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福田 真平; 澤邊 祐希; 鈴木 隆洋*; 石山 達也*; 川瀬 雅人*; 伊藤 雄一; 加藤 裕子; 吉位 明伸; 菊澤 信宏; 大内 伸夫
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1122 - 1125, 2014/06
J-PARC LINACは、2014年にセシウム添加高周波駆動負水素イオン源(RFイオン源)のインストールが予定されている。また、同じく2014年に現在のRFQに替えてRFQ IIIへの換装も予定されている。現在J-PARC LINAC棟にて、RFイオン源とRFQ IIIの共同のテストスタンドを組み、ビーム加速試験を行うべく準備を進めている。J-PARC制御グループでは、これらテストスタンドにもJ-PARC加速器と同等の加速器制御環境が必要であると考え、制御系をデザインした。具体的には、機器を保護するためのMPS(Machine Protection System)の導入や機器を遠隔制御するためのEPICS環境の実装、各加速器構成機器へタイミング信号を送るためのタイミングシステムの構築である。本発表では、テストスタンドにおける制御系の構築について報告する。
沢村 勝; 永井 良治; 西森 信行; 羽島 良一
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.956 - 959, 2014/06
エネルギー回収型リニアック(ERL)とレーザーを組み合わせた核物質の非破壊核種分析検査システムを提案している。核保障措置及び核セキュリティのためのシステムを構築するには加速器を小さくすることが重要であり、コンパクト化に有利なスポーク空洞を検討してきた。スポーク空洞は空洞間隔を短くできることや、マイクロフォニックスによる空洞周波数の変動も小さいこと、セル間のカップリングが強く電界分布調整が容易なことなどERL加速器として用いる場合に利点が大きい。これまでMW-STUDIOを用いた空洞形状の最適化やHOMカップラーの計算など各コンポーネントの設計を行うとともに、アルミニウム製のスポークモデル空洞を用いてスポーク空洞の高周波特性の測定等を行ってきた。超伝導加速器を運転するには冷凍機が必要となるが、実用性を考慮して4Kヘリウムで運転可能な325MHzのスポーク空洞の開発を計画している。平成25年度からニオブを用いた3セルスポーク空洞試作機の製作に着手し、数年後の縦測定での性能試験を行う予定になっている。
篠江 憲治*; 阪井 寛志*; 梅森 健成*; 江並 和宏*; 佐藤 昌史*; 古屋 貴章*; 沢村 勝; Cenni, E.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.950 - 952, 2014/06
高エネルギー加速器研究機構ではERL開発棟でコンパクトERLの建設が進められている。2012年には、2台の9セルキャビティを納めた、主加速部冷凍機モジュールが組み立てられ主加速部モジュールのハイパワー試験が行われた。ここでは、モジュール組み立ての際、キャビティの中心位置を計測するため、光学式ターゲットをキャビティ治具に取り付け、冷却していく過程でのキャビティの中心位置の変化や冷却状態での中心位置を、テーラーホブソン社のアライメントテレスコープを用いて計測を行ったのでその結果について報告する。
竹内 保直*; 沢村 勝
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.597 - 601, 2014/06
SiCセラミックスの製品の中には、常温において、マイクロ波領域で、比較的大きな誘電率(実数部,虚数部とも)を持つものが存在することが知られており、加速空洞の高調波(HOM)減衰器や、マイクロ波終端負荷に電波吸収体として応用されている。特に、KEKB-ARES空洞の溝付ビームパイプ型HOM減衰器で使用されているSiCセラミックスは、マイクロ波領域で典型的な緩和型誘電分散特性を有していることが確認されている。そして、この特性は、SiCセラミックスが持つ「低抵抗結晶粒内と高抵抗結晶粒界」の構造によって説明されている。今回、われわれは、この誘電率発現機構のモデルを検証することを目的として、このSiCセラミックスの高周波誘電特性を40-300Kの範囲の温度で測定した。その結果、温度の低下とともに、緩和時間が増加していると解釈できる結果を得た。この結果は、今までの誘電率発現機構モデルの説明に一致するものである。本報告では、これらの測定の結果に基づいて、SiCセラミックスの高周波誘電特性について議論する。
佐藤 昌史*; 梅森 健成*; 江並 和宏*; 阪井 寛志*; 篠江 憲治*; 古屋 貴章*; 沢村 勝; Cenni, E.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.973 - 976, 2014/06
加速空洞は内部の幾何学的形状によりRF共振周波数が定まるが、超伝導加速空洞のQ値は高く、機械振動が加わり内部形状が変化すると共振周波数が変化し、RF運転が不安定になることがある。cERL建設作業と並行して、9セル超伝導加速空洞の機械的振動モードを調査した。
阪井 寛志*; 梅森 健成*; 江並 和宏*; 佐藤 昌史*; 篠江 憲治*; 古屋 貴章*; 沢村 勝; Cenni, E.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.212 - 216, 2014/06
高エネルギー加速器研究機構(KEK)のERL開発棟ではコンパクトERL(cERL)の建設が進められている。主加速器部は2012年までにcERL用の2空洞入りのクライオモジュールに必要な2台の1.3GHzの9セル超伝導空洞、2台の入力カプラー、3台のHOM吸収体、2台のメカニカルチューナーなど各コンポーネントの製作し、特に空洞の要求値である15MV/mにてQ0が1E10を超える値が測定された。これら各要素の性能評価を行った後、2012年秋まで、クライオモジュールの製作,組立を行った。2Kの冷却開始、2Kでのチューナーなどの動作確認などを行った後に、2週間でハイパワーテストを行った。2空洞とも最大電圧として16MVのCW加速電圧印加を確認したが、高電圧にて、強いフィールドエミッションが観測された。また、長期的には、13.5-14MVの加速電圧にて、両空洞ともに1時間以上の持続可能であることを確認した。本発表ではcERL主空洞クライオモジュールでのハイパワー試験での詳細な結果と今後について述べる。
江並 和宏*; 古屋 貴章*; 阪井 寛志*; 佐藤 昌史*; 篠江 憲治*; 梅森 健成*; 沢村 勝; Cenni, E.*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.602 - 604, 2014/06
現在、ERL(3GeVクラス)の要素技術・測定技術を獲得するため、compact ERL(35200MeV)の開発が進められている。その一環として、われわれは1.3GHz超伝導空 洞からなるcompact ERL Main Linacのクライオモジュール製作に向けてR&Dを進めている。本報ではその構成部品の一つであるKEKスライドジャッキチューナの 低温特性試験を行った。本チューナはスライドジャッキによるメカニカルな 粗動とピエゾによる微動により周波数チューニングする機構を持つ。特性試験用 のモデルチューナを用いて、駆動に関して基本的な要求仕様を満たしている事と 幾つかの改善点を確認した。これらの結果を元に、実機用チューナではcompact ERLでの使用に適応した装置改善を行った。実機用チューナの基本特 性試験及びモジュールに組み付けての低温実験を行い、目標周波数1.3GHzに チューニング可能であることを確認した。
原田 寛之; 明午 伸一郎; 白形 政司*; 佐藤 洋一*; 田村 文彦; 手島 昌己*; 橋本 義徳*; 五十嵐 進*; 小関 忠
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.39 - 43, 2014/06
J-PARC 3-50BTは、速い繰り返しのシンクロトロン(3GeV RCS)から出射されたビームを遅い繰り返しのシンクロトロン(MR)に輸送するビームラインである。空間電荷効果などビームのエミッタンスやハローを増加させる複合的な要因は、大強度の陽子ビームでは強度が増加するにつれて、非線形に増加する。加えて、MRの物理アパーチャは81mm mradであり、RCSの486
mm mradと比較して小さい。そのため、一般的なビーム輸送ラインの役割とは異なり、3-50BTではコリメータエリアを要し、ビームを所定のエミッタンスまで削る機能を有する。加速器を安定に運転するためには、3-50BTのコリメータ性能を十分に発揮に発揮させることが不可欠であり、そのためには3-50BTでの光学系を把握並びに調整する必要がある。本講演では、3-50BTにおける光学系の測定手法を紹介し、測定結果と計算モデルに基づいた調整結果を報告する。
菅沼 和明; 富樫 智人; 金正 倫計
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.870 - 872, 2014/06
J-PARC 3GeVシンクロトロン用キッカーテストスタンドでサイラトロンCX2004Xの検査を開始した。CX2004Xは現在使用中のCX1193Cに比べ重水素ガスの充填量が多く長寿命化が見込まれている。長寿命化の可能性を調べるため重水素ガスタンクに付随するヒーターの電圧-電流の関係を調べた。結果、CX1193Cとはヒーターの特性が異なるものの、ヒーターの結線の変更のみで寿命の延長が可能となると考えられ、サイラトロンの保守時間の低減に貢献できる見通しを得た。
永井 良治; 羽島 良一
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.781 - 783, 2014/06
エネルギー回収型リニアック加速器技術を基盤としたレーザーコンプトン散乱による線源を用いた非破壊核種分析システムの開発を行っている。これまで以上に単色性の優れた
線源が実現できれば、この分析システムの精度を飛躍的に向上でき、核内励起状態の探求といった新たな分野を切り開くことも可能となる。そこで、放物面鏡を用いた非対称型ファブリペロー共振器をレーザーコンプトン散乱用の光共振器として利用した、単色
線の発生法を提案している。本報告では、この光共振器を実現するために必要とされる面精度及びアライメント精度を明らかにするために、レイトレイス法用いて面精度(加工誤差)及びミスアライメントの影響についての評価を行ったので、その結果について報告する。
田村 潤; 青 寛幸; 根本 康雄; 浅野 博之*; 鈴木 隆洋*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.437 - 439, 2014/06
J-PARCリニアックでは、そのビームエネルギーを181MeVから400MeVに増強することを計画している。これは、リニアック下流部にACS空洞を25台設置することにより行う。このエネルギー増強に向けてACS空洞の大電力試験を行っていたが、2011年3月11日の震災により中断することとなった。2012年度末に施設の主な復旧工事が完了し、中断していた大電力試験を再開した。これまで、2台の空洞について大電力試験を行い、コンディショニングには1台あたり約60時間かかった。これは震災前に行われた他の空洞と同程度であり、大きな問題なく定格以上の電力を投入することができた。コンディショニングが進むにつれ、空洞内での放電頻度及び圧力が低下することも確認できた。加速器トンネルに空洞を設置した後、400MeVビーム試験の前にさらにコンディショニングを行うことにより、より安定に電力を投入できることが期待できる。ここでは、再開したACS空洞の大電力試験及び設置計画等について報告する。
前原 直; Antonio, P.*; 市川 雅浩; 高橋 博樹; 鈴木 寛光; 杉本 昌義
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.561 - 563, 2014/06
IFMIF/EVEDAの原型加速器では、共振周波数175MHzを採用したRFQ線形加速器(0.1-5.0MeV-130mA)の開発を進めている。このRFQでは、8つのRFインプットカプラーを用いてトータル1.38MWの高周波電力入力が要求され、6 1/8インチ同軸導波管をベースにループアンテナを採用した定常化(CW)運転RFインプットカプラーの開発を行っている。ループアンテナの大きさは、実機モデルを模擬した長軸アルミRFQ(L=9.8m)を用いたカップリングファクターの測定により決定した。またCW運転での高周波損失による発熱を除去するためにループアンテナ内部に冷却チャンネルを設けて、ループアンテナでの300Wレベルの熱負荷に対して水冷方式にて数kWレベルの十分な熱除去を可能とした。さらにループアンテナ構造を持つRFインプットカプラーの高周波伝送試験のために、新たにカップリングキャビティを設計し、カップリングキャビティに2つのRFカプラーを接続してRF伝送試験を開始した。本講演では、IFMIF/EVEDA原型加速器のRFQ線型加速器のRFインプットカプラーとカップリングキャビティの工学設計について発表する。
菊澤 信宏; 吉位 明伸; 池田 浩; 加藤 裕子
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.230 - 234, 2014/06
J-PARCにおいては多数の機器により制御されており、Linac, RCSに関して約64000点にも及ぶEPICSレコードのデータを収集している。現状ではRDBMSのPostgreSQLを利用したシステムにてデータアーカイブを行っているが、性能や拡張性に対する諸問題に対応するため、分散処理フレームワークのHadoopと分散データベースのHBaseを利用した次世代アーカイブシステムについて検討し、テストシステムの実装と利用を行っている。このテストシステムの結果について報告する。
川瀬 雅人*; 高橋 博樹; 加藤 裕子; 菊澤 信宏; 大内 伸夫
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.731 - 734, 2014/06
J-PARC LINAC/RCSでのデータ収集は、EPICS Channel Accessで得た時系列データの収集と、ビームに同期した波形データ収集の2種類ある。時系列データはIOCから得たデータ収集時刻をタイムスタンプとしてPostgreSQLによるデータベースに格納している。一方、ビームに同期した波形データは、Wave Endless Recorder (WER)によって収集している。WERでは入力されるトリガをカウントし、上位層でこのトリガ番号を管理するトリガカウンタを開発し、LAN経由で複数台のWERのトリガ番号を同期することが可能となっている。現在、この波形データ同期システムを本格導入するために、テストベンチによる検証を進めている。本発表では、波形データ同期システムの検証結果と将来の収集システムの構成などについて報告する。
平野 耕一郎; 伊藤 崇; 近藤 恭弘; 篠崎 信一; 千代 悦司; 三浦 昭彦; 森下 卓俊; 池上 雅紀*; 久保田 親*; 杉村 高志*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.858 - 861, 2014/06
J-PARCリニアックの運転パラメータは、ピーク電流17mA、マクロパルス幅500s、繰り返し25Hz、ビームエネルギー181MeVである。マクロパルスビームは、RFQ下流のMEBT領域にあるRFチョッパ空洞の電界によって、その一部が蹴りだされ、櫛形構造を持つビームに整形される。この整形されたビームは、パルス幅600nsの中間パルスが1066nsの間隔で並んだ構造である。一方、蹴りだされたビームは、RFチョッパ空洞から約70cm離れた場所にあるスクレーパに負荷される。今後、イオン源、及び、RFQの改造、並びに、加速管の増設を行い、ビーム電流を50mA、ビームエネルギーを400MeVに増強する計画である。ビーム電流を50mAに増加すると、ビームがチョッパ空洞の電極やビームパイプにあたるシミュレーション結果が得られている。また、スクレーパの損傷が懸念される。そこで、ビーム電流50mAに対応したMEBTビームラインに改造する計画である。今回は、チョッパ空洞やスクレーパ等に関するチョッパシステムの改造について報告する。
田村 文彦; 山本 昌亘; 大森 千広*; 吉井 正人*; Schnase, A.*; 野村 昌弘; 冨澤 正人*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.125 - 129, 2014/06
J-PARC MRでの遅い取り出しにおいては、陽子ビームをデバンチさせるためにRF電圧をオフにする必要がある。ビームが十分にデバンチするまでの間、空胴のインピーダンスにより、加速ギャップにウェーク電圧が発生し、ビームは運動量を失う。J-PARC MRでは比較的低いビームパワーでも 有意な運動量ロスを観測している。運動量のロスが大きくなると、クロマティシティの効果によりチューンの広がりが大きくなり、取り出し効率を下げる原因となることが判明している。高い取り出し効率を保ちつつビームパワーを上げるためには、デバンチ過程での運動量ロスの低減が必須である。本発表では、運動量ロスの実際について報告するとともに、その対策について報告する。RFフィードフォワード法を用いたビームローディング補償により、20kWのビームパワーにおいても運動量ロスを大幅に低減させることに成功し、99.5%の高い取り出し効率を達成した。
小栗 英知
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.313 - 317, 2014/06
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対するビーム利用運転を行うとともに、これと並行してビームパワー増強計画を進めている。ここ1年間のビーム利用運転では、リニアックは深刻なトラブルはなく比較的安定に動作している。ビーム電流については、今までは17mAで運転していたが、ビームユーザからの要請により現在では約19mAを基本としている。ビーム電流増加の影響で、イオン源で使用しているフィラメントが運転中に一度断線したが、これにより断線の予兆や寿命に関する知見が得られた。加速空洞の一つであるドリフトチューブ型リニアック2号機に使用しているクライストロンの放電頻度が運転中に上昇したため、ビーム利用運転後の1日間のメンテナンス時に新品と交換して対処した。その結果、交換前と比較して頻度は1/10程度まで減少した。ビームの縦方向の広がりを観測するために、ロシアINRと共同でバンチシェープモニタを開発し、現在、リニアックの181MeVビームを使ってその動作試験を行っている。本学会では、ビーム利用運転等で得られたリニアックに関する技術的知見と、ビームパワー増強計画について報告する。
三浦 昭彦; Feschenko, A. V.*; Mirzojan, A. N.*; 宮尾 智章*; 大内 伸夫; 小栗 英知; 長谷川 和男; 池上 雅紀*
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.705 - 708, 2014/06
J-PARCリニアックでは、ACS(Annular Coupled Structure)加速空洞を用いて、現在の181MeVから400MeVまでビームエネルギを増強するプロジェクトが進行している。現在、J-PARCリニアックで採用している加速空洞のRF周波数は324MHzであるのに対し、ACS加速空洞は972MHzである。このため、ACS加速空洞に入射する際には、位相(縦)方向のマッチングが重要である。そこで、ロシア原子力研究所(INR)と共同で、縦方向のビームプロファイルを測定するためのバンチ・シェイプ・モニタの開発を実施した。ここでは、開発したモニタの構造等を紹介するとともに、モニタの性能評価のために測定した結果の一部を紹介する。
宮尾 智章*; 三浦 昭彦; 近藤 恭弘; 森下 卓俊; 杉村 高志*; 大内 伸夫; 小栗 英知; 丸田 朋史*; 内藤 富士雄
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1049 - 1052, 2014/06
J-PARCリニアックでは、400MeVへのビームのエネルギーアップグレードと並行し、50mA対応のRFQ(Radio-Frequency-Quadrupole)を用いて、ピーク電流50mAでのビーム運転を目指している。このRFQの製作は平成24年度末に終了したため、性能評価を行う専用のRFQテストスタンドを整備している。このRFQテストスタンドにおいてビーム電流を測定するための電流モニタ、TOF(Time-of-Flight)法によるビームのエネルギー計算に使用する位相モニタなどのモニタリングシステムを構築し、各機器の性能を確認するための試運転を行った。本発表ではモニタリングシステムについての詳細を述べるとともに、本システムにて取得したビームエネルギー及びビーム透過率について説明する。また、新しいモニタテストなどの今後の展望について説明する。
西森 信行; 永井 良治; 松葉 俊哉; 羽島 良一; 山本 将博*; 宮島 司*; 本田 洋介*; 内山 隆司*; 飯島 北斗*; 栗木 雅夫*; et al.
Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.174 - 178, 2014/06
次世代ERL放射光源の電子源に対する要求は、エミッタンス0.11mm-mrad電流10
100mAの電子ビーム生成である。この低エミッタンスビーム生成には、空間電荷力抑制のため、電子銃の出射ビームエネルギー500keV以上が要求される。500kV光陰極DC電子銃が提案されて20年、運転電圧は放電問題のため350kVに留まってきた。われわれは、高電圧化を目標に掲げて電子銃開発に取り組んだ。まずガードリング付き分割型セラミック管を採用し、サポートロッドからの電界放出電子に起因する放電問題を解決した。次に、電子銃真空容器と陰極間の放電により、容器面上の残留微細粉塵が帯電し、陰極に付着した後に暗電流源となる現象が問題となった。これを解決するため、陰極-陽極のギャップ間隔を最適化し、特に真空容器表面の電界を下げる改造を行った。これにより電子ビーム生成条件下での550kV印加に初めて成功した。500keV電子ビーム生成試験を行った。波長530nmDCレーザー光をGaAs光陰極に照射し電子ビームを生成した。レーザー径0.1mm
、パワー1.5W、GaAs量子効率0.28%で最大1.8mAのビーム生成に成功した。