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松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Hydrometallurgy, 199, p.105539_1 - 105539_8, 2021/02
被引用回数:4 パーセンタイル:31.70(Metallurgy & Metallurgical Engineering)D2EHPA(A)とMIDPA(B)を用いる希土類元素のイオン液体中へ協同抽出が検討された。D2EHPAまたはMIDPAを単独で抽出に用いる際には、その抽出種は[LnAHA]か[LnBHB]であった。錯形成定数から、協同抽出錯体である[TbHAB]や[DyHAB]は単独抽出剤による[LnAHA],[LnBHB]等の錯体種より安定であることが確認された。分離係数を考慮すると、協同効果を用いてDyをPrやNdからの分離が可能であることを確認した。
松宮 正彦*; 野水 大輝*; 土田 裕介*; 佐々木 祐二
Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(7), p.764 - 784, 2021/00
被引用回数:4 パーセンタイル:28.73(Chemistry, Multidisciplinary)ジケトンの一種である、Htta(テノイルトリフルオロアセトン)又はHbfa(ベンゾイルトリフルオロアセトン)とTOPOを用いてNd-Fe-Bマグネットから4つの希土類元素のイオン液体への抽出を試みた。期待される共同抽出が起こり、7回の連続抽出によって、TbとDyをその他の希土類元素から分離することができた。
渡邉 雅之; Mirvaliev, R.*; 館盛 勝一; 竹下 健二*; 中野 義夫*; 森川 公私*; 近沢 孝弘*; 森 良平*
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(3), p.377 - 390, 2004/06
被引用回数:33 パーセンタイル:66.35(Chemistry, Multidisciplinary)TPEN(N,N,N',N'-tetrakis(2-methylpyridyl)-ethylenediamine)とD2EHPA(di(2-ethylhexyl)phosphoric acid)を用い、オクタノールを有機相とすることでマクロ量の3価ランタノイドから3価アクチノイドを選択的に協同抽出できることを示した。見かけ上の分離係数(Am(III)の分配比のEu(III)の分配比に対する比)は、80程度を示し、先にJensenらにより報告された錯生成度定数の差からの予測値とよく一致した。この選択的分離には、抽出剤のモル比が重要で、D2EHPA:TPEN=2:1のとき最も選択性が良いことを明らかにした。この協同抽出機構を明らかにするため、オクタノール中でTPEN単独系、及びTPENとD2EHPA共存系について吸光光度滴定を行い、Ln(III)と抽出剤との錯生成平衡を解析した。その結果、TPENはEu(III)に1分子配位した錯体[Eu(TPEN)]を生成し、さらにD2EHPAは[Eu(TPEN)]に2分子配位すること,オクタノール中でTPEN-D2EHPA及びEu(III)の混合配位子錯体はかなり安定に存在することなどを明らかにした。また、D2EHPAとTPENはオクタノール中で2:1のモル比で会合しており、このことも協同抽出において重要な要因であることを見いだした。
目黒 義弘; 磯 修一; 扇柳 仁; 吉田 善行
Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.721 - 724, 2002/03
リン酸トリブチル(TBP)を添加した超臨界二酸化炭素(SF-CO)を抽出媒体として用い、-ジケトン(HA;2-テノイルトリフルオロアセトン,1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-7,7-ジメチル-4,6-オクタンジオン,1-フェニル-3-メチル-4-ベンゾイル-5-ピラゾロン)による硝酸水溶液からのU(VI),La(III),Lu(III)の抽出を調べた。TBPを加えない場合、金属-HA錯体のSF-CO中への溶解度が低いためこれら金属をSF-COに抽出できなかったが、TBPの添加によって溶解度が増大し、抽出が可能となった(モディファイヤー効果)。加えて、TBPの協同効果によって抽出効率が増し、酸性水溶液(~pH1.5)からU(VI)をSF-COへ抽出できた。超臨界流体抽出によるU(VI)とランタノイド(III)の分離条件を決定した。SF-CO抽出における抽出化学種はシクロヘキサンへの溶媒抽出におけるそれと同じであり、抽出定数は10~60倍程度小さかった。
長縄 弘親; 鈴木 英哉; 館盛 勝一; 那須 昭宣*; 関根 達也*
Physical Chemistry Chemical Physics, 3(12), p.2509 - 2517, 2001/06
被引用回数:34 パーセンタイル:71.54(Chemistry, Physical)以前の研究から、疎水性陰イオンであるピクリン酸イオンが金属イオンの抽出を大きく増大させることがわかったが、今回は、ランタノイドの分離についても検討し、疎水性陰イオンの効果が、抽出能ばかりではなく、分離能をも改善させることがわかった。本研究では二座配位抽出剤であるCMPOにピクリン酸を添加したときの協同効果を検討し、非常に大きな効果が生じるメカニズムを解明した。ピクリン酸イオンが対イオンとして働くことにより、ランタノイドとCMPOの錯陽イオンが脱水和されることが抽出錯体の脂溶性を高め、抽出能が向上する。また、脱水和によって有機配位子であるCMPOが金属イオンに対してより効果的に働き得ることが、分離能が向上した原因と考えられる。
長縄 弘親; 鈴木 英哉; 館盛 勝一; 那須 昭宣*; 関根 達也*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 73(3), p.623 - 630, 2000/03
被引用回数:6 パーセンタイル:35.26(Chemistry, Multidisciplinary)アクチノイド、ランタノイドの抽出分離に有用な新しい抽出剤として注目されているジアミドについて、その抽出能の向上に、イオン対抽出に基づく協同効果が有効かどうかを検討した。第2の抽出剤として、疎水性でかさ高の陰イオンであるピクリン酸イオンを用いた。本研究ではユウロピウム(III)の抽出に与える協同効果を検討し、そのメカニズムを解明した。その結果、Eu(III)にジアミド分子が2つ配位し、さらに対イオンとして、3つのピクリン酸イオンを伴ったイオン対錯体の生成が、この協同効果の大きさを決定づけていることがわかった。この錯体の抽出定数は対イオンが硝酸イオンに替わった錯体の抽出定数の610倍という大きさで、このことが、この系で見られる極端に大きな協同効果の原因であることがわかった。ピクリン酸イオンは、疎水性が大きいことから、抽出の向上に極めて有効に作用することがわかった。
鈴木 英哉*; 長縄 弘親; 館盛 勝一
JAERI-Research 98-050, 48 Pages, 1998/09
本研究では、超ウラン元素の分離工程のための抽出剤として現在注目されているジアミド及びCMPOを用いたランタノイドの抽出系に、さらに疎水性の陰イオンを添加することによって得られる協同効果について、そのメカニズムの解明及び抽出能の増大などについて検討した。本研究で用いた抽出剤は、二座配位抽出剤であるジアミド(DA)(N,N'-dioctyl-N,N'-dimethyl-2-(3'-oxapentadecyl)-propane-1,3-diamide)及びCMPO(diphenyl-N,N-dibutyl carbamoyl methylene phosphine oxide)であり、また、疎水性の陰イオンとしてピクリン酸(HPic)(2,4,6-trinitrophenol)などを使用した。DA及びCMPOによるLn(III)の抽出系では、ピクリン酸の添加による協同効果により抽出が大幅に増大した。協同効果による抽出定数とDAのみによるEu(III)の抽出定数の値を比較すると、約610倍の違いを示した。また、CMPOの場合では、約810倍の違いを示した。
目黒 義弘; 北辻 章浩; 木村 貴海; 吉田 善行
Journal of Alloys and Compounds, 271-273, p.790 - 793, 1998/00
被引用回数:21 パーセンタイル:73.83(Chemistry, Physical)3価アクチノイド及びランタノイドイオン(M(III))の18-クラウン-6エーテル(18C6)と-ジケトン(HA)による1,2-ジクロロエタンへの協同抽出反応を検討した。これら金属イオンは、競争的な二つの抽出反応、協同効果イオン対抽出(SIPE)反応、協同抽出(SE)反応、によって、それぞれ陽イオン性錯体、MA(18C6)、又は中性錯体、MA(18C6)、として抽出された。大きさの異なる置換基を有する4種類のHAを用いて、SIPEとSEの競争の優先性、及びSIPEにおける金属イオンの抽出選択性に及ぼすHAのかさ高さの影響を明らかにした。小さな置換基を有するHAを用いるほど、SIPE反応の優先性が増大し、またSIPEにおける金属イオンの分離係数も向上した。
佐々木 祐二; Choppin, G. R.*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 207(2), p.383 - 394, 1996/07
被引用回数:53 パーセンタイル:96.08(Chemistry, Analytical)3種のジアミド(DMDHOPDA,DHOPDA,DHTPDA)が新規に合成され、Eu, Th, UとAmの抽出において調べられた。なお、実験を進めるにあたりテノイルトリフルオロアセトンを併用する協同効果抽出が試みられた。これら元素はDHOPDA、DHTPDA単独では抽出できなかったが、テノイルトリフルオロアセトンを併用すれば協同抽出された。それぞれ元素の分配挙動より、主要な抽出錯体種はEu(TTA)(A), Th(TTA)(A)(X), UO(TTA)(A)とAm(TTA)(A), (AはジアミドXはClO)であることが確認された。
石渡 英一*; 木村 貴海; 加藤 義春; 長谷川 佑子*
Anal. Sci. Technol., 8(4), p.499 - 503, 1995/00
ランタノイド系列元素の溶液中における錯体の安定性を研究するために、クロロホルム中におけるランタノイド(III)-テノイルトリフルオロアセトン(TTA)錯体と7種のカルボン酸との付加錯体の生成定数を溶媒抽出法により測定した。カルボン酸との生成定数は概して原子番号の増加とともに減少したが、系列の中央でわずかに変化した。この傾向は系列中央での配位数の変化に対応すると解釈した。配位数の変化を確認するために、Eu(III)の蛍光寿命測定によりEu(TTA)及び付加錯体の水和数決定を試みた。Eu(TTA)及び付加錯体Eu(TTA)HB、Eu(TTA)・2HB(HB=カルボン酸)に対し、それぞれ3、2、1または3、1、0の残存水和数が示唆された。
北辻 章浩; 目黒 義弘; 吉田 善行; 山本 忠史*; 西沢 嘉寿成*
Solvent Extr. Ion Exch., 13(2), p.289 - 300, 1995/00
被引用回数:64 パーセンタイル:90.82(Chemistry, Multidisciplinary)クラウンエーテル(CE)とテノイルトリフルオロアセトン(TTA)による3価ランタノイドの協同抽出について研究した。TTAと18クラウン6又はジシクロヘキサノ18クラウン6を含む、1,2-ジクロロエタン相への軽ランタノイドの抽出において、特異なイオン対抽出が起き、Ln(TTA)CEなる陽イオン錯体が形成され抽出されることがわかった。この「協同効果-イオン対抽出」では、高い分配比と良い選択性が得られる。これは、軽ランタノイドとの錯形成における、クラウンエーテルのサイズ効果によって説明できる。
目黒 義弘; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 65, p.19 - 22, 1994/00
テノイルトリフルオロアセトン(HTTA)とクラウンエーテル(CE)によるAm(III)とCm(III)の溶媒抽出挙動を検討した。有機溶媒として誘電率が高い1,2-ジクロロエタンを用いたときに、錯イオン種M(TTA)CEが抽出される特異的な協同効果イオン対抽出反応を見出した。18-クラウン-6を用いたとき、最も顕著な協同効果が観測されたが、これは金属イオンとCEとのいわゆるサイズフィッティング効果によると解釈した。イオン対抽出反応に基づくとAm(III)とCm(III)の分離係数が向上した。これも金属イオン径とクラウンエーテルの環孔径とのフィッティング効果によって説明できる。抽出反応への溶媒、クラウンエーテル、対陰イオン等の影響も詳しく検討した。
館盛 勝一
Journal of Radioanalytical Chemistry, 49(1), p.31 - 35, 1979/00
ジ2エチルヘキシルリン酸(DEHPA)とモノ2エチルヘキシルリン酸(MEHPA)の混合溶媒によるアメリシウム(Am)の抽出について検討し、希土類元素の抽出においてみられたと同様の協同効果を見出した。すなわち、MEHPAの濃度が210M以上の時に、DEHPAあるいは2エチルヘキサノールを加えるとAmのDfは上昇した。DEHPAとMEHPAのモル比が2~3の時に最大のDfが得られた。これは、DEHPAのDfの約1000倍、MEHPA単独の時のDfの約10倍となり、群分離処理(再処理廃液)などの硝酸濃度が1M以上の溶液中からAmを抽出する際には有効と考えられる。
館盛 勝一; 中村 治人
Journal of Radioanalytical Chemistry, 44(1), p.37 - 47, 1978/01
希土類元素の抽出剤としてMEHPAとDEHPAの混合溶媒について検討した。本報告では,希土類元素の中のネオジム(Nd(III))を選び、MEHPA-Nd(III)抽出系でいくつかの知見を中心にその系に対するDEHPAの効果を述べた。MEHPAによるNd(III)の抽出では、抽出剤濃度0.01M近辺で低濃度(10M以下)のNd(III)に対し異常に高い分配比が得られた。DEHPAあるいは2-ethylhexanolを添加すると、0.01M MEHPA付近の異常に高い分配比は減少し、逆に0.03M MEHPAよりも高い濃度領域では、添加によりNd(III)の分配比は上昇した。その場合、DEHPA:MEHPA=3:1で最大の分配比が得られることがわかった。抽出化学種の吸収スペクトルの測定等によりこの協同効果の説明をすると同時に、放射線効果、分離係数()の測定、抽出容量の測定を行い、この混合溶媒が再処理廃液の群分離等に有用であることを示した。
館盛 勝一; B.Krooss*; 中村 治人
Journal of Radioanalytical Chemistry, 43(1), p.53 - 63, 1978/01
希土類元素および超プルトニウム元素の抽出に用いられるDEHPAの放射線分解生成物として、MEHPA,2-ethylhexanol等が知られているが、それらのDEHPA抽出系に対する影響を調べた。希土類元素の中のNd(III)を用いて、これらの混合溶媒系におけるDfを測定した。MEHPAは、DEHPA-Nd(III)抽出に対し、極めて強い抽出促進効果を示した。反対に、2-ethylhexanolは反協同効果を示した。一方、2-ethylhexanolはMEHPAの抽出作用を促進することから、DEHPA抽出系にMEHPA-2-ethylhexanol混合溶媒を添加すると、ある量まではDfの上昇が見られることがわかった。実際に線照射して損傷を起させたDEHPAについての抽出結果は、上記傾向と良く一致し、放射線分解による影響として、これら生成物の効果が大きい点が立証できた。
櫻井 智明*; 名越 航平*; 新井 剛*; 渡部 創; 佐野 雄一; 竹内 正行
no journal, ,
本研究では、抽出クロマトグラフィ法に用いる、抽出剤含浸吸着材中における協同抽出効果の発現に着目した。既往の成果により、CMPO-HDEHP吸着材は、協同効果の発現により吸着種の溶離が困難とされている。そこで種々の錯化剤を用いて新規の溶離液を模索したところ、クエン酸ナトリウム溶液が有用であると示された。