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牧野 仁史; 加藤 藤孝; 宮原 要
JNC TN8400 2000-033, 74 Pages, 2000/11
天然現象は地質環境の長期安定性に擾乱を与える可能性のある要因の一つであり、その発生の時期、頻度及び影響の形態などに関する不確実性を考慮することが必要であるため、将来において地層処分システムが天然現象の影響を被るものとあえて想定することにより、天然現象が地層処分システムの性能に与える影響を評価し、サイト選定に際して留意すべき天然現象とその影響について把握しておくことは重要である。このため、本検討では、地質環境の長期安定性に影響を与える可能性のある天然現象として、各国の例やわが国の特徴を踏まえた検討の結果抽出された、(1)隆起・沈降・侵食、(2)気候・海水準変動、(3)地震・断層活動、(4)火山・火成活動、の各天然現象について、それらの発生をあえて想定するとともに、それらが地層処分システムの性能に与える特徴的な影響に焦点をあてた検討を行った。その結果、変動シナリオに関しては、断層活動により地下水流れ及び核種移行の卓越的な経路となる断層が廃棄体を横切ることを想定した場合において、断層活動発生時期や断層内地下水流量の値によっては、最大線量が諸外国で提案されている安全基準やわが国の自然放射線レベルと同レベルとなる可能性のあることが示されたが、その他の天然現象については、最大線量が諸外国で提案されている安全基準を下回る結果が得られた。また、接近シナリオに関しては、地層処分起源の核種量ないしは核種フラックスが天然のものと比較可能なレベルである可能性が示唆された。これらの結果は、サイト選定に際して留意すべき天然現象とその影響についての情報として用いることができると考えられる。しかしながら、比較的簡単なモデル化を行うとともに、保守的な想定(条件)を組合せた評価の結果であるため、天然現象の影響が絶対値として大きいかどうかを直接的に判断するための情報として用いることには注意が必要である。
古屋 和夫*; 伊東 守*; 児玉 敏雄*
PNC TJ7705 97-001, 154 Pages, 1997/03
本資料は、兵庫県南部地震(1995年1月17日)の発生直後、淡路島北西部で観測された野島断層近傍での地下水挙動の変化について、応力・浸透連成解析を行った結果をまとめたものである。兵庫県南部地震の発生直後、淡路島北西部では、湧水量の増加や断層近傍での湧水の発生、あるいは山間部での地下水位の低下が観測され、その後、湧水は次第に減少あるいは停止していることが確認されている。このような現象の原因として、断層活動による地殻応力の変化や地震動によって生じた、地盤の急激な体積変化による過剰間隙水圧の上昇・下降の可能性が考えられる。本解析では、このような考えに基づき、断層活動に伴う周辺地下水挙動の変化について、応力・浸透連成解析を行い、以下の結果を得た。1)全水頭分布の時間変化より、地震後、断層部付近において、過剰間隙水圧が急激に上昇し、時間とともに消散していく現象が数値的に再現された。全水頭のピークは断層部EL-300500m付近において発生し、その値は55
63m程度であった。2)断層部からの湧水量のピークは、地震直後
13日程度で出現する。また、流量は、降雨を考慮しない場合0.014
0.037m3/dayとなり、降雨を考慮した場合0.027
1.180m3/dayとなった。3)解析対象地域の地下水環境に対する降雨の影響は大きく、継続的な降雨により、地下水の全水頭分布が大きく変化する。降雨を考慮しない場合、湧水量の最大ピークが8.5日であるのに対して、降雨を考慮した場合、ピークが地震直後に発生する。4)断層幅を変更(粘土化帯幅10m、破砕帯幅10mから粘土化帯幅1m、破砕帯幅20mに変更)した場合の解析の結果、湧水量には若干の差異はみられるものの、全体的に大きな相違は認められない。5)断層の粘土化帯の透水係数を小さく設定した場合(1.0
10-9cm/sec)、断層を境に東西の全水頭分布は不連続となり、その差は40m
70m程度となる。
米田 茂夫*; 久保田 裕史*; 石川 政憲*
PNC TJ7308 97-001, 156 Pages, 1997/03
我が国における地質環境の長期安定性の把握には、様々な天然事象の影響を評価する必要がある。特に、断層活動は考慮すべき重要な天然事象の一つであり、それを把握するには、断層の地表から地下深部の形態、活動の可能性や規模等が重要な要素となる。本調査は、活断層の地域特性に関する調査の一環として、我が国において完新世に活動した可能性の高い断層を対象に、空中写真による活断層トレース判読、断層破砕帯分布図、断層のタイプ別分類図及び活断層帯の幅に関する一覧表の作成を行った。活断層トレース判読では、根尾谷断層を対象としてストリップマップの作成を行った。断層破砕帯分布図の作成では、中央構造線活断層系、阿寺断層系、糸井川-静岡構造線活断層系、柳ヶ瀬-養老断層系について、地質調査所発刊の活断層ストリップマップに、文献から抽出した断層破砕帯の幅を書き加え図面を作成した。断層のタイプ別分類図の作成では、活動度、確実度、断層のタイプ等の分類を基に、活断層の分類を行った。活断層帯の幅に関する一覧表の作成では、「断層活動の場の移動に関するデータの解析調査」で調査した35の活断層を含む54の活断層(帯)についてとりまとめた。
大久保 博生*
PNC TJ1222 97-003, 322 Pages, 1997/03
本年度は、まず、火成活動シナリオについては、専門家判断や解析手法を用いたファーフィールド境界条件パラメータ変動幅の設定とそれの核種移行影響解析への反映を行った。また、地震・断層/隆起・侵食シナリオについては、外部インフルエンスダイヤグラムに基づく解析フレームの作成と境界条件変動幅設定の検討を行い、専門家の主観的判断の必要な項目等を明らかにした。さらに、気候変動/人間活動シナリオについては、各シナリオに関する情報調査を通じた特徴の把握と外部インフルエンスダイヤグラムの作成を行った。次に、シナリオ作成支援システムの高度化については、データベース情報及び階層情報の各表示機能の追加とそれらの情報の整合性のチェック、並びにXI法に基づくシナリオのリスク算出機能の追加を行った。
妹尾 宗明*; 伊藤 賢治*; 安保 則明*; 深谷 正明*
PNC TJ1561 96-001, 367 Pages, 1996/02
本研究は、地層処分における性能評価事象との対比において、天然に存在する類似現象(ナチュラルアナログ)に関する研究の現状について国内外の事例を幅広く調査するとともに、今後の我が国における地層処分システムの性能評価への適用の可能性を検討することを目的とする。国内外のナチュラルアナログに関する文献の内容を検討し、ナチュラルアナログ研究の構造と現状を整理した。整理の視点は調査場所、対象性能評価事象、環境条件、研究成果及び成果の利用方法などである。また、抽出した性能評価事象を主体とした主要事象を対象として、性能評価への適用可能性を従来の考え方にこわらず広く検討した。合計75件のナチュラルアナログ文献を調査した結果を整理票に示した。また、性能評価への適用可能性を検討した結果を示した。
*
PNC TJ1150 96-001, 192 Pages, 1996/02
高レベル放射性廃棄物地層処分の人工バリアの仕様の合理化、信頼性の向上をめざした設計検討及び各種試験設備の検討を行った。複合オーバーパックに関しては、複合方式の要件、耐食層接合手法、ハンドリング概念、遮蔽性、について検討を行った。人工バリアの信頼性向上のための試験設備の検討に於いては、TIG溶接、及び電子ビーム溶接の技術開発課題の整理、非破壊検査を主体とした溶接検査手法、及び溶接試験設備の基本仕様の検討を、炭素鋼オーバーパックの溶接を念頭において行った。また、人工バリアの機械的安全性の研究として、処分場におけるせん断事象とその解析手法を調査して、この事象の予備的解析を計算コードを用いて実施すると共に、せん断試験設備の基本仕様の検討を行った。そして、これら溶接、及びせん断試験設備の他に、オーバーパックの耐圧、緩衝材の施工、及び坑道のシーリング性能、を加えた5つの試験設備の概念検討を行って、試験施設全体の概念をまとめた。
山井 忠世*; 加藤 芳郎*; 岡崎 彦哉*
PNC TJ1361 95-001, 196 Pages, 1995/03
属性一覧表は、活断層に区分されるリニアメントと、活断層・地質断層に区分されるリニアメントの2種を作成した。活断層に区分されるリニアメントの属性一覧表には、1/20万地勢図・1/5万地形図単位に、以下の(1)(13)の項目がとりまとめられている。活断層・地質断層に区分されるリニアメントの属性一覧表には、1/20万地勢図・1/5万地形図単位に、活断層に区分されたリニアメントの(7)、(8)、(10)の項目を除く項目についてとりまとめられている。以下に、その記入要領を示す。(1)位置・1/20万:建設省国土地理院発行の1/20万地勢図名・1/5万:建設省国土地理院発行の1/5万地形図の番号なお、本調査にかかわる1/20万地勢図及び1/5万地形図の範囲は、図-1に示している。(2)リニアメント番号1/5万地形図ごとに、活断層に区分されるリニアメントに付けられた番号である。番号は地質断層を含めた連続番号となっているため、序列しない。複数の地形図にまたがって連続する活断層については、主要部分の存在する地形図で表記している。図面上では、延長区間の地形図では、リニアメント番号の前に主要部分の地形図番号(1
16)を付けて表示している。また、1本の活断層が途中で10
以上屈曲している場合は、屈曲地点で分け、コード番号に続いてアルファベット(a、b・・・)を追記している。(3)分類リニアメントを活断層・地質断層に分類しており、活断層を1、地質断層を2として表示している。
岩森 暁如*; 高木 秀雄*; 島田 耕史; 朝日 信孝*; 杉森 辰次*; 佐々木 俊法*; 相山 光太郎*
no journal, ,
断層岩の微細構造の観察には、断層破砕帯の内部構造が最もよく観察されるXZ面(X: 断層の剪断方向で条線とよばれる擦痕の方向、Z: 断層面と直交する方向)が重要な断面である。断層ガウジのXZ面ではP面やY面やR1面などの複合面構造が認められ、断層ガウジの非対称微小構造として最も重要である。近年、X線CT画像を用いた断層岩の微細構造観察や、断層面上に見られる条線観察の事例が報告されているが、条線方向と断層岩の微細構造の分布状況の関係について報告された事例は認められない。そこで本論では、X線CT画像を用いた断層破砕帯の内部構造の詳細観察と、断層面の条線観察を行い、X線CT画像を用いた断層の運動方向の認定手法として、CT画像をZ軸を中心に回転させた複数断面でP面とY面の挟角を計測し、この角が最大と最小になる断面の方向から、断層の運動が最もよく確認できる断面の決定方法を検討した。この結果、断層面上の条線が観察しにくい試料でも、断層の運動方向の認定の精度を向上させることができる。
渡部 豪; 雑賀 敦; 浅森 浩一; 小川 大輝; 島田 顕臣; 梅田 浩司*
no journal, ,
地層処分に係る地質環境の長期安定性を検討する上では、地形的に不明瞭な活断層の可能性を評価することが重要となる。九州南部には、10e-7/yr超のせん断ひずみ速度の大きな領域が存在することがGNSS観測の結果から知られている。しかし、このせん断ひずみ速度に対応する明瞭な活断層は認められておらず、地下深部のすべり(断層運動)によって地表で大きな変形が生じているとも考えられる。そこで、本研究では、せん断帯周辺の地殻変動を明らかにするために、2016年2月に同せん断帯を南北に横切るような配置で10か所のGNSS観測点を構築し、同年の3月から観測を開始した。約2年間に渡って取得したデータを解析した結果、せん断帯付近の深さ約16km以深において、12.4-14.3mm/yrの速度で左横ずれの深部すべりが起こっていることが明らかになった。
川村 淳
no journal, ,
地震活動・断層運動に伴う水理学的・力学的影響についての評価技術については、今までも「地震活動・断層運動の概念モデル」が構築されている。しかしながら、この概念モデルは汎用性及び一般論的な観点を重視した定性的なものであり、数値的な解析にかかわるパラメータ設定の際に参照される数値データが整理されてこなかった。そのため本検討では、過去に発生した比較的大きな地震活動・断層運動を対象に、気象庁, 大学などの研究機関で公開されている情報を収集・整理し、地震活動・断層運動の概念モデルに対し具体的な情報の付与を試みた。その結果、従来の地形・地質学的手法による情報のみならず、地震観測などの地球物理学的な手法を組み合わせることにより、より具体的な概念モデルが構築できる見通しを得た。
横山 立憲; 鏡味 沙耶; 丹羽 正和; 三澤 啓司*; 可児 智美*; 米田 成一*
no journal, ,
過去に生じた断層運動の年代推定では、断層試料に認められる粘土鉱物を対象とした放射年代測定や、断層運動に伴う摩擦発熱によって鉱物特性がゼロリセットされることを利用した方法によって、年代学的な考察が行われている。繰り返し生じうる断層活動の履歴を解読し、さらに、最新の活動時期を制約する上では、いくつかの年代学的手法を利用することが最も効果的と考えられる。これまでに断層の活動性評価に対しては、放射年代測定としてK-
Ar法による年代測定が広く利用されてきた。本研究では、断層活動年代を制約する年代測定法として、断層試料中に含まれる自生イライトに新しい
K-
Ca法を適用する。本手法により得られる
K-
Ca年代と
K-
Ar年代との年代値の比較により、断層運動の規模と熱履歴への制約が期待される。イライト
K-
Ca年代測定の試験試料として米国ウェストバージニア州のシルル系のRochester shaleを用いた。さらに、自生イライトを模した細粒フラクションについて、表面電離型質量分析装置を用いて予察的にCa同位体分析を行ったところ、同時に測定した標準物質NIST SRM 915aの
Ca/
Ca比を基準として+6-9 epsilon-unitに及ぶ放射壊変起源の
Caが検出された。今後は、同位体希釈法によるカリウム及びカルシウムの定量を実施し、Rochester shaleの
K-
Ca年代を取得する。また、モデル年代の算出に必要な初生Ca同位体比の仮定では、断層帯で自生イライトと共沈しうるカルサイトの同位体組成を用いるなど検討し、断層運動を制約する新たな年代学的アプローチとして本手法の確立を目指す。
澤田 渚*; 立石 良*; 川崎 一雄*; 瀬能 正太郎*; 島田 耕史; 岩森 暁如*; 小川 昌也*
no journal, ,
福井県敦賀市から滋賀県高島市に位置する、北北東-南南西方向にのびる右横ずれ主体かつ南東隆起の活断層である敦賀断層の断層破砕帯を例に、1露頭で主せん断面と平行に5列、計55試料を採取して帯磁率異方性を測定したところ、帯磁率の最大軸が断層面と平行に、断層の運動像と調和的に配列していることが分かった。この帯磁率異方性の傾向は、0.1mm以下の、磁鉄鉱と推定される磁性鉱物の分布を反映している。一方、X線CT解析による0.125mm以上の粗粒な高密度粒子の長軸の配列は断層面と斜交している。本研究から、断層運動による粒子の挙動が粒度によって異なる可能性が示された。発表では複数の露頭の結果を示す。
瀬能 正太郎*; 澤田 渚*; 立石 良*; 島田 耕史; 岩森 暁如*; 小川 昌也*
no journal, ,
福井県敦賀市から滋賀県高島市に位置する、北北東-南南西方向にのびる右横ずれ主体かつ南東隆起の活断層である敦賀断層の断層破砕帯を例に、1露頭で主せん断面と平行に5列、計55試料を採取してマイクロフォーカスX線CT装置により断層岩に含有される粒子の三次元配列を測定した。粒子近似楕円体の長軸-短軸比3-10、粒径0.125-2mmの粒子配列は、長軸・中間軸が複合面構造P面に相当する大円分布を示し、大円の姿勢(N60E50NW)は活断層としての南東傾斜の主せん断面(N45E78SE)よりもむしろ北西傾斜の古い断層面(N41E55NW)に近い。そのため測定された粒子配列は、現在の断層運動方向と異なる古い時代の断層運動を反映している可能性が示唆される。また、粒子配列から見た最近の活断層運動の影響範囲は、主せん断面からcm規模のごく近傍の範囲に限られる可能性があることも、粒子配列の定向性が活断層主せん断面から離れるほど強まることから示唆される。発表では複数の露頭の結果を示す。