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論文

Circular polarization measurement of $$gamma$$-rays emitted from $$^{32}$$S(n,$$gamma$$)$$^{33}$$S reaction with polarized neutrons

遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 飯沼 昌隆*; 岩本 信之; 岩本 修; 亀田 健斗*; 河村 しほり*; 木村 敦; 北口 雅暁*; et al.

EPJ Web of Conferences, 329, p.05003_1 - 05003_3, 2025/06

共鳴の全角運動量は核データにおいて重要なパラメータの一つであるが、その測定は困難な場合が多く、測定で決定されていないことが多い。本研究では共鳴の全角運動量を偏極中性子照射により発生したガンマ線の円偏光度の測定により決定する手法の確立を目指している。円偏光どの測定を行うためのガンマ線ポラリメータを開発し、J-PARC・MLF・ANNRIに設置し、偏極中性子入射による$$^{32}$$S(n,$$gamma$$)$$^{33}$$S反応における5.4MeVガンマ線の円偏光度の測定を行った。この5.4MeVのガンマ線は50%円偏光していることが知られており、このガンマ線を用いてポラリメータの円偏光度への感度であるAnalyzing Powerを決定することが目的である。測定の結果1%程度の差が確認され、ANNRIにて初めて円偏光度の測定に成功した。

論文

Transverse asymmetry of individual $$gamma$$ rays in the $$^{139}$$La($$overrightarrow{n},gamma$$)$$^{140}$$La reaction

奥泉 舞桜*; Auton, C. J.*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.

Physical Review C, 111(3), p.034611_1 - 034611_6, 2025/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)

The observed enhancement of Parity Violation in the vicinity of p-wave compound nuclear resonances for a variety of medium-heavy nuclei can be understood using the sp-mixing model. The sp-mixing model predicts several neutron energy-dependent angular correlations between the spin and momentum of neutron and $$gamma$$-ray emitted from (n,$$gamma$$) reactions. In this work, the correlation term $$overrightarrow{sigma_textrm{n}}cdot(overrightarrow{k_textrm{n}}timesoverrightarrow{k_gamma})$$ in the $$^{139}$$La($$overrightarrow{n}$$,$$gamma$$)$$^{140}$$La$$^ast$$ reaction was measured precisely and a significant transverse asymmetry was found in the transition to the excited states of $$^{140}$$La.

論文

偏極中性子と水素核偏極試料を用いた複雑物質のナノ構造解析

熊田 高之

四季, 63, p.2 - 5, 2024/07

中性子はX線や電子線とは異なり水素に対して比較的大きな散乱長を持ち、その散乱長は軽水素Hと重水素Dで大きく異なる。そのため、ソフトマテリアルとよばれる化学・生物系複合材料の構造を解析するにあたり、特定成分を重水素ラベルすることにより散乱曲線は大きく変化し、その変化から特定成分の形状(部分構造)と多成分との絡み合い状態を決定できる。しかし、3成分以上の複合材料ともなると、部分構造を決定するには何種類もの重水素ラベル試料を用意する必要が生じる。材料科学の進歩に伴い中性子施設に持ち込まれる試料もますます複雑化する昨今において、重水素ラベル試料を複数用意するには多大な労力と困難を伴う。そこで我々は、最新の核偏極技術を採り入れることでスピンコントラスト変調実験のハードルを下げ、構造研究を展開することに成功している。本稿では最近行われた2つの研究を紹介する。

論文

Polarized neutrons observed nanometer-thick crystalline ice plates in frozen glucose solution

熊田 高之; 中川 洋; 三浦 大輔; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 廣井 孝介; 稲村 泰弘; 奥 隆之; 大石 一城*; 森川 利明*; et al.

Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 14(34), p.7638 - 7643, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

スピンコントラスト変調中性子小角散乱法を用いて急冷したグルコース濃厚溶液中に生成するナノアイス結晶の構造解析を行ったところ、厚さ1nm程度、半径数十nm以上の平面上の氷晶が生成していることを見出した。本結果はグルコース分子が特定の成長面に吸着することによりその面からの結晶成長を阻害していることを示す。

論文

J-PARC ANNRIビームラインにおける偏極熱外中性子利用

遠藤 駿典; 奥平 琢也*

波紋, 33(2), p.68 - 72, 2023/05

J-PARC・MLFに設置されている中性子ビームラインの一つであるANNRIでは、Ge検出器、NaI検出器、LaBr検出器などのガンマ線検出器を用いた核反応測定が行われている。さらに近年、偏極中性子生成デバイスであるHeスピンフィルタをANNRIにおいて導入可能となり、偏極中性子を用いた新たな核反応測定が行われるようになった。$$^{117}$$Snなどのp波共鳴において、中性子の偏極方向とガンマ線の放出方向に依存する断面積の測定が行われた。また偏極中性子と円偏光度測定を組み合わせた新たな核データや角相関項の測定が今後行われていく予定である。本稿ではこれらANNRIにおける偏極中性子利用に関しての現状について解説する。

論文

Measurement of the transverse asymmetry of $$gamma$$ rays in the $$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn reaction

遠藤 駿典; 奥平 琢也*; 安部 亮太*; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 奥 隆之; 酒井 健二; 嶋 達志*; et al.

Physical Review C, 106(6), p.064601_1 - 064601_7, 2022/12

 被引用回数:9 パーセンタイル:69.45(Physics, Nuclear)

熱外中性子入射により形成される複合核において観測された、空間反転対称性の破れの大きな増幅は、今のところ複合核状態の入射チャネルにおけるパリティの異なる部分波の混合の結果として説明されている。さらに時間反転対称性の破れも同様のメカニズムで増幅されることが示唆されている。この入射チャネルにおける混合は、複合核共鳴から放出される個々のガンマ線のエネルギー依存なスピン-角相関を引き起こす。本研究ではJ-PARC・MLF・ANNRIにて偏極熱外中性子ビームを用い、$$^{117}$$Sn($$n,gamma$$)$$^{118}$$Sn反応におけるガンマ線強度分布が、中性子の偏極方向に依存することを確認した。

論文

スピンコントラスト変調中性子反射率法を用いた非対称界面の構造解析

熊田 高之; 三浦 大輔*; 阿久津 和宏*; 奥 隆之; 鳥飼 直也*; 新関 智丈*

波紋, 32(4), p.165 - 168, 2022/11

スピンコントラスト変調中性子反射率法を用いて樹脂と多孔質メチル化シリカ2層膜の構造解析を行った。ところが、一般的なガウス界面を用いる限り共通の構造パラメーターで複数の反射率曲線を再現することができなかった。そこで樹脂がメチル化シリカの空孔に侵入する割合を変えたところきれいに再現することができた。

論文

偏極中性子によるスピンコントラスト変調法を用いた粉末中性子回折測定による分子性結晶中の水素原子位置情報の抽出

三浦 大輔*; 熊田 高之; 岩田 高広*

日本結晶学会誌, 63(4), p.287 - 293, 2021/12

スピンコントラスト変調粉末結晶構造解析法を開発した。本手法では、粉末結晶の偏極中性子散乱パターンの水素核偏極にともなく強度変化から結晶中の水素位置を決定することができる。我々はグルタミン酸粉末結晶を用いて本手法の原理実証実験に成功した。

論文

Measurement of Angular distributions of $$gamma$$-rays from $$^{139}$$La+n to excited states of $$^{140}$$La

奥平 琢也; 遠藤 駿典; 広田 克也*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; 酒井 健二; 清水 裕彦*; 高田 秀佐*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011121_1 - 011121_3, 2021/03

共通技術開発セクションでは物質・生命科学実験施設(MLF)における大強度中性子ビームの活用のために$$^{3}$$He中性子偏極フィルターの開発を推進している。$$^{3}$$He中性子偏極フィルターは幅広いエネルギーの中性子に対して高い偏極能力を有しており、他の偏極デバイスでは偏極が難しい、熱外中性子を偏極することが可能である。本装置を使用することにより、基礎物理分野などの熱外中性子を使用する研究分野においてさらなる発展が期待できる。原子核が中性子を吸収し、$$gamma$$線を放出する過程を詳細に調べることにより、現代物理学における未解決問題の一つである時間反転対称性の破れに対して知見を与えることが可能である。そのために偏極原子核標的と偏極中性子を使った未知の時間反転対称性の破れの探索実験がJ-PARC MLFにて計画されている。本計画では1eV程度の高いエネルギーの中性子を偏極できる$$^{3}$$He偏極フィルターを開発し、$$^{139}$$Laの偏極熱外中性子に対する吸収反応を測定する。本発表ではその基礎研究として$$^{139}$$Laが中性子を吸収し、$$^{140}$$Laの励起状態に遷移する際に放出される$$gamma$$線の角度分布を測定した結果について報告する。

論文

SUIREN (偏極中性子反射率計)

武田 全康

波紋, 31(1), p.18 - 19, 2021/02

JRR-3が約10年ぶりに運転再開するにあたって、JRR-3に設置されている偏極中性子反射率計(SUIREN)の現状と準備状況について報告する。

論文

Development and application of a $$^3$$He neutron spin filter at J-PARC

奥平 琢也; 奥 隆之; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 吉良 弘*; 酒井 健二; 廣井 孝介; 高橋 慎吾*; 相澤 一也; 遠藤 仁*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 977, p.164301_1 - 164301_8, 2020/10

 被引用回数:21 パーセンタイル:89.02(Instruments & Instrumentation)

We are developing a neutron polarizer with polarized $$^3$$He gas, referred to as a $$^3$$He spin filter, based on the Spin Exchange Optical Pumping (SEOP) for polarized neutron scattering experiments at Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) of Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC). A $$^3$$He gas-filling station was constructed at J-PARC, and several $$^3$$He cells with long spin relaxation times have been fabricated using the gas-filling station. A laboratory has been prepared in the MLF beam hall for polarizing $$^3$$He cells, and compact pumping systems with laser powers of 30 W and 110 W, which can be installed onto a neutron beamline, have been developed. A $$^3$$He polarization of 85% was achieved at a neutron beamline by using the pumping system with the 110 W laser. Recently, the first user experiment utilizing the $$^3$$He spin filter was conducted, and there have been several more since then. The development and utilization of $$^3$$He spin filters at MLF of J-PARC are reported.

論文

Transverse asymmetry of $$gamma$$ rays from neutron-induced compound states of $$^{140}$$La

山本 知樹*; 奥平 琢也; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 広田 克也*; 猪野 隆*; 石崎 貢平*; 木村 敦; 北口 雅暁*; 古賀 淳*; et al.

Physical Review C, 101(6), p.064624_1 - 064624_8, 2020/06

 被引用回数:19 パーセンタイル:83.82(Physics, Nuclear)

An sp-mixing model, which describes a compound nuclear reaction by mixing partial waves, predicts a correlation term in this reaction. The correlation term $$sigma_n$$ $$cdot$$ ($$k_n$$ $$times$$ $$k_gamma$$) in the $$^{139}$$La(n,$$gamma$$) reaction has been studied by measuring $$gamma$$-ray and neutron energies utilizing epithermal polarized neutrons and germanium detectors. The transverse asymmetry for single $$gamma$$-ray transition was measured to be 0.60 $$pm$$ 0.19 in the p-wave resonance.

論文

Development of the neutron polarizer for the T-violation search using compound nuclei

奥平 琢也; 奥 隆之; 酒井 健二; 猪野 隆*; 林田 洋寿*; 廣井 孝介; 篠原 武尚; 加倉井 和久*; 相澤 一也; 清水 裕彦*; et al.

Proceedings of Science (Internet), 356, p.029_1 - 029_5, 2019/12

共通技術開発セクションでは、J-PARC物質・生命科学実験施設の大強度中性子を活用するために、偏極中性子デバイスの一つである$$^{3}$$Heスピンフィルターの開発を行なっている。$$^{3}$$Heスピンフィルターの性能評価の一つの手段に、基礎物理分野での応用・評価があり、基礎物理実験も活用している。現在の物質優勢宇宙を説明するためには時間反転対称性の破れが不可欠であり、世界中で時間反転対称性の破れの探索実験が行われている。その一つに偏極中性子と原子核を使用して対称性の破れを測定する方法があり、J-PARCの大強度中性子を用いた時間反転対称性の破れ探索が計画されている。本計画では1eV程度のエネルギーの高い中性子を偏極するための従来にない巨大な$$^{3}$$Heスピンフィルターを開発する必要があり、原子力機構にて開発が行われている$$^{3}$$Heスピンフィルターの性能評価の良い検証となる。現在、偏極率の精度の良い評価システムや$$^{3}$$Heスピンフィルター製作のための真空システムの構築を行い、熱外中性子偏極のための大型スピンフィルターの開発を継続している。本発表では$$^{3}$$Heスピンフィルターの開発の現状について発表する。

論文

複合核における時間反転対称性の破れの探索

奥平 琢也

波紋, 29(3), p.126 - 132, 2019/08

$$^{3}$$He中性子偏極フィルターは幅広いエネルギーの中性子に対して偏極能力を有しており、他の偏極デバイスでは偏極が難しい、熱外中性子を偏極することが可能である。共通技術開発セクションでは物質・生命科学実験施設(MLF)における大強度中性子ビームの活用のために熱外中性子用の$$^{3}$$He中性子偏極フィルターの開発を行なっている。これを用いることで、基礎物理分野などの他、熱外中性子を使用した新規性の高い研究成果が期待される。原子核の中性子を吸収する反応を調べることにより、素粒子物理学における最大の謎の一つである時間反転対称性の破れに対して知見を与えることが可能である。偏極原子核と偏極中性子を使った未知の時間反転対称性の破れの探索実験がJ-PARC MLFにて計画されている。本計画では1eV程度の高いエネルギーの中性子を偏極できる$$^{3}$$He偏極フィルターを開発し、$$^{139}$$Laの偏極熱外中性子に対する吸収反応を測定する。本記事は本計画の概要と$$^{139}$$Laの中性子吸収反応に伴う$$gamma$$線角度分布測定の結果、および開発の現状について解説した。

論文

短パルス中性子源とエネルギー分析型中性子イメージング装置RADEN(螺鈿)による可視化技術

甲斐 哲也; 篠原 武尚; 廣井 孝介; Su, Y. H.; 及川 健一

非破壊検査, 67(5), p.209 - 216, 2018/05

RADENの機器構成とその役割、及び中性子ラジオグラフィ、トモグラフィの実例を示し、解説を行う。また、パルス中性子を利用した、ストロボ撮影、中性子共鳴吸収イメージング、ブラッグエッジイメージング、偏極中性子イメージングについても、手法の解説と簡単な測定例の紹介を行う。

論文

Magnetic field dependence of the canted spin moment around the interface between ferromagnetic Ni and antiferromagnetic FeMn revealed by the polarized neutron reflectivity

雨宮 健太*; 酒巻 真粧子*; 水沢 まり*; 武田 全康

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.034004_1 - 034004_6, 2015/09

The canted magnetic moment around the interface between ferromagnetic Ni and antiferromagnetic FeMn films is observed, and its dependence on the in-plane magnetic field is revealed by means of the polarized neutron reflectivity. The Ni magnetic moment at the interface to the FeMn film is suggested to be canted to the in-plane direction, while that in the inner Ni layers remains rather perpendicular to the film at weak magnetic fields. The interface moment easily rotates to the in-plane direction as increasing the magnetic field, and finally the inner layer moment also aligns in the in-plane direction at higher magnetic fields.

論文

A Demonstration study of focusing geometry SANS using a magnetic neutron lens

奥 隆之; 鈴木 淳市; 笹尾 一*; 山田 悟; 古坂 道弘*; 安達 智宏*; 篠原 武尚*; 池田 一昭*; 清水 裕彦

Physica B; Condensed Matter, 356(1-4), p.126 - 130, 2005/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:44.27(Physics, Condensed Matter)

われわれは、六極磁石に基づく中性子磁気レンズを開発した。中性子が六極磁場に入射すると、中性子のスピンが磁場と平行な場合、中性子は集光され、反平行な場合は発散される。角度分解能の向上や、高効率測定を目的とした集光型中性子小角散乱法が提案されている。中性子磁気レンズは、物質による中性子の吸収や散乱を引き起こさないため、集光型中性子散乱法で用いる中性子集光光学素子として、最適な素子であると考えられる。最近、われわれは集光型中性子小角散乱法にとって、十分な口径と中性子集光能力を有する中性子磁気レンズを開発した。本研究では、この中性子磁気レンズを用いて、集光型中性子小角散乱実験の検証実験を行ったので、その結果について報告する。

論文

中性子スピンを利用したビーム制御法・分光法の開発

山崎 大; 海老澤 徹*

波紋, 15(1), p.51 - 54, 2005/01

原研で行っている中性子スピンの時間的制御に基づいたビーム制御法・分光法の開発について概説する。中性子スピンは電気的に制御が行えるため、他のシステムと同期を取ったさまざまな電気信号による時間的制御が可能である。本稿では、Drabkin型エネルギー・フィルターをパルス中性子分光器におけるエネルギー解析器として利用することを提案し、その方法を解説する。また、スピンフリップ・チョッパーの開発とS/N比を大きく向上させるための多段式チョッパーの原理及び実証実験について紹介する。

論文

集光型偏極中性子小角散乱装置(SANS-J-II)へのシナリオ

小泉 智; 岩瀬 裕希; 田中 宏和; 橋本 竹治; 鈴木 淳市; 奥 隆之; 笹尾 一*; 清水 裕彦

波紋, 14(4), p.266 - 274, 2004/10

ソフトマター中性子散乱グループを中心として展開している、中性子小角散乱装置SANS-Jの改造の計画と現状をまとめた。改造の主な内容は、磁気レンズ及び物質レンズを用いた中性子集光技術の利用であり、これにより、これまで達成されていない$$Q$$$$leq$$0.0001$$mathrm{AA}^{-1}$$の実現を目指している(ここで$$Q$$は散乱中性子の波数である)。さらに、集光技術を強度に活用すれば、数倍の強度増が可能となる予定である。また、偏極中性子の利用も新たに検討されていて、偏極解析を行うことで、実験的に非干渉性部分の除去が可能になる予定である。これらの改造を達成すると、集光型偏極中性子小角散乱装置(SANS-J-II)が実現する。

論文

Pressure-induced successive magnetic phase transitions in the spin gap system TlCuCl$$_{3}$$

大沢 明; 加倉井 和久; 長壁 豊隆; 中村 充孝; 武田 全康; 田中 秀数*

Journal of the Physical Society of Japan, 73(6), p.1446 - 1449, 2004/06

 被引用回数:33 パーセンタイル:77.09(Physics, Multidisciplinary)

TlCuCl$$_{3}$$はこれまでに行われてきた磁気測定の結果から基底状態がスピン-重項で励起状態との間に有限なエネルギーギャップ$$Delta$$=7.7Kを持つスピンギャップ系であることがわかっている。最近、この系に対して、${it P}$=1.48GPaの静水圧を印加し非偏極中性子弾性散乱実験を行ったところ、零磁場中で${it T}$$$_{N}$$=16.9K以下において三次元秩序に伴う磁気ブラッグ散乱を観測した。われわれは今回この圧力誘起相転移に伴う磁気秩序構造についてより詳細に調べるために偏極中性子弾性散乱実験を行った。その結果、${it T}$$$_{N}$$=16.9K直下では秩序モーメントはa-c面内に寝ていて、${it T}$$$_{SR}$$=10.0Kで逐次相転移を起こし、モーメントがb軸方向に立ち始める振る舞いを新たに発見した。

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