Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
吉澤 厚文*; 大場 恭子; 北村 正晴*
人間工学, 54(3), p.124 - 134, 2018/06
東日本大震災に端を発し、東京電力福島第一原子力発電所は、放射性物質を大量に放出する過酷事故となったが、その後冷温停止状態を達成した。しかし、福島第一原子力発電所事故に関するさまざまな機関による調査報告書は、事故に至った過程に着目している一方で、事故の拡大の防止や被害の減少についてはほとんど着目していない。本研究は、福島第一原子力発電所の3号機における、冷温停止状態達成までの過程に着目した。公開データに基づき、事故の発生から冷温停止状態達成に至るまでの時列を整理し、それらを人間工学的視点によって行為群を分類した上で、状況の回復に重要な意味をもつ対処をm-SHELモデルを援用して分析した。このようなアプローチにより、状況の回復に必要な行為に関する新たな教訓を得た。
佐賀山 豊; 安藤 将人
日本原子力学会誌ATOMO, 60(3), p.162 - 167, 2018/03
第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)では、安全・信頼性,経済性,持続可能性,核拡散抵抗性などに優れた次世代の原子炉システム(第4世代原子炉)として、ナトリウム冷却高速炉,鉛冷却高速炉,ガス冷却高速炉,溶融塩炉,超臨界圧水冷却炉,超高温ガス炉の6つの革新的原子炉システムが選定され国際的な研究開発が進められている。一部のシステムについては既に実証段階にあり、GIFの目標である2030年代以降の実用化が視野に入りつつある。
小西 哲之*; 榎枝 幹男
プラズマ・核融合学会誌, 90(6), p.332 - 337, 2014/06
ITER/TBM計画は、核燃焼プラズマ環境において、燃料トリチウムの増殖回収と、高品質熱エネルギーへの変換取り出しを実証し、またその性能を評価することを目的としており、ITERにおける研究の主要目的の一つである。国際共同作業で一つの装置を共有する燃焼プラズマ実験と異なり、各参加極が、異なる概念・構造のブランケットモジュールを持ち寄り、それぞれに異なる次期計画に向けて試験を行う、国際競争の面を持つ。ITERの炉内機器として3つのポートに2個ずつ、計6個の異なるモジュールが運転初期から設置されて、まず電磁環境での試験を行う。DT燃焼においては核融合中性子を用いて核融合エネルギーの実現性を検証する。わが国は原型炉に向け、TBMとして水冷却固体増殖ブランケットの開発を行っている。構造材にF82H鋼、増殖材にLiTiO
微小球(ぺブル)、中性子増倍材にBe微小球(ぺブル)を用いる。設計と製作技術の開発はほぼ終了し、現在は安全解析などのITERへの設置準備を進めている。
秋江 拓志; 鍋島 邦彦; 内川 貞夫
JAERI-Conf 2005-009, 153 Pages, 2005/08
「低減速軽水炉研究会」は、原研が革新的水冷却炉として研究を進めている低減速軽水炉について、研究の効率的推進に資することを目的とし、所内関連部門の研究者と所外研究者とが情報交換を行う場として、平成10年3月の第1回会議以来毎年開催しているものである。第7回となる今回の研究会プログラムは、講演5件と総合討論により構成されている。本報告書は、各講演の論文と質疑応答集、及び総合討論の議事録を掲載するとともに、付録として各発表者が使用したプレゼンテーション資料を添付した。
高瀬 和之; 小瀬 裕男*; 吉田 啓之; 秋本 肇; 青木 尊之*
第24回日本シミュレーション学会大会発表論文集, p.161 - 164, 2005/07
著者らは二相流計算に特有の実験式や構成式を極力用いないで原子炉内の水や蒸気の挙動を正確に予測する解析手法の開発を行っている。本報では、革新的水冷却炉に用いられる稠密燃料集合体内の複雑な水-蒸気系二相流挙動を、地球シミュレータ等のスパコンを利用した大規模3次元シミュレーションによって予測評価し、狭隘流路を流れる気泡の流動に及ぼす流路壁の影響や燃料棒表面を流れる液膜に及ぼすスペーサの影響などを定量的に明らかにした。今研究によって、大規模シミュレーションを主体とした炉心熱設計手法の開発に対して高い見通しを得ることができた。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*
ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム(HPCS 2005)論文集, P. 16, 2005/01
燃料集合体内の二相流解析には従来から二流体モデルが使われているが、二流体モデルはすでに特性が解明されている範囲での平均的かつ巨視的な現象に対してのみ有効であり、気液二相流を特徴づける非定常な界面構造を予測する機構論的な解析法とは言い難い。そこで、著者らは地球シミュレータ等のスパコンを利用して相変化や流動遷移などの複雑な過渡現象を含む二相流挙動を直接的に解析する手法の開発を行っている。本報では、革新的水冷却炉を例として行った検証解析結果について述べる。稠密に配置された燃料棒間の流路形状を簡略模擬した体系で大規模二相流解析を行い、(1)微細な気泡は下流へと移行しながら合体し、次第に成長する,(2)合体により気液界面が大きく変形し、それに伴って気泡周囲に複雑な速度場が形成される等の3次元的な気泡流のダイナミクスを再現できた。予測結果の傾向はモデル実験結果とよく一致しており、大規模シミュレーションを主体とした炉心熱設計の実現に大きな見通しを得た。
吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 秋本 肇
Proceedings of 4th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-4), p.270 - 276, 2004/12
新しく開発した詳細二相流解析コードTPFITにより、稠密燃料集合体内水-蒸気二相流の大規模解析を実施した。TPFITコードでは、機構論的モデリングに基づき、水と蒸気間の三次元界面構造を詳細に解析できる。一連の大規模解析の結果、TPFITコードは稠密燃料集合体内二相流の現象解明や革新的水冷却増殖炉の熱的成立性の評価に有用であることを確認した。今後、TPFITコードの検証と改良を進めるとともに、既存の熱設計手法との融合を進め、大規模実験を必要としない機構論的熱設計手法の開発を進める予定である。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*
Proceedings of 1st International Forum on Heat Transfer (IFHT 2004), p.207 - 208, 2004/11
1mm程度の燃料棒間ギャップを有するスペーサ付き狭隘流路の使用が稠密燃料集合体で計画されている。このスペーサ付き狭隘流路を流れる水-蒸気二相流の熱流動特性に関して、現在、実験的及び数値解析的研究が進められている。本研究では、狭隘流路に設置されたスペーサ等の物体が液膜流挙動に及ぼす基礎的な影響を大規模二相流シミュレーションによって明らかにした。解析体系は3次元矩形流路とスペーサを簡略模擬した障害物から成る。解析では、流路入口に液膜厚さと水流速及び蒸気流速を与え、時間方向に進展する液膜流の挙動を計算した。使用した入力値は革新的水冷却炉の炉心条件を模擬した。解析の結果、水と蒸気の流速条件並びに加熱壁条件によっては、障害物後端から発生するはく離線に沿ってウエークが形成され、ここでは強い乱れによって液膜が排除されて、ほぼ蒸気で満たされることがわかった。また、障害物の配置や形状による液膜流への影響を定量的に明らかにできた。
高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 呉田 昌俊; 玉井 秀定; 秋本 肇
Proceedings of 5th International Conference on Multiphase Flow (ICMF 2004) (CD-ROM), 14 Pages, 2004/06
革新的水冷却炉の稠密燃料集合体内の水と蒸気の二相流の構造を直接解析による大規模シミュレーションによって解明する研究を行っている。今回は、燃料棒表面の液膜挙動に注目し、解析を行い、次の成果を得た。(1)燃料棒表面は薄厚の液膜で覆われる,(2)隣合う燃料棒の間隔が最も狭い領域で液膜の架橋現象が見られる,(3)逆に蒸気は燃料棒間隔が広い領域を鉛直方向にストリーク状に流れる,(4)これは水平断面方向に三角ピッチ状に配列された燃料棒で囲まれる中心の領域は燃料棒狭隘部に比べて局所的に摩擦抵抗が低く、流れ易いためである,(5)稠密炉心における気泡の運動は流れ方向に対する直線的な移動が支配的であり、従来の正方ピッチ配列炉心で確認されている水平方向への移動の影響は小さい傾向にある。
栃尾 大輔; 中川 繁昭; 高田 英治*; 坂場 成昭; 高松 邦吉
JAERI-Tech 2003-097, 55 Pages, 2004/01
定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器(ACL)により大気に放散している。したがって、ACLの2次側の条件となる外気温度は原子炉の除熱に影響を及ぼす運転上重要な因子である。外気温度の経時変化に対しては、冷却材である加圧水及び空気の流量を変化させることによりACLにおける冷却材温度を調整して安定な原子炉入口温度制御を可能としている。HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータからACLの除熱性能を評価し、原子炉の除熱の観点から最も厳しい条件となる夏季の外気温度における原子炉の除熱について検討した。その結果、夏季の外気温度の条件においても30MWの除熱が可能であることが示された。
榎枝 幹男; 古作 泰雄; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 三木 信晴*; 本間 隆; 秋場 真人; 小西 哲之; 中村 博文; 河村 繕範; et al.
Nuclear Fusion, 43(12), p.1837 - 1844, 2003/12
被引用回数:103 パーセンタイル:93.16(Physics, Fluids & Plasmas)本論文は、高い経済性を有する核融合発電プラント用ブランケットの設計と開発に関するものである。高い経済性と実現性の双方を有する発電ブランケットとして、超臨界圧水冷却方式の固体増殖ブランケットの概念設計を明らかにした。最重要設計項目として、モジュール構造の核特性,熱機械特性に関し基本的な成立性を示した。また、発電システムとして41%以上の発電効率を有することを示し、本方式の経済的な魅力を明らかにした。また、構造体製作技術開発の成果としては、実機構造を模擬する第一壁パネル試験体を用いて、原型炉で想定している最高熱負荷1MW/m に相当する加熱試験を行い、試験体が母材と同等の熱疲労寿命を持つことを実証した。さらに、ブランケット熱設計の要となる増殖材充填層の有効熱伝導率研究に関しては、湿式法で製造したLi
TiO
を用いて、充填層の有効熱伝導率を明らかにし、裕度のある設計を可能とした。
日比 宏基*; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 岩村 公道; 和田 茂行*
Nuclear Engineering and Design, 210(1-3), p.9 - 19, 2001/12
被引用回数:25 パーセンタイル:83.65(Nuclear Science & Technology)1以上の転換比と負のボイド反応度係数を有するMOX燃料新型水冷却炉である低減速スペクトル炉の概念設計を行った。炉心はPWRの概念をもとにしており、重水を冷却材とし、燃料棒配列は三角稠密格子となっている。シード燃料集合体は、上下のブランケット領域に加え、中間ブランケットを有する軸方向非均質炉心で、ブランケット集合体をシード燃料集合体の間にチェッカーボード状に径方向に導入した径方向非均質炉心構成となっている。なお、径方向ブランケット領域は、シード燃料領域より短く設計されている。本研究では、この炉心により、1.06~1.11の高転換比と負のボイド反応度係数が達成できるとの結果が得られた。
佐藤 治; 立松 研二; 田中 洋司*
原子力eye, 47(7), p.60 - 64, 2001/07
原子力の超長期的な利用を可能にするために、高速増殖炉の開発が進められてきたが、実用化の展望が不透明な情勢となっている。こうした中で、水冷却の増殖炉「低減速スペクトル炉」の開発が日本原子力研究所を中心に進められており、増殖炉の開発のバックアップとして、我が国の原子力開発戦略上重要な役割を果たす可能性が出てきた。そこで、我が国の発電炉・燃料サイクルの長期シナリオを幾つか描き、燃料サイクルシステムのシミュレーション分析を行うことによって、低減速スペクトル炉がウラン資源消費量の低減に果たす役割を検討した。また、低減速スペクトル炉の炉心特性(転換比とプルトニウム装荷量)がその導入効果に及ぼす影響についても検討した。さらに、発電コストの試算を行い、濃縮ウラン軽水炉や他のプルトニウム利用炉との比較を通じて、経済性向上の見地からの要件をまとめた。以上の検討を通じて、低減速スペクトル炉はウラン資源問題の解決に役立つ十分な可能性があるが、FBR代替技術となるためには転換比とプルトニウム装荷量に改善が必要であり、また経済性向上に向けて高燃焼度化等の燃料サイクル費の低減方策が重要であるなどの所見を得た。今後の開発を通じてこの検討で指摘した課題に応えることができれば、増殖炉の有力な選択肢となり得るものと考えられる。
大久保 努; 岩村 公道; 秋本 肇; 新谷 文将; 大貫 晃; 山本 一彦*
第7回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集 (00-11), p.250 - 253, 2000/11
将来型原子概念の一つとして、これまで培われてきた軽水炉技術をベースとしつつ、それを大幅に高度化した将来型水冷却炉である低減速スペクトル炉(RMWR)の検討を進めている。具体的には、ウラン/プルトニウム資源の有効利用による長期的エネルギー供給等を目指し、水冷却炉でありながら高速増殖炉の性能に迫る概念を検討している。これまでに、1以上の転換比と負のボイド反応度係数を有するいくつかの炉心概念を創出し、その詳細化を進めてきた。本報では、これらの研究の内容に関し、熱水力学的な検討を主として述べる。RMWRにおける熱水力学的な課題として、稠密な燃料棒配列の炉心における限界熱流束があり、これまで不足していた領域における実験データの取得とともに、それを用いた設計の評価を進め、定格運転時及び異常時に対して設計の妥当性の確認を行っている。
庄野 彰; 佐藤 若英*; 栗原 国寿
JNC TN9400 2000-037, 87 Pages, 2000/03
水冷却型増殖炉の核特性の特徴を把握するために、公開文献に基づいて沸騰軽水を冷却材とした炉心、それをベースに冷却材を非沸騰重水及び非沸騰軽水に置換した炉心、ならびに高速炉の代表炉心として大型Na冷却MOX燃料炉心の仕様を設定し、基本的な核特性の比較検討を実施した。高速炉用非均質セル計算コードSLAROMと軽水炉解析に汎用的に用いられているSRACの解析結果を比較し、転換比・中性子スペクトル・エネルギー領域別反応割合・1群断面積等について、両コード間の差は小さく、高速炉核特性評価システムが水冷却型増殖炉の基本的核特性の検討に適用可能であることを確認した。SLAROMコードを用いて上記4種類の炉心の核的パラメータ及び増殖性に見られる相違を考察した。冷却材の変更によって、中性子スペクトル・値・主要エネルギー領域等が変化する傾向を把握した。水冷却型増殖炉では、冷却材中に存在する水素(または重水素)の影響で低エネルギー成分の中性子束が高速炉に比べて増大し、その結果、主要エネルギー領域が低エネルギー側に移行し、核分裂性核種の
値が低下するが、MOX燃料を稠密に配置して増殖性を担保する設計であることが理解できた。Pu同位体組成が増殖特性に及ぼす影響をSRACコードの燃焼解析機能を用いて検討し、Pu-240含有率が大きい組成のPuを装荷した場合には転換比が大きく算定される傾向にあることを定量的に評価した。臨界性及び反応率比に対する感度解析により、沸騰軽水冷却増殖炉では、高速炉に比べて、1KeV以下のエネルギー領域における感度が増加することがわかった。断面積不確かさに起因する核設計予測精度評価については、現在核データセンターで共分散データの見直し中であるため、現状の共分散データを用いて暫定解析結果を得た。見直し後の最新共分散データを用いた内部転換比予測精度評価が今後の課題である。
山本 敏久*; 北田 孝典*; 田川 明広; 丸山 学*; 竹田 敏一*
JNC TJ9400 2000-006, 272 Pages, 2000/02
多様な高速炉炉心の核特性に対する解析予測精度の向上を目的として、以下の3つの項目について検討を行った。第1部高速炉心の中性子スペクトルの誤差評価と計算精度向上策の検討高速実験炉「常陽」で用いられているスペクトルアンフォールディング法の精度を向上するため、初期推定スペクトル誤差を詳細に分析し、各々の誤差の大きさを定量的に評価するとともに、各誤差を積み上げることによって、より合理的な初期推定スペクトル誤差を評価することを試みた。検討の結果、初期推定スペクトル誤差に起因する誤差は相対的に小さく、断面積誤差に起因する誤差がほとんどであることがわかった。また、核分裂スペクトルの影響によって、数MeV以上の高速中性子束に無視できない量の誤差を生じることがわかった。第2部ガス冷却高速炉の解析手法に関する検討ガス冷却高速炉では、通常のNa冷却炉に比べて、冷却材チャンネルが体積割合に占める比率が大きく、顕著な中性子ストリーミング効果が現れることが予想される。一方、Na冷却炉用に提唱されている既存の手法では、冷却材チャンネルと平行な方向の拡散係数が無限大となり、そのまま適用することができない。本研究では、Kohlerが提唱した軸方向バックリングを考慮した方向依存拡散係数の概念を拡張し、ガス冷却炉でも正確に中性子ストリーミング効果が評価できる手法の検討を行った。第3部水冷却高速炉の解析手法に関する検討低減速の水冷却炉に対して、解析手法の違いによりどの程度計算結果に影響が現れるかについて検討を行った。軽水炉においては、燃料ペレット中の重核種の自己遮蔽効果が強い空間依存性を持つことが知られており、燃料ペレットを複数の領域に分割して評価する手法が用いられている。水冷却高速炉においても、冷却材として水を使用する以上、同様の問題が現れる可能性がある。検討の結果、燃料ペレット中の重核種の自己遮蔽効果の空間依存性は小さく、燃料領域を1領域として扱っても、臨界性、転換比ともに解析精度には問題が出ないことが確認された。
日比 宏基*; 久語 輝彦; 栃原 洋*; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 岩村 公道; 和田 茂行*
Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.11 - 0, 2000/00
負のボイド反応度係数と1.0程度の転換比を達成するMOX燃料を用いる水冷却炉である低減速スペクトル炉の概念検討を行った。本報では、PWR型炉の2つの炉心について検討した。一方は、燃料集合体とブランケット集合体をチェッカーボード状に配置させた非均質炉心で、重水冷却により高転換比を目指した。他方は、軽水炉冷却炉心で、六角形の集合体の中央部に燃料(シード)を配置し、その周辺にブランケットを配置したシード・ブランケット型燃料集合体を採用した。本研究により、両炉心とも負のボイド反応度係数を達成でき、非均質炉心は1.1程度の転換比を、シード-ブランケット集合体炉心は1.0程度の転換比を達成できる見通しが得られた。
大久保 努; 新谷 文将
Proceedings of International Workshop on Current Status and Future Directions in Boiling Heat Transfer and Two-Phase Flow, p.177 - 181, 2000/00
稠密格子燃料棒配列で構成される新型の水冷却炉である低減速スペクトル炉の設計においては、そのような稠密格子配列における限界熱流束に対する評価手法を検証することが必要である。しかし、このような稠密格子配列における限界熱流速データは十分とは言えないことから、PWRと同じ運転圧力条件である15.5MPaの高圧力下において限界熱流束実験を実施している。本実験では、外径9.5mmの発熱棒7本を用いて、発熱棒間の間隔が0.6,1.0及び1.5mmのケースに対して実験を行っている。本報では、これらの実験の結果及びそれに対する検討を示す。また、既存の相関式とサブチャンネル解析で得られた局所流動条件を用いた評価と実験データとの比較を示す。
大久保 努; 久語 輝彦; 白川 利久*; 嶋田 昭一郎*; 落合 政昭
Proc. of Workshop on Advanced Reactors with Innovative Fuels, p.127 - 137, 1998/10
原研で実施されている新型炉の概念設計のうち、中性子の減速の程度を現行のものから増加あるいは減少させた水冷却型原子炉に関する検討の結果を紹介する。その一つは、100GWd/tの燃焼度と3年サイクル運転が可能なフルMOX炉心である。このタイプのPWR型炉として、減速度を2.5~3程度に幾分増加させた設計を検討しており、核分裂性Pu富化度7%の場合に、60GWd/tの燃焼度と2年サイクル運転が可能で、同富化度12%の場合に最終目標が達成可能である。また、BWR型炉として、やや低減速の炉心により同様の目標を達成可能なものを提案している。さらに別なタイプの炉心として、1以上の転換比を目指した高転換炉を減速度を著しく減少させることにより検討している。その一つのPWR型炉として、燃料棒間隔を1mm程度とし、減速材として重水を用いたものを検討しており、有望な結果を得ている。
倉沢 利昌; 佐藤 聡; 古谷 一幸; 中平 昌隆; 戸上 郁英*; 橋本 俊行*; 黒田 敏公*; 高津 英幸
JAERI-Tech 95-021, 25 Pages, 1995/03
核融合実験炉及び原型炉用ブランケットを対象としたITERでの工学試験計画について検討した。ブランケットとしては、従来より日本において検討されてきた水冷却及びヘリウム冷却のセラミックス増殖ブランケットを取り上げ、各ブランケットの原型炉における設計例を示すと共に、ITERでの試験項目、試験仕様、試験手順等についてまとめた。試験は初期の基本性能段階から実施するものとし、ニュートロニクス試験、性能確証試験、信頼性試験、セグメント試験を拡張性能段階にかけて順次行うものとした。同じくITER自身の燃料トリチウムを生産するドライバーブランケットについても試験の必要性および項目を提案した。