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論文

Identification of carbon in glassy cesium-bearing microparticles using electron microscopy and formation mechanisms of the microparticles

日高 昭秀

Nuclear Technology, 208(2), p.318 - 334, 2022/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

福島第一原子力発電所事故時に放出されたガラス状セシウム含有微粒子(タイプA)の生成機構として、著者は、以前、3号機の水素爆発時に、非常用ガス処理系(SGTS)のHEPAフィルタのガラス繊維が溶融し微粒化したことが原因である可能性を指摘した。この仮説が正しければ、ガラス繊維には炭素を含むバインダが塗布され、その近くには活性炭フィルタがあるため、623K以上で自然発火する炭素は、水素爆発の短い加熱期間中に燃焼し切らず、タイプAの中またはタイプAの近くに残っている可能性がある。従来の類似研究は、粒子固定用に炭素テープを用いていたため炭素の同定が困難であった。そこで、本研究では炭素以外のテープと電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いて測定を行った。その結果、タイプAはバインダ由来の炭素を含み、タイプAに付随する非球形粒子やタイプAを覆う被膜には、活性炭フィルタ起源と考えられる炭素を含むことを確認した。この結果は、従来の生成機構では説明できず、著者が提案した仮説によって説明可能である。タイプAの生成機構を決定するのは時期尚早かもしれないが、本情報は生成機構の温度条件を制限するのに有用と考えられる。

報告書

汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 筑波大学*

JAEA-Review 2021-023, 49 Pages, 2021/12

JAEA-Review-2021-023.pdf:2.39MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化」の平成30年度から令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、福島第一原子力発電所の事故により生じた汚染土壌の減容化を目指すための新規手法を開発した。放射能の原因の一部となっている放射性セシウム含有粒子を汚染土壌から分離・回収するため、比重に着目した分離法について検討を行った。前年度までに最適化した重液分離法を、福島県内で採取したさまざまな土壌を対象に適用した。密度2.4g cm$$^{-3}$$の重液を用いて2つの画分に分離した結果、6地点の土壌について当初目標である放射能濃度50%及び重量50%減を達成した。さらに2地点の土壌については、63$$mu$$mの篩を用いてサイズ分離することで上記目標を達成した。また、重液分離後の廃液には放射性セシウムが含まれる。この廃液を再利用するために、陽イオン交換樹脂を用いた再生法について検討した。カラム法における最適条件について検討し、60mL min$$^{-1}$$の条件で廃液を通水することで、樹脂量の約5倍量の廃液を回収率99%以上の収率で処理することができた。

報告書

JPDRから発生した放射性廃棄物に対する放射化学分析

飛田 実*; 原賀 智子; 遠藤 翼*; 大森 弘幸*; 水飼 秋菜; 青野 竜士; 上野 隆; 石森 健一郎; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2021-013, 30 Pages, 2021/12

JAEA-Data-Code-2021-013.pdf:1.47MB

日本原子力研究開発機構の研究施設等から発生する放射性廃棄物は、放射能レベルに応じて将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、研究施設等廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討に資するため、原子力科学研究所内で保管されているJPDRから発生した放射性廃棄物よりコンクリート試料を採取し、放射化学分析を実施した。本報告書は、平成30年度から令和元年度に取得した21核種($$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{36}$$Cl, $$^{41}$$Ca, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni, $$^{90}$$Sr, $$^{94}$$Nb, $$^{rm 108m}$$Ag, $$^{137}$$Cs, $$^{152}$$Eu, $$^{154}$$Eu, $$^{rm 166m}$$Ho, $$^{234}$$U, $$^{238}$$U, $$^{238}$$Pu, $$^{239}$$Pu, $$^{240}$$Pu, $$^{241}$$Am, $$^{243}$$Am, $$^{244}$$Cm)の放射能濃度データについて整理し、放射能濃度評価法検討のための基礎資料としてまとめたものである。

論文

Design of microchannel suitable for packing with anion exchange resins; Uranium separation from seawater containing a large amount of cesium

大内 和希; 塚原 剛彦*; Brandt, A.*; 武藤 由樹*; 生田目 望*; 北辻 章浩

Analytical Sciences, 37(12), p.1789 - 1794, 2021/12

安全かつ廃棄物削減のための分離技術の開発として、陰イオン交換樹脂を充填したマイクロチップカラムを用いて、ウラン(U)の分離プロセスのスケールダウンを試みた。マイクロ流路を適切に設計することによって理想的なUの分離性能が得られた。実試料としての海水に適用し海水中Uの濃度の定量に成功したことから、本研究で作製したマイクロチップカラムが十分な実用性を有している。また、一般市販品のカラムを用いたU分離と比較して、カラムサイズは1/5000未満まで縮小することに成功した。

論文

原子炉における機構論的限界熱流束評価技術の確立に向けて,2; 機構論的限界熱流束予測評価手法確立に向けた研究とその課題

大川 富雄*; 森 昌司*; Liu, W.*; 小瀬 裕男*; 吉田 啓之; 小野 綾子

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 63(12), p.820 - 824, 2021/12

原子炉設計における効率的な燃料設計および最適な安全評価のために、機構論に基づいた限界熱流束評価技術が望まれている。この長年の技術課題は、近年の詳細解析技術及び計測技術の体系的統合を段階的に進めることで、打開できる可能性がある。このため本研究専門委員会では、将来的な限界熱流束評価技術の構築に向けて、過去の膨大な研究を精査することで必要な知見を整理する。これらの議論を通して、原子炉における機構論的限界熱流束評価技術に必要な研究課題を提示する。Part2では、これまでの限界熱流束機構に関する基礎研究や限界熱流束の予測手法確立に必須な数値解析手法の発展にふれ、課題提起を行う。

報告書

令和2年度緊急時対応技術適用のためのバックグラウンド航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 佐々木 美雪; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; et al.

JAEA-Technology 2021-020, 138 Pages, 2021/11

JAEA-Technology-2021-020.pdf:17.11MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より放射性核種の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、有人ヘリコプター等を用いた航空機モニタリングが活用されている。本モニタリング技術を原子力施設等の事故時における緊急時モニタリングに活用し、モニタリング結果を迅速に提供するために、全国の発電所周辺におけるバックグラウンド放射線量や地形的特徴、管制空域等の情報を事前に整備している。令和2年度は美浜発電所並びに敦賀発電所および近畿大学原子力研究所並びに京都大学複合原子力科学研究所における研究用原子炉の周辺について航空機モニタリングを実施し、バックグランド放射線量および管制区域等の情報を整備した。さらに、本モニタリングの代替技術として期待されている無人飛行機による、原子力災害を想定した運用技術開発を進めた。本報告書は、それらの結果および実施によって抽出された技術的課題についてまとめたものである。

報告書

原子力防災における大気拡散モデルの利用に関する考察

外川 織彦; 大倉 毅史; 木村 仁宣; 永井 晴康

JAEA-Review 2021-021, 61 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-021.pdf:3.72MB

東京電力(株)福島第一原子力発電所事故を契機として、原子力防災への大気拡散モデルの利用について、様々な状況とレベルで論争は続いた。しかし、計算モデルによる予測は原子力災害対策に使用可能かどうかといった二者択一の極端な議論が多く、緊急時対応の科学的検証に基づいて丁寧に議論されてきたとは言い難かった。一方、日本原子力研究開発機構(原子力機構)内外には、大気拡散モデルやその解析結果の潜在的利用希望者が少なからず存在することが分かったが、複数の種類がある大気拡散モデルについて、その目的と用途に応じた使い分けに関して理解不足と誤解があることが見受けられた。本報告書では、原子力防災に利用される大気拡散モデルについて、原子力機構で開発または使用されているモデルを中心として、モデルの概要や計算手法等を比較するとともに、それらのモデルを利用した解析例を記述した。これにより、原子力機構内外における大気拡散モデルの潜在的利用希望者に対して、今後の検討や活動に参考となることを目的とした。

報告書

安全研究・防災支援部門が実施する今後の安全研究の方向性(令和3年度版)

安全研究・防災支援部門 企画調整室

JAEA-Review 2021-019, 58 Pages, 2021/11

JAEA-Review-2021-019.pdf:2.26MB

第4期中長期目標の指示を受けて日本原子力研究開発機構は第4期中長期計画を新たに策定し、これに従って令和4年度から業務を進めることになる。これを受けて、安全研究・防災支援部門では、「原子力安全の継続的改善及び原子力防災の実効性向上」に貢献する安全研究の戦略の見直しを検討するとともに、これに基づく中長期的な安全研究の進め方を議論した。この際、部門における今後の人材育成及び研究能力維持の観点で、シニア・中堅研究者の有する知識及び技術を若手研究者に継承する方策についても議論した。検討した戦略の見直し案では、(1)原子力安全に関わる情勢を踏まえた重要度やニーズを意識した課題対応型研究と、今後の規制動向や新技術の導入を見据えた先進・先導的研究の双方を効率的かつ効果的に展開すること、(2)リスク情報等を活用した合理性の高い安全確保及び規制のための方策を積極的に提案するなど、社会への実装を目指して質の高い研究成果を創出すること、(3)新たな研究課題への取組を通して安全研究・防災支援分野における人材育成及び技術基盤維持を図ることを柱として掲げている。本報告書は、中長期的な安全研究の戦略及びこれを受けた研究計画に関する検討の結果についてとりまとめたものである。

論文

Formation of Type A glassy cesium-bearing microparticles from HEPA filter materials in Unit 3 during Fukushima Dai-ichi NPS accident; From viewpoint of similarity in silicate glass composition

日高 昭秀

Proceedings of 2021 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2021) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2021/10

福島事故時に放出されたType Aガラス質Cs含有微粒子の生成機構として、3号機の水素爆発時に非常用ガス処理系のHEPAフィルタ材(グラスファイバ: GF)が溶融・微粒化した可能性を指摘した。本検討では、EPMAを用いてType Aを覆うSiO$$_{2}$$とGFの構成元素を調べた。その結果、両者の元素は、炉内で生成してHEPAフィルタに運ばれた微粒子中に含まれていたと考えられるCs, Fe, Snを除き、ほぼ一致していた。また、高真空下でGFにEPMAの電子線を照射すると、数ミクロンの球形粒子が容易に生成した。これらはType Aが水素爆発の火炎で生成したことを強く示唆している。さらに、水素爆発直後に重力ダンパが閉じて、ダンパ前が亜真空、ダンパ後が大気圧となって粒子表面温度やSiO$$_{2}$$表面張力に差があったことが球形と非球形の微粒子を生成させた可能性を示し、Type Aの生成機構を詳細化した。

論文

Cs含有微粒子はいかに生成したか?; 学際研究者の推理

日高 昭秀

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 63(9), p.679 - 680, 2021/09

福島第一原子力発電所事故時に放出されたタイプA難溶性Cs含有微粒子(以下、Cs微粒子)の生成機構について、様々な議論がなされてきた。筆者は、3号機の非常用ガス処理系のHEPAフィルタが水素爆発時に溶融して微粒化により生成したと考えてきたが、2020年11月に同フィルタ室が解体され、その是非がまさに確認されようとしている。本稿では、筆者が考える生成機構について紹介するとともに、現在、原子力規制委員会で行われている福島事故の分析に係る検討会で、まもなく明らかになる同フィルタの解析結果に対する期待を述べる。筆者の仮説が正しいとした場合、Cs微粒子の生成は、まさに原子炉側と環境側の学際領域で起きており、生成機構解明が遅れた一因となったと考える。Cs微粒子の生成を防ぐためには、水素爆発の防止はもちろん、HEPAフィルタに対して何らかの燃焼防止対策を講じることが望まれ、それによって原子力発電所の安全性がさらに向上することが期待される。

論文

3D FEM soil-structure interaction analysis for Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant considering soil separation and sliding

市原 義孝*; 中村 尚弘*; 森谷 寛*; 崔 炳賢; 西田 明美

Frontiers in Built Environment (Internet), 7, p.676408_1 - 676408_14, 2021/06

本論文は、原子炉建屋/機器・設備の現実的応答評価の精度向上を目的に、建屋-地盤境界部の剥離・滑りを考慮した3次元FEMモデルにより2007年新潟県中越沖地震時の柏崎刈羽原子力発電所7号機原子炉建屋のシミュレーション解析を実施し、得られた知見をまとめたものである。3次元FEMモデルによる建屋-地盤連成系のシミュレーション解析から、基礎版端部で基礎浮き上がりが生じ、その影響が建屋側面及び底面の土圧性状、埋め込み部表層の最大応答加速度に局部的な応答の差異となって現れることを明らかにした。今回の検討においては、基礎浮き上がりと剥離・滑りが埋め込み部表層の最大応答加速度、建屋側面及び底面の土圧性状に与える影響は比較的小さかったものの、今後、さらに大きな地震動を想定する場合には、これらの影響が増大する可能性が考えられるため、地震応答解析においてはこれら影響の適切な評価が必要になると考えられる。

報告書

JRR-3及びJPDRから発生した放射性廃棄物に対する放射化学分析

土田 大貴; 原賀 智子; 飛田 実*; 大森 弘幸*; 大森 剛*; 村上 秀昭*; 水飼 秋菜; 青野 竜士; 石森 健一郎; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2020-022, 34 Pages, 2021/03

JAEA-Data-Code-2020-022.pdf:1.74MB

日本原子力研究開発機構の研究施設等から発生する放射性廃棄物は、放射能レベルに応じて将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、研究施設等廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討に資するため、原子力科学研究所内で保管されているJRR-3及びJPDRから発生した放射性廃棄物よりコンクリート試料を採取し、放射化学分析を実施した。本報告書は、令和元年度に取得した22核種($$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{36}$$Cl, $$^{41}$$Ca, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni, $$^{90}$$Sr, $$^{94}$$Nb, $$^{rm 108m}$$Ag, $$^{133}$$Ba, $$^{137}$$Cs, $$^{152}$$Eu, $$^{154}$$Eu, $$^{rm 166m}$$Ho, $$^{234}$$U, $$^{238}$$U, $$^{238}$$Pu, $$^{239+240}$$Pu, $$^{241}$$Am, $$^{243}$$Am, $$^{244}$$Cm)の放射能濃度データについて整理し、放射能濃度評価法検討のための基礎資料としてまとめたものである。

報告書

令和元年度緊急時対応技術適用のためのバックグラウンド航空機モニタリング(受託研究)

普天間 章; 眞田 幸尚; 川崎 義晴*; 岩井 毅行*; 平賀 祥吾*; 佐藤 一彦*; 萩野谷 仁*; 松永 祐樹*; 菊池 陽*; 石崎 梓; et al.

JAEA-Technology 2020-019, 128 Pages, 2021/02

JAEA-Technology-2020-019.pdf:15.75MB

2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波に起因した東京電力福島第一原子力発電所事故によって、大量の放射性物質が周辺環境に飛散した。事故直後より放射性核種の分布を迅速かつ広範囲に測定する手法として、有人ヘリコプター等を用いた航空機モニタリングが活用されている。本モニタリング技術を原子力施設等の事故時における緊急時モニタリングに活用し、モニタリング結果を迅速に提供するために、全国の発電所周辺におけるバックグラウンド放射線量や地形的特徴、管制区域等の情報を事前に整備している。また、緊急時モニタリングの実効性向上に資するために原子力総合防災訓練に参画し、緊急時航空機モニタリングを実施している。令和元年度は東通原子力発電所並びに六ヶ所再処理工場および志賀原子力発電所周辺について航空機モニタリングを実施し、バックグランド放射線量及びを管制区域等の情報を整備した。また、原子力総合防災訓練の一環として、中国電力島根原子力発電所周辺において緊急時航空機モニタリングを実施した。さらに、本モニタリングの代替技術として期待されている無人飛行機による、原子力災害を想定した運用技術開発に着手した。本報告書は、それらの結果および実施によって抽出された技術的課題についてまとめたものである。

報告書

アジア原子力安全ネットワーク緊急時対応関連グループ提案に基づく2006年-2017年国際原子力機関アジア地域ワークショップの概要

奥野 浩; 山本 一也

JAEA-Review 2020-066, 32 Pages, 2021/02

JAEA-Review-2020-066.pdf:3.01MB

国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、略称: IAEA)は、アジア原子力安全ネットワーク(Asian Nuclear Safety Network、略称: ANSN)の活動を2002年から実施している。その一環としてANSNの下に原子力あるいは放射線災害を対象とする平時の備えと緊急時への対応に関するグループ(Topical Group on Emergency Preparedness and Response、略称: EPRTG)を2006年に設立した。EPRTGの提案に基づきIAEAは2006年から2017年までの12年間に23件のアジア地域ワークショップを実施した。緊急時対応に関するテーマ分野には、原子力防災訓練,緊急時医療,原子力・放射線緊急事態後の長期的対応,国際協力,国の原子力防災体制整備などがあった。日本原子力研究開発機構は、RPRTG設立当初からコーディネータを輩出し、その活動を主導してきた。本報告書は、EPRTGの提案に基づきIAEAが2017年までに実施したアジア地域ワークショップの概要をまとめたものである。

論文

Re-evaluation of radiation-energy transfer to an extraction solvent in a minor-actinide-separation process based on consideration of radiation permeability

樋川 智洋; 津幡 靖宏; 甲斐 健師; 古田 琢哉; 熊谷 友多; 松村 達郎

Solvent Extraction and Ion Exchange, 39(1), p.74 - 89, 2021/00

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)

マイナーアクチノイド分離プロセスの放射線に対する成立性を評価するうえで、抽出溶媒の吸収線量の予測は不可欠である。本論文では、溶媒抽出時に現れるエマルションなどの構造を考慮した吸収線量評価手法を提案する。モンテカルロ法に基づいた放射線輸送コードであるPHITSを活用し、高レベル放射性廃液からのマイナーアクチノイド一括回収するプロセスを対象として、抽出溶媒への放射線エネルギー付与シミュレーションを行った。シミュレーションの結果、アルファ線によるエネルギー付与量はエマルション構造に、ベータ線及びガンマ線については抽出に用いる装置サイズに依存することを示した。さらにこれまでの線量評価では評価されてこなかった透過力の高いガンマ線によるエネルギー付与がマイナーアクチノイドの大量処理を考えるうえで重要になることを示唆した。

報告書

汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 筑波大学*

JAEA-Review 2020-037, 53 Pages, 2020/12

JAEA-Review-2020-037.pdf:3.46MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「汚染土壌の減容を目的とした重液分離による放射性微粒子回収法の高度化」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は汚染土に含まれる放射性セシウムを高濃度に含む粒子を選択的に分離するための手法を開発することである。令和元年度は、粒径が重液分離の選択性に与える影響を明らかにすること、そして重液分離のランニングコストを低減するための廃液の処理法について検討を行った。この結果、63$$mu$$m以上の粒子について顕著な分離の効果がある結果が得られ、比重2.0以下の比重画分(15wt%)に6割の放射能が集約された。

論文

MA分離抽出剤の放射線分解メカニズムの研究

樋川 智洋; 村山 琳*; 熊谷 友多; 山下 真一*; 鈴木 英哉; 伴 康俊; 松村 達郎

UTNL-R-0501, p.24 - 25, 2020/12

東京大学大学院工学系研究科が有するライナック研究施設を利用して平成31年度に得られた成果をまとめたものである。マイナーアクチノイド(MA)の分離プロセスで利用が見込まれるジグリコールアミド抽出剤について、ドデカン及びオクタノール溶液中における放射線分解過程をパルスラジオリシスにより調べた。その結果、アルコールを添加することにより、ジグリコールアミド抽出剤の放射線分解過程は、これまで考えられてきたラジカルカチオンを経由するドデカン単一溶媒中での分解過程とは異なることが示唆された。

報告書

JPDR及びJRR-4から発生した放射性廃棄物に対する放射化学分析

青野 竜士; 水飼 秋菜; 原賀 智子; 石森 健一郎; 亀尾 裕

JAEA-Data/Code 2020-006, 70 Pages, 2020/08

JAEA-Data-Code-2020-006.pdf:2.59MB

日本原子力研究開発機構の研究施設等から発生する廃棄物は、放射能レベルに応じて将来的に浅地中埋設処分される予定であり、埋設処分を開始するまでに、廃棄体の放射能濃度を評価する方法を構築する必要がある。そこで、原子力科学研究所バックエンド技術部では、研究施設等廃棄物に対する放射能濃度評価方法の検討のため、原子力科学研究所内に保管されているJPDR及びJRR-4から発生した放射性廃棄物より分析試料を採取し、放射化学分析を実施した。本報告書は、平成30年度に取得した19核種($$^{3}$$H, $$^{14}$$C, $$^{36}$$Cl, $$^{60}$$Co, $$^{63}$$Ni, $$^{90}$$Sr, $$^{94}$$Nb, $$^{99}$$Tc, $$^{rm 108m}$$Ag, $$^{129}$$I, $$^{137}$$Cs, $$^{152}$$Eu, $$^{154}$$Eu, $$^{234}$$U, $$^{238}$$U, $$^{238}$$Pu, $$^{239+240}$$Pu, $$^{241}$$Am, $$^{244}$$Cm)の放射能濃度データについて整理し、放射能濃度評価方法の検討のための基礎資料としてまとめたものである。

論文

Development of a user-friendly interface IRONS for atmospheric dispersion database for nuclear emergency preparedness based on the Fukushima database

El-Asaad, H.*; 永井 晴康; 相楽 洋*; Han, C. Y.*

Annals of Nuclear Energy, 141, p.107292_1 - 107292_9, 2020/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

大気拡散シミュレーションは、原子力緊急時対応の事前検討において環境中の放射性プルームを評価するための重要な情報を提供する。しかし、様々な条件の計算を実行し膨大な計算結果からデータを引き出すには労力と時間を要する。そこで、シミュレーション結果から放射性プルームの特徴を引き出す際にユーザーを補助するインターフェイスを開発した。このインターフェイスは、福島第一原子力発電所からの20日間の放射性物質の放出についてのWSPEEDI-IIの計算結果のデータベースを使用し、ユーザーに重要な定量的データを提示する。ユーザーは、インターフェイスの補助により、放出条件を変えて様々なケースシナリオを作成し、感度解析を行うことができる。

論文

Atmospheric-dispersion database system that can immediately provide calculation results for various source term and meteorological conditions

寺田 宏明; 永井 晴康; 田中 孝典*; 都築 克紀; 門脇 正尚

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(6), p.745 - 754, 2020/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:76.41(Nuclear Science & Technology)

世界版緊急時環境線量情報予測システムWSPEEDIを用いて福島第一原子力発電所事故時に放出された放射性物質の放出源情報と大気拡散過程の解析を実施してきた。この経験に基づき、原子力緊急時の様々なニーズに対応し緊急時対応計画に有用な情報を提供可能な大気拡散計算手法を開発した。この手法では、原子力施設のような放出地点が既知の場合、放出源情報を特定せず事前に作成しておいた拡散計算結果のデータベースに、提供された放出源情報を適用することで、即座に予測結果を取得することが可能である。この機能により、様々な放出源情報を適用した計算結果と測定データの容易な比較と最適な放出源情報の探索が可能である。この解析手法は、福島事故の放出源情報の推定に適用された。この計算を過去の気象解析データを用いて実施することで、様々な放出源情報と気象条件に対する拡散計算結果を即座に取得することが可能となる。このデータベースは、環境モニタリング計画の最適化や、緊急時対応計画において想定すべき事象の理解等の事前計画に活用可能である。

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