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論文

高エネルギー電子線により水中で生成された2次電子の動的挙動

甲斐 健師; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*

陽電子科学, (8), p.11 - 17, 2017/03

放射線により、DNAの数nm以内に複数の損傷部位が生成されると、細胞死や染色体異常のような生物影響が誘発されると考えられている。著者らは、DNA損傷生成の機構に関係すると考えられる細胞内の放射線作用の解析として、細胞と組成の近い水中で高エネルギーの1次電子線・陽電子線により生成される2次電子の動的挙動を計算した。その結果、2次電子は、親イオン近傍で電離・電子的励起を誘発しやすく、減速した電子の約10%は、クーロン引力により親イオン付近に分布することが分かった。続いて、これらの計算結果から、以下のように複雑なDNA損傷の生成機構を推定した。DNA内部から電離した2次電子は、DNA外部に飛び出す前に、DNA内部で電離・電子的励起を誘発可能である。さらに、クーロン力により引き戻された電子は、DNAの水和層で水和前電子になり、解離性電子移行によりDNA損傷を誘発可能である。結果として、1次電子線・陽電子線のみならず2次電子の作用により、1nm以内に複雑DNA損傷が生成され得る。

報告書

高温ガス炉設計のための統計的工学的安全係数の因子間の相互干渉効果に関する研究

深谷 裕司; 西原 哲夫

JAEA-Research 2016-001, 23 Pages, 2016/05

JAEA-Research-2016-001.pdf:3.31MB

高温ガス炉設計のための統計的工学的安全係数の因子間の相互干渉効果に関する研究を行った。工学的安全係数は物理的、技術的な不確定性を厳密かつ最低限の反映をさせることにより、安全性及び炉心性能の両者の確保が可能となる。この観点から、軽水炉設計において統計的工学的安全係数の評価に確率論的手法(モンテカルロ法)を用いることにより、因子間の干渉効果が考慮できるため誤差の伝播を低減できるとの報告がなされている。高温ガス炉においても、スリーブ付き燃料において、スリーブと燃料コンパクト間のギャップの温度上昇の製造公差考慮による増大が問題になっている。この因子間には直接的な相関があり、同様の手法適用により改善が期待された。なお、モンテカルロ法では、因子間の相関を考慮できる反面、各因子の効果の寄与に分解できないという欠点があり、そのため、従来の統計的工学的安全係数の高度化手法を開発した。そして、モンテカルロ法および、本研究で開発した高度化手法により高温ガス炉の燃料温度に対する統計的工学的安全係数を評価した結果、有意な差は得られなかった。また、今後の工学的安全係数の高度化に資するために、現状においての工学的安全係数に関する運用を整理し、それを受けて新しい工学的安全係数を提案した。

論文

Experiment and analyses for 14 MeV neutron streaming through a dogleg duct

山内 通則*; 落合 謙太郎; 森本 裕一*; 和田 政行*; 佐藤 聡; 西谷 健夫

Radiation Protection Dosimetry, 116(1-4), p.542 - 546, 2005/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:72.14(Environmental Sciences)

核融合炉にはRF加熱ポートや計測用プラグ周りの間隙等、屈曲を設けた放射線ストリーミング経路が幾つかあり、遮蔽設計上の問題となる。モンテカルロ計算はストリーミング効果の詳細評価に重要であるが、一方簡易計算はストリーミング効果を軽減するための設計オプションの選定に有効である。実験と解析によりこれらの計算法の信頼性を評価した。実験は原研FNSの14MeV中性子源により、高さ170cm,幅140cm,厚さ180cmの遮蔽体に断面が30cm$$times$$30cmの2回屈曲ダクトを設けた体系で行った。モンテカルロ計算は実験体系,線源周り構造体、及び実験室を詳細にモデル化し、MCNP/4CコードとFENDL/2及びJENDL-3.3ライブラリーを用いて行った。実験値との差は30%以内であった。簡易計算はDUCT-IIIコードによって行った。その結果は屈曲によるストリーミング成分の変化を良好に再現し、充分な信頼性を持つことを確認した。すなわち、モンテカルロ計算法とともに簡易計算法もまた遮蔽設計評価のために有効な役割を果たすと期待できる。

論文

高エネルギー中性子線量評価に用いる計算コード開発の現状

佐藤 達彦

放射線, 31(4), p.313 - 318, 2005/10

高エネルギー加速器施設の作業員,航空機の乗務員及び宇宙飛行士に対する被ばく線量評価では、20MeV以上の高エネルギー中性子による被ばくが問題となる。このような背景から、高エネルギー中性子の輸送を扱える計算コードが幾つか開発され、線量評価に利用されている。本報告では、それらの計算コード開発の現状について解説し、その使用時における留意点や、今後解決すべき課題について整理する。

論文

Intermediate-range order in vitreous SiO$$_{2}$$ and GeO$$_{2}$$

小原 真司*; 鈴谷 賢太郎

Journal of Physics; Condensed Matter, 17(5), p.S77 - S86, 2005/02

 被引用回数:61 パーセンタイル:10.22(Physics, Condensed Matter)

高エネルギーX線回折と中性子回折によってシリカ(SiO$$_{2}$$),ゲルマニア(GeO$$_{2}$$)ガラスの構造因子S(Q)を測定し、異なる情報を持つX線・中性子のS(Q)を十分に表現できる大規模な構造モデルを逆モンテカルロ法(RMC法)により構築することに成功した。この結果、基本構造であるSiO$$_{4}$$, GeO$$_{4}$$四面体の繋がり角度分布などの中距離秩序構造が実験的に明らかになった。シリカ・ゲルマニアガラスでは、四面体の6, 7員環が中距離構造の基本である。また、ゲルマニアガラスにはシリカよりも多くの3員環が含まれており、シリカとゲルマニアガラスの中距離秩序は異なる。これらの結果は、従来のRaman散乱などによる予測と一致する。

論文

核分裂源摂動を考慮した$$k_mathit{eff}$$の変化量の評価

長家 康展; 森 貴正; Brown, F. B.*

モンテカルロ計算法高度化の現状; 第3回モンテカルロシミュレーション研究会報文集, p.105 - 115, 2004/12

微分演算子サンプリング法に基づくモンテカルロ摂動法は炉物理量の小さな変化料や感度を求めるために広く使われている。この手法は固定源問題では非常に有効であるが、固有値問題では核分裂源分布も摂動により変化するために困難が生じる。ほとんどのモンテカルロコードでは摂動が印加された後も核分裂源分布は変化しないと仮定している。最近、核分裂源分布変化による摂動量を評価する手法が提案された。この手法では核分裂源の微係数に対する付加的重みはサイクルごとに規格化され、摂動量は規格化された付加的重みをサイクル間で伝播することにより求められる。この手法とさまざまな体系における本手法の計算結果をレビューし、この手法が実効増倍率の摂動計算において非常に有効であることを確認した。

論文

計算シミュレーション手法に基づく体外計測法の高度化に関する研究

木名瀬 栄

RIST News, (37), p.10 - 19, 2004/03

本研究では、ICRP1990年勧告の要件である内部被ばく線量測定に必要な精度,摂取時期不明などを起因とする不確かさファクター3を満たした高精度体外計測法の確立を目的として、モンテカルロ法を用いた計算シミュレーションによる体外計測装置の数学的校正手法を開発するとともに、体外計測装置校正の体格依存性補正法の開発,体外計測装置による体内放射能評価の不確かさ解析を行った。開発した数学的校正手法は、被検者について多種多様な人体形状,放射能分布の模擬を容易にし、放射能を含有した人体形状模型である物理ファントムを要さない体外計測装置の校正を可能にした。また、数学的校正手法を用いて、体外計測装置校正にかかわる体格依存性補正法を開発し、体表面積を補正因子とした体格補正式を考案した。さらに、実測及び計算シミュレーションにより、体外計測装置による体内放射能評価の不確かさについて解析し、体内放射能評価の不確かさにおいて体内放射能分布による体外計測装置計数効率の変動などが大きく影響することを明らかにした。

報告書

モンテカルロ法臨界計算収束性ガイド資料; 原子力コード評価専門部会平成13,14年度活動成果

原子力コード研究委員会原子力コード評価専門部会

JAERI-Tech 2003-078, 107 Pages, 2003/11

JAERI-Tech-2003-078.pdf:6.18MB

核分裂性物質を含むユニット間の中性子結合の弱い相互干渉系を対象とするモンテカルロ法臨界計算では、解の収束緩慢性が問題になることがある。本報告では、この種の問題に対する適切な判断と解決方法の手がかりを与えられるように、基礎的な臨界計算の理論と収束性にかかわる応用理論を主として述べてある。このためには、この科学技術分野にかかわる論文の現状調査を広く行って、その内容を検討・参考とし、必要に応じてガイド資料に引用した。さらに、核分裂マトリックス固有ベクトルを利用したモンテカルロ法臨界計算の収束性加速及び判定方法の開発を行い、経済協力開発機構原子力科学委員会(OECD/NEA/NSC)の臨界収束性専門家会合で提案されたベンチマーク問題の多種多様な物理体系により手法の検証を行った。

論文

Present Status of Monte Carlo Seminar for Sub-criticality Safety Analysis in Japan

桜井 淳; 野尻 一郎*

JAERI-Conf 2003-019, p.855 - 857, 2003/10

本稿は日本における核燃料サイクル施設のモンテカルロ法による未臨界安全解析セミナーについてまとめたものである。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4C2システムが参加者各自の持参したノート型パソコンに瞬時にインストールされ、計算演習に利用された。計算に先立ち炉物理及びモンテカルロシミュレーションの基礎理論の講義が行われた。このセミナーでは、JCO沈殿槽,JNCウラン溶液貯蔵施設,JNCプルトニウム溶液貯蔵施設,JAERI TCA炉心の実効中性子増倍率及び中性子スペクトルの計算を行った。臨界事故を防止するため、核燃料サイクル施設の安全管理の考え方も示した。

論文

モンテカルロ法による原子炉線量評価の現状

桜井 淳

日本原子力学会和文論文誌, 2(3), p.368 - 374, 2003/09

この論文は、JMTR,常陽,PWR及びBWRのモンテカルロ法による原子炉線量評価の典型的な問題を引用し、モンテカルロ法の有用性と効果性を論じている。JMTRのような照射専用炉では、ユーザーに提供する中性子にかかわる照射データは、モンテカルロ計算で対応できるレベルに対しており、実測はモンテカルロ法の精度確認のためのベンチマーク実験問題の作成のためのものに制限する必要がある。

論文

Analytical representation for neutron streaming through slits in fusion reactor blanket by Monte Carlo calculation

佐藤 聡; 真木 紘一*

Fusion Engineering and Design, 65(4), p.501 - 524, 2003/07

 被引用回数:1 パーセンタイル:87.55

トカマク型DT核融合炉の代表的な設計例においてブランケットは、メンテナンスや製作性等の観点から多数のモジュールに分割されている。隣り合うモジュール間には幅数cmのスリットが存在する。スリットからの中性子ストリーミングにより真空容器再溶接部のヘリウム生成量や超伝導コイルの核発熱率や照射損傷等が増加し、基準値以上になる懸念がある。本研究では、スリット幅,ブランケットの厚さ及び組成,真空容器の厚さ及び組成,再溶接部のホウ素濃度をパラメータとした真空容器や超伝導コイルの核的応答に対する3次元モンテカルロ法による感度解析を行い、それらを関数としたスリットストリーミングに対する核的応答の簡易的な近似式を導出した。また導出した近似式を基に、遮蔽設計基準値を満足させるための遮蔽構造のガイドラインを明らかにした。

論文

Helium production due to neutron streaming through small circular ducts in a fusion reactor blanket by analytical fitting from Monte Carlo calculation results

佐藤 聡; 中村 尚*; 西谷 健夫

Fusion Science and Technology, 43(4), p.559 - 568, 2003/06

 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

DT核融合炉遮蔽ブランケット中の小口径ダクトからの中性子ストリーミングを3次元モンテカルロ法により評価し、冷却配管枝管プラグ部のヘリウム生成量を計算した。ダクト直径,ブランケット厚さ,プラグ中のホウ素濃度に対するヘリウム生成量の依存性を明らかにするとともに、それらのパラメータを関数とした簡易近似式を確立した。また、ヘリウム生成量の、ブランケット組成依存性も明らかにした。簡易近似式を応用し、遮蔽設計基準値を満足するための遮蔽構造ガイドラインを明らかにした。

報告書

弱結合相互干渉系臨界解析のマトリックス固有ベクトルを用いた収束性加速

野村 靖; 高田 友幸; 角谷 浩享*; 黒石 武

JAERI-Tech 2003-020, 88 Pages, 2003/03

JAERI-Tech-2003-020.pdf:4.31MB

弱結合中性子相互干渉系の中性子増倍率をモンテカルロ法計算コードにより求める場合に、しばしば解の収束性に関する問題が生じる。本報告では、この計算コードによる解の収束性に関して、一般的な中性子輸送方程式から導いた理論により、マトリクスK手法による解の収束性加速について考察を加えた。これにより、連続エネルギーモンテカルロ法コードMCNPにマトリクスK計算機能及び収束加速手順を組み込んだ。さらに、新たに開発した計算コードを用いてOECD/NEA臨界計算ベンチマークの2問題について解析を試み、マトリクスKによる解の収束性加速の有効性を確認した。

論文

Impact of armor materials on tritium breeding ratio in the fusion reactor blanket

佐藤 聡; 西谷 健夫

Journal of Nuclear Materials, 313-316, p.690 - 695, 2003/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:53.93

核融合炉ブランケットのトリチウム増殖率は、アーマ材により大きく影響されることが予想される。核融合炉全体で1以上のトリチウム増殖率を得ることが必要であるが、それを達成するブランケットの開発が重要課題である。本研究ではモンテカルロ計算によりアーマ材のトリチウム増殖率への影響を体系的に調べた。核融合実証炉用のアーマ材として有望なタングステンを、原研が開発を進めている固体増殖材ブランケット表面に設置した場合のトリチウム増殖率への影響を、アーマ材の厚さを関数として、定量的に明らかにした。タングステンをアーマ材として用いた場合トリチウム増殖率は減少するのに対して、核融合実験炉用のアーマ材として有望なベリリウムを用いた場合、トリチウム増殖率が増加することがわかった。

報告書

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)制御棒反応度価値の詳細評価

中田 哲夫; 片西 昌司; 高田 昌二; Yan, X.; 國富 一彦

JAERI-Tech 2002-087, 83 Pages, 2002/11

JAERI-Tech-2002-087.pdf:3.47MB

高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)は、熱出力600MWtで固有の安全特性を有する高温ガス炉と50%近い高い熱効率を持つガスタービンを組み合わせてモジュール化することにより、簡素で経済性に優れた発電システムを構築している。GTHTR300では、事故時の除熱を効果的にするため、炉心は燃料を環状に配置しており、制御棒はその両側の反射体に挿入される。反射体では熱中性子束が大きく変化しており制御棒価値の正確な評価には詳細な評価が不可欠である。本報告では、詳細な全炉心モデルのモンテカルロ法を用いて、設計に用いた手法が十分な精度を有することを確認した。

論文

Evaluation of photon shielding capability for epithermal neutron detection during reactivity-initiated power burst experiments

柳澤 宏司; 中島 健; 大野 秋男; 三好 慶典

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(7), p.800 - 803, 2002/07

 パーセンタイル:100(Nuclear Science & Technology)

過渡臨界実験装置(TRACY)における反応度投入出力バースト実験における出力履歴の評価のために、熱外中性子検出用の遮蔽体系について光子遮蔽能力を評価した。連続エネルギーモンテカルロコードにより、三種類の遮蔽体系について検出器位置での光子照射線量率と中性子検出率を計算した。計算結果より、中心からポリエチエン,カドミウム板,鉛の順番で遮蔽体系を構成した場合には、カドミウムの中性子捕獲$$gamma$$線を効果的に遮蔽できないことがわかった。また、この捕獲$$gamma$$線は熱中性子の反応によって生じるため、熱中性子の検出時間遅れと同様に捕獲$$gamma$$線が時間遅れを伴って影響する可能性があることが示された。この問題を解決するために、カドミウムを遮蔽体系の外側に配置し、その内側にポリエチレン,鉛を配置した遮蔽体系を提案し、カドミウムの捕獲$$gamma$$線を大きく低減できることを示した。また、提案した遮蔽体系では中性子検出感度もまた増加することが示され、TRACYの出力履歴評価のための熱外中性子検出器の遮蔽として有効であることがわかった。

論文

Evaluation of power history during power burst experiments in TRACY by combination of $$gamma$$-ray and thermal neutron detectors

柳澤 宏司; 大野 秋男

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(6), p.597 - 602, 2002/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:80.93(Nuclear Science & Technology)

$$gamma$$線及び熱中性子検出器を用いた組合せ法を、過渡臨界実験装置(TRACY)の反応度投入による出力バースト実験時の出力履歴の正確な評価に新たに適用した。初期バースト時には、短いバースト持続時間内の実際の出力履歴を正確にトレース可能であることから、出力履歴は高速応答$$gamma$$線電離箱によって測定した。初期バースト後は核分裂生成物からの遅発$$gamma$$線の寄与により$$gamma$$線電離箱は適用できないため、高濃縮ウランのマイクロ核分裂電離箱を出力履歴の測定に用いた。今回の方法により、1.50から2.93$の反応度投入による実験について出力履歴を評価した。この結果、マイクロ核分裂電離箱のみを用いた従来の方法によるピーク出力及び出力ピークまでの積分出力は、今回の評価結果に対してそれぞれ最大40%,30%過小評価することが明らかになった。モンテカルロ法による数値シミュレーションによって、この過小評価はTRACY炉心から核分裂電離箱までの中性子の飛行時間に起因した時間遅れを考慮することによって理解できることが示された。

論文

Determination of $$gamma$$-ray exposure rate from short-lived fission products under criticality accident conditions

柳澤 宏司; 大野 秋男; 會澤 栄寿

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(5), p.499 - 505, 2002/05

 被引用回数:4 パーセンタイル:67.16(Nuclear Science & Technology)

臨界事故条件下の短寿命核分裂生成物(FP)の$$gamma$$線による線量評価のために、$$gamma$$線照射線量率の時間変化を過渡臨界実験装置(TRACY)において実験的に定量した。データは1.50から2.93$の範囲の反応度投入によって取得した。実験結果より、初期出力バーストを含めた全照射線量に対する短寿命FPからの$$gamma$$線の寄与は15から17%と評価された。このため、線量評価上FPの寄与は無視できない。解析結果からは、モンテカルロコードMCNP4Bと最新のFP崩壊データであるJENDL FP Decay Data File 2000に基づく光子源によって計算した短寿命FPからの$$gamma$$線照射線量率は実験結果と良好な一致を示すことがわかった。しかし、光子源をORIGEN2コードで求めた場合には照射線量率は極度に過小評価した。これは、ORIGEN2コード付属の光子データベースにおいて主要な短寿命FP核種のエネルギー依存光子放出率のデータが欠落していることによる。また、この過小評価は初期バースト後1000秒以下の時間において生じることが確認された。

報告書

モンテカルロ計算ガイドライン; モンテカルロ法による中性子・光子輸送シミュレーション

原子力コード研究委員会原子力コード評価専門部会

JAERI-Review 2002-004, 401 Pages, 2002/03

JAERI-Review-2002-004.pdf:16.2MB

本報告書は、モンテカルロ法を用いた中性子・光子輸送シミュレーションについて、基礎理論から原子力研究における多方面での先端的な応用計算までを集約したものである。第1章から第5章ではモンテカルロ法の歴史的発展,モンテカルロ法の基礎理論,ボルツマン方程式のモンテカルロ法による解法,モンテカルロ法の分散低減法の一般論,連続エネルギーモンテカルロコードで用いられている断面積ライブラリーについて解説する。第6章では各論として、核融合ベンチマーク実験,ITER設計,高速臨界集合体での実験解析,JMTRでの炉心計算,パルス中性子計算のシミュレーション,HTTR炉心の解析,ダクトストリーミング計算,バルク遮蔽計算,広島原爆の中性子・$$gamma$$線の輸送計算について述べる。第7章から第9章では、モンテカルロ法による原子炉雑音実験のシミュレーション方法,MCNP,MVPへの機能拡張,モンテカルロ計算の並列計算について述べる。最後に、用語集と重要参考文献集を添付した。

論文

モンテカルロ研究の将来構想

桜井 淳

日本原子力学会モンテカルロ法による粒子シミュレーションの現状と課題, p.61 - 64, 2002/01

日本原子力学会「モンテカルロ法による粒子シミュレーション」研究専門委員会は、1998.10-2000.09の2年間、モンテカルロ法に関わる現状調査及び研究課題の整理、モンテカルロ計算コード精度検証用ベンチマーク実験問題の検討、「モンテカルロ計算」夏季セミナーの開催、第2回モンテカルロシミュレーション研究会の開催準備等を実施した。その後、本委員会は2年間延長された。ここにこれまでの経緯と反省点、今後の課題及び方針(案)を示す。

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