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迫田 晃弘; 石森 有
保健物理(インターネット), 59(3), p.109 - 117, 2024/09
WHOやICRPなどの国際機関は、屋内ラドン被ばくに対する参考レベルを100300Bq/m
の範囲で勧告している。日本では、屋内ラドン濃度は概して低く、国の行動計画や参考レベルは今のところ設定されていない。本研究の目的は、日本人集団における屋内ラドンのリスクを評価し、肺がん死亡者数の減少の観点から、参考レベルの有効性を議論することである。米国環境保護庁(EPA)のモデルを用いて、最近の日本の人口統計データや喫煙率などを用いて、喫煙経験者と非経験者の生涯リスクと集団寄与割合を算出した。その結果、100Bq/m
以上の曝露群における肺がん死亡者数は非常に少ない(2020年には10人以下)ことが示された。すなわち、100Bq/m
の参考レベルを設定しても、統計的に有意な肺がん死亡の減少は観察できないと考えられる。このようなリスク評価結果から期待される国の対応は、新たな規制を導入することよりも、自らのリスク認知と生涯リスクの管理のための対策を考える個人を支援することにあると考える。また、より良い公衆衛生のために、ラドンだけでなく他の予防可能なリスク因子に関する情報にも基づいた総合的な議論と判断が望まれる。
山田 椋平*; 玉熊 佑紀*; 桑田 遥*; 三枝 裕美*; 渡邊 裕貴; 廣田 誠子*; Jin, Q.*; Cai, Y.*
保健物理(インターネット), 58(3), p.169 - 177, 2023/11
本報告は、2023年6月29日と30日の2日間にわたり開催された第1回日本保健物理学会・日本放射線安全管理学会合同シンポジウム(オンライン)の概要について報告するものである。
保田 浩志*; 齋藤 龍郎; 麓 弘道*; 菅原 慎悦*; 土田 昭司*; 笠井 篤*; 古田 定昭*
保健物理(インターネット), 58(3), p.120 - 134, 2023/11
本稿は日本保健物理学会の下に設けられた「人文・社会科学的視点から考察する自然起源放射性物質含有廃棄物の取扱い専門研究会」(以下、専研)活動報告の概要であり、取り上げた主要なテーマである3件「1.ウラン廃棄物処分の現状と理工学的な課題」、「2.ウラン廃棄物処分に関わる倫理的な問題」、「3.超長期評価の信頼性をどう確保するか」の1件目についての抜粋である。本専研では、まず、ウラン廃棄物の濃度に応じた処分方法に係るオプションについて、特に、十分に少ないウラン量(天然起源のウラン親核種であるU,
U及び
Uの総計が平均1Bq/g)を超える濃度のウランについて、国内及び海外(米国、英国)で採用又は検討されている方策のレビューを行った。
佐川 直貴; 藤澤 真; 細見 健二; 森下 祐樹; 高田 千恵
保健物理(インターネット), 58(3), p.135 - 140, 2023/11
作業環境中の空気中放射性物質濃度は、作業者の内部被ばくの防護(呼吸保護具の選定)や線量評価のために重要な測定値である。福島第一原子力発電所の廃炉作業のように空気中放射性物質濃度が10Bq/cm
(
Srの空気中濃度限度の約30倍相当)を超えることが想定される作業環境を連続的に監視することを目的として、超極薄のプラスチックシンチレータを用いた高濃度用可搬形
線ダストモニタを開発した。試作機による性能試験の結果から、開発した可搬形
線ダストモニタは、1Bq/cm
の空気中放射性物質濃度における連続モニタリングが可能であると評価した。
北村 哲浩; 平野 宏志*; 吉田 将冬; 武内 健太郎
保健物理(インターネット), 58(2), p.76 - 90, 2023/08
現在原子力機構核燃料サイクル工学研究所プルトニウム燃料技術開発センターのプルトニウム燃料第二開発室は廃止措置に移行しており、約20年前から不稼働グローブボックスの解体撤去進めている。本稿ではこの20年の間に進めてきた解体撤去作業の実績について解説する。また、この過程で経験したいくつかの不具合事象やトラブルの概要を示すとともに、それらにどのように対応してきたかを紹介する。さらに解体作業中の被ばく管理の具体的な内容を示し、作業者の放射線管理について概観する。
柴沼 智博; 平野 宏志*; 木村 泰久; 會田 貴洋; 吉田 将冬; 永井 佑哉; 北村 哲浩
保健物理(インターネット), 58(2), p.91 - 98, 2023/08
原子力機構プルトニウム燃料技術開発センターは、簡易に組み立てられる緊急避難用グリーンハウス(GH)を開発した。本稿では本GHを開発するに至った背景について述べた後、従来の緊急避難用GHの具体的な問題点を整理し、それらをどのように改良・改善し新たなGHを開発したかを説明した。また、本GHを実際に運用することで出現した新たな問題点についても触れ、施した更なる改良・改善内容を紹介した。
吉富 寛; 真辺 健太郎; 越智 康太郎; 河野 恭彦; 佐々木 道也*; 吉田 浩子*
保健物理(インターネット), 58(2), p.105 - 111, 2023/08
2023年2月7日sim
11日にムンバイ(インド)で、第6回アジア・オセアニア放射線防護会議(AOCRP6)が開催された。本稿では、会議の概要や一般講演内容等について報告する。
高原 省五; 飯本 武志*; 五十嵐 隆元*; 川端 方子*
保健物理(インターネット), 58(2), p.50 - 58, 2023/08
日本保健物理学会は、日本保健物理学会誌に掲載された福島第一原子力発電所(1F)事故に関連する論文から知見を得るため、ワーキンググループを立ち上げた。本論文は、リスクコミュニケーション、環境測定・モニタリング、放射線量測定・評価、放射線医学、放射性廃棄物の分野に分類されない47編の論文についてレビューを行った結果について述べたものである。レビューされた論文には、著者の立場や発表時期における社会的関心によって、様々な知見や問題点が存在する。これらの知見や問題意識と向き合い、「保健物理学とは何か」、「放射線防護とは何か」を慎重に考えることが、今後の保健物理学会の発展に重要である。
中嶌 純也; 廣田 誠子*; 辻 智也; 渡邊 裕貴; 迫田 晃弘; 小林 紀子*
保健物理(インターネット), 58(1), p.13 - 20, 2023/04
本報告は、内部被ばく線量評価に関する国際放射線防護委員会の最新の勧告書であるOccupational Intakes of Radionuclidesシリーズ1-5で用いられているモデル,条件,仮定などを理解することを目的として、日本保健物理学会若手研究会で実施した「ICRP内部被ばく線量評価に関する勉強会」に関するものである。
安岡 由美*; 藤田 博喜; 辻 智也; 辻口 貴清*; 佐々木 道也*; 宮崎 寛之*; 橋間 俊*; 保田 浩志*; 嶋田 和真; 廣田 誠子*
保健物理(インターネット), 57(3), p.146 - 155, 2022/12
本報告は、2022年6月28日と29日の2日間にわたり開催された日本保健物理学会(JHPS)の2022年度企画シンポジウムの概要について報告するものである。なお、今回の企画シンポジウムはオンライン会場を主としつつも、希望者が集まって顔を合わせながら接続できる会場が設置されるハイブリッド開催の運びとなり、対面の良さとオンラインの手軽さの両方の利点を上手く活かせたシンポジウムであった。
浅川 潤; 平野 宏志*; 永井 佑哉; 會田 貴洋; 柴沼 智博; 木村 泰久
保健物理(インターネット), 57(2), p.93 - 101, 2022/09
核燃料物質取扱施設において、放射性物質により汚染されたグローブボックス解体撤去作業はグローブボックス全体をビニル製のテントで覆い、テントの内部でエアラインスーツ(以下、「AFS」という。)を着用した作業者(以下、「AFS作業者」という。)が切断工具等を用いて解体を行う。作業においてAFS作業者の体調が急変し自律的な移動が困難な場合、人命尊重の観点から最短時間で退域させる必要がある。この場合、多くの放射性物質が汚染コントロール室に持ち込まれ、室内及び作業者の装備が汚染される可能性がある。その結果、除染が完了するまでの間、待機を余儀なくされたもう一方のAFS作業者に身体的負荷が高いAFSを長時間着用させることとなる。本報告では汚染された汚染コントロール室に代わる新たな汚染コントロール室として、先般原子力機構において開発された身体汚染対応用GHを用い、残されたAFS作業者を速やかに退域させる手順を提案した。その結果、身体汚染対応用GHを用いることで、従来待機を余儀なくされたAFS作業者の待機時間の大幅な短縮が可能であることを確認した。
迫田 晃弘; 辻 智也; 廣田 誠子*; 渡邊 裕貴
保健物理(インターネット), 57(2), p.108 - 114, 2022/06
2021年に国際放射線防護委員会(ICRP)は、現在の主勧告であるICRP Publ.103(2007年勧告)の更新に向けて、放射線防護体系の見直しと改訂に着手したことを発表した。そこで本稿では、とりわけ若手の研究者・技術者の関心の向上を目的に、次の2点を報告する。(1)ICRP主委員会と各専門委員会などに参画する我が国メンバーによる討論、(2)保健物理・放射線防護分野の若手が関心を持つ放射線防護のテーマ
外間 智規; 大音師 一嘉*; 片岡 憲昭*
保健物理(インターネット), 57(1), p.65 - 69, 2022/03
本報告は、2021年9月11日に開催された日本保健物理学会シンポジウム「変わりつつある医療放射線防護;マネージメントシステムと生殖腺防護」の概要をまとめたもとのである。医療放射線防護のうち、特に放射線防護マネージメントシステムと生殖腺防護をテーマとして、現状の課題や解決に向けた考えについて示した。
島田 太郎; 根本 宏美*; 武田 聖司
保健物理(インターネット), 57(1), p.5 - 29, 2022/03
原子力発電所等の運転や廃止措置に伴って管理区域から発生する資材等のうち、放射能濃度が低く、人の健康への影響がほとんどないものについては、クリアランス制度によりその規制から外れて、再利用または産業廃棄物としての処分が可能である。2020年にクリアランス対象物の種類が撤廃され、金属くず、コンクリートくず等以外にもクリアランスすることが可能となった。原子力施設の解体で発生するアスベスト廃棄物もその一つであるが、廃棄物処理法に基づき、特別管理産業廃棄物として処理・処分されるため、これらの過程での被ばくにより現行のクリアランスレベルを下回るような濃度レベルにならないことを確認する必要がある。そこで、アスベスト廃棄物がクリアランスされた後の処理,溶融後再利用,埋立について被ばくシナリオを構築して、33核種について公衆の被ばく線量を評価し、その結果に基づいてクリアランスの線量基準である10Sv/yに相当する濃度を算出した。その結果、原子力安全委員会が金属くず、コンクリートくずに対して算出した10
Sv/y相当濃度に対して1桁以内の値となり、対数丸め値は現行のクリアランスレベルを下回る核種はなかったことから、現行のクリアランスレベルを適用できることが確認された。
渡邊 裕貴; 辻 智也; 廣田 誠子*; 外間 智規; 中嶌 純也; 辻口 貴清*; 木村 建貴*; 小池 弘美*; 中村 夏織*; 桑田 遥*; et al.
保健物理(インターネット), 57(1), p.54 - 64, 2022/03
本報告は、2021年12月1日から12月3日の3日間にかけて開催された第3回日本放射線安全管理学会・日本保健物理学会合同大会の概要について報告するものである。なお、本大会は、日本放射線安全管理学会第20回学術大会、日本保健物理学会第54回研究発表会にあたり、金沢市で実施される予定であったが、COVID-19の感染状況を鑑み、Webでの開催となった。
高橋 知之*; 深谷 友紀子*; 飯本 武志*; 宇仁 康雄*; 加藤 智子; Sun, S.*; 武田 聖司; 中居 邦浩*; 中林 亮*; 内田 滋夫*; et al.
保健物理(インターネット), 56(4), p.288 - 305, 2021/12
日本保健物理学会専門研究会「放射性廃棄物処分に係わる生活圏被ばく評価に用いられるパラメータ調査」に係る活動の成果を報告する。
片岡 憲昭*; 中嶌 純也; 大津 彩織; 高橋 映奈; 高宮 圭; 梅田 昌幸; 西小野 華乃子*
保健物理(インターネット), 56(1), p.28 - 31, 2021/03
2019年9月7日に日本保健物理学会若手研究会が開催した合同勉強会(千代田テクノル、ガラスバッチ測定センター)について報告するものである。
山田 椋平; 河野 恭彦; 中嶌 純也; 廣内 淳; 辻 智也; 梅田 昌幸; 五十嵐 悠*; 小池 弘美*
保健物理(インターネット), 56(1), p.32 - 38, 2021/03
本報告は、日本保健物理学会若手研究会・学友会が2010年から取り組んできた社会コミュニケーション活動である千葉市科学フェスタ(2010年は「科学技術カフェシエスタ
」)への出展について、10回目の出展を機に、出展当初の経緯を振り返りつつ、近年の活動について取りまとめたものである。
中野 政尚
保健物理(インターネット), 56(1), p.17 - 25, 2021/03
東海再処理施設は1977年にホット試験を開始した日本で初めての再処理施設であり、2007年5月までに1140トンの使用済核燃料を再処理してきた。その際には気体及び液体放射性廃棄物を環境へ放出している。その中でもヨウ素-129(I)は環境影響評価上重要な核種の一つと位置づけられるため、排気及び排水中
Iを管理するとともに、環境試料中
Iの精密分析法の開発や環境中の
I濃度調査等を行ってきた。本報告では、それらの概要について紹介する。再処理施設における
Iに限らず、原子力事業者はALARAの精神で環境への放出量を低減するとともに、環境モニタリング手法や評価法等の更なる高度化に絶えず取り組んでいくことが、施設周辺住民の安全安心感を醸成するために不可欠である。
吉田 浩子*; 黒田 佑次郎*; 河野 恭彦; 内藤 航*; 迫田 晃弘
保健物理(インターネット), 55(4), p.257 - 263, 2020/12
日本保健物理学会では「福島第一原子力発電所事故後のPublic Understandingの取り組みに関する専門研究会(PU専研)」を設置し、2018年度から2年間にわたり、福島事故後に行われてきたPublic Understanding促進のさまざまな取り組みを収集・解析することにより、事故後の信頼が失われた状況における科学の公衆理解のあり方や専門家はどのような心構えや態度で公衆に対応すべきか等について議論を重ねてきた。本稿では、日本保健物理学会第53回研究発表会(WEB大会)で開催された本専門研究会のパネルセッションを概説する。本セッションは、(1)これまでのPU専研の成果報告、(2)指定発言者として招聘した社会学や倫理の専門家からPU専研の成果報告に対するコメント、(3)PU専研のサブグループリーダー3名と指定発言者2名をパネリストとした議論、(4)ラポータによる報告で構成されていた。