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上澤 伸一郎; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(11), p.1438 - 1452, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)本研究では、重なり合う気泡の中から個々の気泡を検出・分割するために、Shifted window Transformer (Swin Transformer)を用いた深層学習ベースの気泡検出器を開発した。検出器の性能を検証するため、学習画像数を変えて平均適合率(AP)を計算した。APは、訓練画像の数が50枚以下の場合は、トレーニング画像の数の増加とともに増加したが、50枚を超える場合は一定であった。50枚以上ではSwin Transformerと一般的なCNNであるResNetのAPはほぼ同じであったが、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPがResNetのAPを上回った。また、ボイド率が増加すると、Swin TransformerのAPはResNetの場合と同様の減少を示したものの、学習画像が少ない場合はSwin TransformerのAPが全てのボイド率においてResNetのAPを上回った。さらに、合成気泡画像で学習した検出器で、気泡流可視化実験の重なった気泡や変形気泡の検出が可能であることを確認した。このように、Swin Transformerを用いた新しい気泡検出器は、ResNetを用いた検出器よりも少ない学習画像で高いAPを得られることが確認された。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2024-020, 77 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指したものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行った。日本側が担当した燃料デブリマッピングツールの開発では、1)高耐放射線小型高効率中性子センサの開発、2)UUVプラットホームの開発、3)放射線環境シミュレーション及び積算中性子線量計の特性評価を実施した。実施項目1)ではシリコン半導体検出器に微細構造を施して中性子の感度を上げ、ガンマ線の感度を下げたMSNDの特性評価と専用集積回路を開発し、小型高効率中性子センサを実現した。実施項目2)では、燃料デブリマッピングツール構成要素(中性子センサ、水中カメラ、ソナー、LiDAR)が連動するための通信制御系とUUVプラットホームとのインターフェースを完成させた。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2024-019, 102 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「/
/
線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリの本格的取り出し工程での閉じ込め機能(PCV、負圧維持系等)の経年劣化要因として重要と考えられる腐食を対象としたものである。1F 1
3号機PCV内部における腐食環境の特殊性は、燃料デブリ由来の
線/
線放出核種の粒子やイオンと構造材料がPCV内の種々の部位で直接接触し得ることに在り、飛程の短い
線/
線放出核種が接触する局所で、ラジオリシスにより生成する化学種(特にH
O
)が局所的に高濃度となれば、当該箇所において鋼材の腐食が大きく加速する可能性が有る。対して、
/
ラジオリシスを考慮した腐食評価に関する知見が欠けていた。このような背景に鑑みて、本研究では以下の研究成果を得た。(1)
線/
線/
線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルを構築した。(2)
線放出核種/
線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)ならびにコールド条件での模擬環境腐食試験による系統的な腐食速度データを取得した。
小野 綾子; 坂下 弘人*; 山下 晋; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Mechanical Engineering Journal (Internet), 11(4), p.24-00188_1 - 24-00188_12, 2024/07
原子力機構では、VOF法に基づく詳細二相流解析手法による炉内二相流評価手法の開発を行っており、燃料集合体を対象とした大規模二相流解析に適合する簡易沸騰モデルを開発着手した。簡易沸騰モデルでは、気泡の径や離脱までの時間を知るために、シミュレーションのグリッドサイズ以下となる気泡成長および運動の方程式を解く。一方で、JUPITERは、マイクロメートルオーダー以上の気泡挙動を計算する。本研究では、垂直面での強制対流沸騰が開発した簡易沸騰モデルを用いて解析される。実験データとの比較により、蒸気泡通過時間の流速依存性や熱流束依存性について実験データの傾向をよく説明できる結果となった。
西 剛史*; 松本 早織*; 山野 秀将; 林 喜一郎*; 遠藤 理恵*; Bell, M. R.*; Neubert, L.*; Volkova, O.*
Steel Research International, p.2300766_1 - 2300766_6, 2024/00
被引用回数:3 パーセンタイル:82.75(Metallurgy & Metallurgical Engineering)ニッケル基超合金について、密度は最大気泡圧法、粘度はるつぼ振動法、表面張力は最大気泡圧法により、測定データを得た。
有吉 玄; 猿田 晃一; 粉川 広行; 二川 正敏; 前野 航希*; Li, Y.*; 筒井 喜平*
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.1407 - 1420, 2023/08
水銀を核破砕標的とするパルス中性子源では、陽子線励起圧力波による標的容器のキャビテーション損傷が問題視されている。このような損傷の抑制手法として、旋回流式気泡注入器で水銀中に微小He気泡を混合し、その圧縮性効果を用いる手法や、標的容器内側に流路壁を追加した二重壁流路構造を設ける手法が採用されている。本研究では、二重壁流路体系において内壁部に生じ得るキャビテーション由来の貫通損傷を標的容器外部から検出する異常診断技術の確立を目指す。本論文では、貫通損傷が生じた場合の水銀流れを有限要素法に基づく流動解析で明らかにし、流体励起・音響振動の観点から、損傷の影響を評価した結果を報告する。
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2022-070, 70 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-069, 114 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「/
/
線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、
線放出核種/
線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)
線/
線/
線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)
線放出核種/
線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。3カ年計画の2年目にあたる令和3年度の事業実績は、1.
線、
線照射による腐食影響および気相ラジオリシスの腐食環境への影響、2.PCV・負圧維持系設備等の腐食モード・腐食速度の評価、3.1F複合環境における腐食抑制技術の開発である。
小野 綾子; 山下 晋; 坂下 弘人*; 鈴木 貴行*; 吉田 啓之
Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-13) (Internet), 12 Pages, 2022/09
原子力機構ではVOF法に基づいた詳細熱流動解析手法を開発している。詳細解析において壁面からの沸騰を再現するには、ミクロスケールの気液挙動を考慮するがあり、膨大計算コストを必要とする。そこで、本研究では、計算コストを削減した簡易的な沸騰モデルを開発し、開発したモデルを用いてJUPITERで沸騰の再現解析を行い、実験から取得した気液挙動のデータと比較した結果を示す。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-002, 85 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「/
/
線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現: ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、
線放出核種/
線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)
線/
線/
線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)
線放出核種/
線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 直江 崇; 涌井 隆; 若井 栄一; 二川 正敏
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 13 Pages, 2022/03
J-PARCではMWクラスの核破砕中性子源を実現するために水銀ターゲットの流路構造としてクロスフロー型ターゲットを開発し、流路構造の改良を継続してきた。高出力の短パルス陽子ビームが水銀ターゲットに入射すると、急激な水銀の発熱と体積膨張により最大40MPaにも達する圧力波が誘起され、ターゲット容器にキャビテーション損傷を生じさせる。このため、水銀流路にマイクロバブル生成器を配置し、バブルの収縮により水銀の体積膨張をクッションのように吸収することで圧力波を低減する技術や、陽子ビームが入射する容器壁に内壁を設けて、狭隘流路に形成される速い水銀流れの大きな速度勾配を利用してキャビテーション損傷を低減する技術などを水銀ターゲット容器の流路構造に導入した。これらの技術開発により、2020年には36.5時間の1MW連続運転を成功させ、2021年4月から最大740kWの高出力で長期の安定な利用運転を達成した。本報告は、主に水銀ターゲット容器の熱流動設計に関して1MW運転を実現するまでの技術開発をまとめたものである。
Dehbi, A.*; Cheng, X.*; Liao, Y.*; 岡垣 百合亜; Pellegrini, M.*
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 15 Pages, 2022/03
Nuclear degraded cores produce fission product aerosols that may reach the environment if not removed by natural processes and/or filtering equipment. The transport paths of aerosols usually include transits through stagnant water pools. It is therefore essential to develop computational tools to predict the aerosols retention by water pools. Currently, this is mostly done with 1-D lumped-parameter codes that are too simplistic to capture the physics. It is hence worthwhile to attempt the CFD approach, which has recently become reasonably mature to address bubble hydrodynamics in low momentum two-phase flows. In this first comparative exercise, we restrict the investigation to a hypothetical parallelepiped water pool (22
8 cm
) into which air is injected through a circular 4 mm ID orifice at low velocity of 0.2 m/s. We present predictions of the gas phase dynamics (void and velocity profiles) for both Euler-Euler and Interface Tracking (IT, Volume-of-Fluid (VOF)) methodologies. In addition, we compare bubble shape, volume and detachment frequency from various IT simulation codes (CFX, Fluent, Star-CCM+, OpenFOAM). Reasonable agreement is found between IT simulations near the injector, but discrepancies increase as one moves towards the free surface. The disagreement between the Euler-Euler and IT results is substantial throughout the domain. Future studies will consist of validation exercises against experimental data to highlight potential model deficiencies and point to ways of remedying them.
廃炉環境国際共同研究センター; 海上・港湾・航空技術研究所*
JAEA-Review 2021-049, 67 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「無人航走体を用いた燃料デブリサンプルリターン技術の研究開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英共同研究体制の下、耐放射線性を持ちつつ中性子検出効率を向上させた中性子検出器と、強力な切削能と収集能を持ったエンドエフェクタ並びにマニピュレータを融合させた燃料デブリサンプリング装置を開発し、それらを無人航走体へ搭載させた燃料デブリサンプリングシステムを構築することを目指すものである。さらに、システム位置を同定する測位システムと、光学カメラ、ソナー、今回開発する中性子検出器の計数情報を仮想現実システムへ投影させる技術を開発し、遠隔操作技術の向上に貢献する技術開発を行う。
宮原 信哉*; 河口 宗道; 清野 裕; 厚見 拓大*; 宇埜 正美*
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 6 Pages, 2021/08
ナトリウム冷却高速炉の燃料ピン破損の仮想事故において、核分裂生成物であるセシウムは、破損燃料ピンからキセノンやクリプトンなどの希ガスとともに、ヨウ化セシウムや酸化セシウムなどのエアロゾルとして放出される。気泡としてナトリウム冷却材に放出されたキセノンやクリプトンは、プール表面に上昇するまでの間にナトリウムプールによるセシウムエアロゾルの除去に影響を与える。本研究では、ナトリウムプール中を上昇する希ガス気泡からの慣性沈着・沈降・拡散によるセシウムエアロゾル除去挙動を、エアロゾルの粒径分布や凝集の影響を考慮したエアロゾル吸収・気泡の膨張・変形を扱うコンピュータプログラムで解析した。本解析では、気泡内の初期気泡径、ナトリウムプールの深さと温度、エアロゾルの粒子径と密度、気泡内の初期エアロゾル濃度をパラメータとして変更し、これらのパラメータがセシウムエアロゾルの除染係数(DF)に及ぼす感度を、エアロゾルの粒度分布と凝集の影響を考慮しなかった先行研究の結果と比較した。その結果、凝集したエアロゾルの慣性沈着のため、初期気泡径、エアロゾルの粒径、及びその密度の感度がDFに対して重要であることが分かった。これらの解析結果を検証するため、セシウムエアロゾルの模擬粒子を用いて、室温における水プールと空気気泡の体系で模擬実験を行った。この実験結果は同じ条件で計算した解析結果と比較して検討した。
直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘
Materials Science Forum, 1024, p.111 - 120, 2021/03
J-PARCの核破砕中性子源に設置されている水銀標的容器は、水銀中に生じる陽子線励起圧力波が引き起こすキャビテーションによって損傷を受ける。キャビテーションによる壊食損傷を低減する方策として、キャビテーションを誘発する圧力波を低減するための水銀中への微小気泡注入に加えて、ビーム窓先端に狭隘流路を有する2重壁構造容器を採用した。損傷低減化策の効果を確認するために、使用後の標的容器先端部を切断し、内部に形成された損傷を観察した。その結果、積算出力1812MWh(平均強度434kW)で微小気泡を注入して運転した2重壁構造容器で観測された損傷は、積算出力1048MWh(平均強度181kW)の気泡を注入しない従来型容器で観測された損傷と同等であった。さらに、狭隘流路に接する側では、気泡が注入された水銀に接する側より著しく損傷が少ないことを確認した。
齋藤 慎平*; De Rosis, A.*; Fei, L.*; Luo, K. H.*; 海老原 健一; 金子 暁子*; 阿部 豊*
Physics of Fluids, 33(2), p.023307_1 - 023307_21, 2021/02
被引用回数:45 パーセンタイル:98.13(Mechanics)流れ場で沸騰が発生する現象は強制対流沸騰として知られている。今回、飽和条件の流れ場中の円柱上での沸騰システムを数値的に調査した。複雑な気液相変化現象に対処するために、擬ポテンシャル格子ボルツマン法(LBM)に基づく数値スキームを開発した。高いレイノルズ数の数値安定性を高めるため、衝突項を中心モーメント(CM)の空間で解いた。CMベースのLBMに適した力場スキームを採用することで簡潔でありながら堅牢なアルゴリズムとなっている。さらに、熱力学的一貫性を確保するために必要な追加項をCMの枠組みにおいて導出した。現在のスキームの有効性は、核形成,成長、および30-30000の間で変化するレイノルズ数の蒸気泡の離脱を含む一連の沸騰プロセスに対してテストされた。開発したCMベースのLBMは、初期気相などの人工的な入力なしに、核沸騰,遷移沸騰、および膜沸騰の沸騰様式を再現できる。結果からプール沸騰ではなく強制対流システムでも抜山曲線として知られる典型的な沸騰曲線が現れることが分かった。また、今回のシミュレーションは膜沸騰領域でも断続的な直接固液接触の実験的観察を支持することが分かった。
宮原 信哉*; 河口 宗道; 清野 裕
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 6 Pages, 2020/08
ナトリウム冷却高速炉の燃料ピン破損事故では、核分裂生成物であるセシウムがヨウ化物,酸化物の形態として希ガスのキセノンやクリプトンと共に放出される。本研究では、エアロゾル吸着とともに気泡の膨張と変形を計算するプログラムにより、慣性沈着,沈降,拡散によるセシウムエアロゾルの除去挙動を解析した。解析では、初期気泡径、ナトリウムプールの深さと温度、エアロゾル粒子径と密度、気泡内の初期エアロゾル濃度をパラメーターとして解析した。初期の気泡径が慣性沈着による除染係数(DF)に最も感度の高いパラメーターであると結論付けた。ナトリウムプールの深さ、エアロゾルの粒子径および密度もセシウムエアロゾルのDFに重要な影響を与えるが、ナトリウム温度はDFにわずかな影響しか与えないことも分かった。この解析結果を検証するために、ナトリウムプールを上昇する希ガス気泡からのセシウムエアロゾル吸着挙動を調べる実験を計画している。
Wang, Z.; 岩澤 譲; 杉山 智之
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 12 Pages, 2020/08
In a hypothetical severe accident in a light water reactor (LWR) nuclear power plant, there is a possibility that molten core released from the reactor vessel gets in contact with water in the containment vessel. In this so-called fuel-coolant interactions (FCIs) process, the melt jet will breakup into fragments, which is one of the important factors for a steam explosion, as a potential threat to the integrity of the containment vessel. In order to investigate the melt-jet breakup with solidification processes, a multiphase particle method is developed in this study. Benefiting from its Lagrangian description and meshless framework, the large deformed interfaces could be directly and easily captured by the particle motions. A simple transient heat conduction test is firstly carried out. Two important multiphase instabilities, namely the Rayleigh-Taylor instability and the Kelvin-Helmholtz instability, are studied since they play important roles during the melt-jet breakup. After that, a bubble rising benchmark is performed to show the feasibility of modelling for deformation and collapse. The results achieved so far indicates that the developed particle method is capable to analyze the melt-jet breakup with solidification processes.
直江 崇; 木下 秀孝; 粉川 広行; 涌井 隆; 若井 栄一; 羽賀 勝洋; 高田 弘
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081004_1 - 081004_6, 2020/02
J-PARC核破砕中性子源の水銀ターゲット容器(SUS316L製)は、陽子線入射によって生じる水銀中の圧力波が引き起こすキャビテーションにより、ビームが入射する先端部厚さ3mmの壁が損傷する。キャビテーションによる損傷は、ビーム出力と共に増加するため、ターゲット容器の寿命を制限する因子となっている。J-PARCの目標である1MWにおける長期安定運転を実現するために、損傷低減化策として、圧力波抑制のための気泡注入に加えて、先端部に主流の4倍の流速を発生できる幅2mmの狭隘流路を有する先端部二重壁構造の容器を採用した。運転終了後に損傷低減化策の効果を確認するために、容器内壁を切り出して観察した。これまでの経験を踏まえ、確実に切出しを実施するためにコールド試験を通じて切出し条件を最適化して、2017年にターゲット2号機(損傷低減化策無し)、及び2018年に8号機(損傷低減化策有り)の切り出しを実施した。ワークショップでは、切出した試料の損傷観察結果を紹介すると共に、損傷低減化策の効果について報告する。
Han, X.*; Shen, X.*; 山本 俊弘*; 中島 健*; 孫 昊旻; 日引 俊*
International Journal of Heat and Mass Transfer, 144, p.118696_1 - 118696_19, 2019/12
被引用回数:23 パーセンタイル:71.75(Thermodynamics)This paper presents a database of local flow parameters for upward adiabatic air-water two-phase flows in a vertical 66 rod bundle flow channel. The local void fraction, interfacial area concentration (IAC), bubble diameter and bubble velocity vector were measured by using a four-sensor optical probe. Based on an existing state-of-the-art four-sensor probe methodology with the characteristic to count small bubbles, IAC in this study was derived more reliably than those in the existing studies. In addition, bubble velocity vector could be measured by the methodology. Based on this database, flow characteristics were investigated. The area-averaged void fraction and IAC were compared with the predictions from the drift-flux model and the IAC correlations, respectively. The applicability of those to the rod bundle flow channel was evaluated.