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瀬川 智臣; 川口 浩一; 石井 克典; 鈴木 政浩; 立原 丈二; 高藤 清人; 沖田 高敏; 佐藤根 大士*; 鈴木 道隆*
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/08
MOX燃料製造工程におけるグローブボックス内の核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減を目的として、グローブボックス構成材のアクリルへのナノ粒子コーティングによる粉末付着防止に係る技術開発を進めている。アクリル試験片にナノ粒子をコーティングすることにより、表面にナノオーダーの微細な凹凸が形成され、アクリル試験片と観察された最小粒子径約5mのUO
粒子との間に働く付着力が約10分の1に低下し、さらにMOX粉末の付着量が約10分の1に低減することが明らかになった。本研究によりグローブボックス構成材に対し、ナノ粒子コーティングを施すことにより、核燃料物質の付着防止効果が得られることがわかった。本手法は、グローブボックスにおける核燃料物質の滞留並びに外部被ばく線量の低減、アクリルパネルの視認性の改善に有効である。
宮部 あづさ*; 小山 拓*; 西尾 悠平*; 鈴木 裕士; 兼松 学*
コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集(CD-ROM), 19, p.59 - 64, 2019/10
本研究では、加熱後の再養生による鉄筋コンクリート(RC)の付着強度の回復メカニズムを解明するため、加熱履歴を600C、再養生期間を0, 3, 7日とした冷間引抜試験および化学分析を行った。さらに、試験体内部を中性子トモグラフィーで可視化した。実験結果として、600
Cで加熱したRCの付着強度は再養生3日後には回復した。再水和したコンクリート中では、水酸化カルシウムが増加した一方でC
Sが減少する傾向が見られた。また、加熱後に比べ再養生後は中性子線の透過率が低く、再水和により水和物が生成された可能性が示唆された。
鈴木 裕士; 楠 浩一*; 兼松 学*; 向井 智久*
コンクリート構造物の非破壊検査シンポジウム報文集,6, p.343 - 348, 2018/08
中性子回折法は材料深部の応力を非破壊・非接触で測定できる手法として良く知られている。われわれは、世界で初めて鉄筋コンクリートの付着力評価に中性子回折法を応用し、コンクリートに埋設された鉄筋の付着応力度分布の非破壊・非接触測定に成功した。これまでに、鉄筋コンクリートの定着力や曲げ付着力の評価、また、ひび割れや鉄筋腐食に伴う付着劣化の評価などに応用してきた。最近では、あと施工アンカーの付着性能評価など、新しい施工技術の開発研究にも応用が広がっている。本稿では、これまでに得られた成果を総括して紹介する。
関根 麻里子*; 鈴木 裕士; 兼松 学*
コンクリート工学年次論文集(DVD-ROM), 40(1), p.1545 - 1550, 2018/07
本論文は、これまで難しいとされてきた鉄筋コンクリート内の健全および腐食した鉄筋、さらに腐食ひび割れに補修を施した鉄筋コンクリート内の腐食鉄筋の応力分布を工学材料回折装置を用いて精度良く測定し、また、中性子イメージング装置を用いたCT撮影により試験体内部のひび割れ分布と補修材充填状態を確認した。検証の結果、腐食グレードによる付着応力度分布の変化を捉えることができた。また、腐食ひび割れに対して補修材を施工した場合、摩擦力の向上およびコンクリートの拘束効果の回復によって付着が回復することが確認された。
鈴木 裕士; 楠 浩一*; 佐竹 高祐*; 兼松 学*; 小山 拓*; 丹羽 章暢*; 椛山 健二*; 向井 智久*; 川崎 卓郎; Harjo, S.
非破壊検査, 67(4), p.180 - 186, 2018/04
本研究では、中性子回折法により二次元的に配筋した主筋およびせん断補強筋の応力分布を測定することにより、曲げモーメントを負荷した鉄筋コンクリート梁試験体の付着挙動を評価した。その結果、周囲のコンクリートによる主筋横方向の変形拘束が無視できるほどに小さいという前提に基づき、試験体を回転することなく、曲げ付着挙動の評価の鍵となる主筋の付着応力度分布の変化、およびせん断補強筋の軸応力変化の定量評価に成功した。ひずみゲージ法により測定されたコンクリートの巨視的な変形挙動との比較により、載荷に伴う曲げひび割れの発生と、それに続くせん断ひび割れの発生が、その周辺における付着劣化の原因となり、それに伴い主筋軸応力分布が変化することを確認した。本研究により、中性子応力測定技術は、鉄筋コンクリート梁の曲げ付着挙動の評価にも有効な手段であることを確認した。
鈴木 裕士; 楠 浩一*; 兼松 学*; 向井 智久*
コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集, 17, p.179 - 184, 2017/10
中性子回折法は材料深部の残留応力を非破壊・非接触で測定できる手法の一つとして知られている。われわれは、世界で初めて、鉄筋コンクリートの付着挙動の評価に中性子回折法を応用し、コンクリート内部に埋設された鉄筋の付着応力度分布の非破壊・非接触測定に成功するとともに、コンクリートのひび割れや鉄筋腐食に伴う応力分布の変化を捉えることにも成功した。このように、中性子回折法は鉄筋コンクリートの付着挙動の評価に有効なひずみ測定技術であり、今後、鉄筋コンクリートの構造力学研究や構造材料研究に広く応用されると期待される。本論文では、これまでに得られた成果を総括する。
千葉 敦也; 薄井 絢; 山田 圭介
第28回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.53 - 56, 2015/12
タンデム加速器の既設の負イオン源であるセシウムスパッターイオン源(SNICSII;米国NEC製)を用いた電子付着方式による高強度フラーレン(C)負イオン生成法の開発を行っている。本方式は、アイオナイザーから放出される熱電子をオーブンで昇華したC
に付着させ負イオン化するため、従来の生成法のようにスパッターによる解離を伴わず、効率よくC
負イオンが生成される。本方式により、これまでに従来の1,000倍の強度を達成しているが、イオン化チャンバー内の電子密度を増すことで更なる高強度化が望めることから、チャンバー内にタングステンフィラメントを設置し、そこから放出される熱電子も併用する方式を試みた。その結果、生成量を更に1桁増強させることに成功した。
千葉 敦也; 薄井 絢; 山田 圭介
第27回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.56 - 59, 2015/03
TIARAのタンデム加速器による高速フラーレンビームの利用が増加している。しかしながら、スパッター方式による負イオン生成方法では、ビーム強度が極めて低いため研究の進捗の障害となっていた。そこで、既存のイオン源を利用した電子付着方式によるフラーレン負イオン生成方法を開発し、これにより従来の1,000倍の強度のフラーレンビームを長時間安定に得ることに成功した。
齋藤 陽子
KURRI-KR-129, p.48 - 49, 2007/03
環境汚染の影響をよりよく理解するために、汚染物質の量及び分布を明らかにする環境モニタリングが必要である。大気浮遊じんは、放射性物質や大気汚染物質の直接の輸送媒体であるため、しばしばモニタリングの指標として使われている。それらは通常エアサンプラーによって捕集されるが、捕集の時期や場所が制限される。大気浮遊じんは、植物の葉表面に付着することが知られている。この現象に着目して、環境モニタリングのための指標として松葉表面付着物を利用することを検討した。原研東海研内の松林で採取した松葉を溶剤で洗浄し、表面付着物を回収した。また大気浮遊じんを松葉採取と同じ場所でエアサンプラーにより捕集した。それぞれの元素濃度は機器中性子放射化分析により測定した。松葉表面付着物中の元素濃度パターンは同時期に捕集した大気浮遊じんと一致し、大気浮遊じんは松葉表面付着物の主な成分であることがわかった。また、松葉内部組織に含まれる金属元素及びハロゲン元素の量は、松葉表面付着物に含まれる物より数十倍から数千倍多く、環境モニタリングを目的とした大気浮遊じんの指標としては、松葉表面付着物を用いるのが望ましい。
向井 雅之; 田中 忠夫; 湯川 和彦; Suryantoro*
原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.41 - 51, 2006/03
地下水中におけるコロイド共存下での放射性核種の移行を評価するため、計算コードを作成した。ラテックスコロイドを海岸砂及び赤色土カラムへ流入する実験を行い、流出曲線に対する4種類の多孔質媒体中コロイド移行モデル(瞬時平衡反応モデル,1次反応速度モデル,ろ過モデル,付着容量に制限を設けた1次反応速度モデル)の適用性を検討した。海岸砂からの流出曲線は、瞬時平衡反応モデルでは破過のタイミングと相対濃度1への到達速度とを同時に表すことが困難である一方、ブロッキング現象を模擬したモデルの1つである1次反応速度モデルでは流出曲線を良好に再現できた。赤色土からの流出曲線には、コロイドを繰り返し流入させたことに対応してコロイド流出濃度が階段状に高くなる特徴的な挙動が観察された。可逆的な瞬時平衡反応モデル及び1次反応速度モデルではこの挙動を表すことができなかった。しかしながら、ろ過に非可逆的な容量制限を設けた1次反応速度モデルにより特徴的な流出曲線を再現可能であった。天然バリア中の核種移行に及ぼすコロイドの影響を評価するモデルの基盤となるコロイド単体の移行モデルが実験結果に基づいて確証できた。
高柳 敏幸
Chemical Physics, 302(1-3), p.85 - 93, 2004/07
被引用回数:10 パーセンタイル:66.41(Chemistry, Physical)量子-古典混合近似を用いてアセトニトリルクラスターへの電子付加ダイナミクスの理論シミュレーションを行った。過剰電子の運動は電子基底状態を保つよう、量子力学的に取り扱い、溶媒分子中の原子の運動は古典力学で取り扱った。一電子擬ポテンシャルを電子とアセトニトリル分子の相互作用に使い、溶媒分子間の相互作用については経験的なポテンシャルを用いた。初期のクラスター構造は一定温度の分子動力学計算によって求めた。過剰電子は非常に弱く束縛された表面電子の状態から、徐々に溶媒和され、数ピコ秒の後、溶媒和される。このとき、アセトニトリル中のメチル基が電子に向くように分子が回転する。低温での小さなクラスターを除いて、ほぼすべてのクラスターで内部に束縛された溶媒和電子が生成することが見いだされた。電子の束縛エネルギーを最近の実験結果と比較したところ、シミュレーションは実験値よりかなり大きくなることがわかった。これは使った擬ポテンシャルにさらに改良の余地があることを示している。
木下 秀孝; 羽賀 勝洋; 粉川 広行; 神永 雅紀; 日野 竜太郎
Proceedings of ICANS-XVI, Volume 3, p.1305 - 1314, 2003/07
大強度陽子加速器計画において開発が進められている核破砕中性子ターゲットの設計において、ターゲット材となる水銀を安定して流動し、ターゲットで発生する陽子ビーム入射による熱を除熱するため、水銀循環システムの開発を進めている。水銀循環システムは現状、基本的な設計を終えており、基本仕様を確定している。しかし、水銀循環用のポンプや配管のエロージョンなど性能及び特性が確定していない問題がある。本報では、水銀流動システムの基本スペック及び設計指針を示し、開発に伴う水銀用ギアポンプ試験及び配管エロージョン試験の結果を示す。実験の結果、ギアポンプは十分所定の性能を満たし、実機への適用が可能でることを確認した。また、エロージョンに関しては施設の寿命期間には、強度低下を起こすほどの影響はないこと、さらに、配管に付着する水銀量の評価から運転員によるメンテナンスが短時間であれば可能なことを明らかとした。本結果を基に水銀循環システムの最終的な仕様決定を行う予定である。
小杉山 真一; 高田 昌二; 片西 昌司; Yan, X.; 滝塚 貴和; 國富 一彦
JAERI-Tech 2002-088, 70 Pages, 2002/11
GTHTR300が次世代原子力発電プラントとして相応しい信頼性,経済性を有するためには、保守・点検性に優れていることが必要である。そこで平成13年度に実施した基本設計結果をもとに、発電及びプラント性能に直接かかわるガスタービン,圧縮機,発電機,再生熱交換器,前置冷却器等の保守・点検方針の検討・提案を行った。検討の結果、各対象機器に想定される劣化・損傷事象等を考慮すると、既存の軽水炉発電プラント及び火力コンバインドサイクル発電プラントと比較して、技術的には保守・点検項目の合理化及び点検周期の延長が可能との見通しが得られた。一方で、各機器の設置状況,構造的特徴及び核分裂生成物の付着等の観点から、点検作業を現実的かつ効率的に行うために解決すべき課題を摘出した。提案された点検方針の妥当性確認及び各課題の解決については、今後のGTHTR300設計の詳細化の中で実施していく。なお、本件は文部科学省から原研への委託により実施している電源特会「核熱利用システム技術開発」の「高温発電システム」の内容に関するものである。
正木 圭; 秋場 真人
プラズマ・核融合学会誌, 77(9), p.884 - 893, 2001/09
ダイバータ板では、プラズマディスラプションの熱による材料の蒸発,溶融やダイバータプラズマによるスパッタリングなどにより損耗が発生する。これまで、電子ビームやイオンビーム,プラズマガンなどを用いてディスラプション時の熱負荷を模擬し、その時の母材の材料損耗を評価するという研究がすすめられてきた。しかし、再付着層(特にCFCの場合)が存在する場合の損耗特性の評価は十分に行われていなかった。そこで、JT-60の軽水素放電時(1989~1990年)のダイバータアーマタイル(CFC)に重水素イオンビームを照射してスパッタリング損耗を評価した。その結果、母材に比べて再付着層の部分は10%~20%損耗率が増加していることがわかった。一方、ストライクポイントの光沢部では逆に20%ほど減少することがわかった。JT-60重水素運転時(1991~1993年)に使用された黒鉛系タイル中のトリウチム分析をおこなった結果、1991年から1993年に生成されたトリチウム~310
Bqのおよそ50%に相当するトリチウムが真空容器内の黒鉛系タイルに残留していたことがわかった。平均濃度を比較した場合、第一壁領域よりもダイバータ領域が約2.5倍高い値であった。また、運転時のトリチウム放出挙動についても評価しており、ヘリウムグロー放電洗浄により短時間で効果的なトリチウム除去が行われることがわかった。
鎮守 浩史*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 坂本 義昭; 武部 愼一; 小川 弘道
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(8), p.645 - 654, 2001/08
被引用回数:3 パーセンタイル:71.43(Nuclear Science & Technology)地層中のコロイドでの移行挙動を実験的、理論的に考察するため、固相粒子充填カラム中でのコロイド粒子の固相表面への付着率に与える流れ場の影響について調べた。ガラスビーズを詰めたカラム中のラテックス粒子の破過曲線から、ラテックス粒子の付着効率を求め、この付着効率の流速依存性について、コロイド-固相間相互ポテンシャルの障壁を超えて付着する流れ場の効果を考慮したモデルにより解析を行った。
永井 桂一
JNC-TN9410 2000-003, 52 Pages, 1999/12
本書は、平成11年5月に実施した50MW蒸気発生器試験施設内の大型コールドトラップ(1次、2次ナトリウム系用)の解体洗浄に関し、解体洗浄に係る調査検討内容や解体洗浄方法、解体洗浄結果及び安全対策等について実施記録をまとめたものである。大型コールドトラップの解体洗浄は、ほぼ計画通りの方法にて安全且つ効率的に作業を行うことができた。また、これら一連の解体洗浄を通し、様々な知見や経験等を得ることができ、これまであまり経験の無かった大型コールドトラップの空気雰囲気中における解体洗浄技術を構築することができた。本件で得られた知見及び経験等は、今後実施される大型コールドトラップの解体洗浄や類似ナトリウム機器の解体洗浄の作業計画や作業実施及び安全管理等に充分役立つものと思われる。
鎮守 浩史*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 田中 忠夫; 小川 弘道
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.556, p.743 - 750, 1999/00
アクチニドを保持した地下水コロイドの移行は固相への付着に基づくフィルトレーション効果によって遅延を受けることが予想される。本研究では、負に帯電しているガラスビーズとラテックス粒子を用いたカラム実験及びバッチ実験を実施し、コロイドのフィルトレーション効果をコロイドの固相への付着挙動という観点から検討した。カラム実験において、ラテックス粒子の遅延は粒径またはイオン強度が大きいほど、付着の程度が大きくなることを明らかにした。また、ラテックス粒子の遅延の程度を示す分配係数は、バッチ実験より得られた値よりカラム実験結果から算出した値の方が大きいことを見いだした。これらの結果を解釈するため、付着界面でのコロイドに働く物理・化学的相互作用、流れの場の効果、付着粒子の脱離挙動などに関して考察した。
高柳 敏幸; 黒崎 譲*; 田池川 浩人*
Int. J. Mass Spectrom. Ion Process, 176(3), p.227 - 235, 1998/00
被引用回数:4 パーセンタイル:78.01(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)CClF分子のイオン化及び電子付着過程に引き続いて起こる分子のダイナミクスについての情報を得るためにab initioダイナミクス計算を行った。垂直イオン化によって生成するCCl
Fは非常に短い時間でCCl
FとClに解離する。この時、80%のエネルギーには2つのフラグメントの並進運動エネルギーに変換されることがわかった。一方、垂直電動エネルギーによって生成するCCl
Fアニオンも非常に短い時間内でCCl
FとCl
に解離する。しかしこの場合、エネルギーの大部分はCCl
Fの内部エネルギーに変換する。カチオンとアニオンの解離ダイナミクスの違いについて、ポテンシャルエネルギー曲面の違いを基に議論した。
青山 卓史; 升井 智彦*; 住野 公造; 佐井川 拓也*
PNC-TN9410 98-004, 74 Pages, 1997/12
高速炉プラントの保守・補修作業時の主要な被ばく源となる放射性腐食生成物(CP)の挙動解明と解析手法の整備に資するため、高速実験炉「常陽」において、第11回定期検査中の平成7年10月11月(積算原子炉熱出力:約14.3万MWd)に、1次冷却系の配管および主要機器を対象に、CPの付着密度と
線量率を測定した。今回は、新放射線計測技術として近年実用化が進んでいるプラスチックシンチレーション光ファイバ(PSF)検出器を
線量率分布測定に適用し、CP挙動測定の高精度化と迅速化を図った。本研究の主要な成果は以下のとおりである。(1)1次冷却系における主要なCP核種は、54Mnと60Coであり、これらの付着分布には以下の特徴がみられ、過去の測定結果と概ね同じ傾向であった。1)1次主冷却系配管(Aループ)のCP付着密度は、原子炉容器出口から主中間熱交換器までのホットレグ、主中間熱交換器から主循環ポンプまでのコールドレグ(1)、主循環ポンプから原子炉容器入口までのコールドレグ(2)について、それぞれ、54Mnが約15kBq/cm2乗、約33kBq/cm2乗、約46kBq/cm2乗であり、60Coが約8kBq/cm2乗、約5kBq/cm2乗、約7kBq/cm2乗であった。54Mnの付着密度は、60Coに比べて、ホットレグで約2倍、コールドレグで約7倍であり、54Mnの方が
線量率に占める割合が大きい。2)1次主冷却系配管表面の
線量率は、ホットレグで約0.3mSv/h、コールドレグ(1)で約0.2mSv/hおよびコールドレグ(2)で約0.4mSv/hであった。(2)今回の測定では、前回測定した第10回定期検査以降の原子炉運転時間が少なかったCPの生成量よりも減衰量が上回り、付着密度が減少した。また、原子炉停止後の冷却期間が長かったため、主に54Mnの減衰により
線量率も低下した。(3)PSFにより、10mまでの範囲で位置分解能の高い連続的な空間分布が数分間で得られた。また、狭隘で人のアクセスが容易でない保守作業エリアにおける
線量率分布が詳細に測定でき、空間線量率のデータを大幅に拡充できた。
竹内 正行; 石橋 祐三; 大橋 和夫; 永井 崇之; 武田 誠一郎; 山本 一也
PNC-TN8410 98-063, 48 Pages, 1997/12
(目的)再処理溶液中に存在する特有の金属種として、プルトニウムに着目し、硝酸プルトニウム溶液環境中でのステンレス鋼材料の腐食挙動について調査する。(方法)硝酸プルトニウム溶液を試験液に、R-SUS304ULCを供試材に使用し、材料浸漬試験、電気化学試験、吸光光度法による溶液中プルトニウムのin-situ原子価分析を東海事業所高レベル放射性物質研究施設で実施した。浸漬試験後の供試材は放射能測定による表面付着量の評価を行った後に、動燃大洗工学センターの照射燃料集合体試験施設において、詳細な材料表面分析を実施した。(結果)(1)硝酸中に共存するプルトニウムはステンレス鋼の腐食を促進する方向に作用し、過不働態腐食に帰属する粒界選択型の腐食形態が観察された。(2)イオンマイクロアナライザおよびX線マイクロアナライザによる分析結果から、浸漬試験片表面にプルトニウムは検出されなかった。(3)電気化学試験結果から、溶液温度が上昇するにつれて、R-SUS304ULCの腐食電位はより貴になり、不働態から過不働態域に移行する傾向を示した。また、その時のアノード電流密度は腐食速度を反映し、増大する傾向を示した。(4)溶液中プルトニウムのin-situ原子価分析結果より、当該環境(硝酸濃度3M,Pu濃度10g/l)では、313343K(40
70
)からプルトニウム(VI)が酸化生成する傾向が認められた。(結論)プルトニウムの影響によって進行するステンレス鋼の過不働態腐食は、材料表面におけるプルトニウムの還元反応(VI
IV)と密接に関連するものと考えられる。また、酸化剤として作用するプルトニウム(VI)は本溶液環境において、温度の影響を受け、硝酸によって酸化されることで生成することが分かった。