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高橋 昭久*; 久保 誠*; 五十嵐 千恵*; 吉田 由香里*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 中野 隆史*
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 82, 2015/03
放射線によるDNA二本鎖切断(DSB)は致命的であるが、相同組換え(HR)および非相同末端結合(NHEJ)によって修復される。そこで、我々は殺細胞効果におよぼすDNA二本鎖切断修復のLET依存性を明らかにすることを目的に、DNA二本鎖切断修復の異なる細胞における高LET放射線感受性をコロニー形成法で評価した。その結果、NHEJがはたらく野生型細胞とHR欠損細胞は108keV/mの炭素線で高いRBE値を示した。SER値はHR修復欠損ではLETの違いによらず約2と一定だったのに対して、NHEJ修復欠損ではX線に比べて、HR修復欠損よりも高い値を示した。
横田 裕一郎; 長谷 純宏; 鹿園 直哉; 田中 淳; 井上 雅好*
International Journal of Radiation Biology, 79(8), p.681 - 685, 2003/08
被引用回数:21 パーセンタイル:77.57(Biology)イオンビーム照射した植物単細胞での放射線感受性と生物学的効果比(RBE)の線エネルギー付与(LET)依存性を調査するために、タバコ(BY-2)単細胞にカーボンイオン(78.6-309keV/m)及び
線(0.2keV/
m)を照射した。照射2週間後、16細胞以上からなるコロニーを形成した照射細胞を生存細胞として計数した。生存割合を単一ヒット多標的理論を用いて近似した。生存割合を0.1に減少させる線量(D
)は
線で47.2Gy、カーボンイオンで10.5から12.6Gyであった。ほ乳類細胞に比べてタバコ単細胞の放射線感受性は5から10倍低かったが、放射線感受性と高い相関を持つパラメータである染色体当たりのDNAサイズは両者の間でほぼ同じであった。D
に基づくRBEは247keV/
mでピークに達した。タバコ単細胞におけるカーボンイオンのD
に基づくRBEピークは他の生物において認められているよりも高LETで認められた。
小倉 紘一*; 浅野 雅春; 安田 仲宏*; 吉田 勝
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 185(1-4), p.222 - 227, 2001/12
被引用回数:33 パーセンタイル:88.96(Instruments & Instrumentation)放射線感受性の高い素材の開発を進めているが、ジエチレングリコール・ビス・アリルカーボネート(CR-39)に感温材料で知られているN-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を少量添加した共重合体(TNF-1)がLETで10keV/mの粒子を検出できることがわかった。また、このTNF-1は27MeVのプロトンも検出できた。このようなTNF-1はCR-39/NIPAAm(99/1)中に0.01%の酸化防止剤(ナウガード)を添加し、70
で24h反応させて作製した。得られたTNF-1は透明な1mm厚さのプラスチック板であった。この論文では、このTNF-1を用いて宇宙線測定,中性子測定そして重粒子線による癌治療時のモニタリングなどのドシメトリーについて検討し、従来素材のCR-39(TD-1)と比較した。
中江 延男
PNC TN1102 97-013, 45 Pages, 1997/07
FBR燃料の設計と照射実績について議論を始めるわけであるが、この議論は「核分裂エネルギー利用体系においてFBRは必要である」という命題が正しいとの前提に立つものである。ここでは、当然この命題が正しいことを前提にして議論を進めるが、正しいと考える論拠を多少述べてみたい。まず、核分裂エネルギー利用体系において、open cycle(ワンス・スルー)とclosed cycle(リサイクル)のどちらを選択すべきかについて検討してみる。検討のための前提条件として考えておくべき項目は、例えば、世界人口の増加や生活様式の変化にともなうエネルギー需要の増大とエネルギー安全保障の確保、化石燃料の大量使用による環境への負荷の増大、原子力システム自体の安全性などいろいろあるが、これらを逐一議論することは、この講義テキストの本来の主旨とは異なるのでやめることとする。そして、極めて勝手であるが(但し、良識ある多くの国民の支持を得るであろうと確信しているが)、次の点は正しいと仮定して検討することとしたい。すなわち、「ウラン資源は有限であるが、原子力の利用は必要であり、かつその需要は世界的に増大する」との仮定である。この場合、燃料の燃焼度(600GWd/t以上を達成)および使用済燃料の処分(信頼性の高い処分方法の確立)の技術的課題が解決されれば、システムとして単純なopen cycleを選択すべきである。しかし、この技術的課題を解決する方法が、当分の間は見い出せないであろうため、システムとして多少複雑となるが核燃料をリサイクルするclosed cycleを選択することとなる。closed cycleとした場合、Puの燃焼はもちろんのこと、Np、Am、Cmといったマイナーアクチニド(MA)も効率よく燃焼させることが、環境への負荷を低減する観点から重要である。核分裂エネルギー利用体系では、より多くの中性子が存在し、かつPuやMAがより効率よく燃焼することが必要である。このためには、吸収当りの中性子発生量が大きく、かつ核分裂断面積と捕獲断面積との比(f/
c)が大きいことが望まれる。FBRリサイクル路線を選択することにより、有限なウラン資源を効率よく利用することができ、かつ世界的な原子力エネルギー需要の増大に適切に対応することが可能となる。さらに、MAを効率よく燃焼させることも可能となり、環境へ
前沢 博*; 古沢 佳也*; 小林 克己*; 檜枝 光太郎*; 鈴木 雅雄*; 宇佐美 徳子*; 横谷 明徳; 母里 知之*
Acta Oncologica, 35(7), p.889 - 894, 1997/01
被引用回数:7 パーセンタイル:22.72(Oncology)シンクロトロン放射を単色光源として用い、大腸菌の野性株及び放射線感受性株に対して、リンK殻光吸収による致死効果を測定し、オージェ電子による増感作用を定量した。照射実験は、高エネルギー物理学研究所・フォトンファクトリーのBL-27で行った。リンK殻吸収端付近に現れるDNAの共鳴ピーク波長及びその前後のエネルギーを照射に用いた。いずれの株の場合も、リンの共鳴により致死効率の増感が観測された。それぞれの株の致死効率から、Auger電子あるいは光電子が、DNA周囲の水分子とイオン化しさらにこれら励起水分子がDNAを攻撃することが推測された。リンからのこれら2次電子効果を含めた最終的な標的サイズは、数nmと推定された。
瀧上 真知子*; 伊藤 均
食品照射, 30(1-2), p.11 - 16, 1995/00
Escherichia coli BおよびB/r株のガンマ線および紫外線感受性についての報告は、従来から行われてきている。しかし両者の影響を同一エネルギーレベルで比較検討した報告は殆んどない。そこで、ガンマ線および紫外線をE.coliの各菌株に照射し、生存率ならびに突然変異率を求め照射の影響を比較検討した。その結果、同一エネルギーレベルでは、いずれの菌株においても、紫外線に対する感受性はガンマ線より高いことが認められた。また、菌株の感受性は、E.coli B株から分離されたB株で最も高く、次いで同様に分離されたB
株、放射線抵抗性のB/r株の順であった。突然変異誘発については、ラクトースを質化する能力のないlac
株と、アミノ酸要求性株について調べたが、突然変異発生率は、紫外線よりガンマ線照射の方が高い傾向が認められた。またガンマ線照射によるlac
の発生率はB
株で最も高く、次いでB
、B/r株の順であった。
*
PNC TJ1500 94-002, 61 Pages, 1994/03
動燃各事業所及び原研各研究所の線照射設備を対象として、基準照射線量(率)場の相互比較(ブラインドテスト)を、前年度の受託で開発したガラス線量計システムを用いて調査し、本ブラインドテストの有効性について考慮すると共に、今後のブラインドテスト手法の標準化について検討を行った。今回の調査は、ブラインドテストに使用するガラス線量計システムの測定条件の設定及び
線照射設備の照射条件の設定を行い、線量測定精度の向上を図ると共に、各事業所の
線照射設備の現地調査を実施し、線量測定精度に及ぼす影響等について調査した。そして、各事業所にガラス線量計を配布して2回のブラインドテストを実施し、基準線量計で値付けされた照射線量率とガラス線量計の線量評価値との相互比較を行った。この結果、ガラス線量計システムの総合的な線量(率)点検精度は、
2%で実施できることが明らかとなった。そして、ブラインドテストの結果では、ほとんどの照射場が
2%の線量(率)点検精度で評価でき、一部の照射場のずれが確認できた。従って、今後ガラス線量計システムを用いた
線照射設備のブラインドテストの実施が可能となり、その有効性が確認された。
浅野 雅春; 玉田 正男; 吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*; Vetter, J.*; Spohr, R.*
GSI 94-1, P. 204, 1994/03
温度に対して孔径が変化するような機能性多孔膜を設計する目的で、高い放射線感受性をもつジエチレングリコール-ビス-アリルカ-ボネート(CR-39)と温度応答性をもつアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)のコポリマーフィルム(100m)をキャスティング法によって調製した。このフィルムは低温膨潤-高温収縮の応答性を示すことが分った。穿孔化は
Pbイオン(11.4MeV/n)を1
10
ions/cm
のフルエンスで照射したフィルムを60
Cの6N NaOHで処理することによって行った。温度に対する孔径変化は(A-ProOMe/CR-39,70/30Wt-%)のフィルムを用いて0
Cと80
Cの温度で検討した。その結果、膨潤状態(0
C)での平均孔径は1.8
mであったが、収縮状態(80
C)のそれは2.7
mになることが分った。この孔径変化は可逆的であることも分った。
伊藤 均; 大木 由美*; 渡辺 祐平; 須永 博美; 石垣 功
防菌防黴誌, 19(4), p.161 - 166, 1991/00
制動放射X線の滅菌条件を明らかにすることを目的としてBacillus pumilus E601株、B.subtilis IAM1069株、B.megaterium S31株、B.brevis S5株の芽胞について制動放射X線、線、電子線の放射線感受性の比較を行なった。ガラス繊維濾紙上で添加物が無い状態で乾燥した場合、各菌株の放射線感受性はX線、
線、電子線でほとんど差がなく、D
値はB.pumiluで1.5~1.6kGy、B.subtilisで1.4~1.5kGy、B.megateriumで1.9~2.0kGy、B.brevisで1.6~2.0kGyとなった。ガラス繊維濾紙上で添加物のペプトン2%+グリセリン1%で乾燥した場合、各菌株の電子線での感受性は、
線と比べ若干低下した。添加物共存下での放射線抵抗性の増加はX線でも認められそれは
線と電子線の中間であった。セルロース濾紙の場合、添加物による放射線抵抗性はB.megateriumとB.brerisのみ増加した。
大木 由美*; 伊藤 均; 石垣 功
食品照射, 26(1-2), p.47 - 50, 1991/00
細菌芽胞についてはガンマ線と電子線での感受性の比較がすでに行われており、ガンマ線より電子線の方が空気依存下では若干抵抗性となる傾向が認められている。一方糸状菌については、まだこれらの検討はほとんど行われていない。そこで本研究ではAspergillus属とFusarium属の菌株及び自然界から分離した不完全菌類を用いて感受性の比較を行った。各菌はPDAで培養後ペプトン、グリセリン、グルタミン酸ナトリウム水溶液で集め脱脂綿上で乾燥した後照射した。Aspergillus属は、線でのD
値は0.3~0.4kGy、Induction Doseは0.2kGy、電子線ではやや抵抗性となり肩も大きくなった。Fusarium属は、
線でD
値は1.0~1.5kGy、Induction Doseも1.0~1.5kGy、電子線ではAspergillus属と同様に両値は大きくなった。不完全菌類についても、すべて
線に比べて電子線でやや抵抗性となる傾向が認められた。
渡辺 祐平; 大木 由美*; 伊藤 均; 石垣 功
食品照射, 25(1-2), p.66 - 70, 1990/00
Bacillus属細菌芽胞の好気的条件下での放射線感受性は電子線と線の間に若干の差があり、電子線の方が低い。一方、医療用具に汎用される有機材料も空気中では
線に比べて線量率の高い電子線の方が放射線劣化しにくいことが知られている。微生物の放射線失活の立場からこの点を明らかにするために、B.pumilus E601株とB.subtilis IAM1069株の芽胞について、電子線および
線に対する感受性(D
値)と酸素圧の関係を検討した。その結果、高真空下ではB.pumilusのD
値(2.7~2.8kGy)およびB.subtilisのD
値(2.4~2.5kGy)は電子線、
線に対して同一となった。しかし、D
値はある一定の酸素圧以上から酸素圧の増加と共に低下し始め、約0.1Torr以上の酸素圧では
線に比べて電子線に対するD
値の方が大きくなった。これらの現象を芽胞をとりまく芽胞殻、コルテックスを透過する酸素と線量率の関係から考察した。
久米 民和; 伊藤 均; 飯塚 廣*; 武久 正昭
Agricultural and Biological Chemistry, 47(5), p.1065 - 1069, 1983/00
飼料から分離されたA.versicolorの分生子の生存曲線は緩衝液中でも乾燥状態でもシグモイド型であった。D値とInduction doseは、緩衝液中で37および17~18krad、乾燥状態では50~51および25~48kradであった。これらの結果から、A.versicolorの殺菌線量は0.7Mrad以下で十分であることが明らかとなった。他の好浸透圧性糸状菌の放射線感受性もA.versicolorとほぼ同様であった。分離されたA.versicolor3株のうち2株に発ガン性物質であるステリグマトシステンの産生能が認められた。精白米培地上に生産されたステリグマトシスチンの量は、M13株で410
g、c132で、280
g、MYA-0056で730
gであった。しかし、M26株には生産性が認められなかった。ステリグマトシスチンは乾燥状態では放射線に対して安定であり分解を達成するためには52Mradの高線量が必要であった。したがって、ステリグマトシスチンが生産される前に殺菌することが必要である。
久米 民和; 渡辺 宏; 佐藤 友太郎*
食品照射, 14, p.15 - 19, 1979/00
Streptomyces phaeochromogenus産生のグルコースイソメラーゼに対する線照射の影響を検討した。菌体懸濁液をN
中で照射した場合、低線量域で著しく失活し、以後指数関数的に失活した。本実験で用いた菌体懸濁液中には約45%の酵素が遊離の状態で存在しており、放射線感受性の高い遊離の酵素と比較的放射線抵抗性の菌体内酵素の失活の合成曲線としてこのような結果が得られたものと考えられた。一方、菌体内酵素の酵素増感率(OER)は3.7と非常に高い値を示したものに対し、ダイノミルによる菌体破砕上澄液では2.0,遊離の酵素液では1.3,精製酵素では逆に酸素による保護効果が認められ、酵素を精製するに従いOERが減少するという結果が得られた。遊離の酵素液に対するグルタチオンの添加効果を調べた結果から、細胞内には多くの保護物質が存在し顕著な保護効果を示しているが、保護物質の一部はO
存在下で著しく変化し保護効果を示さなくなることがin vivoにおける酸素効果の一因であると考えられた。
赤石 準; 藤田 稔
保健物理, 8(4), p.229 - 236, 1973/04
本報告書はICRP専門委員会Iにおいて設定された二つの課題グループの報告である。最初の報告は、線量の空間的分布に関するもので、身体の部分被曝の場合につき、現行のICRP勧告の矛盾点を論じ、放射線防護の基本的事項を検討するとともに危険度の評価にもとづいて線量限度の改定を試みている。第二の報告は、いろいろな組織の放射線感受性に関するものであって、被曝によるいろいろな損傷の危険度を考察し、被曝者集団の観察データより人体を構成する個々の組織の悪性腫瘍誘発の感受性を述べた。そしてこれにもとづき、身体のいろいろな組織および全身に対する線量限度の誘導につき、一つの体系を作成し、さらに議論のための一例として線量限度を数値的に誘導した。放射線の影響は、いまだ十分に解明されてはいないけれども、現行の線量限度についての勧告は修正されるべきであることを主張している。
大内 則幸
no journal, ,
細胞の放射線感受性は、コロニー形成法で得られる細胞生存率(照射放射線に対する生存細胞の割合)で定量的に測定可能であるが、そのような細胞の放射線感受性は、細胞周期のどの時期に放射線を照射されたかに大きく依存して周期的に変化することが知られている。感受性のパターンに関しては細胞の種類などでも異なるが、広く培養細胞として実験で用いられるヒト由来の培養細胞(HeLa細胞)の場合、分裂後期(G1期)と分裂前期(G2期)に照射された場合は放射線に対する感受性が小さく(細胞生存率が大きい)、逆にM期やS期に照射された場合、感受性が非常に大きい(細胞生存率が小さい)。このような細胞周期に依存した放射線感受性の原因としては、これまで細胞内の様々な動態、例えば細胞周期チェックポイントでの制御機構の存在や、細胞周期の段階毎のDNA修復能の差などの結果であると予想されてきた。今回、このような周期的な放射線感受性の起因に関して、染色体の細胞周期に依存した構造変化を伴う動態から調べた。そのために、染色体の動力学モデルをその弾性的性質を基に構築し、実際に各細胞周期の段階毎の立体構造をシミュレーションで構築し、さらにDNAの二重鎖切断を導入することで、そのDNA損傷部位の動態から調べた結果に関して発表する。
大内 則幸
no journal, ,
細胞の放射線応答は、照射された細胞周期のステージに依存して大きく異なる。中でも細胞生存率は、細胞周期に依存した二峰性の周期的な変動を伴う。そのような細胞周期ステージ依存性は、放射線損傷修復率の細胞周期依存の変動や、チェックポイント機構の存在などからの現象論的に説明されるが、理論的な説明はまだない。細胞生存率を計算する標的理論において放射線の最終的なターゲットは染色体であるが、その形態やサイズは時間と共に変化している。ターゲットとしての染色体動態と、細胞生存率の関係はどのようなものだろうか?今回、ヒト17番染色体を対象に放射線損傷部位の動態を調べるため、染色体の弾性力の実験データからKelvin-Voigt modelに熱ゆらぎの項を加えた方程式でクロマチン繊維をモデル化した。間期においてクロマチン繊維は200倍ほど凝縮して直径およそ3mの核内に収まっている。細胞周期ステージごとの染色体の立体構造を求めるため、間期細胞核内の非常に長いクロマチン繊維から、弾性的性質を利用することで、アニーリング法を用いて凝縮した間期染色体の空間構造の構築に成功した結果を発表する。