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布柴 達男*; 山内 理子*; 岩田 梨佳*; 佐藤 勝也; 大野 豊; 鳴海 一成*
JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 124, 2015/03
The LOH (loss of heterozygosity) induction by various ion beam radiations was investigated in diploid . The ion beams C, C, He and Ar at the lowest dose of 37.5 Gy, which had 10% lethality, induced LOH with 590%) resulted from homologous recombination. Pol may be involved in the induction of LOH by ion beam radiations, because in the strain lacking Rev3, only slight induction of LOH was observed, whereas no remarkable effect of deletion for Pol was observed on ion beam induced LOH. In addition, the effects of extracts were examined on iron-beam radiation induced LOH, and ethanol extract of possessed inhibitory effect on LOH induced by C, He and Arion-beam radiation.
小林 泰彦; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 舟山 知夫; 菊地 正博; 北山 滋; 渡辺 宏*
宇宙生物科学, 18(3), p.134 - 135, 2004/11
1994年に行われた第2次国際微小重力実験室IML-2(STS-65)では、あらかじめ地上で高線量の線を照射してDNAに損傷を与えた放射線抵抗性細菌をスペースシャトル・コロンビアに搭載し、放射線障害からの回復反応が宇宙環境下では地上より促進される現象を見いだした。それに続く1996年のS/MM-4(STS-91)と1998年のS/MM-9(STS-91)では、放射線損傷を有する細胞における新規DNA修復系蛋白質PprAの誘導合成の促進が、宇宙環境下での放射線障害からの回復促進現象に関連していることが示唆された。これらの宇宙実験の結果を振り返るとともに、その後の原研・高崎研におけるのDNA修復機構に関与する遺伝子・蛋白質の解析研究の進展ぶりを紹介する。
林 浩孝; 鳴海 一成; 和田 成一; 菊地 正博; 古田 雅一*; 上原 赫*; 渡辺 宏*
Journal of Plant Physiology, 161(10), p.1101 - 1106, 2004/10
被引用回数:10 パーセンタイル:23.05(Plant Sciences)ミドリムシの野生株及びクロロプラスト欠損変異株の電離放射線に対する耐性を調査した。線照射後のコロニー形成能は、クロロプラスト欠損変異株に比べて野生株の方が高かった。また、両株において、光培養した細胞の方が、暗培養した細胞よりも放射線に耐性であった。このことは、ミドリムシの放射線耐性に培養時の光照射条件が大きく寄与していることを示唆している。暗培養した細胞に比べて、光培養した細胞の方が、より高いDNA2本鎖切断修復能を有していることがコメットアッセイによって明らかになった。これらの結果は、ミドリムシがDNA2本鎖切断を克服するため、光に誘導される修復機構を持っていることを示唆している。
Battista, J. R.*; Cox, M. M.*; Daly, M. J.*; 鳴海 一成; Radman, M.*; Sommer, S.*
Science, 302(24), p.567 - 568, 2003/10
デイノコッカス・ラジオデュランスの細胞内核様体がドーナツ状構造をとり、この構造が放射線抵抗性とかかわりがあるとする論文がScienceの1月号に掲載された。しかし、この論文の結論は電子顕微鏡による切片の観察のみをもとに構築されたものであり、他の実験的証拠に乏しく、しかも未だ同定されていない「正確なDNA末端再結合によるDNA2本鎖修復」に関する彼らの仮説は、過去の実験的データを誤解して解釈したものを拠り所にしている。細胞中のゲノムコピー数に関しても、過去の実験データを無視して議論しており、彼らの仮説と研究結果は受け入れ難い。細胞内DNAの構造とDNA修復との関係を調べることは重要であるという認識は一致するところであり、より実りの多い遺伝学や分子生物学的実験と相補しながら、研究をさらに進めることが必要である。
鳴海 一成
放射線と地球環境; 生態系への影響を考える, p.113 - 122, 2003/09
生物の中でも最も放射線に強い細菌群が知られており、放射線抵抗性細菌と総称される。放射線抵抗性細菌の放射線耐性機構に関する研究は、最も早く分離されたデイノコッカス・ラジオデュランス()を材料としておもに行われている。本稿では、ラジオデュランスの放射線耐性の主要機構であるDNA修復機構についての研究を紹介するとともに、ラジオデュランスの放射線耐性獲得の起源について考察する。
鳴海 一成
遺伝, 57(5), p.57 - 62, 2003/09
現在の地球には強い放射線を放出する自然環境が存在しないにもかかわらず、放射線に高い耐性を持つ微生物が地球上のいたるところに生息している。線やX線といった電離放射線を照射すると、細胞中のDNAが切断される。DNAの鎖切断は、遺伝情報の分断を引き起こすので、一般な生物にとって最も重篤な損傷であるとともに、最も修復困難な損傷である。しかしながら、放射線耐性菌は、細胞内に生じた100箇所以上のDNA鎖切断を、いとも簡単に短時間で修復してしまうのである。1999年に、放射線耐性菌の代表であるデイノコッカス・ラジオデュランスの全ゲノム配列が解読され、放射線耐性機構の研究はポストゲノム時代に突入した。本稿では、放射線耐性菌の発見と耐性機構解明研究の歴史と現状について概説するとともに、放射線耐性獲得の起源についての仮説を紹介する。
鳴海 一成
Trends in Microbiology, 11(9), p.422 - 425, 2003/09
被引用回数:51 パーセンタイル:89.95(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNAマイクロアレイによるトランスクリプトーム解析と、電子顕微鏡観察による核様体の特異的形態変化についての発見が、最近トップジャーナルで相次いで報告された。これらの研究は、デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線耐性機構の解明に進展をもたらしたが、この細菌がなぜ放射線に強いのかについて、より詳細な実験的証拠をもとにした説明が必要なのであろうか?実りの多い遺伝学的並びに生化学的アプローチによるさらなる研究が、放射線抵抗性細菌のDNA修復機構についてのより深い理解のために必要である。
Hua, Y.*; 鳴海 一成; Gao, G.*; Tian, B.*; 佐藤 勝也; 北山 滋; Shen, B.*
Biochemical and Biophysical Research Communications, 306(2), p.354 - 360, 2003/06
被引用回数:152 パーセンタイル:95.78(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線高感受性変異株の解析から、DNAの修復と損傷防御機構を担う主要スイッチタンパク質PprIを同定した。放射線高感受性変異株では、この遺伝子がトランスポゾンの挿入によって機能を失っていた。この遺伝子を完全に破壊すると放射線感受性が増大し、野生型遺伝子を導入すると放射線耐性が復帰した。放射線照射に伴い、PprIは遺伝子及び遺伝子の発現を誘導するとともに、カタラーゼ活性をも助長した。これらの結果は、PprIタンパク質が、放射線応答におけるDNAの修復と防御の調節機構に重要な役割を果たしていることを強く示唆している。
鳴海 一成
Science & Technology Journal, 12(5), p.50 - 51, 2003/05
原研高崎研では、放射線抵抗性細菌のDNA修復のメカニズムの解明研究を行っており、正常株から分離された放射線感受性変異株の変異遺伝子を分子遺伝学的に解析している。変異株解析からわかったことは、ラジオデュランスが既存のDNA修復機構を持ちつつ、独自のDNA修復機構をも兼ね備えているということであった。ゲノム解析から見いだされた機能未知遺伝子の中にも、やはり新規のDNA修復遺伝子があったのである。原研では、ラジオデュランスの優れたDNA修復機構を解明する研究と並行して、得られた研究成果を活用して、遺伝子工学用試薬の開発、低線量域での放射線生物影響の解析、DNA損傷の軽減化、放射性金属の捕集などへの応用研究をも始めている。放射線抵抗性細菌の進化的起源を考察すると、放射線抵抗性細菌はオクロウラン鉱床のような天然原子炉の近くで生まれたのではないかとも考えられる。放射線抵抗性細菌とその近縁の微生物のDNA修復機構を調べていくことで、DNA修復の起源と進化について、より深い考察ができると思われる。
北山 滋; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 渡辺 宏
Bioscience Biotechnology and Biochemistry, 67(3), p.613 - 616, 2003/03
被引用回数:3 パーセンタイル:13.16(Biochemistry & Molecular Biology)放射線抵抗性細菌の紫外線損傷DNAの修復に関わるUVエンドヌクレアーゼ0の酵素活性を解析するために、遺伝子のクローニングを行い、DNA塩基配列を決定した。紫外線感受性変異株では、この遺伝子に1塩基変異が起こっていた。UVエンドヌクレアーゼ遺伝子産物のアミノ酸配列は、遺伝子産物であるUVエンドヌクレアーゼとは異なり、真核生物由来のUVエンドヌクレアーゼ(UVDE)の配列や枯草菌タンパク質データベースに存在する配列と相同性があった。UVエンドヌクレアーゼは、UVエンドヌクレアーゼと異なり、DNA分子内架橋損傷を修復することはできず、紫外線損傷DNAの修復に特異的に働く酵素であると考えられた。
渡辺 宏
防菌防黴誌, 30(10), p.683 - 690, 2002/10
放射線による殺滅菌効果は、微生物の種類や各種照射条件などによって変化する。それら微生物の放射線感受性を修飾する要因について、その基本的反応を解説するとともに、複雑に変化する感受性を統一的に理解するためには、DNAの損傷とその修復機構の理解が必要であることを述べる。特に実用的観点から問題となる細菌胞子の放射線抵抗性について、抵抗性の原因と抵抗性になるメカニズムについて解説した。本稿は「講座: 放射線殺滅菌技術」の連載の一環として、微生物の放射線感受性の基本的原理を解説したものである。
Sutton, M. D.*; 鳴海 一成; Walker, G. C.*
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 99(8), p.5307 - 5312, 2002/04
被引用回数:37 パーセンタイル:51.64(Multidisciplinary Sciences)大腸菌遺伝子産物(PolV)は、DNA損傷チェックポイント制御及び乗り越えDNA合成に関与している。2種類の遺伝子産物,UmuDとUmuD'蛋白質と、複製型DNAポリメラーゼ(PolIII)との相互作用の解析は、遺伝子産物がどんな生物学的役割を果たしているのかを調べるために重要である。われわれは、UmuD蛋白質がUmuD'蛋白質よりもPolIIIのクランプに対して高い親和性を有しており、この親和性にはUmuD'には欠けているUmuD蛋白質のアミノ酸N末端アーム部の存在が重要であることを示した。さらに、クランプと架橋剤-azidoiodoacetanilideによってクロスリンクする特定のアミノ酸残基を同定し、PolIIIとの相互作用に重要な蛋白質の構造部位を限定した。
佐藤 勝也; 菊地 正博; 鳴海 一成
JAERI-Conf 2002-005, p.172 - 184, 2002/03
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスは、DNA損傷応答機構を有しているが、その分子機構についてはほとんどわかっていなかった。デイノコッカス・ラジオデュランスのタンパク質の機能解析を通じて、我々は、デイノコッカス・ラジオデュランスでは、大腸菌とは異なり、SOS修復応答制御タンパク質LexAが組換え修復酵素RecAの発現誘導制御に関与していないことを明らかにし、さらに、遺伝子の発現を制御する新規制御因子PprIを発見した。PprIは、新規修復促進タンパク質PprAの放射線照射による誘導にも関与していた。このように、デイノコッカス・ラジオデュランスはDNA損傷認識と修復遺伝子誘導について独特のメカニズムを持っていることがわかった。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 舟山 知夫; 柳沢 忠*; 小林 泰彦; 渡辺 宏; 山本 和生
Journal of Bacteriology, 183(23), p.6951 - 6956, 2001/12
被引用回数:91 パーセンタイル:84.20(Microbiology)放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスにおけるLexA蛋白質のRecA誘導への関与について研究を行った。野生株と同様に、遺伝子破壊株においても線照射後にRecA蛋白質合成の増加が認められたことから、デイノコッカス・ラジオデュランスではLexAがRecAの誘導に関与していないことが示された。
北山 滋*; 鳴海 一成; 菊地 正博; 渡辺 宏
Mutation Research; DNA Repair, 461(3), p.179 - 187, 2000/11
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA損傷修復欠損変異株KH5861は、DNA2本鎖間を架橋するマイトマイシンCに感受性を示す。野生株ゲノムライブラリーの中から、この変異株をマイトマイシンC抵抗性に復帰させることのできるDNA断片を解析したところ、大腸菌などで既に知られているDNA修復蛋白質遺伝子recRが見つかった。この遺伝子が存在することは、recAが関与する組換え修復経路のほかに、recFORが関与するもう1つの組換え経路も、放射線抵抗性細菌で機能していることを示唆している。変異株KH5861のrecR遺伝子は、野生株の遺伝子と比べて1塩基が異なっており、この塩基置換によって、変異株では、正常のRecR蛋白質よりも長さの短い変異蛋白質が生産されていると考えられた。これらの解析結果から、放射線抵抗性細菌におけるDNA2本鎖間架橋型損傷の修復に、RecR蛋白質が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
小林 泰彦; 渡辺 宏; 菊地 正博; 鳴海 一成
Advances in Space Research, 25(10), p.2103 - 2106, 2000/00
被引用回数:10 パーセンタイル:80.36(Engineering, Aerospace)1994年7月にスペースシャトル・コロンビアを用いて実施された第2次国際微小重力実験室(IML-2)において、放射線抵抗性細菌Deinococcus radioduransの放射線障害からの回復が地上よりも宇宙環境で促進されることを見いだした。そこで、1996年9月にシャトル/ミール・ミッション4号機を用いて実施された宇宙放射線計測プロジェクトにおいて、本細菌のDNA修復系蛋白質の誘導に及ぼす宇宙環境の影響を調べたところ、宇宙環境下では、本細菌においてわれわれが新たに発見した新規DNA修復系遺伝子pprAにコードされる蛋白質の誘導合成が地上よりも促進されることを見いだした。また、本細菌の放射線感受性変異株rec30では、その促進効果が現れないことが明らかになった。
小林 泰彦
放射線化学, (67), p.35 - 39, 1999/03
電離放射線の生物作用に、電離密度すなわちLET依存性があることは早くから知られていた。高LETイオンビームの生物学的効果の研究は、放射線作用機構に関する研究のうえで重要であるばかりでなく、放射線ガン治療や宇宙放射線被曝の人体へのリスク評価のうえでも近年ますます重要になってきている。原研高崎で行われている研究内容を紹介しながら、イオンビームの生物影響の特徴を説明する。
鳴海 一成; 菊地 正博; 舟山 知夫; 佐藤 勝也
放射線生物研究, 34(4), p.401 - 418, 1999/00
生物は常にDNA損傷を被る環境に曝されており、生命の維持はDNA損傷をどれだけ効率よく正確に修復できるかに懸かっている。したがって、生物のDNA修復能力の限界を見極めることは、巧妙な生命現象へのわれわれのより深い理解にとって大切なことであるのみならず、生命維持機能を増強する方法の開発に方向性を与えることにも繋がる。今までともすれば奇異な目で見られることもあった放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスを、ほかの生物と同様に放射線生物研究の対象として扱い、ほかの生物とどこが同じでどこが違うのかを明らかにして、その極めて高いDNA修復能力を分子レベルで解明する研究が、最近になって急速に進展しつつある。本稿では、デイノコッカス・ラジオデュランスの特徴的側面、及びわれわれの研究室で得られた最新のデータをまじえ、DNA修復遺伝子群の解析に関する最近の進展状況について述べる。
舟山 知夫; 鳴海 一成; 菊地 正博; 北山 滋*; 渡辺 宏; 山本 和生
Mutation Research; DNA Repair, 435, p.151 - 161, 1999/00
放射線抵抗性細菌Deinococcus radiodurans野生株より分離された、放射線感受性変異株KR4128の感受性を相補するDNA断片を検索し、4.3kbクローンを得た。得られたクローンの遺伝子配列を決定したところ、大腸菌組換え修復遺伝子recNと塩基配列相同性をもつ遺伝子が含まれていた。KR4128株の当該領域の解析より、この遺伝子がKR4128株で点突然変化をおこしていることが明らかにされ、当該遺伝子が放射線抵抗性細菌のrecN遺伝子であることが明らかになった。単離した遺伝子の放射線抵抗性における寄与を明らかにするため、薬剤耐性遺伝子カセットをもちいた特定遺伝子欠失株作出系を確立、recN遺伝子欠損株を作出した。作出した遺伝子株欠損を用いた生存率の解析から、recN遺伝子が当該菌の放射線抵抗性に寄与していることが確かめられた。さらに、KR4128株にrecN遺伝子のほかに感受性に影響を与える遺伝子の変異が存在することが明らかにされた。
鳴海 一成; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 舟山 知夫; 北山 滋; 柳沢 忠*; 渡辺 宏; 山本 和生
Mutation Research; DNA Repair, 435(3), p.233 - 243, 1999/00
放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復能欠損株であるrec30株は放射線に極めて感受性を示し、重要なDNA修復遺伝子に変異が生じているものと考えられる。この変異株のrecA遺伝子座のDNA塩基配列を野生株のものと較べて解析した結果、変異株ではrecA構造遺伝子内に変異があることを突き止め、その正確な変異部位を同定した。また、ラジオデュランスの遺伝子を大腸菌で発現させることは今まで困難であったが、正常及び変異recA遺伝子を大腸菌で大量に発現させることに成功した。さらに、ラジオジュランスの遺伝子を発現している大腸菌の線耐性を測定した結果、ラジオデュランスの正常recA遺伝子が大腸菌のrecA遺伝子の働きを完全に捕らえること、異常recA遺伝子が組換え修復能を完全に失っていることを明らかにした。