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相馬 康孝; 小松 篤史; 加治 芳行; 山本 正弘*; 五十嵐 誉廣
Corrosion Science, 251, p.112897_1 - 112897_15, 2025/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)高温水中(288C)におけるステンレス鋼のすき間内部への酸素侵入に関する実験およびモデリング研究を実施した。すき間内への酸素侵入の限界距離
は、酸素濃度、すき間幅、浸漬時間に関わらず、すき間開口部からの距離dがそれ以上の数値になる場合、主要表面酸化物組成が(ヘマタイト
マグネタイトに)変化する位置として定義することができた。その場測定により、
付近での電気伝導度の増加が確認され、これは酸素濃度差電池によるイオン濃縮を示した。
は、すき間幅、酸素濃度、浸漬時間の増加に伴って拡大した。モデル計算の結果、酸化膜の成長によってステンレス鋼金属のアノード溶解が抑制され、対応する酸素のカソード還元消費速度が低下することで、時間とともに酸素の侵入が進行することが示唆された。
町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 町田 真一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*
Physical Review B, 111(22), p.224413_1 - 224413_6, 2025/06
Mn金属を高温高圧で水素化することにより形成される反強磁性Mn重水素化物、fcc-MnDxとhcp
-MnDxの結晶構造と磁気構造をin-situ中性子粉末回折により調べた。重水素原子はfcc及びhcp金属格子の八面体格子間を部分的に占有していた。N
el温度は
-MnD
で543(10)Kであった。
-MnD
では、飽和磁気モーメントは0.82(1)
、N
el温度は347(3)Kであった。
-MnD
と
-MnD
について決定されたN
el温度は、以前の研究で提案されたそれぞれのSlater-Pauling曲線によって予測されたものと一致した。更新されたN
el温度は、電子バンド構造計算に基づくより正確なSlater-Pauling曲線の開発に示唆を与える。
Li, F.*; Tang, X.*; Fei, Y.*; Zhang, J.*; Liu, J.*; Lang, P.*; Che, G.*; Zhao, Z.*; Zheng, Y.*; Fang, Y.*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 147(17), p.14054 - 14059, 2025/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)2,2'-ビピラジン(BPZ)の圧力誘起重合により結晶性グラファンナノリボン(GANR)を合成した。中性子回折データのリートベルト精密化,核磁気共鳴スペクトル,赤外スペクトル,理論計算を行った結果、BPZは
積層した芳香環の間でディールス・アルダー重合し、並外れた長距離秩序を持つ伸びたボート型GANR構造を形成することがわかった。未反応の-C=N-基がボートの両端を橋渡ししており、さらなる機能化の余地がある。このGANRのバンドギャップは2.25eVであり、光電応答は良好である(I
/I
=18.8)。われわれの研究は、高圧トポケミカル重合法が、特定の構造と望んだ特性を持つグラファンの精密な合成に有望な方法であることを強調している。
山下 恵史朗*; 小松 一生*; 服部 高典; 町田 真一*; 鍵 裕之*
Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 80(6), p.695 - 705, 2024/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)これまで、水に富む塩化マグネシウム水和物系列(MgClH
O)では奇数の水和数nを持つものは欠落していた。本研究において、2GPa以上の高圧と300K以上の高温で生成する塩化マグネシウム七水和物、MgCl
7H
O (or MgCl
7D
O)を同定した。その結晶構造は、2.5GPa, 298Kでのその場単結晶X線回折と3.1GPa, 300Kでのその場粉末中性子回折の組み合わせによって決定された。単結晶試料では、望ましくない結晶相の核生成を防ぐためにアルコールを混合して成長させた。得られた結果は、水分子の配向乱れを示しており、密度汎関数理論計算によっても検証された。この乱れには水素結合の再結合が関与しており、水の高圧氷相や既知の乱れた塩水和物とは異なっていた。圧縮による収縮は主に一方向に起こる。この最も圧縮しやすい方向に垂直な面では、酸素原子と塩素原子が六角形状に配列していた。
服部 高典; 小松 一生*
日本原子力学会誌ATOMO, 66(12), p.618 - 622, 2024/12
超高圧中性子回折装置PLANETは、茨城県東海村の大強度陽子加速器施設J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)に建設された国内初の高圧中性子実験専用のビームラインである。パルス中性子を用いたエネルギー分散型データ測定および最新の光学機器、高圧発生装置を導入することにより、これまでにない高い精度で、広い圧力温度範囲にわたる結晶・液体・ガラスの構造を解析できるようになっている。本稿では、どのようにしてそれが実現されたか紹介するとともに、最近発表された氷の水素結合の対称化の成果に関して紹介する。
高阪 勇輔*; 大石 一城*; 服部 高典
高圧力の科学と技術, 34(3), p.121 - 126, 2024/09
CrNbS
のカイラルヘリ磁性(CHM)とカイラルソリトン格子の観測により、遷移金属インターカレートジカルコゲナイドが注目されている。CrNb
S
のCHMのらせん周期に与える圧力の影響を調べるため、ピストンシリンダー型圧力セルを用いて1.2GPaまでの中性子小角散乱実験を行った。その結果、圧力の増加とともに磁気転移温度が低下することが観測された。さらに、CHMのらせん周期は圧力の増加とともに減少した。格子定数の減少に比べ、らせん周期の減少は非常に大きい。このことは、圧力を加えることによって、Dzyaloshinski-Moriya相互作用の振幅が弱まることを示している。
He, X.*; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 岡島 元*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 後藤 弘匡*; et al.
Journal of Molecular Structure, 1310, p.138271_1 - 138271_8, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)重水素化ヒドロキシフルオロマグネシウム[理想組成はMg(OD)F]のO-DF水素結合の高圧応答を中性子粉末回折とラマン分光法を用いて調べた。常温でのリートベルト解析の結果、化学組成はMg(OD)
F
であり、結晶構造中で水酸基/フッ素(OD/F)が無秩序化して、2つの水素結合配置が生じていることが分かった。構造解析の結果、水素結合配置は9.8GPaまで維持され、圧力による水素結合の強化は見られなかった。常圧でのラマンスペクトルでは、2613, 2694, 2718cm
に3つの水酸基伸縮バンドが観測された。O-D伸縮モードの周波数が高いことから、ヒドロキシル基は弱い水素結合相互作用、あるいは水素結合を持たないことが示唆された。20.2GPaまでは、2694cm
を中心とするモードは圧力によってブルーシフトを示し、水素結合は圧縮されても強化されないことが明らかになった。これは、中性子回折の結果と一致した。水素結合の存否と、常圧および高圧での水酸基のブルーシフトの原因について議論した。
寺田 典樹*; Khalyavin, D. D.*; Manuel, P.*; 浅井 晋一郎*; 益田 隆嗣*; 齋藤 開*; 中島 多朗*; 長壁 豊隆
Physical Review B, 110(2), p.024406_1 - 024406_9, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)フラストレート反強磁性体CuFeOは、圧力により、コメンシュレートなコリニアー相(CM1)からいくつかのインコメンシュレートでノンコリニアーな相への複雑な磁気相転移を示す。圧力が磁気相互作用に及ぼす影響を調べるために、高圧下で中性子回折および非弾性中性子散乱実験を行った。圧力が増すと、CM1基底状態は臨界圧力(
3GPa)以下でも磁場の印加に対して不安定になる。これは、2.1GPaで臨界磁場
が7.5Tから4.5Tに大幅に減少したことで確かめられた。さらに、スピン波分散関係のエネルギーギャップは、
=2.1GPaの圧力印加によって1.0meVから0.88meVに減少する。実験結果をスピン波計算と比較すると、スピン波励起の変化は、一軸異方性項または最近接交換相互作用の分離度のいずれかの減少によって説明できることがわかった。
小松 一生*; 服部 高典; Klotz, S.*; 町田 真一*; 山下 恵史朗*; 伊藤 颯*; 小林 大輝*; 入舩 徹男*; 新名 亨*; 佐野 亜沙美; et al.
Nature Communications (Internet), 15, p.5100_1 - 5100_7, 2024/06
被引用回数:4 パーセンタイル:72.77(Multidisciplinary Sciences)水素結合の対称化とは、水素原子が水素結合の中心に位置する現象である。理論的研究により、氷VIIの水素結合は、圧力が増加するにつれて、水素の分布を変化させながら、いくつかの中間状態を経て、最終的に対称化すると予測されている。これまで、多くの実験的研究が行われてきたにもかかわらず、その水素の位置や転移圧力は一貫していない。われわれは、100GPa以上の圧力で中性子回折実験を行い、氷中の水素分布を決定し、隣接酸素間での分布が80GPa付近で2つから1つになり水素結合が対称化することを世界で初めて観測した。
森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 青木 勝敏*; 高野 将大*; 柿澤 翔*; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*
Earth and Planetary Science Letters, 634, p.118673_1 - 118673_8, 2024/05
被引用回数:1 パーセンタイル:47.42(Geochemistry & Geophysics)水素による鉄の体積膨張に対するケイ素の効果を調べるため、高圧高温下でのhcp-FeSi
の中性子回折実験とX線回折実験を行った。中性子回折実験は重水素化hcp-Fe
Si
に対して13.5GPa, 900K及び12.1GPa, 300Kで行い、得られたプロファイルからリートベルト解析を用いて水素占有率を決定した。hcp-Fe-SiのP-V-T状態方程式を組み合わせることにより、hcp-Fe
Si
の水素による体積膨張が純粋なhcp鉄の体積膨張よりも10%大きいことを示した。得られた値を用いて、内核の密度欠損を再現できる水素量を見積もったところ、シリコンの影響がない場合に比べて50%減少した。hcp-Fe
Si
で内核の密度欠損を再現した場合、内核と外核で可能な水素量xはそれぞれ0.07と0.12-0.15と計算された。
服部 高典; 鈴木 浩二*; 三代 達也*; 伊藤 崇芳*; 町田 真一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1059, p.168956_1 - 168956_9, 2024/02
被引用回数:2 パーセンタイル:46.61(Instruments & Instrumentation)見込み幅0.5mmのラジアルコリメータを高圧中性子回折実験用に特別に設計し、その性能と有効性を調べた。0.75mm, 1.5mm, 3.0mmのラジアルコリメータはそれぞれ0.50mm, 1.07mm, 2.78mmのみこみ幅を示した。3つのラジアルコリメータの透過率はすべて同等であった。Paris-Edinburgh(PE)プレスとdiamond anvil cell (DAC)を使用した評価では、見込み幅0.5mmラジアルコリメータを使用した場合、アンビル散乱はかなり減少し、サンプル/アンビル信号比はPEプレスとDACでそれぞれ0.5と2.0に達した。これらの結果は、見込み幅0.5mmラジアルコリメータが意図したとおりに製作され、高圧中性子回折実験(特に30GPaを超える実験)に有効であることを示している。今回作成されたラジアルコリメータの見込み幅は、これまで世界の中性子散乱実験用に製作されたものの中で、最も小さい見込み幅を持つものである。
小林 大輝*; 小松 一生*; 伊藤 颯*; 町田 真一*; 服部 高典; 鍵 裕之*
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 14(47), p.10664 - 10669, 2023/11
被引用回数:2 パーセンタイル:28.18(Chemistry, Physical)氷IVは、水分子が配向乱れを示す氷の準安定高圧相である。配向秩序は他の氷相ではよく観測されるが、氷IVでは報告されていない。われわれは、DClを添加したDO氷IVのその場粉末中性子回折実験を行い、氷IVにおける水素秩序を調べた。その結果、単位胞体体積の温度微分dV/dTが約120Kで急激に変化することを発見し、またリートベルト解析により低温でわずかに水素が秩序化することを明らかにした。D1サイトの占有率は0.5から外れており、そのずれは試料をより高い圧力で冷却すると増加し、2.38GPa, 58Kで0.282(5)に達した。この結果は、氷IVに対応する低対称の水素秩序状態の存在を証明するものである。しかしながら、高圧下での徐冷によって、完全に水素が秩序化した氷IV相を実験的に生成することは難しいようである。
山下 恵史朗*; 中山 和也*; 小松 一生*; 大原 高志; 宗像 孝司*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 鍵 裕之*
Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 79(5), p.414 - 426, 2023/10
被引用回数:2 パーセンタイル:43.78(Chemistry, Multidisciplinary)最近発見された塩化ナトリウムの超水和物(NaCl 13H(D)
O)の構造を1.7GPa, 298Kでのその場単結晶中性子回折によって決定した。この物質は大きな水素結合ネットワークを持ち、いくつかの水分子は分岐水素結合や5配位水分子のような歪んだ結合の特徴を持つ。水素結合ネットワークは、ネットワークトポロジーと水素結合の無秩序性という点で、氷VIと類似している。擬似対称性によって接続されたネットワークの構成要素を区別しなければ、このハイドレートの全体的なネットワーク構造は、氷VIのネットワーク構造に対応する小さな構造単位に分解することで表現できる。この水素結合ネットワークは、既知の塩水和物とは対照的に、水分子の配向の乱れを含んでいる。ここでは、イオン種を含む水素結合ネットワークに関するさらなる洞察のための例を示す。
Abeykoon, S.*; Howard, C.*; Dominijanni, S.*; Eberhard, L.*; Kurnosov, A.*; Frost, D. J.*; Boffa Ballaran, T.*; 寺崎 英紀*; 坂巻 竜也*; 鈴木 昭夫*; et al.
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 128(9), p.e2023JB026710_1 - e2023JB026710_17, 2023/09
被引用回数:2 パーセンタイル:32.37(Geochemistry & Geophysics)少量の硫化鉄鉱物は、地球のマントルから産出するほとんどの岩石や、天然のダイヤモンドに内包物として含まれている。水素は高温高圧下で硫化鉄鉱物に溶解している可能性があるが、地表の温度と圧力では失われている。本研究では、高温高圧下における硫化鉄中の重水素量を、11.4GPa, 1300Kまでの条件でJ-PARCのPLANETでの6軸型マルチアンビルプレスを用いたその場観察中性子回折実験により決定した。硫化鉄水素化物中の全重水素含有量は高温高圧下で増加することが明らかになった。この結果を用いて、大陸深部のリソスフェアマントル中の硫化鉄鉱物の水素含有量を見積もったところ、1700-2700ppmの範囲にあることがわかった。これはバルクマントル中の約2-3ppmの水素に相当する。
市東 力*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 阿部 淳*; 齋藤 寛之*; 佐野 亜沙美; 服部 高典
American Mineralogist, 108(4), p.659 - 666, 2023/04
被引用回数:5 パーセンタイル:71.52(Geochemistry & Geophysics)FeNi
H
(D
)の12GPa, 1000Kまでの高温高圧下における相関係と結晶構造をその場X線及び中性子回折測定により明らかにした。今回実験した温度圧力下において、Fe
Ni
H
(D
)ではFeH
(D
)とは異なり、重水素原子は面心立方構造(fcc)中の四面体サイトを占有しないことが明らかになった。単位重水素あたりの水素誘起膨張体積
は、fcc相で2.45(4)
、hcp相で3.31(6)
であり、FeD
におけるそれぞれの値より著しく大きいことが明らかになった。また、
は温度の上昇に伴いわずかに増加した。この結果は、鉄に10%ニッケルを添加するだけで、金属中の水素の挙動が劇的に変化することを示唆している。
が圧力に関係なく一定であると仮定すると、地球内核の最大水素含有量は海洋の水素量の1-2倍であると推定される。
山口 敏男*; 吉田 亨次*; 町田 真一*; 服部 高典
Journal of Molecular Liquids, 365, p.120181_1 - 120181_10, 2022/11
被引用回数:2 パーセンタイル:6.73(Chemistry, Physical)3mol/kg NaCl重水溶液を0.1MPa/298K, 1GPa/298K, 1GPa/523K, 4GPa/523Kの温度圧力条件において中性子散乱測定した。また、得られたデータにEmpirical potential structure refinement法を適用し、対相関関数,配位数分布,角度分布(配向相関),空間密度関数(3次元構造)を抽出した。それらの結果から、イオンの溶媒和と会合、溶媒水構造の圧力と温度依存性を議論した。
服部 高典; 中村 充孝; 飯田 一樹*; 町田 晃彦*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 有馬 寛*; 大下 英敏*; 本田 孝志*; 池田 一貴*; et al.
Physical Review B, 106(13), p.134309_1 - 134309_9, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:7.32(Materials Science, Multidisciplinary)量子調和振動子(QHO)で近似できる蛍石型のZrHとTiH
の水素の振動励起を非弾性非干渉性中性子散乱によって21GPaおよび4GPaまで調べた。第一励起の振動エネルギー
はそれぞれ
(meV) = 141.4(2) + 1.02(2)
(GPa)および
(meV) = 149.4(1) + 1.21(8)
(GPa)で表され、圧力とともに上昇した。格子定数の圧力変化と組み合わせて得られた金属水素原子間距離(
)と
の関係は、
(meV) = 1.62(9)
10
(
および
(meV) = 1.47(21)
10
(
であった。これらのカーブの傾きは、様々な蛍石型の金属水素化物の常圧下のトレンドに比べ、急峻であった。
から得られた水素波動関数の広がりは、格子間サイトよりも縮み易いことが分かった。高圧下における水素の波動関数の優先的な収縮や小さな
における
の急峻な立ち上がりは金属原子のイオンコアが水素原子よりも堅いために水素原子が高圧下でより狭い領域に閉じ込められるために起こると考えられる。
山中 高光*; 平尾 直久*; 中本 有紀*; 三河内 岳*; 服部 高典; 小松 一生*; Mao, H.-K.*
Physics and Chemistry of Minerals, 49(10), p.41_1 - 41_14, 2022/10
被引用回数:1 パーセンタイル:7.69(Materials Science, Multidisciplinary)MnFe
O
固溶体の磁性と結晶構造を高温高圧下で中性子回折と放射光メスバウアー分光によって調べた。Mn
FeO
スピネルのフェリ磁性-常磁性転移は100
C、正方晶-立方晶転移は180
Cで起こり、これら2つの転移は直接関連していないことが分かった。構造相転移の転移温度は圧力とともに減少する。メスバウアー分光と中性子回折から、四面体サイトでのFe
の占有率が圧力とともに増加することがわかり、Mn
FeO
相は逆スピネルに近づくことが示唆された。磁気構造解析により、MnFe
O
とMn
FeO
の常磁性とフェリ磁性の構造を明らかにした。これらのスピネルはそれぞれ18.4GPaと14.0GPaで斜方高圧相に変化し、Mn含有量の増加とともに転移圧力が低下することがわかった。
山下 恵史朗*; 小松 一生*; Klotz, S.*; Fabelo, O.*; Fernndez-D
az, M. T.*; 阿部 淳*; 町田 真一*; 服部 高典; 入舩 徹男*; 新名 亨*; et al.
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 119(40), p.e2208717119_1 - e2208717119_6, 2022/10
被引用回数:7 パーセンタイル:32.68(Multidisciplinary Sciences)氷の多形体は、圧力や温度により驚くほど多様な構造を示す。水素結合の乱れは、その構造多様性の重要な要因であるだけでなく、その物性をも支配している。しかし、観測可能な逆格子空間が限られていることや、高圧下で測定されたデータの不確かさにより、高圧下において氷多形体の乱れた構造を明らかにすることは困難であった。今回、単結晶および粉末中性子回折の両方を用いて、2.2GPa, 298Kにおいて主要な高圧氷である氷VIIの乱れた構造を初めて明らかにした。最大エントロピー法を用いることにより3次元的な原子分布を導くことに成功し、水素がこれまで言われていた離散的なサイトではなく、リング状に分布をしていることを発見した。また、274Kでの全散乱実験により、氷VIIの水素秩序相である氷VIIIとは、同じ分子構造を持つにもかかわらず、その分子間構造が異なることを明らかにした。今回の単結晶と粉末回折の相補的な構造解析によって、氷VIIのユニークな無秩序構造が明確に示された。今回の発見は、圧力によって大きく変化するプロトンダイナミクスと関連しており、圧力下における氷VIIの異常な物性の構造的な起源を理解することに役立つと考えられる。
山中 高光*; Rahman, S.*; 中本 有紀*; 服部 高典; Jang, B. G.*; Kim, D. Y.*; Mao, H.-K.*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 167, p.110721_1 - 110721_10, 2022/08
被引用回数:1 パーセンタイル:6.72(Chemistry, Multidisciplinary)高圧下中性子回折実験により、立方晶MnFeO
スピネルと正方晶Mn
FeO
はそれぞれ18GPaと14GPa以上でCaMn
O
型の構造に変化することが分かった。Mn
Fe
O
固溶体の転移圧力はMn含有量の増加とともに低下することがわかった。放射光X線M
ssbauer実験により、スピネル構造の四面体サイト(A)と八面体サイト(B)におけるFe
とFe
分布が圧力によって変化することを明らかにした。MnFe
O
とMn
FeO
は常温ではフェリ磁性体である。CaMn
O
型相は常磁性であった。電気抵抗の温度依存性から、このスピネルはA,Bサイトのカチオン間の電子ホッピングによって電気伝導を起こす半導体であることが示唆された。圧力によってB-B間距離が短くなると、隣接するBカチオン間の電子移動度が大きくなり、伝導が促進される。MnFe
O
のBサイトにおけるFe
とFe
の占有率はMn
FeO
のそれよりもずっと大きいことが明らかになった。CaMn
O
型は金属相である。理論計算の結果、金属的な性質が確認され、Feのd軌道がMnのd軌道に比べて強く適合されていることがわかった。