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横山 賢治; 羽様 平; 谷中 裕; 大木 繁夫
JAEA-Data/Code 2024-007, 41 Pages, 2024/10
汎用炉心解析システムMARBLEの第3版であるMARBLE3を開発した。MARBLEの開発ではオブジェクト指向スクリプト言語Pythonを用いており、これまでの開発ではPythonバージョン2(Python2)を用いていたが、Pythonのバージョンアップの後方非互換性の問題により、Pythonの最新版であるPythonバージョン3(Python3)では、MARBLEを動作させることができなくなっていた。このため、MARBLE3の開発では全面的に改修を行って、Python3で動作するように整備した。また、MARBLE3では、新しく開発された解析コードのカプセル化や新しく提案された計算手法等の組み込みを行うとともに、メンテナンス性や拡張性、柔軟性の観点からユーザインターフェースの拡張やソルバーの再実装等を行った。MARBLE3では、新規に開発された3次元六角/三角体系輸送計算コードMINISTRIVer.7(MINISTRI7)と3次元六角/三角体系拡散計算コードD-MINISTRIを利用できるように整備した。これらのコードは、MARBLEのサブシステムである核特性解析システムSCHEMEや高速炉燃焼解析システムOPRHEUSで利用できる。また、MARBLEに組み込まれている炉心解析システムCBGのユーザインターフェースを拡張して、CBGの2次元RZ体系の拡散計算ソルバーや輸送計算ソルバーをSCHEME上で利用できるように整備した。一方、計算手法についても改良を加えた。MARBLE3では、チェビシェフ有理関数近似法に基づく燃焼計算手法の改良に関する論文やミニマックス多項式近似法に基づく燃焼計算手法に関する論文で提案された計算手法を利用できるように、燃焼計算ソルバーの機能拡張を行った。また、メンテナンス性の観点から、MARBLE2で導入された一点炉動特性ソルバーPOINTKINETICSを廃止して、MARBLE3ではKINETICSソルバーとして新たに整備し直した。
山野 秀将; 二神 敏; 日暮 浩一*
Proceedings of Advanced Reactor Safety (ARS 2024), p.121 - 130, 2024/08
本論文は、信頼性を向上させた崩壊熱除去系について、第4世代炉国際フォーラムで開発された安全設計クライテリアと安全設計ガイドラインを我が国で最近設計されたナトリウム冷却高速炉へ適用したことを記述する。
山野 秀将; 二神 敏; 柴田 明裕*
Proceedings of Advanced Reactor Safety (ARS 2024), p.151 - 160, 2024/08
本研究では、動的安全保護系に関して、第4世代国際フォーラムで開発された安全設計クライテリアとガイドラインを我が国で最近に設計されたナトリウム冷却高速炉へ適用した。
島崎 洋祐; 地代所 達也; 石井 俊晃; 猪井 宏幸; 飯垣 和彦
JAEA-Technology 2024-005, 23 Pages, 2024/06
HTTRでは、新規制基準への対応の一環として新たに多量の放射性物質等を放出するおそれのある事故(BDBA)の想定を行うとともに、BDBAの拡大防止対策を定めた。このうち、使用済燃料貯蔵プールに係る冷却水漏洩によって発生するBDBAの拡大防止対策においては、大洗研究所の消防自動車をBDBAの拡大防止対策機器として選定し、揚水性能等の要求性能を定めて検査で確認した。これにより、消防自動車は使用前事業者検査に合格し、HTTRの運転再開に貢献した。
Ayoub, A.*; Wainwright, Haruko*; Sansavini, G.*; Gauntt, R.*; 斎藤 公明
iScience (Internet), 27(4), p.109485_1 - 109485_15, 2024/04
被引用回数:7 パーセンタイル:89.60(Multidisciplinary Sciences)This paper presents a multidisciplinary analysis of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident. Along with the latest observations and simulation studies, we synthesize the time-series and event progressions during the accident across multiple disciplines. We identify three key factors that exacerbated the consequences of the accident: (1) the failure of Unit 2 containment venting, (2) the insufficient integration of radiation measurements and meteorology data in the evacuation strategy, and (3) the limited risk assessment and emergency preparedness. We conclude with new research and development directions to improve the resilience of nuclear energy systems and communities, including (1) meteorology-informed proactive venting, (2) machine learning-enabled adaptive evacuation zones, and (3) comprehensive risk-informed emergency planning while leveraging the experience from responses to other disasters.
大野 修司; 前田 誠一郎
第27回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集(インターネット), 3 Pages, 2023/09
The book, JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation Vol.3 Sodium-cooled Fast Reactor, was published. The book is a collection of the past experience of design, construction, and operation of the experimental reactor "Joyo" and the prototype reactor "Monju", the latest knowledge including related research and development activities and technology for SFR designs, and the future prospects of SFR development in Japan, looking back the history of development of fast reactors started in the early 1960s. The development of sodium-cooled fast reactor in Japan, which contributes to energy security and high-level waste reduction, is reaching to the stage where demonstration reactor will be deployed based on the experience of "Joyo" and "Monju" design, construction and operation. The present report introduces outlines of experiences, results and activities accumulated through these reactors and R&Ds for demonstration reactor.
滝野 一夫; 大木 繁夫
JAEA-Data/Code 2023-003, 26 Pages, 2023/05
次世代高速炉は、従来炉よりも高い炉心取出燃焼度を目指しているため、炉心核設計の高度化が求められる。そのため、燃焼核特性解析では、計算コストを抑えつつ十分な計算精度が得られる適切な解析条件が必要とされる。そこで、次世代高速炉の燃焼核特性の計算精度に及ぼす解析条件の影響を、中性子エネルギー群、中性子輸送理論、空間メッシュに着目して調査した。本検討では燃焼核特性として、平衡サイクルにおける臨界性、燃焼反応度、制御棒価値、増殖比、集合体単位の出力分布、最大線出力、ナトリウムボイド反応度、ドップラー係数を取り扱った。検討の結果、エネルギー群を18群とし、拡散近似を用いて1集合体あたり6メッシュ分割して、エネルギー群、空間メッシュ、輸送効果の補正係数を適用することが最適であることが分かった。
沖田 将一朗; 水田 直紀; 高松 邦吉; 後藤 実; 吉田 克己*; 西村 洋亮*; 岡本 孝司*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 10 Pages, 2023/05
Adoption of SiC-matrix fuel elements in future pin-in-block type HTGR designs will enhance oxidation resistance of the fuel element in the event of the air ingress accident, one of the most worrisome accidents in HTGRs. This would eliminate the need for the graphite sleeves used in the current pin-in-block type HTGR designs and enable high power density core designs with sleeveless and direct coolable fuel structure. Such a concept itself has been suggested by Japan Atomic Energy Agency (JAEA) in the past. However, JAEA has not yet demonstrated the feasibility for a core design with the SiC-matrix fuel elements. The present work is intended to demonstrate the feasibility for a new core design upgraded from an existing conceptual core design, called HTR50S, with 50 MW thermal power and reactor outlet temperature of 750C. The new core design uses SiC-matrix fuel elements and increases the reactor power density to 1.2 times higher than the original HTR50S design. The feasibility is determined by whether the core satisfies the target values in nuclear and thermal-hydraulic designs by performing burn-up calculation with the whole core model and fuel temperature calculations. The calculation results showed that the new core design satisfied these target values on the reactor shutdown margin, the temperature coefficient of reactivity, and the maximum fuel temperature during normal operation.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-076, 227 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30 年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「アパタイトセラミックスによるALPS沈殿系廃棄物の安定固化技術の開発」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究は、1Fにおいて大量に発生している水処理2次廃棄物のうち、長期的な安定化措置が求められている多核種除去設備(ALPS)沈殿系廃棄物中の放射性物質をアパタイトセラミックスに安定固定化する技術の確立を目的としている。大規模なアパタイト固化体製造が可能な方法として沈殿法を選び、模擬ALPS沈殿系廃棄物から作製したアパタイト及びリン酸塩化合物の合成物や成型体の組成、構造、浸出性能等を調べ、ゼオライト処理したリン酸塩化合物固化体が安定化処理に適していること、また、Cs、Sr、Eu、U 等の模擬FP 元素が沈殿法の条件で安定固定化できることを確認した。さらに、アパタイト固化体製造プロセスの確立のため、小規模及び工学規模のアパタイト固化体の製造試験を行い、合成・洗浄・加熱・固化の各工程での最適条件及び物質収支を明らかにし、耐浸出性の高い固化体作製が可能な炭酸塩スラリーと鉄共沈スラリーの同時固化プロセスを開発した。以上の成果に基づき、実規模製造プロセスの基本設計における課題抽出及び製造装置・安全対策装置の設計条件をまとめるとともに、固化体からの水素発生試験を行い、セメント固化体よりも水素発生が大幅に抑制されることを確認した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-028, 54 Pages, 2022/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、海水中におけるウラン支配種であるウラニルイオンが他の金属にはまず見られない平面5座配位を好むというユニークな錯体化学的特徴を示すことに基づいて海水ウラン吸着材の吸着部位となる配位子構造をデザインし、海水ウラン回収技術における既存課題の解決およびまったく新しい海水ウラン吸着材の開発を行う。その第1フェーズとして、本研究ではウラニルイオンに対して特異的配位能を有する平面5座開環キレート配位子の開発およびその基本性能評価を行うことを目的とし各種研究開発を行った。「平面5座配位子の開発と性能評価」、「UO-平面5座配位子錯体の合成および錯形成挙動の解明」、「UO
-平面5座配位子錯体に対する計算化学的アプローチ」および「夾雑イオンに対するUO
選択性の評価」について検討を行った結果、「pH8付近でUO
と支配的に錯形成し、かつpH1付近でUO
から解離する平面5座配位子の開発」、「平面5座配位子を有するUO
錯体の分子構造および電子状態の解明」および「代表的夾雑イオンに対するUO
分離係数10以上」という当初目標すべてを達成することに成功した。
二神 敏; 久保 重信; Sofu, T.*; Ammirabile, L.*; Gauthe, P.*
Proceedings of International Conference on Topical Issues in Nuclear Installation Safety; Strengthening Safety of Evolutionary and Innovative Reactor Designs (TIC 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/10
In the framework of the GIF, an effort to develop Safety Design Criteria (SDC) for SFR systems was initiated in 2011. For this purpose, an SDC task force (SDC-TF) was formulated in July 2011. The SDC-TF members consist of representatives of CIAE (China), CEA (France), JAEA (Japan), KAERI, KINS (Republic of Korea), IPPE (Russia), ANL, INL, ORNL (United States of America), EC and IAEA. This paper describes the outline of the SDC and SDGs contents and its development background as shown above. These SDC and SDGs refer related IAEA safety standards, such as SSR-2/1 Safety of Nuclear Power Plants: Design, SSG-52 Design of the Reactor Core for Nuclear Power Plants. This paper focuses on both technology neutral aspects, which are common parts between the SDC/SDG and IAEA standards, and SFR specific aspects.
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:7 パーセンタイル:74.40(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
朝日 良光; 嶋村 圭介*; 小林 秀和; 小高 亮
JAEA-Technology 2021-026, 50 Pages, 2022/03
東海再処理施設では、使用済み核燃料の再処理に伴い発生した高レベル放射性廃液のガラス固化処理を、ガラス固化技術開発施設(Tokai Vitrification Facility; TVF)に設置した液体供給式直接通電型セラミック溶融炉(Liquid-Fed Ceramic Melter; LFCM)方式のガラス溶融炉にて行っている。LFCM方式のガラス溶融炉では、廃液に含まれる白金族元素の酸化物が析出して溶融ガラスの粘性が高まることで、溶融ガラスを流下し尽くした後にも粘性の高いガラスが炉内底部に残留する傾向がある。これがガラスの通電加熱特性に影響するのを防ぐため除去する必要があるが、この作業には時間を要する。固化処理を早期に完了するため、日本原子力研究開発機構では、白金族元素の炉内への蓄積量低減をねらった新しい炉へ更新する計画である。これまでの設計プロセスから、次期溶融炉の炉底・ストレーナ形状について複数の候補形状が考案されており、本報では、それらの中から、運転操作性や白金族元素粒子の排出性が現行溶融炉と同等以上の性能を持つ次期溶融炉の炉底・ストレーナ形状を選定する。はじめに、考案された3種類の炉底形状に対し、ガラス固化体1本分を製造する溶融炉の運転について3次元熱流動計算を用いてシミュレートし、溶融炉内のガラス温度分布の推移を比較した。これらの結果に溶融炉としての技術的・構造的な成立性を加味し、次期溶融炉の炉底形状には傾斜角45の円錐形状を採用した。次に、5種類のストレーナ形状について3次元のCFD計算を用いて流路抵抗と炉底付近に滞留する高粘性流体の排出割合を見積もり、それぞれ、現行炉と同等以上の性能を持つことを確認した。また、アクリル製の炉底形状模型を用いたシリコーンオイルを充填・流下する実験を行い、流下中の流動場には流動抵抗を生じさせる渦が発生しないことを確認した。また、レンガ片による流下ノズル閉塞防止機能が十分な性能を持つことを確認した。これらの結果を踏まえてストレーナ形状を選定した。
横山 賢治; 丸山 修平; 谷中 裕; 大木 繁夫
JAEA-Data/Code 2021-019, 115 Pages, 2022/03
原子力機構ではこれまでにも高速炉用統合炉定数を作成してきているが、高速炉用統合炉定数ADJ2017の改訂版となるADJ2017Rを作成した。統合炉定数は、高速炉の核設計基本データベースに含まれる臨界実験解析等で得られるC/E値(解析/実験値)の情報を、炉定数調整法により実機の設計に反映するためのものであり、核データの不確かさ(共分散)、積分実験・解析の不確かさ、臨界実験に対する核データの感度等の情報を統合して炉定数を調整する。ADJ2017Rは、基本的にはADJ2017と同等の性能を持つ統合炉定数であるが、ADJ2017に対して追加検討を行い、以下の二つの点について見直しを行った。一つ目は実験起因不確かさの相関係数(以下、実験相関係数)の評価方法の統一化である。実験相関係数の評価で用いる共通不確かさの評価方法に二つの方法が混在していたことが分かったため、すべての実験データについて実験相関係数を見直し、評価方法を統一した。二つ目は炉定数調整計算に用いる積分実験データについてである。Am-243サンプルの燃焼後組成比の実験データの一つに、実験不確かさが他に比べて極端に小さく不確かさ評価に課題がある可能性が高いことが分かったため、当該実験データを除外して炉定数調整を行った。なお、ADJ2017の作成では、合計719個の核特性の解析結果に対する総合評価を行い、最終的に620個の積分実験データを採用していたが、ADJ2017Rの作成では一つ除外したので、最終的に採用した積分実験データは619個となる。どちらの見直しについても炉定数調整計算結果に与える影響は小さいが、不確かさ評価方法の説明性や積分実験データとの整合性が向上したと考えられる。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2021-041, 42 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、海水中におけるウラン支配種であるウラニルイオンが他の金属にはまず見られない平面5座配位を好むというユニークな錯体化学的特徴を示すことに基づいて海水ウラン吸着材の吸着部位となる配位子構造をデザインし、海水ウラン回収技術における既存課題の解決およびまったく新しい海水ウラン吸着材の開発を行う。その第1フェーズとして、本研究ではウラニルイオンに対して特異的配位能を有する平面5座開環キレート配位子の開発およびその基本性能評価を行うことを目的とする。
中谷 隆良; 清水 亮; 田崎 真樹子; 木村 隆志; 玉井 広史; 須田 一則
第42回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2021/11
現在、原子力機構は保有する原子力施設の廃止措置を進めているところであり、対象には核物質を保有している施設もある。廃止措置作業では、核燃料物質を含む発生する放射性廃棄物の処理や保障措置終了手法も含め、核不拡散・透明性を維持しつつ、合理的な手法の検討は必要である。本研究では、国際原子力機関(IAEA)が整備するSafeguards by Design (SBD: 設計段階からの保障措置の検討)のガイダンス等を参考に、廃棄物処理に関して上記課題を考察する。
石塚 悦男; 満井 渡*; 山本 雄大*; 中川 恭一*; Ho, H. Q.; 石井 俊晃; 濱本 真平; 長住 達; 高松 邦吉; Kenzhina, I.*; et al.
JAEA-Technology 2021-016, 16 Pages, 2021/09
2020年度の夏期休暇実習において、昨年度に引き続きHTTR炉心を原子力電池に見立てた場合の核的な予備検討として、MVP-BURNを用いて炉心の小型化について検討した。この結果、U濃縮度20%、54燃料ブロック(18
3層)炉心、半径1.6mのBeO反射体を使用すれば5MWで30年の連続運転が可能になることが明らかとなった。この小型炉心の燃料ブロック数は、HTTR炉心の36%に相当する。今後は、更なる小型化を目指して、燃料ブロックの材料を変更したケースについて検討する予定である。
横山 賢治; 石川 眞*
Annals of Nuclear Energy, 154, p.108100_1 - 108100_11, 2021/05
被引用回数:1 パーセンタイル:10.00(Nuclear Science & Technology)高速炉のような新型炉の設計において、核特性の予測精度を向上させることは重要な課題である。炉定数調整法(核データ調整法)はこの課題に対する有力な方法論の一つである。炉定数調整法の考え方は1964年に初めて提案されたが、その実用化に向けては長期間に亘って研究が行われている。理論式の確立に約10年間を要したが、実用化に向けては半世紀以上に亘って研究開発が行われている。この分野の研究活動は依然として活発であり、新しい原子炉を開発するためには予測精度の向上が必要不可欠であることを示唆している。2020年3月に逝去されたMassimo Salvatores氏は炉定数調整法の最初の提案者の一人であるとともに、実用化に向けて偉大な貢献を行った研究者である。この分野における同氏の業績をレビューすることは、炉定数調整法の方法論の歴史をレビューすることとほぼ同じことを意味する。われわれはこのレビューがこの分野において今後何を開発すべきかを示唆するものになると期待する。このレビューは、a)炉定数調整法の方法論の確立と、b)実用化に関する成果の二つのテーマで構成される。更に、前者については、炉定数調整法の理論と炉定数調整法の適用必要となる感度係数の数値解法に関する研究の観点からレビューを行う。後者については、積分実験データの利用、不確かさの定量化と設計目標精度の評価、核データ共分散開発の促進の観点からレビューを行う。
橋本 周; 木名瀬 栄; 宗像 雅広; 村山 卓; 高橋 聖; 高田 千恵; 岡本 明子; 早川 剛; 助川 正人; 久米 伸英*; et al.
JAEA-Review 2020-071, 53 Pages, 2021/03
原子力機構は、災害対策基本法及び武力攻撃事態対処法に基づく指定公共機関として、原子力災害や放射線緊急事態が発生した場合には、災害対応に当たる国や地方公共団体の要請に応じて人的・技術的支援を行う。防災基本計画及び原子力災害対策マニュアルでは、原子力機構は原子力緊急時において公衆の被ばく線量の推計・把握を支援することが要求されている。しかし、その支援について、基本方策,調査対象,調査方法,実施体制等について具体的かつ詳細には検討されていない。本報告では、公衆の緊急時被ばく線量の推計・把握に関する技術的支援について、原子力緊急時支援・研修センター内に設置された「緊急時の線量評価検討WG」において調査・考察した結果を報告することにより、国や地方公共団体、及び原子力機構内における今後の具体的かつ詳細な検討及び活動に貢献することを目的とする。
武田 哲明*; 稲垣 嘉之; 相原 純; 青木 健; 藤原 佑輔; 深谷 裕司; 後藤 実; Ho, H. Q.; 飯垣 和彦; 今井 良行; et al.
High Temperature Gas-Cooled Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.5, 464 Pages, 2021/02
本書は、原子力機構における今までの高温ガス炉の研究開発の総括として、HTTRの設計、燃料、炉内構造物や中間熱交換器などの要素技術の開発、出力上昇試験、950Cの高温運転、安全性実証試験などの運転経験及び成果についてまとめたものである。また、HTTRでの知見をもとに、商用炉の設計、高性能燃料、ヘリウムガスタービン、ISプロセスによる水素製造などの要素技術開発の現状について記述しており、今後の高温ガス炉の開発に非常に有用である。本書は、日本機械学会の動力エネルギーシステム部門による化石燃料及び原子力によるエネルギーシステムの技術書のシリーズの一冊として刊行されるものである。