Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
中島 邦久; 高野 公秀
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(1), p.78 - 85, 2025/01
被引用回数:1 パーセンタイル:51.66(Nuclear Science & Technology)1Fでは、シビアアクシデント解析コードを用いた解析や汚染水からの逆解析により相当量のCsが炉内にまだ残っていると推定されている。そのため、炉心領域で想定されるCs蒸気とUOあるいはFe-Zr融体との化学的な相互作用の有無を調べた。その結果、Cs
UO
やCs
ZrO
の生成が確認され、燃料から放出されたCsがUO
燃料やFe-Zr融体と化学的な相互作用により付着する可能性があることが分かった。
Szab, L.*; 井上 瑞基*; 関根 由莉奈; 元川 竜平; 松本 悠佑*; Nge, T. T.*; Ismail, E.*; 一ノ瀬 泉*; 山田 竜彦*
ChemSusChem, p.e202402034_1 - e202402034_13, 2025/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)テクニカルリグニンを使用して、約2030nmの細孔サイズを持つ大細孔メソポーラスカーボンを開発した。ソフトテンプレート過程において、コポリマーテンプレートからユニークな円筒形の超分子凝集体が形成された。この特異なナノ構造は、PluronicテンプレートとPEGグラフト化リグニン誘導体(グリコールリグニン)の両方にポリエチレングリコール(PEG)セグメントが存在するために形成した。結果として得られた大細孔メソポーラスカーボンにおいて、毛管凝縮により270Kで 飽和圧力に近い条件においてCO
の吸収が大幅に増加した。
関根 由莉奈
化学と工業, 77(12), p.865 - 868, 2024/12
セルロース等の溶質を含む水溶液を0C以下にして凍らせると、氷結晶と溶質の相分離構造が形成する。この現象をハイドロゲルの架橋反応に利用することで、スポンジ状の特異な性質を持つゲルをつくりだしてきた。この架橋方法を凍結架橋法と名付けた。最近では、セルロースナノファイバーなど、さまざまな組成で凍結架橋ゲルが形成することがわかってきた。凍結架橋ゲルの作製法やその応用について紹介する。
Alowasheeir, A.*; 江口 美陽*; 藤田 善貴; 土谷 邦彦; 若林 隆太郎*; 木村 辰雄*; 有賀 克彦*; 籏野 健太郎*; 福光 延吉*; 山内 悠輔*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 97(10), p.uoae099_1 - uoae099_7, 2024/10
被引用回数:4 パーセンタイル:64.85(Chemistry, Multidisciplinary)EOPO
EOn
の自己集合及び噴霧乾燥により合成されたメソポーラスアルミナ粒子は、臨床グレードのモリブデン-99/テクネチウム-99m(
Mo/
Tc)ジェネレータの開発に利用されてきた。メソポーラスアルミナ粒子のMo吸着性能を評価した結果、市販のアルミナ粒子よりも効果的にMoイオンを吸着した。本メソポーラスアルミナ粒子の合成方法における界面活性剤の除去方法がMo吸着特性に及ぼす影響についてバッチ法により系統的に調べた。その結果、Mo吸着容量は45.9から91.2mg-Mo/gであり、Mo吸着容量の高い条件から順に「溶媒抽出したままのアルミナ、焼成(400
C及び800
C)後のアルミナ、市販アルミナ」であることが分かった。さらに、臨床グレードのジェネレータへの適用性を評価するため、新たにタンデムカラムジェネレータの条件を採用して試験した結果、噴霧乾燥して抽出したメソポーラスアルミナを用いたジェネレーターから溶出した
Tcは高い放射核種純度、放射化学的純度、化学純度を示し、
Tc標識放射性医薬品の調製に適していることを明らかにした。
垣内 拓大*; 穴井 亮太*; 佐伯 大殊*; 津田 泰孝; 吉越 章隆
Journal of Physical Chemistry C, 128(31), p.13052 - 13063, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)Hf薄膜を形成したSi(111)基板の界面および表面の酸化プロセスを超音速酸素分子ビーム(SOMB)と放射光光電子分光法により研究した。0.5単層(ML)のHf-Si(111)は、HfSiとHfSiを含む。0.03eVの並進エネルギー(Et)を持つ熱酸素分子を照射すると、HfSiはHf
価に酸化された。Etが0.39eVのSOMB照射により、他のHfSi
はHf
に酸化された。熱酸素曝露後、金属Hfはトラッピングを介した解離吸着を経てHfO
に非局所的に酸化された。一方、偏析したSi原子は2.2eVのSOMB照射によって酸化され、表面にSiO
が生成した。
藤田 善貴; Hu, X.*; Yang, Y.*; 北川 大凱*; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; Do, T. M. D.*; 鈴木 達也*; 末松 久幸*; et al.
KURNS Progress Report 2023, P. 122, 2024/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適用するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。本報告では、高いMo吸着特性を有すると報告されている2つの文献を基に3種類のアルミナを合成し、ジェネレータへの適用性を評価した。京都大学研究用原子炉(KUR)で照射したMoO
を溶解した溶液(Mo濃度10g/L、pH4)に、アルミナを添加し3時間静置した。静置後のアルミナをカラムに移し、24時間ごとに2日間ミルキングを実施した。その結果、全てのアルミナで現行のジェネレータに使用されているアルミナを大きく上回る90mg-Mo/g以上のMo吸着量を得た。一方で、表面に均一な細孔が観察されたアルミナではミルキングにおけるMo脱離量も多かった。したがって、本試験条件においては、アルミナの表面状態はMo吸着特性よりもMo保持能力に大きな影響を与える可能性が示唆された。今後、より実用的な条件下でのジェネレータへの適用性を評価する。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 杉田 剛; 永川 栄泰*; 柴山 由樹; 元川 竜平; 深澤 倫子*
Nanoscale, 16(19), p.9400 - 9405, 2024/05
被引用回数:3 パーセンタイル:70.50(Chemistry, Multidisciplinary)凍結架橋法により強靱なカルボキシメチルセルロースナノファイバー(CMF)/ジルコニウム(Zr)複合ハイドロゲルを開発した。本ハイドロゲルは、Zrを含むHCl溶液を凍結CMFに添加し、それを解凍することによって調製した。作製したハイドロゲルはフッ化物に対して高い吸着性を示した。本研究により、ハイドロゲルと金属の複合体の開発に有用な知見を得た。
関根 由莉奈; 南川 卓也; 廣井 孝介; 大場 洋次郎*; 永川 栄泰*; 杉田 剛; 柴山 由樹; 深澤 倫子*
Carbohydrate Polymers, 327, p.121538_1 - 121538_11, 2024/03
被引用回数:12 パーセンタイル:87.28(Chemistry, Applied)セルロースの結晶転移とその後の凍結架橋反応によってナノセルロース(NC)から形成された、無毒で強靱なNCゲルを開発した。低濃度のNaOHの使用と凍結を併用すると、凍結濃縮によりセルロースIからIIへのNCの結晶相転移が誘導されることを見出した。結晶相転移後、凍結濃縮層(FCL)内のNCとCA間の架橋により、強力なNCネットワーク構造が形成され、高い機械的強度を備えたNCハイドロゲルが形成した。凍結架橋したNCハイドロゲルは、NC-NaOHゾルと粉末吸着剤を混合することにより吸着剤を内部空間に容易に保持し、高い重金属除去効率を示した。この結果は、機能性材料の開発における化学修飾されていないセルロースの多用途性を示し、実用化の可能性を示すものである。
藤田 善貴
JAEA-Review 2023-010, 108 Pages, 2023/08
Tc(テクネチウム-99m)は核医学検査薬として最も多く使用されているラジオアイソトープであり、親核種である
Mo(モリブデン-99)から生成される。
Moの大部分はウランの核分裂生成物の一つとして生成されるが、近年、核セキュリティや核不拡散の観点からウランを用いない
Mo製造方法が望まれている。その方法の一つが、
Moに中性子を照射する(n,
)法である。しかし、この方法で生成される
Mo比放射能は極めて低いため、
Moから
Tcを分離濃縮する装置である
Mo/
Tcジェネレータへ適用するには、Mo吸着材として使用されるアルミナ(Al
O
)のMo吸着および
Tc溶離性能の向上が必要である。そこで本論文では、(n,
)法を利用した
Mo/
Tcジェネレータの実用化のため、アルミナの性能向上に有効なパラメータを解明し、低比放射能の
Moに適用可能性のあるアルミナカラムの開発に貢献することを目的とする。本研究では、始発原料の異なるアルミナを作製し、
Mo/
Tcジェネレータ用のMo吸着材としての適用性を評価した。アルミナの結晶構造および比表面積がMo吸着特性へ及ぼす影響を明らかにするとともに、アルミナの表面分析結果に基づきMo吸着機構を解明した。また、京都大学研究用原子炉(KUR)で照射したMoO
を使用して
Tc溶離特性および
Tc溶液の品質を評価し、現行のジェネレータを想定したアルミナカラムの試験結果からジェネレータへの適用可能性のある新たなカラム形状を提案した。これらの結果は、(n,
)法を利用したジェネレータの実用化のためのアルミナカラムの開発に貢献する。
Zheng, X.*; 加藤 優*; 上村 洋平*; 松村 大樹; 八木 一三*; 高橋 仁徳*; 野呂 真一郎*; 中村 貴義*
Inorganic Chemistry, 62(3), p.1257 - 1263, 2023/01
被引用回数:8 パーセンタイル:77.83(Chemistry, Inorganic & Nuclear)A glass-crystal composite (g-NCP/PCP), comprising a glassy nonporous coordination polymer (g-NCP) and a crystalline porous coordination polymer (PCP)/metal-organic framework, was synthesized by using a melt-quenched method. Compared to that of the PCP itself, g-NCP/PCP has an enhanced gas adsorption selectivity. The results should stimulate further studies of the chemistry of g-NCP/PCP glass-crystal composites.
藤田 善貴; 関 美沙紀; Ngo, M. C.*; Do, T. M. D.*; Hu, X.*; Yang, Y.*; 武内 伴照; 中野 寛子; 藤原 靖幸*; 吉永 尚生*; et al.
KURNS Progress Report 2021, P. 118, 2022/07
核セキュリティ等の観点から放射化法((n,)法)による
Mo製造の研究開発が進められている。この方法を
Mo/
Tcジェネレータに適応するためには、Mo吸着材として用いられるアルミナ(Al
O
)の特性改善が不可欠である。これまで、開発したAl
O
試料から得られる
Tc溶液の品質を評価してきたが、溶液中への
Mo脱離が課題だった。本研究では、市販のジェネレータを模した形状のカラムにAl
O
試料を充填し、
Mo脱離低減のためのいくつかの措置を施して
Tc溶液の品質を評価した。以前実施した、Al
O
試料をMo溶液に浸漬させる静的吸着の条件と比較した結果、Mo溶液をAl
O
カラムに流す動的吸着の適用、Mo溶液の高濃度化、Mo添加量の低減により
Mo脱離量が大幅に改善された。したがって、吸着方法および吸着条件の最適化による品質向上の可能性が示唆された。今後、本結果に基づきカラム形状およびMo吸着条件の最適化を図る。
南川 卓也; 関根 由莉奈; 山田 鉄兵*
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 95(5), p.825 - 829, 2022/05
被引用回数:4 パーセンタイル:28.02(Chemistry, Multidisciplinary)環境を浄化するためには、排水中から有害金属を除去する技術が不可欠である。本研究ではワンポット水熱法によって合成されたTbシュウ酸塩フレームワーク(TOF)を利用して、Pb選択的吸着剤を開発した。TOFは、層間空間がイオン交換可能サイトとして機能する2次元シート構造を持つ。Pb, Cd
, Mn
, Co
, Ni
, Cu
, Na
, K
, Mg
、およびCa
を含む混合イオン溶液にTOFを添加した吸着試験では、TOFが他の金属イオンの中でもPb
に対して高い選択性を示した。Pb
に対するTOFの飽和吸着容量は276mg g
であり、従来の鉛吸着剤よりも高い吸着性能を示した。さらに、TOFは可逆的な鉛吸着/脱着を示し、繰り返しの使用可能である。TOFはPb
を除去するための吸着剤として優れた可能性を持っており、廃水浄化の有望な材料でもあることが明らかになった。
熊谷 友多; 木村 敦*; 田口 光正*; 渡邉 雅之
Radiation Physics and Chemistry, 191, p.109831_1 - 109831_8, 2022/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)本研究では、疎水性ゼオライトによる吸着を併用することで、放射線による水中有機物の分解処理の高効率化を試みた。水中有機物の放射線分解処理では、水分解に由来するラジカルの反応を利用するが、それらのラジカルと反応する夾雑イオンが存在すると分解処理の効率が低下するという課題がある。そこで、吸着処理を併用することで夾雑イオンの影響を低減する方法について研究した。組成におけるSi/Al比が高く、疎水性を呈するモルデナイト型ゼオライト(HMOR)を吸着材として利用したところ、HMORに吸着する2-chlorophenolおよび2-chloroanilineの分解反応は、夾雑イオンの存在下でも高い反応効率で進行した。一方で、HMORにほとんど吸着しない2-chlorobenzoic acidの分解反応では、HMORによる吸着処理併用に有意な効果は認められなかった。これらの結果から、吸着によってゼオライト細孔内に有機物を濃縮し、水中の夾雑イオンと空間的に分離することで、放射線による分解反応を促進できることが分かった。
藤田 善貴; 新関 智丈*; 福光 延吉*; 有賀 克彦*; 山内 悠輔*; Malgras, V.*; Kaneti, Y. V.*; Liu, C.-H.*; 籏野 健太郎*; 末松 久幸*; et al.
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 95(1), p.129 - 137, 2022/01
被引用回数:10 パーセンタイル:60.41(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、異なるpHの様々なモリブデン酸イオン種を含む溶液に浸したアルミナの各種表面分析(FTIR, XPS,ラマン分光法)により、アルミナへのモリブデン酸イオンの吸着メカニズムを考察した。得られた結果は、モリブデン酸イオンを含む酸性溶液にアルミナを浸すと、表面に存在するヒドロキシル基が除去されて正に帯電したサイトが生成され、モリブデン酸イオン(MoOまたはAlMo
O
H
)が静電相互作用によって吸着されることを示した。アルミナは酸性溶液にわずかに溶解してAlMo
O
H
を形成し、これはMoO
よりも容易に脱離する。さらに、アルミナ表面を多くの-OH基で濃縮し、Mo溶液を最適化してアルミナへMoO
としてモリブデン酸イオンを吸着させることで、アルミナのMo吸着および脱離特性を向上できる可能性が示唆された。これらの発見は、医療用放射性同位体(
Mo/
Tc)ジェネレータ用の、より効率的で安定したアルミナベースのMo吸着剤の開発に貢献できる。
藤田 善貴; 関 美沙紀; 佐野 忠史*; 藤原 靖幸*; 鈴木 達也*; 吉永 尚生*; 堀 順一*; 末松 久幸*; 土谷 邦彦
Journal of Physics; Conference Series, 2155, p.012018_1 - 012018_6, 2022/01
モリブデン-99(Mo)の娘核種であるテクネチウム-99m(
Tc)は、放射性医薬品で最も使用される放射性同位元素である。核不拡散や核セキュリティ等の観点から、放射化法((n,
)法)による
Mo製造技術開発が進められている。(n,
)法によって生成される
Moの比放射能は極めて低いため、(n,
)
Moをジェネレータに適応させるには高いMo吸着容量を有するAl
O
の開発が必要不可欠である。本研究では、材料が異なる3種類のAl
O
を準備し、静的および動的吸着でのジェネレータへの適応性を比較した。MoO
ペレット片(1.5g)は、京都大学研究用原子炉(KUR)を使用して5MW, 20分間照射した。照射後、MoO
ペレット片は6Mの水酸化ナトリウム水溶液で溶解し、動的吸着条件として1gのAl
O
を充填したPFAチューブ(
1.59mm)に添加し、生理食塩水によりミルキングした。動的吸着でのAl
O
の
Mo吸着容量は、静的吸着と比較してわずかに減少した。
Tc溶出率は、動的吸着では1.5mLのミルキングで約100%溶出されたが、静的吸着では約56-87%しか溶出されなかった。また、動的吸着では
Mo/
Tc比が、静的吸着と比較して大幅に減少した。以上より、
Tc溶出特性は、Moの吸着方法(カラムの形状,線形流量など)に大きく影響されることが示唆された。
南川 卓也; 関根 由莉奈
Isotope News, (778), p.34 - 35, 2021/12
廃棄骨を炭酸水素ナトリウムで処理することにより、非常に簡便に高性能な吸着剤を合成することに成功した。またこれは、非常に安価で供給力の高い素材であるため、広範囲の除染や有害金属の除去に使える可能性がある。
林 菜月*; 松村 大樹; 保科 宏行*; 植木 悠二*; 辻 卓也; Chen, J.*; 瀬古 典明*
Separation and Purification Technology, 277, p.119536_1 - 119536_8, 2021/12
被引用回数:26 パーセンタイル:70.03(Engineering, Chemical)To develop a safe and simple method for the reduction of toxic chromium(VI) to the less harmful chromium(III), we proposed using radiation-induced graft polymerization. This method allows for any functional group to be introduced into conventional polymeric materials. Herein, we synthesized a fibrous adsorbent with amidoxime functional groups that have a high affinity for chromium, and investigated the changes in the chromium valence state over time in the amidoxime-grafted adsorbent. In situ X-ray absorption fine structure analysis revealed that most of the chromium(VI) was reduced to chromium(III) relatively early during the adsorption process, followed by gradual changes in the bonding structure of the amidoxime-chromium complex. It is expected to contribute to the development of practical technologies for wastewater treatment.
つくば特区プロジェクト6会合メンバー
JAEA-Review 2021-016, 102 Pages, 2021/11
2011年12月に内閣総理大臣によって「総合特別区域」につくば市と茨城県内の一部の地域が指定された。つくば国際戦略総合特区では、つくばの科学技術の集積を活用したライフイノベーションやグリーンイノベーションの推進による産業化を推進することを目的とし、9つの先進的な研究開発プロジェクトが進められている。その中で、核医学検査薬(テクネチウム製剤)の国産化は、2013年10月に新たなプロジェクトと認定され、日本原子力研究開発機構をプロジェクトリーダーとして、関係機関と連携して研究開発を実施している。日本は、米国、欧州に次いでモリブデン-99(Mo)の世界第3位の消費国であるにもかかわらず、そのすべてを輸入している。海外の製造用原子炉のトラブルによる停止や、火山噴火や事故による輸送(空輸、陸送)の停止により、供給が不十分になることから、早期の国産化が強く求められている。本プロジェクトは、診断薬として用いられている放射性同位元素のテクネチウム-99m(
Tc)原料である
Moの国産化を目指した技術開発である。本報告書は、第1
2期計画(2014
2020年度)に行った活動をまとめたものである。
岡本 芳浩; 大杉 武史; 塩飽 秀啓; 赤堀 光雄*
Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists, p.285 - 294, 2021/10
水溶液中におけるいくつかの粘土鉱物に吸着されたセシウムの移行挙動をセシウム元素K吸収端XAFS(X線吸収微細構造)分析により調べた。分析対象とした試料は、セシウムを吸着させた粘土鉱物を水中において、別の純粋な粘土鉱物と混合することによって調製した。それを乾燥した混合粉末のXAFS分析結果を、混合前に得られた結果と比較した。これらのXAFS分析から、イライト,カオリナイト,バーミキュライトの3種類の粘土鉱物が認められ、水中のセシウムが、カオリナイトからイライトとバーミキュライトへ、さらにイライトからバーミキュライトへと移行することが確認された。これらの結果から、セシウムは最終的にバーミキュライトに移行して蓄積すると結論付けられる。
堀内 勇輔; 渡部 創; 佐野 雄一; 竹内 正行; 木田 福香*; 新井 剛*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 330(1), p.237 - 244, 2021/10
被引用回数:11 パーセンタイル:77.39(Chemistry, Analytical)抽出クロマトグラフィ法を採用した高レベル放射性廃液からのMA分離技術の構築のためにTEHDGA吸着材の適用性をバッチ式吸着およびカラム試験により評価した。バッチ式吸着試験の結果より、TEHDGA吸着材はTODGA吸着材と比較すると核分裂生成物の除染性能が優れていることが確認された。さらにカラム試験の結果より、TEHDGA吸着材から希土類元素の全量溶離が確認されたためTEHDGAは吸着材としても性能は十分に発揮され、プロセスへの適用が期待できる。