いアプローチ活動について紹介している。

論文

FBRサイクル実用化に向けて; 国家基幹技術として開発推進

永田 敬; 水田 俊治; 名倉 文則

エネルギーレビュー, 29(5), p.11 - 14, 2009/05

高速増殖炉(FBR)は、高速の中性子を利用し、天然ウラン中に99.3%含まれる核分裂しないウラン238を核分裂するプルトニウム239に効率よく変換することでウラン資源の利用効率を飛躍的に高め、消費した以上の燃料を生み出すいわゆる増殖により、1000年規模のエネルギー源になりえると期待されている。エネルギー資源の乏しい我が国において、FBRの開発に取り組むことは、我が国のエネルギー安定供給に大きく貢献するものである。FBRのもう一つの優れた特長は、使用済燃料に含まれる半減期の長い放射性物質(マイナーアクチニド(MA))を効率的に核分裂させ燃料として利用できることである。MAをFBRサイクル内に閉じ込めることで、高レベル放射性廃棄物の発熱量を低減し発電量あたりの発生量を低減できるだけでなく、潜在的な有害度を低減させることが期待されている。このようなFBRサイクルの特長から、国は2006年3月に定めた第三期科学技術基本計画において、FBRサイクル技術を国家基幹技術の一つに指定し、今後我が国の総力をあげて推進することにしている。

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