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上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
混相流, 39(1), p.61 - 71, 2025/03
高速度ビデオカメラを用いた気泡可視化は、気泡径や気泡速度の計測技術として用いられてきた。しかし、ボイド率が高い条件下では、ボイド率の増加とともにカメラの視線方向に対する気泡の重なりが増加するため、気泡の検出が困難であった。また、ロッドバンドル流路のような障害物がある体系では可視化がさらに困難になる。本研究では、Shifted Window Transformerを用いたディープラーニングに基づく気泡検出技術を2方向から撮影した気泡画像に適用し、ロッドバンドル流路内の気泡サイズ、気泡の3次元位置、3次元軌跡を求めた。さらに、水とほぼ同じ反射率のパーフルオロアルコキシアルカンチューブを流路に用い、流路全体の気泡流を可視化した。その結果、気泡の重なりやロッド後方の気泡など、個々の気泡を識別して検出できることを確認した。さらに検出結果を用いて、各気泡の直径と流速ならびに断面ボイド率を求めた。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
混相流シンポジウム2024講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2024/09
分散気泡流における気泡径や界面積濃度、ボイド率の計測技術として、ハイスピードビデオカメラによる気泡可視化計測手法が用いられてきた。しかしながら、ボイド率の増加と共にカメラの視線方向に対して重なり合う気泡が増加することから、高ボイド率での気泡検出は困難であった。本研究では、その課題を克服するために、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出技術を開発した。その性能を検証するため、Generative Adversarial Networks (GAN)で取得した気泡の画像を用いて、教師画像数に対する平均適合率(AP)を計算したところ、教師画像の数が50枚で十分なAPとなった。このことから少ない画像数でも気泡検出が可能であることがわかった。また、配管やバンドル流路体系における気泡可視化実験で取得した画像に対しても、重なり合う気泡の中から個々の気泡を検出できることを確認した。その結果を用いて、界面積濃度とボイド率を算出し、既存の関係式と比較したところ、良く一致することが確認された。このことから、本検出技術が気泡径だけでなく、界面積濃度やボイド率の計測も可能であることが示された。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 吉田 啓之
第52回可視化情報シンポジウム講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2024/07
気泡の3次元挙動を得るため、複数台のハイスピードビデオカメラにより気泡の3次元位置を同定する可視化計測技術が用いられている。しかしながら、ボイド率の増加と共にカメラの視線方向に対して重なり合う気泡が増加することから、高ボイド率条件への適用が困難であった。原子力機構では、気泡の重なりに対する課題を克服するため、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出技術の開発を進めている。本報では、その気泡検出技術を主流方向以外の二方向から撮影した分散気泡群の画像に適用し、分散気泡の3次元挙動可視化計測を実施した。その結果、各画像に対して、視線方向に対して重なり合う気泡群から個々の気泡を検出でき、気泡径やアスペクト比を取得できることを確認した。また、両画像の主流方向に対する気泡位置を紐付けることにより、個々の気泡の3次元位置ならびに3次元の気泡速度計測が可能であることを確認した。
木村 祥紀; 松本 哲也*; 山口 知輝
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 333(7), p.3541 - 3551, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)This study discusses the application of a deep metric learning model based on a convolutional neural network to scanning electron microscope image analysis to determine UOC samples. One of the unique features of this technique is that it can detect a sample that comes from an unknown material not listed in the reference for comparison, in addition to the classification of a sample based on surface characteristics captured in the microscopic images. It was confirmed that the present technique could detect hypothetical unknown samples with 0.8 of Area Under the ROC Curve, and it can effectively provide preliminary observations in nuclear forensics analysis.
青木 裕之; Liu, Y.*; 山下 貴志*
Scientific Reports (Internet), 11(1), p.22711_1 - 22711_9, 2021/11
被引用回数:12 パーセンタイル:63.12(Multidisciplinary Sciences)Neutron reflectometry (NR) allows us to probe into the structure of the surfaces and interfaces of various materials such as soft matters and magnetic thin films with a contrast mechanism dependent on isotopic and magnetic states. The neutron beam flux is relatively low compared to that of other sources such as synchrotron radiation; therefore, there has been a strong limitation in the time-resolved measurement and further advanced experiments such as surface imaging. This study aims at the development of a methodology to enable the structural analysis by the NR data with a large statistical error acquired in a short measurement time. The neural network-based method predicts the true NR profile from the data with a 20-fold lower signal compared to that obtained under the conventional measurement condition. This indicates that the acquisition time in the NR measurement can be reduced by more than one order of magnitude. The current method will help achieve remarkable improvement in temporally and spatially resolved NR methods to gain further insight into the surface and interfaces of materials.
高田 毅士
日本地震工学会誌, (44), p.6 - 11, 2021/10
本報告は、2007年以前の我国の原子力地震安全確保の状況紹介に続き、日本地震工学会と日本原子力学会が連携した三つの調査委員会の活動の背景と主な成果、そして最後にこれらの活動の末辿り着いたところとして筆者が重要と考えるポイントをまとめたものである。
宮良 信勝; 松岡 稔幸
JAEA-Data/Code 2017-005, 34 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構では、堆積岩を対象とした深地層の研究施設計画を北海道幌延町において進めている。本データ集は、幌延深地層研究計画(第1段階)において実施した深層ボーリング調査(HDB-1HDB-11)のうち、物理検層のデータを取りまとめたものである。
佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03
本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO(cr)及びThO
(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。
吉野 浩光; 岸 敦康*; 横田 秀晴
JAEA-Data/Code 2015-014, 42 Pages, 2015/09
幌延深地層研究計画においては、地下施設周辺のボーリング孔に設置した水圧モニタリング装置を用いて地下施設建設が水圧に及ぼす影響を観測している。本報では、水圧観測開始から2015年3月までにHDB-111孔及び換気立坑先行ボーリング(PB-V01孔)において取得された地下水間隙水圧観測結果を取りまとめた。
千手 智晴*; 磯田 豊*; 荒巻 能史*; 乙坂 重嘉; 藤尾 伸三*; 柳本 大吾*; 鈴木 崇史; 久万 健志*; 森 康輔*
Journal of Oceanography, 61(6), p.1047 - 1058, 2005/12
被引用回数:9 パーセンタイル:18.37(Oceanography)日本海,日本海盆から大和海盆にかけて底層付近の詳細な水塊構造を観測した。観測は研究船白鳳丸KH03-3次航海(2002年10月14日19日)で行った。大和海盆の底層付近では0.085度以上の、日本海盆では0.070度以下の海水が分布しており、これらの海水は両海盆間の境界付近でestuary型のフロントを形成しながら会合していた。フロントの構造から、底層での日本海盆から大和海盆への流入と、その上層での大和海盆からの流出が示唆された。また、日本海盆から流入した底層水は、大和海盆内の時計回りの循環に捕捉され、鉛直拡散,海底加熱,酸素消費の過程を通して、大和海盆底層水に変質されると推測された。ボックスモデルにより大和海盆底層水の熱収支を解析した結果、海底加熱は鉛直拡散の約70パーセントの大きさを持ち、これらによって日本海盆からの冷たい底層水の移流効果が打ち消されていることがわかった。さらに、大和海盆底層水の平均滞留時間は9.1年であると見積もられた。
荒巻 能史*; 外川 織彦; 北村 敏勝
第16回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.170 - 172, 2004/02
1993年に、ロシアによる放射性廃棄物の極東海域への投棄が明らかになった。これを受けて、原研では日本海における人工放射性核種の移行挙動を調査してきた。従来の人工放射性核種濃度のモニタリングに加え、1998年より日本海の海洋学的特徴を詳細に解明し、周辺地域における原子力施設の増加,放射性廃棄物投棄などの何らかの原因による放射性核種の海洋への流入に対応する海洋環境評価システムの構築に役立てることを目的として日本海研究を遂行してきた。本講演では、これまでの調査において採取・分析された放射性炭素濃度分布の一部を速報的に報告するとともに、日本海海水、特に深層水の循環について考察を加える。
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JNC TN1440 2000-002, 148 Pages, 1999/08
核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)は、内関総理大臣が定めた「国の研開発全般に共通する評価の実施方法の在り方についての大綱的指針」(平成9年8月7日決定)及びサイクル機構の「研究開発外部評価規程」(平成10年10月1日制定)等に基づき、研究関発課題「深地層の研究施設における研究計画」に関する事前評価を、研究開発課題評価委員会(廃棄物処理処分課題評価委員会)に諮問した。これを受けて、廃棄物処理処分課題評価委員会は、サイクル機構から提出された評価用説明資料及びその説明に基づき、本委員会によって定めた評価項目及び評価の視点及び評価の基準に従って当該課題の事前評価を行った。本報告書は、その評価結果をサイクル機構の関係資料とともに取りまとめたものである。
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JNC TJ1400 99-029, 69 Pages, 1999/03
北海道北部の地震活動の詳細を明らかにするために、幌延町開進地区で1986年12月4日から1998年3月31日まで136か月間、微小地震を対象として、高感度地震観測を行なった。幌延における11年間余の観測と解析の結果、以下のことが明らかになった。・S-P時間5秒(幌延からの震源距離約40km)以下の地震が多数発生している。・S-P時間1.1秒以下の地震は観測されていない。即ち、幌延から震源距離約8km以内、従って、幌延の真下では深さ約8kmより浅い地震は発生していない。・幌延の周辺では、継続時間が極めて短く(数時間数十時間)、震源域も極めて小さい(差渡し数km程度)群発地震活動がしばしば発生している。・幌延1点の観測では信頼できる震源を求めることが出来ないので、周辺の気象庁観測点のデータと併合処理を行なった。S-P時間20秒以内の地震の約5%について震源が求められた。得られた震源分布を見ると、日本海岸に沿って幅約40
50kmで南北に延びる地震活動が活発なところが見られる。オホーツク海沿岸部は地震活動が著しく低い。活断層など、地質構造・地体構造と顕著な関連は認められない。
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JNC TJ1400 99-038, 83 Pages, 1999/02
本報告書は、核燃料サイクル開発機構の委託研究による「再冠水に関する原位置試験研究」をまとめたものである。ミニドーム(実験サイトのGL一50mGL82.5m間に構築した地下構造物の名称)埋戻し後に実施した再冠水から11カ月までの調査データをとりまとめている。神奈川県相模原市郊外に位置する相模川河川沿いの洪積台地上においてGL-82.5m間に構築した地下空間実験場周辺の地下水調査を行った。当該地盤は、GL-7mまではローム層により、またその下層厚14mまでは砂礫層が存在している。それ以深(GL一21m)の地盤はところどころに挟み層を含んだ泥岩層で構成されている。本調査は、1)ミニドーム埋戻し後に実施する再冠水過程における周辺岩盤の地下水環境変化の把握と2)地下水環境に対するモニタリングシステムの検証を行うため、泥岩層内に帯水する地下水の水圧、水温、pH、電気伝導率、および埋戻し工事で使用した埋戻し材(流動化改良土)から発生する固化熱によるミニドーム壁面の温度変化を計測した。さらに、浅層地下水と深層地下水の関連を調査するためコアおよび試錐孔内の地下水に対して安定同位体分析、また現地の浅層地下水で検出されている有機塩素化合物の有無を深層地下水に対して調べた。ここで、実施した再冠水過程は2回である。一つは、埋戻しlケ月後(Hl0.3.19)に計画通りに実施したもの(以下、第1回目再冠水と呼ぶ)と、もう一つは、埋戻し8ケ月後(Hl0.l0.6〉に水中ポンブの誤動作によって発生したもの(以下、第2回目再冠水と呼ぶ)である.その結果、地下50m以深の堆積軟岩中に構築した地下空洞を埋戻した後、再冠水を実施したことによる地下水環境変化の貴重な資料が得られた。そこで、これまで得られた知見をまとめると以下のようである。
佐久間 秀樹; 杉原 弘造; 長谷川 健; 小出 馨; 吉田 英一; 濱 克宏; 戸高 法文
PNC TN7010 97-005, 17 Pages, 1997/08
本計画書は「超深地層研究所地層科学研究基本計画」(PNC TN7070 96-002)および「超深地層研究所 地表からの調査予測研究段階計画(案)」(PNC PN7070 97-001)に基づき、「地表からの調査予測研究段階」の平成9年度の計画を示したものである。平成9年度は第1段階である地表からの調査予測研究段階の第2年度にあたる。地表からの調査予測研究段階では、地質構造、地下水の水理や地球化学などに関する研究が主体となる。この段階では物理探査や試錐調査によって地質構造の概略を把握し、これに基づいて地質構造を簡明に示す地質構造モデル、水理地質構造モデルおよび地下水の地球化学モデルを構築する。これらのモデルは、地下水流動解析や地下施設の設計などの基礎となる。また、取得される膨大な情報を効率よく管理し活用するために不可欠なデータ管理システムなどの構築を行う。これらの研究の結果に基づき、深部地質環境の特徴、地下施設の建設に伴う地下水の流動と水質の変化などを予測すると同時に、予測結果を評価する基準や方法を決定しておく。また、地下施設の詳細設計を行うとともに、この段階に続く坑道の掘削を伴う段階の詳細な研究計画を決定する。地表からの調査予測研究段階の段階目標は、以下の3項目である。(1)地表から地質環境に関するデータを取得し、地下の地質環境の概略を把握し、地下施設の建設が地質環境に与える影響を予測する。(2)上記で行う予測の結果を、坑道の掘削を伴う研究段階に取得される情報との比較により検証するための評価方法を決定する。(3)本段階で取得される情報と予測結果に基づき、地下施設の詳細設計を行い、坑道の掘削を伴う研究段階の計画を決定する。
稲辺 輝雄
プラズマ・核融合学会誌, 73(8), p.812 - 819, 1997/08
従来の核融合実験施設やトリチウム取扱施設よりも大規模な核融合施設は、現行の放射線障害防止法による規制では求められていない深層防護とALARAの原則に基づく安全設計が必要と考えられる。ここでは、この二つの原則の考え方を解説するとともに、これらの原則を踏まえた国際熱核融合実験炉ITERの安全設計方針及び米国エネルギー省の磁気核融合施設に対する安全要求の主要な内容を解説する。また、今後国内で核融合施設の安全設計要求を検討する際に留意すべきと考えられる安全評価と安全設計との関連等を解説する。
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PNC TJ1604 97-002, 27 Pages, 1997/03
1)非保存性物質の流動過程を溶存酸素極小層の酸素に注目して、約10万個の標識粒子を時間を逆戻りにして50年間追跡した。各層へ流入してくる海水の、その層の溶存酸素濃度への寄与率を評価する測度を新たに導入した。注目している海域の溶存酸素極小層で酸素を獲得した水は、その層自身の溶存酸素濃度にはほとんど寄与しないで、層外へ出て行くことが分った。入れ替わって入ってくるのは、より上層で酸素を獲得した水である。酸素を獲得してから終着点に到達するのに要する時間は、溶存酸素極小層へ来る粒子が最も長い年数を必要とすることも分った。酸素消費率は、0500m層で0.1ml/l/yrより大きい。また、酸素消費率は、鉛直拡散過程から予想されるような、指数関数的な減少をしていない。2)海水構成の時間変化と滞留時間を調べた。北極海、南極海などの小海域では、10年位で一度流出した海水が再び戻ってくる。各層起源の水のその層への残留量の時間変化から滞留時間を評価した。この残留量の時間変化は、必ずしも指数関数的な変化ではないが、e-folding timeとして評価した"平均年令"は、表層で10
30年、中層で30
120年、深層で60
300年である。海水が入れ替わるには、さらに長い時間が必要で、例えば残留量が初期の体積の10%に減少するには、表層で40
140年、中層で70
600年、深層で130
1600年が必要である。3)等密度面混合を考慮した定常流動場を診断的に求めた。流速ベクトル場でみると、従来の流速場と著しく変った所は無いように見える。流速場の信頼度をSarmient and Bryan(1982)の2つの測度を用いて検討したが、スキームの異なる2つのモデルの信頼度の評価にはGamma ratio I2は適切ではないことが分った。粒子群の鉛直変位は明らかに差が現われている。等密度面が大きく傾いている高緯度海域では、より現実的な流動状況になっているだけではなく、赤道海域でも有意な変化が現われている。4)平成4年度
8年度の研究成果のまとめ(別冊)を行った。*本報告書は、京都大学大学院理学研究科地球物理学教室が動力炉・核燃料開発事業団の委託により実施した研究の成果である。
佐久間 秀樹; 杉原 弘造; 長谷川 健; 小出 馨; 吉田 英一; 濱 克宏; 戸高 法文
PNC TN7010 97-004, 12 Pages, 1996/08
本計画書は「超深地層研究所地層科学研究基本計画」および「超深地層研究所 地表からの調査予測研究段階計画(案)」に基づき、「地表からの調査予測研究段階」の平成8年度の計画を示したものである。平成8年度は第1段階である地表からの調査予測研究段階の初年度である。地表からの調査予測研究段階では、地質構造、地下水の水理や地球化学などに関する研究が主体となる。この段階では物理探査や試錐調査によって地質構造の概略を把握し、これに基づいて地質構造を簡明に示す地質構造モデル、水理地質構造モデルおよび地下水の地球化学モデルを構築する。これらのモデルは、地下水流動解析や地下施設の設計などの基礎となる。また、取得される膨大な情報を効率よく管理し活用するために不可欠なデータ管理システムなどの構築を行う。これらの研究の結果に基づき、深部地質環境の特徴、地下施設の建設に伴う地下水の流動と水質の変化などを予測すると同時に、予測結果を評価する基準や方法を決定しておく。また、地下施設の詳細設計を行うとともに、この段階に続く坑道の掘削を伴う研究段階の詳細な計画を決定する。地表からの調査予測研究段階の段階目標は、以下の3項目である。(1)地表から地質環境に関するデータを取得し、地下の地質環境の概略を把握し、地下施設の建設が地質環境に与える影響を予測する。(2)上記で行う予測の結果を、坑道の掘削を伴う研究段階に取得される情報との比較により検証するための評価方法を決定する。(3)本段階で取得される情報と予測結果に基づき、地下施設の詳細設計を行い、坑道の掘削を伴う研究段階の計画を決定する。
今里 哲久*
PNC TJ1604 96-003, 26 Pages, 1996/03
本調査の目的は、海洋での広域拡散に関する計算コードの整備を行うことにある。その一環として、広域拡散の要となる広域海洋の表層、中層、深層を含む海洋の流動評価について、平成4年度から評価方法の調査研究を開始し、地球規模の基本的な流動状況の把握を行ってきた。上記目的達成のために、本年度は以下の調査を実施し、計算コードの整備を行った。(1)広域海洋に隣接する比較的狭い海域の例として日本海の流動評価方法に関する調査日本海について流動評価方法の調査を継続して行い、その流動評価方法を用いて試算した流動状況を観測値等を参考として検討した。さらに、計算上の問題点及び今後の課題に関する事項について検討した。これらの結果についてのとりまとめを行った。(2)季節条件を加味した広域海洋の流動評価試算結果の検討と調査水温・塩分・海上風を季節変化させて広域海洋の流動状況を試算し、各海流系の流量の季節変動状況について検討した。さらに、季節変動の大きい熱帯赤道海域と中緯度海域との間のラグランジュ流量の季節変動について検討を行った。これらの結果についてのとりまとめを行った。(3)日本近海を出発点とした水塊の流動状況の検討に関する調査トカラ海峡で放出された水塊の季節変動をする流動場中の移動状況が、放出される時期によってどのような影響を受けるのかを試算し、結果についての検討を行った。これらの結果についてのとりまとめを行った。