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Kirsebom, O. S.*; Tengblad, O.*; Andreyev, A. N.; 他41名*
Physical Review Letters, 121(14), p.142701_1 - 142701_6, 2018/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.99(Physics, Multidisciplinary)The C(
,
)
O reaction plays a central role in astrophysics, but its cross section at energies relevant for astrophysical applications is only poorly constrained by laboratory data. The reduced
width,
, of the bound 1
level in
O is particularly important to determine the cross section. The magnitude of
is determined via sub-Coulomb
-transfer reactions or the
-delayed
decay of
N, but the latter approach is presently hampered by the lack of sufficiently precise data on the
-decay branching ratios. Here we report improved branching ratios for the bound 1
level (
) and for
-delayed
emission (
). Our value for
is 33
larger than previously held, leading to a substantial increase in
. Our revised value for
is in good agreement with the value obtained in
-transfer studies and the weighted average of the two gives a robust and precise determination of
, which provides significantly improved constraints on the
C(
,
)
O cross section in the energy range relevant to hydro static He burning.
Truesdale, V. L.*; Andreyev, A. N.; Ghys, L.*; Huyse, M.*; Van Duppen, P.*; Sels, S.*; Andel, B.*; Antalic, S.*; Barzakh, A.*; Capponi, L.*; et al.
Physical Review C, 94(3), p.034308_1 - 034308_11, 2016/09
被引用回数:11 パーセンタイル:60.30(Physics, Nuclear)A nuclear-decay spectroscopy study of the neutron-deficient isotope At is reported where an isotopically pure beam was produced using the selective Resonance Ionization Laser Ion Source and On-Line Isotope Mass Separator (CERN). The fine-structure
decay of
At allowed the low-energy excited states in the daughter nucleus
Bi to be investigated. A
-delayed fission study of
At was also performed. A mixture of symmetric and asymmetric fission-fragment mass distributions of the daughter isotope
Po (populated by
decay of
At) was deduced based on the measured fission-fragment energies. A
DF probability
(
At) = 9(1)
10
was determined.
杉野 英治*; 鬼沢 邦雄; 鈴木 雅秀
JAERI-Data/Code 2005-008, 95 Pages, 2005/09
経年変化を考慮した機器の地震時構造信頼性評価手法を確立するため、プラントサイトの地震動発生確率及び、その発生確率レベルに応じた地震動波形を得ることを目的に、断層モデルによる地震動予測手法を用いた地震ハザード評価コードSHEAT-FM(Seismic Hazard Evaluation for Assessing the Threat to a facility site; Fault Model)を開発した。本評価コードでは、断層モデルによる地震動予測手法に加え、中小地震の観測記録から得られたサイト固有の位相特性や、活断層の活動間隔や最新活動からの経過時間を考慮した地震発生過程モデルなどの、地震工学分野における最新知見を導入することで、地震ハザード評価の精度向上を図っている。本報告書は、SHEAT-FMコードの使用法などをまとめた使用手引きである。主な内容として、SHEAT-FMコードによる地震ハザード評価の概要,入力データの仕様,モデルサイトを対象とした使用例,システム情報及び実行方法についてそれぞれ示す。
阿部 宏之; 倉田 博基; 北條 喜一
Journal of the Physical Society of Japan, 69(5), p.1553 - 1557, 2000/05
被引用回数:4 パーセンタイル:37.84(Physics, Multidisciplinary)超微粒子の表面励起は、超微粒子を構成する物質が固体を形成しているときの誘電関数と密接に関係している。したがって、金属や半導体よりも大きな誘電率を持つ絶縁体には、金属や半導体とは異なる性質を持つ表面励起の存在が期待される。本論文では、絶縁体超微粒子に特有な表面励起を明らかにするため、半径10nmと55nmのアルミナ超微粒子の空間分解価電子励起スペクトルを測定した。超微粒子表面から電子プローブを数nmずつ遠ざけながらスペクトルを測定した。半径10nmの超微粒子から得た実験スペクトルは、非相対論的計算スペクトルとよく一致した。一方、半径55nmの超微粒子の実験スペクトルには、計算スペクトルには現れないピークが10eV以下の領域に観測された。最近、10eV以下に、遅延効果によって生じる表面励起が相対的な計算で報告された。本論文で、初めて実験的に遅延効果によって生じる表面励起を観測した。
鈴木 覚; 間中 光雄; 森田 光男*
JNC TN8400 2000-020, 25 Pages, 2000/04
高レベル放射性廃棄物の地層処分における多重バリアシステムで、圧縮ベントナイトには放射性核種の移行遅延効果が求められており、そのメカニズムの解明が急務である。圧縮ベントナイト中の放射性核種は、構成鉱物の粒子間間隙水や粘土鉱物(モンモリロナイト)の層間水を主な移行経路として拡散する。ベントナイト中の核種の見かけの拡散係数の活性化エネルギーが自由水中のそれに比べて高いという報告があり、これは間隙水や層間水の構造・粘性が自由水とは異なるためであると考えられている。この研究では、含水したベントナイトについてラマン分光測定を行ない、自由水とベントナイトの間隙水の構造の違いについて検討した。クニピアF(モンモリロナイト含有率9899重量%、クニミネ工業)とイオン交換水を任意の含水率(98
75重量%)で混合した。混合物を超音波洗浄機で振とうした後、2ヶ月程度静置し、イオン交換水混合試料について5条件(含水率98、95、90、80、75重量%)およびNaCl水溶液混合試料について2条件(80、75重量%)についてラマン分光測定を行なった。また、あわせてイオン交換水、0.5M NaCl水溶液および乾燥状態のクニピアF(相対湿度25RH%)の測定も行なった。ラマン測定は反射モードで行ない、測定時の温度は室温で24
26
であった。測定の際には試料からの蛍光の低減に注意したが、除去できなかった蛍光についてはベースライン補正を行ない、2400
4000cm-1の領域でラマンスペクトルを得た。イオン交換水は約3250、3400、3630cm-1にラマン散乱の極大ピークを持ち、3400cm-1のピーク強度が相対的に大きい。複数のピークの存在は、水分子間の複数の水素結合状態があることを示しており、低い波数のピークほど強い水素結合に帰属される。含水したベントナイトのラマンスペクトルは約3200
3250、3400、3630cm-1にピークがあり、含水率の低下に伴い、3400cm-1に比べ3200
3250cm-1のピークが相対的に増加している。また、乾燥したクニピアFのスペクトル(dry)は層間水によるもので、3150cm-1のピークが著しく大きい。NaCl水溶液を含水させた試料でも、含水率の低下に伴う、3250cm-1のピークの相対的な増加が認められた。これらのピークは、イオン交換水と同様に
鎮守 浩史*; 長崎 晋也*; 田中 知*; 田中 忠夫; 小川 弘道
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.556, p.743 - 750, 1999/00
アクチニドを保持した地下水コロイドの移行は固相への付着に基づくフィルトレーション効果によって遅延を受けることが予想される。本研究では、負に帯電しているガラスビーズとラテックス粒子を用いたカラム実験及びバッチ実験を実施し、コロイドのフィルトレーション効果をコロイドの固相への付着挙動という観点から検討した。カラム実験において、ラテックス粒子の遅延は粒径またはイオン強度が大きいほど、付着の程度が大きくなることを明らかにした。また、ラテックス粒子の遅延の程度を示す分配係数は、バッチ実験より得られた値よりカラム実験結果から算出した値の方が大きいことを見いだした。これらの結果を解釈するため、付着界面でのコロイドに働く物理・化学的相互作用、流れの場の効果、付着粒子の脱離挙動などに関して考察した。
朽山 修*; 高須 亜紀*; 池田 孝夫*; 木村 英雄; 佐藤 正知*; 長崎 晋也*; 中山 真一; 新堀 雄一*; 古屋 廣高*; 三頭 聰明*; et al.
原子力バックエンド研究, 5(1), p.3 - 19, 1998/08
放射性廃棄物の地層処分の安全評価において、現在用いられている核種移行モデルは主として、固体物質による遅延効果を収着分配係数Kを用いて評価している。しかしながら、収着はその機構が未だ十分解明されていない現象であるため、移行モデルK
を用いるにあたっては、いくつかの注意が必要となる。この問題は、収着が固体と水の界面あるいはその近傍で起こる不均一系の反応であることと、核種の移行媒体である地質媒体の物理的性質や化学的性質が一様でないことに起因している。本論文はK
を用いて記述できる収着現象の範囲について考え、さらに原位置での核種移行の評価に対するK
による記述の妥当性と適用性について考察した。
田中 忠夫; 小川 弘道
JAERI-Conf 99-004, p.654 - 661, 1998/03
海岸砂及び赤色土を対象としてAm(III)
の移行挙動をカラム実験で調べるとともに、土壌に吸着した
Amの吸着移行メカニズムを抽出法により検討した。カラムに注入した
Amのほとんどは注入端に吸着された。しかし海岸砂カラムからの流出液中には
Amが流出初期から検出され、水とほぼ同じ速度で間隙中を移行するコロイド状化学種の存在が認められた。この移行挙動は、陽イオン性及びコロイド状
Amに異なる2つの分配係数を与える吸着移行モデルで評価できることを示した。また、赤色土に対する
Amの吸着は可逆的であり分配係数で評価できるが、海岸砂では非可逆的に結合している割合が高く、分配係数から予想されるより大きな遅延を受けることが考えられる。
熊田 政弘; Vandergraaf, T. T.*
Journal of Contaminant Hydrology, 35(1-3), p.31 - 40, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:23.69(Environmental Sciences)高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要な核種であるNpについて、深地下の地球化学的条件下における移行挙動をAECLとの協力により調べた。カナダ、マニトバ州の地下実験施設において、地下250m付近の亀裂帯から採取した岩石試料と地下水を用いてカラム実験による移行実験を原位置条件下で行った。3通りの流束(0.3、1.0及び3.0ml/h)で
Npをスパイクした地下水約30mlをカラムに注入した。同時に注入したトリチウムの破過曲線は得られたが、注入後95日経っても、Npの破過曲線は得られなかった。移行試験の終了後にカラム充填物を1cm刻みにしてNpのカラム内分布を求めた。1次元輸送モデルをNpのカラム内分布に適用し、カーブフィッテングからNpの遅延係数を得た。Npの遅延係数(Rf)には大きな流速依存性が認められ、Npの遅延速度(Vn)は1桁以上変化した。
佐藤 治夫; 澁谷 朝紀; 舘 幸男; 太田 久仁雄*; 天野 健治*; 油井 三和
PNC TN8410 97-127, 57 Pages, 1997/08
高レベル放射性廃棄物地層処分の性能評価研究において,核種の移行遅延特性を定量的に調べモデル化することは重要な課題の1つとして挙げられている。筆者らは,結晶質岩中における核種の遅延の程度を定量化するため,割れ目から岩石マトリックス方向への核種の拡散,岩石への核種の収着および間隙特性の変化について調べている。本研究では,釜石原位置試験場の花崗閃緑岩割れ目周辺に見られる割れ目充填鉱物部および変質部の内,地下水が接触している割れ目を対象に核種の移行遅延特性を調べた。イオン電荷をパラメーターにNa,Cs,HTO,Cl,Seについて2225
の範囲で見掛けの拡散係数および実効拡散係数を取得した。透過拡散法により,割れ目充填鉱物部,変質部,花崗閃緑岩に対して取得すると共に,Cs,Sr,Se,238Uおよび239Puのバッチ法による収着実験を同岩石について行い,分配係数を取得した。酸化還元条件に鋭敏な元素の内,SeについてのみN2雰囲気のグローブボックス(O2
1ppm)内で行い,他の元素は大気雰囲気で行った。岩石試料と同じ場所から採取した地下水(pH8.7
9.5)を実験では用いた。岩石試料の間隙率および密度を水中飽和法および水銀圧入法により,また,細孔径分布や比表面積を水銀圧入法により測定した。間隙率は,割れ目充填鉱物部(5.6%)
変質部(3.2%)
花崗閃緑岩(2.3%)の順で小さくなり,割れ目からマトリックス方向に対して小さくなることが分かった。花崗閃緑岩および変質部の細孔径分布は10nm
0.2mmの範囲にわたっており,割れ目充填鉱物部は50nm
0.2mmの範囲であった。しかしながら,割れ目充填鉱物部における多くの細孔径は100nmと0.2mm付近で見られた。全てのイオン(Na+,Cs+,HTO,Cl-,SeO32-)の実効拡散係数は間隙率に依存し,割れ目充填鉱物部
変質部
花崗閃緑岩の順に小さくなった。細孔径分布の測定結果から間隙径がイオン径に比べて大きく,岩石表面とイオンとの静電的相互作用の効果はそれほど大きくないものと考えられることから,岩石マトリックス中のイオンの実効拡散係数を間隙率や屈曲度などの間隙構造因子および自由水中のイオンの拡散係数を用いて予測した。その結果,予測値は実測値とほぼ一致し,形状因子に基づいたモデルの適用性が確認された。また,岩石に対
村上 隆*; 大貫 敏彦; 磯部 博志; 佐藤 努
American Mineralogist, 82, p.888 - 899, 1997/00
オーストラリア、クンガラ鉱床の2次鉱床の酸化条件におけるウランの固定機構について透過電子顕微鏡、走査電子顕微鏡により検討し、熱力学データに基づく予測と比較した。その結果、ウランは、地下水の上流域ではケイ酸塩鉱物がリン酸塩鉱物に置き換わっていること、下流域では鉄鉱物中にリン酸塩鉱物として析出しているのが確認された。これらの結果を、熱力学的データに基づく予測と比較した結果、上流域では局所的な飽和条件によるウラン鉱物の析出が機構として考えられた。しかし、下流域では、上流域のような局所的飽和からはウラン鉱物の生成が予測されず、他の機構、例えば触媒作用、により生成したものと考えた。
大貫 敏彦
電子情報通信学会技術研究報告, 0, p.8 - 12, 1994/10
放射性核種の地層中移行の遅延機構解明研究について、日本原子力研究所で、最近得られた成果を中心に紹介する。原研では、(1)放射性核種の鉱物への吸着、(2)鉱物の変質過程での放射性核種の再分配に関する研究を行っている。これらの研究成果として、移行の遅延機構として、鉱物の表面への吸着の他に、鉱物の変質過程中における、固定があることを示した。
三原 守弘; 吉川 英樹; 油井 三和
PNC TN8410 94-241, 53 Pages, 1994/07
平成3年7月に原子力委員会は、「TRU核種を含む放射性廃棄物の処理処分について」を公表し、その中でTRU廃棄物の処分を1990年代後半までに見通しが得られるよう検討を行う必要があることを述べている。以上の状況を踏まえ、本報告書では、TRU廃棄物の特性を考慮し、暫定的に設定した処分システムにて予備的な性能評価試算を行い、今後の研究課題の摘出及びそれらの優先順位付けを行った。主な結果は、以下のとおりである。(1)C-14やI-129等の地下水に対して可溶性かつ非吸着性の核種が人工バリアからの放出率を支配する重要な核種となるため、これらの核種の遅延機構の研究を行う必要がある。(2)硝酸塩及び有機物の存在により核種の溶解度が上がることが示唆された。よって硝酸塩及び有機物の存在下における信頼性の高い熱力学データの取得、拡散係数及び分配係数の取得を行う必要がある。(3)可溶性核種の人工バリアからの放出率については、固化体中のインベントリに依存するためインベントリを把握する必要がある。また、本試算ではデータ不足等により考慮しなかったが重要と考えられる研究としては人工バリア材の長期安定性、ガスの発生・移行、微生物影響調査研究等が挙げられる。今後、これらの研究を進めながら処分システムの構築を行う必要がある。
山岸 秀志
JAERI-M 94-010, 13 Pages, 1994/02
位置検出型核分裂計数管(PSFC)の開発において、その計数管電極を遅延線構造にすることにより、極めて高い位置検出分解能が期待できることを既に報告した。本稿では、PSFC信号計測系の構成について検討を行うと共に、PSFC及び電子回路によるパルス計数誤差について計算評価した。PSFCのパルス伝播時間と同じ遅れ時間を有するパルス遅延素子と組み合わせて計測電子回路を構成することにより、信号処理系を簡素化でき、高速のリアルタイム計測に有効であることがわかった。また、PSFCに起因する計数誤差は、電子回路によるものよりも小さく、10cpsのような高計数率下においても2%以下であることがわかった。
山岸 秀志
JAERI-M 93-151, 10 Pages, 1993/07
核分裂計数管の陽極をコイル構造とした新たな位置検出型核分裂計数管(PSFC)を考案し、その構造とパルス伝幡等の電気的特性の関係について理論的な考察を行った。本PSFCは高速中性子を検出することを目標にしており、信号パルスの時間差によって中性子位置を検出する原理に基づくものである。計算による考察の結果、PSFCの陽極をコイル構造にすることにより適度なパルス伝幡速度が得られるため、これまでにない極めて高い位置検出分解能を有する中性子検出器の開発が可能であることがわかった。更に、PSFCはコイル構造により自由に特性インピーダンスを設計できるため、信号伝送ケーブルとインピーダンス整合をとることができる。この結果、信号パルスの反射がない良好なパルス伝送特性も得られることがわかった。この技術は熱中性子用の位置検出型核分裂計数管にも利用できるものである。
森川 恒安*; 大島 真澄; 関根 俊明; 初川 雄一; 市川 進一; 飯村 秀紀; 長 明彦*; 柴田 理尋; 谷口 秋洋*
Physical Review C, 46(1), p.R6 - R9, 1992/07
被引用回数:23 パーセンタイル:75.26(Physics, Nuclear)オンライン質量分離したLaの
崩壊から、
-
遅延同時計数法により
Baの第一2
状態の半減期を測定した。
Baについて、それぞれ、297(13),297(26),141(8)psの半減期が得られた。半減期から求めたB(E2:O
2
)の値は、
Baが最も大きな変形を有している事を示している。IBM-2による計算値との比較を行ない、B(E2)の中性子数に対する系統的な変化についての考察を行なった。
村岡 進; 妹尾 宗明; 小林 義威
JAERI-M 92-022, 73 Pages, 1992/03
人工バリア研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において、平成2年度に実施した高レベル廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)固化体及び人工バリア材の研究開発では、ガラス固化体、セラミック固化体及び緩衝材の性能評価試験並びに容器材料の耐食性試験を継続した。2)地層処分の安全評価試験では、核種の水中での化学的挙動、地層中での移行・固定機構の研究を実施した。また、岩石中の元素の化学形分析法の開発を進めた。3)ナチュラルアナログ研究として、ウラン鉱床中のウラン系列核種の移行及び分布に関する研究を実施した。
畑中 耕一郎; 仲島 邦彦*; 内藤 守正; 梅木 博之; 石黒 勝彦
PNC TN1410 92-086, 135 Pages, 1992/01
地質環境中での核種の移行は、移行経路の幾何学的特徴や遅延特性等、地質媒体の構造的特性を強く反映した因子に影響を受けると考えられる。そこで、地質媒体についての核種移行遅延効果と移行経路などの各媒体が有する特性や水理学的条件等との関連を明らかにすることによって、天然バリア効果の基本的な性能を示すことを目的として解析を行なった。解析にあたっては、まず、国内外の研究を参考にしつつ核種の移行経路と対応する移行メカニズムに着目して、地質媒体を多孔質媒体と亀裂性媒体に分類し、これらに対しそれぞれ核種移行モデルを作成した。次に、このモデルを用いて地質媒体の条件や特性を示すパラメータに対する核種移行遅延効果を感度解析的に評価した。その結果、多孔質、亀裂性いずれの媒体においても核種の移行遅延効果は、その環境条件に関わるパラメータ、地質媒体の厚さ(ある地質媒体中の評価地点までの距離)、核種の特性に関わるパラメータに強く依存し、これらのパラメータの設定範囲における遅延効果の程度は幅広いものであった。しかしながら、10m程度の比較的小さい媒体厚さにおいても、媒体が有効な遅延効果を示すパラメータ群の組み合わせが存在することがわかった。その結果、天然バリアとして充分な性能を有する場合には、人工バリア近傍の地層の保持能力によって地下水の環境安全性を確保できる可能性があり、この点から、ニアフィールドの地質環境条件をできるかぎり精確に把握していくことの重要性が示唆された。
村岡 進; 妹尾 宗明; 小林 義威
JAERI-M 91-019, 69 Pages, 1991/02
人工バリア研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において平成元年度に実施した高レベル廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果を報告書にまとめた。その内容は次の通りである。1)固化体及び人工バリア材の研究開発では、ガラス固化体、セラミック固化体の性能評価試験及び容器材料の耐食性試験を継続した。2)地層処分の安全評価試験では、核種の水中での化学的挙動、地層中での核種の移行・遅延挙動の研究を実施した。また、岩石中の元素の化学形分析法の開発を進めた。3)ナチュラルアナログ研究として、ウラン鉱床中のウランの分布及び移行に関する研究を実施した。
小川 弘道; 向井 雅之; 大貫 敏彦; 山本 忠利
JAERI-M 90-065, 11 Pages, 1990/03
自然の通気砂層から未攪乱状態で採取した土壌層試料に対する放射性核種移動試験の結果から水流速、分散長および遅延係数を決定し、土壌特性値および試験条件から推定された水流速、分散長および遅延係数と比較した。核種移動試験における分散長は、土壌特性値から推定した値と同程度であったが、水流速は、土壌特性値および試験条件から推定した値よりもやや大きかった。Csの遅延係数は、土壌特性値から推定した値とほぼ同程度であったが、
Coのおよび
Srの遅延係数は、土壌特性値から推定した値の数倍から数十倍になった。