Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
関 美沙紀; 中野 寛子; 永田 寛; 大塚 薫; 大森 崇純; 武内 伴照; 井手 広史; 土谷 邦彦
デコミッショニング技報, (62), p.9 - 19, 2020/09
材料試験炉(JMTR)は、1968年に初臨界を達成して以来、発電用軽水炉を中心に、新型転換炉,高速炉,高温ガス炉,核融合炉等の燃料・材料の照射試験に広く利用されてきた。しかし、法令で定める耐震基準に適合していないため2017年4月に施設の廃止が決定され、現在廃止措置計画の審査を受けている。JMTRでは発電炉とは異なった炉心構造材であるアルミニウムやベリリウムが使用されているため、これらの処理方法を確立し、安定な廃棄体を作製する必要がある。また、蓄積された使用済イオン交換樹脂の処理方法についても検討する必要がある。本報告では、これらの検討状況について紹介する。
関 美沙紀; 石川 幸治*; 佐野 忠史*; 永田 寛; 大塚 薫; 大森 崇純; 花川 裕規; 井手 広史; 土谷 邦彦; 藤原 靖幸*; et al.
KURNS Progress Report 2019, P. 279, 2020/08
JMTR施設の廃止措置を進めるにあたり、多くの放射性廃棄物が発生するが、これらはドラム缶等に格納し、コンクリートを充填して、廃棄体とする計画である。しかし、アルミニウムは、コンクリートと反応し水素ガスが発生し、廃棄体を破損することが懸念されている。本研究は、これまで行ってきた湿式法によるアルミニウムの安定化処理法の溶液pHの最適条件を求めることを目的とした。JMTRで多く使用されている2種類のアルミニウム試料を準備し、KURで照射した後、強塩基であるNaOHに溶解した。溶解液をろ過した後、中和処理をしてpH=511にてAl(OH)
を生成した。それぞれの工程で得た残差及び溶液は放射化分析を行った。この結果、pH=7, 9にてAl全量の固体としての回収が可能であることが分かった。また、廃液中にはCr-51及びNa-24が含まれることが分かった。Cr-51は全ての条件にて同等の回収率であった。一方でNa-24は中和の際に生成されるNaCl量が相対的に多いことから、溶液中のNa-24が増加したと考えられる。
関 美沙紀; 石川 幸治*; 永田 寛; 大塚 薫; 大森 崇純; 花川 裕規; 井手 広史; 土谷 邦彦; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; et al.
KURNS Progress Report 2018, P. 257, 2019/08
JMTR施設の廃止措置を進めるにあたり、多くの放射性廃棄物が発生するが、これらはドラム缶等に格納し、コンクリートを充填して、廃棄体とする計画である。しかし、アルミニウムは、コンクリートと反応し水素ガスが発生し、廃棄体を破損することが懸念されている。本研究は、湿式法によるアルミニウムの安定化処理法の開発を行った。JMTRで多く使用されている2種類のアルミニウム試料を準備し、KURで照射した後、強塩基であるNaOHに溶解した。溶解液をろ過した後、中和処理をしてAl(OH)を生成した。それぞれの工程で得た残差及び溶液は、放射化分析を行った。この結果、Al合金内に含まれる不純物
Crおよび
FeはAl成分と分離することができ、低レベルのAl(OH)
の抽出が可能であることが示唆された。今後、Al(OH)
の焼成温度の最適化を図り、安定なAl
O
を製作する条件を決定する。
春間 俊克*; 山路 恵子*; 小川 和義*; 升屋 勇人*; 関根 由莉奈; 香西 直文
PLOS ONE (Internet), 14(2), p.e0212644_1 - e0212644_16, 2019/02
被引用回数:5 パーセンタイル:23.83(Multidisciplinary Sciences)すすきは鉱山跡地に生える先駆植物である。すすきは、植物性シデロフォアを生産することによって、鉱山跡地の有害元素であるAlを無毒化する。すすきの根に内生する微生物であるC. cupreumは、シデロフォアを生産することによってすすきのAl耐性を向上させる。われわれは、C. cupreumが生産するシデロフォアがoosporeinであると同定した。oosporeinがAlを無毒化することを明らかにした。C. cupreumを無菌状態のすすきに接種すると、芽の生長が促進され、Al耐性が向上した。
明午 伸一郎; 松田 洋樹; 岩元 大樹
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.396 - 402, 2018/05
核変換実験施設の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミ合金製の陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。J-PARCの3GeV陽子シンクロトロンのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be, Al(p,x)
Na及びAl(p,x)
Na反応の断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できた。本実験結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30
程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。PHITSコードよる計算との比較を行った結果、最新の核内カスケードモデルは、励起関数の形状は実験を再現するものの40
程度の過小評価を与えることがわかった。PHITSに用いられている統計崩壊モデル(GEM)の代わりにオリジナルのGEMモデルを用いて計算したところ、実験との一致が改善することがわかった。他の核種の反応断面積測定を今後予定しており、これにより核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
明午 伸一郎; 西川 雅章; 岩元 大樹; 松田 洋樹
EPJ Web of Conferences, 146, p.11039_1 - 11039_4, 2017/09
被引用回数:1 パーセンタイル:100J-PARCセンターで進めている核変換実験施設(TEF)の要素技術試験の一環として、加速器とターゲットステーションの隔壁となるアルミからなる陽子ビーム窓の寿命評価のためにアルミの放射化断面積を測定した。実験では、J-PARCの3GeV陽子シンクロトロン(RCS)から出射するビームを用い、RCSのビームダンプにアルミフォイルを設置し、0.4GeV及び3GeV陽子を入射しAl(p,x)Be-7、Al(p,x)
Na及びAl(p,x)
Na反応の断面積を残留核から生成する
線の測定から導出した。さらに物質・生命科学実験施設内に設置されたミュオン生成用の炭素ターゲットから生成するガスを四重極質量分析器で分析し、炭素のガス生成断面積を測定した。J-PARCの加速器施設は、陽子ビームの強度モニタが高精度に校正されていること、陽子ビームがよくコリメートされていること、更に陽子エネルギが高精度に測定できること等により、既存の実験データより高い精度で断面積が測定できることがわかった。また、本測定で得られた結果と評価済み核データ(JENDL/HE-2007)の比較の結果、JENDL/HE-2007は最大で30
程度の違いはあるものの、概ね実験結果をよく再現することがわかった。さらにTEFの核設計に用いられているPHITSコードよる計算結果との比較を行った。PHITSに最新の核内カスケードモデルによる計算は、概ね実験を再現するものの40
程度の過小評価を与えることがわかった。本研究や今後の反応断面積測定により核データや核反応モデルの高度化が期待できる。
那須 昭一*; 永田 晋二*; 吉井 樹一郎*; 高廣 克己*; 菊地 直人*; 草野 英二*; Moto, Shintaro*; 山口 貞衛*; 大橋 憲太郎*; 野田 健治; et al.
粉体および粉末冶金, 52(6), p.427 - 429, 2005/06
酸化リチウムは核融合炉のトリチウム増殖材料の候補材料である。表面をアルミニウム,シリコン又はチタンの保護膜で覆った酸化リチウム単結晶とその上につけたタングステン膜との化学的両立性をラザホード後方散乱法より調べた。保護膜のない酸化リチウムでは573Kで1分及び623-673Kで1分の加熱でタングステンとの化学反応が見られた。一方、保護膜をつけた酸化リチウムでは、すべての試料について、573Kにおける1分の加熱で少量のタングステンが保護膜や酸化リチウム中へ拡散することが見られたが、その後の623Kから723Kの加熱において顕著な拡散は見られなかった。このことから、アルミニウム,シリコン又はチタン保護膜は酸化リチウムをタングステンとの反応から保護するために有用であると考えられる。
乙坂 重嘉; 外川 織彦; 馬場 正美*; Karasev, E.*; Volkov, Y. N.*; 尾亦 伸隆*; 乗木 新一郎*
Marine Chemistry, 91(1-4), p.143 - 163, 2004/11
被引用回数:34 パーセンタイル:30.78(Chemistry, Multidisciplinary)1999年から2002年にかけて日本海の3海域(東部日本海盆,西部日本海盆,大和海盆)で行われたセジメントトラップ実験によって、粒子束の時空間的変化が観測された。年平均粒子束には明確な地理的分布が見られ、西部日本海盆で455mg/m/day、大和海盆で252mg/m
/day、西部日本海盆では147mg/m
/dayであった。粒子束は春季(3月から5月)に増加した。堆積物中の元素存在度の分布から、粒子中のランタン/イッテルビウム(La/Yb)比がアルミノケイ酸塩粒子の起源の指標として、マンガン/アルミニウム(Mn/Al)比が粒子の「新鮮さ」の指標として利用できることがわかった。沈降粒子中のこれらの指標の時空間分布から、日本海における陸起源粒子の供給過程について(1)黄砂による大気経由の供給,(2)東シナ海からの水平輸送,(3)日本列島などの島弧からの水平輸送の3つが示された。黄砂粒子は、特に冬季から春季にかけて観測され、大和海盆の水深1km層では、年間の陸起源粒子束の84%を占めていた。日本海南縁における黄土粒子は、大気経由ばかりでなく、東シナ海から対馬暖流によって運ばれてきたことが示された。南部日本海における突発的な流れが、大和海盆内部へ粒子を運ぶ役割を果たしていると考えられる。
池田 隆司; 平田 勝; 木村 貴海
Journal of Chemical Physics, 119(23), p.12386 - 12392, 2003/12
被引用回数:41 パーセンタイル:20.02(Chemistry, Physical)第一原理分子動力学法を用いて、常温常圧下での0.8M AlCl水溶液中のAl
及びCl
の水和構造とそのダイナミクスを調べた。第一原理シミュレーションから得られたAl
及びCl
の水和構造はどちらも実験とよく一致した。水和水の分子構造及び構成分子とイオンの双極子モーメントを詳細に検討したところ、カチオン,アニオンのどちらに対してもその水和構造とダイナミクスに分極効果が重要な役割を演じていることがわかった。Al
の加水分解についても言及した。
Safronova, U. I.*; 左高 正雄; Johnson, W. R.*; Safronova, M. S.*
JAERI-Data/Code 2001-022, 60 Pages, 2002/05
原子番号z=10~100までの原子のアルミニウム様イオンのn=3のレベル間の可能な遷移についてのデータ集である。遷移確率,振動子強度等について図及び表にまとめた。データはBreit相互作用を含む、相対論的多体摂動法により計算したものである。
小原 建治郎
原子力eye, 48(2), p.46 - 48, 2002/02
ITERの容器内遠隔保守装置の耐放射管理を必要となる高線量率・高照射量測定が可能なカラー線量計の開発を進めている。本線量計は、陽極酸化アルミニウムの被膜中にアゾ系染色を含浸させたもので、
線照射による線量の退色の度合いを分光式色差計にて、マンセルの色立体に基づく色相/彩度,あるいは明度として測定する。本稿では、開発の背景,特長,試験の概要,今後の展開について平易に解説した。
小原 建治郎
放射線と産業, (92), p.56 - 60, 2001/12
高線照射下(1~10kGy/h)で長期間使用されるITER用遠隔保守装置の照射量測定が可能な線量計を開発した。線量計は、測定範囲が1MGy以上で、それ自体が耐放射性を有することのほか、取り扱いが容易で低価格,狭隘部への取り扱いが可能でなければならない。このための線量計として、陽極酸化アルミニウム被膜中にアゾ系染料を含浸させ、照射量による染料の退色変化を分光式色差計で測定し、照射量を求める線量計を開発した。これまでに、線量率10kGy/hで15MGyまで測定できる線量計を開発したが、さらに高照射量測定を目指すとともに低線量率,低照射量対応の線量計の開発も進めている。
武山 友憲; 千葉 雅昭; 磯崎 太*; 雨澤 博男; 板橋 行夫; 菊地 泰二; 小田部 芳清*; 平田 雄二*; 高 勇; 大場 敏弘
JAERI-Tech 2001-024, 32 Pages, 2001/03
中性子スペクトル調整型キャプセルの製作にあたり、試料に高速中性子のみを照射する目的で、熱中性子吸収材であるカドミウムのアルミニウム被覆密封薄肉円筒を製作した。核設計、熱設計上からの要求は、カドミウムの肉厚5.5mm,内径23mm,全長750mm,アルミニウム被覆肉厚0.7mmであり、カドミウムの表面に酸化膜があってはならない、アルミニウム被覆は全面においてカドミウムと密着していることであった。この仕様を満足するため鋳造によって製作した。酸化を防止するためとカドミウムは特定化学物質であるため、真空溶液鋳造装置を製作して鋳造を行った。
前田 彰雄; 大場 敏弘; 菊池 博之; 柴田 勝之
JAERI-Tech 2001-003, 48 Pages, 2001/02
アルミニウム合金は、研究炉や試験炉の構造材料として使用実績が高い。しかし、材料強度に関するデータが少なく、研究炉等における構造強度評価のために材料データ特に、溶接の強度データが必要である。そのため、母材と溶接部の諸性質を知る目的として、構造材であるA5052及びA6061について、各種の材料試験が実施された。工作課は、試験に使用する溶接継手板の製作に協力し、JIS-Z3105アルミニウム平板突合わせ溶接部の放射線透過試験の判定基準1類を満足する溶接継手板の製作を目標に、溶接施工法の検討と改良を主眼として技術検討を行った。本報告は、これらの溶接施工の問題点及び欠陥対策について、検討改良を行い、欠陥の極めて少ない溶接施工を行った技術資料としてまとめたものである。
本石 章司; 小林 勝利; 佐伯 秀也*
JAERI-Tech 2000-070, 34 Pages, 2000/12
JRR-2の廃止措置にあたり、一次冷却系重水の循環系統であった配管及び機器類に付着及び浸透しているトリチウム量の評価が重要となっている。アイソトープ開発室では、イメージングプレートを使用してAl配管中のトリチウム量と浸透深さを求める実験を行った。Al配管のトリチウム汚染面を除く部分にアクリル塗料を塗布し、1.5%(1.21M)フッ化水素酸溶液で汚染面の酸化被膜を一定時間(3分)溶解しイメージングプレートで測定した。その結果、トリチウムは深度方向に25mまで浸透していることを確認した。また、その90%は7
m以内に分布していることを確認した。
榎 学*; 岸 輝雄*; 川崎 弘嗣; 青砥 紀身
JNC-TY9400 2000-010, 138 Pages, 2000/03
本研究では構造物および材料におけるき裂の発生、伝播を検出するシステムについての検討を行った。まず、プラント機器のように過酷な環境で適用することを考慮して、レーザー干渉計を用いて非接触で破壊を検出・評価することを試みた。He-Neレーザーを用いたヘテロダイン型の干渉計により、材料中を伝播してきた弾性波を検出できることを確かめ、この干渉計を4チャンネル用いる非接触AE波形計測システムを構築した。このシステムをアルミナコーティング材の熱応力破壊に適用した。試験片の冷却時に界面近傍に発生する微視割れによるAE波形を検出でき、また逆問題解析を行うことにより、微視割れの発生時刻、発生位置、大きさおよび破壊モードが評価可能となった。このように、レーザー干渉計によるAE波形定量評価システムが開発でき、その有効性が確かめられた。次に、き裂発生を予測するため、ミクロき裂が発生する以前の損傷変化を検出することを試みた。繰り返し熱過渡負荷を受けた構造物を用いて、超音波検出試験とその波形解析、およびき裂の発生した近傍の微小硬さ計による硬さ測定を行った。超音波エコーのウェーブレット解析により得られた音速は、き裂発生以前の損傷を検出できた。また、粒界上の微小硬さ変化から、き裂発生を推定できる見通しがある。
横田 渉; 齋藤 勇一; 奈良 孝幸; 石井 保行; 荒川 和夫
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.906 - 908, 2000/02
被引用回数:1 パーセンタイル:79.45(Instruments & Instrumentation)原研18GHz ECRイオン源は1994年に製作され、真空装置やガス導入装置の改良により、徐々に性能が向上してきた。しかし、得られたArイオンの最高価数は16で、そのビーム電流は2nAと、予想される性能を下回っていた。このイオン源ではミラー比を広範囲に変化させるために、1対のミラーコイルの間にソレノイドコイルが設置されている。多価イオン生成時(ミラー比、約2)の中心軸上の磁場分布には、ソレノイドコイル位置に盛り上がり(バンプ)が現れる。これが原因と思われる2つ現象から、バンプがプラズマを2つに分断してプラズマの加熱を妨げるために多価イオンが生成され難くなっていると推測された。そこで、ソレノイドコイルの長さを半分にすることでバンプをなくす改造を行った結果、Arのビーム電流は1.3
Aに増大した。本発表では、改造による性能向上の要因とプラズマの分断の可能性をデータをもとに議論する。
橋爪 修司*; 松本 潤子; 馬場 恒孝
原子力バックエンド研究, 6(1), p.101 - 106, 1999/12
Alを微量に含む固体状廃棄物をモルタルに固型化する際、ガスが生じ、充てん固化体の放射性核種保持機能に影響を与える可能性があるので、Al含有固化体を試作し、固化体中の空隙率を測定した。また、モルタルの物性値やAlからのガス発生量等から固化体の空隙率を推定する手法を検討した。その結果、ばらつきはあるが、Alと炭層鋼の接触部分では接触のない部分に比べ固化体の空隙率が減少した。モルタル中のガス発生を起因とする空隙率とモルタル模擬環境中でのガス発生量に与える鉄/Al面積比の影響は一致した。モルタル中の空隙率のばらつきの原因として、モルタル中では溶液抵抗の大きくなる部分が生じ、異種金属接触の効果が小さくなりガス発生し空隙率が増加したり、腐食生成物が生じた部分で腐食反応が低下し空隙率が減少するためと推定した。さらに、空隙が形成される限界の時間と考えられるモルタルの始発時間、上昇時間、腐食度、ガス発生速度から固化体の空隙率を推定する手法を確立した。固体状廃棄物の固型化に用いると考えられるモルタル中でのAlからのガス発生を起因とする空隙率はAlが炭素鋼と接触していない場合でも1%以下と推定された。
笹本 広; 油井 三和; D.Savag*; Bille, B.*
JNC-TN8400 99-025, 32 Pages, 1999/06
地下水水質形式のモデル化の対象となるサイトや処分場の変遷過程を評価するために地下水データを用いる場合、データを用いる前に、データの品質や目的にあったデータであるかどうかについての評価を行う必要がある。本報告書では、データの品質保証に係わる事項・内容について整理した。その結果、地下水地球化学に関するモデル化を行う上では、以下の点に留意することが必要であると考えた。・どの様にして地下水試料がサンプリングされたか(試錐孔掘削中にサンプリングされた地下水か、水理試験の間にサンプリングされた地下水か、原位置での測定値か、試錐孔からポンプで汲み上げられた地下水か、原位置での圧力状態を保ったままサンプリングされた地下水か)。・掘削水の影響等を受けていない地下水試料をどの様にしてサンプリングしたのか。また、その手法に伴う地下水試料への影響(誤差)は、どの程度なのか。・地下水サンプリングの間に脱ガスの影響を受けていないか。もし脱ガスの影響を受けているならば、もとの状態の(正確な)地下水組成を推定するため、地球化学モデルによる補正がなされているか。・地下水の酸化還元状態の非平衡の度合いを把握するため、キーとなるサンプルに対して、異なる手法(例えば、電極によるEhの測定や酸化還元反応に鋭敏な化学種濃度の測定等)による酸化還元状態の調査が行われているか。・地下水試料の濾過方法はどの様にして行われたか。また、室内での水質分析のために、地下水試料をどの様に保存していたか。・低濃度である溶存アルミニウム(通常、0.2mg/L未満)の測定にあたり、精度良く、再現性のあるデータを得るため、地下水試料の濾過(0.1
m)や化学分析について、十分信頼できる方法が採用されているか。・地下水試料の化学分析における誤差や検出限界はどの程度なのか。また、測定値に誤りが無いかどうかを確かめるため、電荷バランスのチェックや全溶解成分に関する測定値と計算値の比較等を行っているか。・キーとなる地下水試料が採取された場所での岩石試料に対して、詳細な鉱物学的分析が行われているか。
橋爪 修司; 松本 潤子; 馬場 恒孝
原子力バックエンド研究, 5(1), p.45 - 49, 1998/08
原子力発電所から発生する不燃の固体状の低レベル廃棄物からアルミニウムを除くよう計画されているが、実際には微量のアルミニウムが混入するであろう。著者らはすでにアルミニウムの腐食度とガス発生量に与えるpH、温度の影響が大きいことを明らかにした。また、1molのアルミニウムの溶解に対して1.5molのHガスが発生する反応は、60
C以下で成立することを明らかにした。実際の廃棄物のドラム缶への収納を考慮すると、アルミニウムは鉄が主成分の炭素鋼と接触する。モルタル中でアルミニウムが鉄と接触すると腐食挙動に影響を与える可能性があるので、アルミニウムからガス発生挙動に与える鉄との接触の影響について検討した。その結果、モルタル模擬環境中でアルミニウムが鉄と接触すると腐食は増加するがガス発生はきわめて抑制されることが明らかとなった。この原因は、アルミニウムが腐食する際のカソード反応が鉄との接触により水素発生反応から酸素還元反応に変化したためと推定され、環境中の溶存酸素の存在が腐食及びガス発生挙動に大きく影響を与える。