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廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2024-010, 112 Pages, 2024/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明及び先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチを行っている。令和4年度は、3号機RPVの炉心損傷進展においてMoやIを含んだCs系化学種が気相安定条件、3号機PCVではCsとコンクリート成分の相互反応で形成する可能性のあるCs-Si-Al-O系化合物の生成条件などを整理した。Cs含有物質や金属デブリ模擬物質やコンクリートを用いた水蒸気雰囲気における熱分析試験を実施し、金属表面ではCrやFe系化合物が、酸化物表面ではSiやAlなどの成分を含む化合物が化学吸着する傾向があることが分かった。Csを含有するエアロゾルに関して、CsO-FeO系融体の粘度測定を行い、生成浮遊機構解明を進めた。
Riyana, E. S.; 奥村 啓介; 坂本 雅洋; 松村 太伊知; 寺島 顕一; 神野 郁夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(2), p.269 - 276, 2024/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.05(Nuclear Science & Technology)We investigated the possibility of estimating the effective neutron multiplication factor () of the fuel debris inside the canister and primary containment vessel (PCV) of Unit 2 of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (1F) using remote gas-radioactivity measurement via simulation-based calculations. Our results demonstrate an almost linear correlation between and the Kr-to-Xe activity ratio with respect to various fuel debris compositions. This correlation is maintained regardless of geometries such as the fuel debris canister and the PCV.
堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 村上 龍敏; 加藤 正人
Journal of Nuclear Materials, 588, p.154799_1 - 154799_20, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Materials Science, Multidisciplinary)MOX燃料の照射により生成する主要なFPであるNdO及びSmO、模擬FPとして添加したMOXの熱伝導率を評価した。MOX中の模擬FPの均質性の観点から熱伝導率を評価するため、ボールミル法及び溶融法で作製した2種類の粉末を用いて、Nd及びSmの均質性が異なる試料を作製した。模擬FPが均質に固溶した試料では含有量が増加するにしたがってMOXの熱伝導率が低下するが、不均質な模擬FPは影響を及ぼさないことが分かった。熱伝導率に対するNd及びSmの影響を古典的フォノン輸送モデル=(A+BT)を用いてNd/Sm依存性を定量的に評価した結果、A(mK/W)=1.7010 + 0.93C + 1.20C, B(m/W)=2.3910と表された。
今野 力
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(1), p.121 - 126, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Nuclear Science & Technology)JENDL-4.0/HEの中性子と陽子ACEファイルは2017年に作られ、そのうちの22核種の中性子ACEファイルと25核種の陽子ACEファイルがPHITSコードと一緒に公開されている。最近、JENDL-4.0/HEの中性子と陽子ACEファイルに入っている以下の5つのデータに問題があることが見つかった; NとOのACEファイル、発熱数、損傷エネルギー生成断面積、2次中性子多重度、核分裂断面積。そこで、これらの問題を修正したJENDL-4.0/HEの新しい中性子と陽子ACEファイルを作成した。この論文では問題点及び新しい中性子と陽子ACEファイルをどのように作成したかについて詳述する。
廣岡 瞬; 堀井 雄太; 砂押 剛雄*; 宇野 弘樹*; 山田 忠久*; Vauchy, R.; 林崎 康平; 中道 晋哉; 村上 龍敏; 加藤 正人
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1313 - 1323, 2023/11
被引用回数:3 パーセンタイル:92.52(Nuclear Science & Technology)収率が高く燃料に固溶するFP(模擬FP)としてNdO及びSmOを添加したMOXの焼結試験を行い、焼結後の微細組織を評価した。熱膨張計を用いて取得した焼結中の収縮曲線から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも高温で焼結が進むことが分かった。焼結後の密度評価及び金相組織の観察から、模擬FP含有MOXは通常のMOXよりも粒成長と高密度化が進むことが分かった。これは、添加元素の影響を受けて一部のUが4価から5価に変化し、拡散速度が大きくなったことが原因と考えられる。また、XRDの結果から焼結後の試料は均質に固溶した結晶構造が示されたが、EPMAによる元素マッピングの結果からは模擬FPの濃度が一様でなく、完全には均質に分布していない微細組織が示された。不均質に分布したNdO含有MOXを微粉砕し、再焼結を行う過程を繰り返すことで、均質性が向上し、密度も十分に高い模擬FP含有MOXペレットを作製することができた。
勝村 庸介*; 高木 純一*; 細見 憲治*; 宮原 直哉*; 駒 義和; 井元 純平; 唐澤 英年; 三輪 周平; 塩津 弘之; 日高 昭秀*; et al.
日本原子力学会誌ATOMO, 65(11), p.674 - 679, 2023/11
本委員会では、東京電力ホールディングス株式会社(東電)福島第一原子力発電所(1F)事故後の 核分裂生成物(FP)挙動を予測可能な技術に高めて廃炉作業に貢献することと、1F事故進展事象の把握で得られた情報をソースターム(ST)の予測技術の向上に反映させ、原子炉安全の一層の向上に繋げることを目標とした活動を実施している。この2年間では、これまでの12年間の1F実機調査や1F関連研究で得られた情報を調査し、1F廃炉における燃料デブリやFP挙動の予測、及びST予測精度向上に必要な課題として「FPの量・物質収支と化学形態」「サンプリング目的とデータ活用」「環境への移行経路」を摘出した。今後、これらの課題の解決に向けた道筋の議論を進める。
Lind, T.*; Kalilainen, J.*; Marchetto, C.*; Beck, S.*; 中村 康一*; 木野 千晶*; 丸山 結; 城戸 健太朗; Kim, S. I.*; Lee, Y.*; et al.
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.4796 - 4809, 2023/08
The OECD/NEA ARC-F project was established to investigate the accidents at Fukushima Daiichi nuclear power station with the aim of consolidating the observations for deeper understanding of the severe accident progression and the status of reactors and containment vessels. Additionally, the project formed an information sharing framework in reactor safety between Japan and international experts. In order to achieve these objectives, the project focused on three tasks: i) to refine analysis for accident scenarios and associated fission-product transport and dispersion, ii) to compile and manage data on the Fukushima Daiichi NPS accident, and iii) to discuss future long-term projects relevant to the Fukushima Daiichi NPS accident. The work was carried out by 22 partners from 12 countries. In the fission product group, ten organizations worked on five topics which were ranked with a high significance as open issues based on the BSAF project and were thereby selected for further investigations. The five fission product related topics were: i) fission product speciation, ii) iodine chemistry, iii) pool scrubbing, iv) fission product transport and behavior in the buildings, and v) uncertainty analysis and variant calculations. In this paper, the work carried out to investigate these five fission product release and transport topics of special interest in the ARC-F project will be described and summarized.
頓名 龍太郎*; 佐々木 隆之*; 児玉 雄二*; 小林 大志*; 秋山 大輔*; 桐島 陽*; 佐藤 修彰*; 熊谷 友多; 日下 良二; 渡邉 雅之
Nuclear Engineering and Technology, 55(4), p.1300 - 1309, 2023/04
被引用回数:2 パーセンタイル:84.55(Nuclear Science & Technology)UO・Zr・ステンレス鋼を出発物質として模擬デブリを合成し、形成された固相の分析と浸漬試験を行った。主要なU含有相は合成条件に依存し、不活性雰囲気下・1473KではUO相が維持されていた。1873Kでは(U,Zr)O固溶体相の形成が観測された。酸化性雰囲気では、1473Kの場合にはUOと(Fe,Cr)UO相の混合物が得られ、1873Kでは(U,Zr)Oが形成された。浸漬試験により金属イオンの溶出挙動を調べるため、中性子照射により核分裂生成物を導入する、もしくは出発物質への添加によりその安定同位体を導入する処理を行った。試験の結果、Uの溶出挙動は、模擬デブリの性状や浸漬液の液性に依存することが確認された。CsやSr, Baは模擬デブリの固相組成に依存せず顕著な溶出を示した。一方で、多価イオンとなるEuとRuの溶出は抑制されることが観測され、模擬デブリ中でウラン相に固溶ないしは包含されたことによる影響が推察される。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-069, 114 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「//線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、線放出核種/線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)線/線/線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)線放出核種/線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。3カ年計画の2年目にあたる令和3年度の事業実績は、1.線、線照射による腐食影響および気相ラジオリシスの腐食環境への影響、2.PCV・負圧維持系設備等の腐食モード・腐食速度の評価、3.1F複合環境における腐食抑制技術の開発である。
Mohamad, A. B.; 中島 邦久; 三輪 周平; 逢坂 正彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(3), p.215 - 222, 2023/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)The distribution of Sr in the reactor would be influenced by a chemical reaction of Sr vapor species with a structural material of internal reactor and fuel cladding materials; stainless steel (SS) or Zircaloy (Zry) cladding during 1F-NPS accident. The chemical interaction between Sr-Zry and Sr-SS has been described. The reaction tests have been performed to investigate the chemical interaction behavior under possible severe accident conditions. The tests have been conducted up to 1523 K under steam atmosphere. It was confirmed that Sr-Zr-O and Sr-Si-O compounds were formed through 2 kinds chemical interactions; gas-solid reaction and liquid-solid reaction. The gas and liquid species of Sr in a good contact with the solid Zry and SS to form Sr-Zr-O and Sr-Si-O compounds, respectively. Sr was deposited onto the Zry and SS surfaces and lead to the formation of reaction product. Thus, this study highlights the possibility that Sr was deposited and retained in the core structure where the temperature was elevated during the accident in the 1F-NPS.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-053, 89 Pages, 2023/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「福島第一発電所2、3号機の事故進展シナリオに基づくFP・デブリ挙動の不確かさ低減と炉内汚染状況・デブリ性状の把握」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、シールドプラグ下高線量の原因究明、事故時のCs移行経路や、Csの構造材付着・堆積状態の解明および先行溶落したと推定される金属リッチデブリ特性評価を行うため、事故進展最確シナリオ評価に基づく材料科学的アプローチとして、3項目((1)Cs分布評価の不確かさの低減、(2)金属デブリの酸化変質評価、(3)総合評価)に取り組んでいる。本年度は各要素技術法に関する実験的研究シミュレーション研究を進める上で必要な基盤の整備及び予備実験などに着手するとともに、本研究で抽出したBackward Analysisの2個の課題について、Forward Analysis専門家との相互連携による現象理解と炉内状況把握の精緻化に向けての方針の検討を行った。その結果、事故進展最確シナリオを参照して、燃料デブリとセシウムの化学状態変化と移行経路について認識を共有することができ、今後の研究展開について展望した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-009, 73 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「福島第一原発」という)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「合金相を含む燃料デブリの安定性評価のための基盤研究」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、福島第一原発炉内にて、SUS配管や圧力容器等の構造材と溶融した燃料や被覆管成分が高温で反応して形成された合金相を含む燃料デブリに着目し、UO-SUS系やUO-Zr(ZrO)-SUS系の模擬デブリを高温熱処理により合成し、化学的特性や水中への溶出挙動を測定するとともに、模擬デブリの酸化物相および合金相の経年変化を分光学的に分析する研究・開発を行う。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-002, 85 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「//線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現: ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、線放出核種/線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)線/線/線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)線放出核種/線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。
前川 藤夫
プラズマ・核融合学会誌, 98(5), p.201 - 205, 2022/05
核変換技術は、原子力発電に伴い発生する「核のゴミ」問題の有力な解決手段である。大強度加速器と未臨界炉心を組み合わせた加速器駆動システム(ADS)は、核変換を行うための有望なツールである。本稿では、ADSによる核変換の意義と原理、ADSの設計例、核変換を含む分離変換技術とその効果、必要とされる大強度加速器の性能、海外の動向等について解説する。
佐々木 祐二
分離技術, 52(2), p.103 - 107, 2022/03
高レベル廃液中に含まれるAn, FP元素の溶媒抽出法による相互分離を目指している。Cs, Srはクラウン化合物で、Pd, MoはMIDOA(メチルイミノジオキサオクタンジアミド)、An+Ln回収はDGA化合物で抽出する。その後、An/Ln相互分離はDTBA(ジエチレントリアミン3酢酸2アミド)で、Am/Cm分離はDOODAをマスキング剤として用いる。論文中では一連の技術を紹介し、関連する結果をまとめて報告した。
Lind, T.*; Herranz, L. E.*; Sonnenkalb, M.*; 丸山 結
Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 15 Pages, 2022/03
The accident progression and fission product release from the three damaged units of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant were systematically investigated in the OECD/NEA BSAF project phases 1 and 2. As a result of those investigations, a good progress was achieved in establishing defendable accident scenarios and the corresponding fission product releases to the environment. Nonetheless, there are some areas requiring further work, particularly concerning fission product behavior. They are addressed in the OECD/NEA project "Analysis of Information from Reactor Buildings and Containment Vessels of Fukushima Daiichi NPS" (ARC-F). Based on the outcome of the BSAF project, several focus areas were selected for further investigations in the ARC-F project, one of them being the behavior of fission products and source term. In this paper, five topics which were ranked with a high significance as open issues based on the BSAF project regarding fission product behavior are discussed: i) fission product speciation, ii) iodine chemistry, iii) pool scrubbing, iv) fission product transport and behavior in the buildings, and v) uncertainty analysis and variant calculations. Significant progress has been made in these five topics in the ARC-F project. In this paper, background is given for choosing these topics for specific investigations based on the outcome of the BSAF project. The topics are described and the approach to study them in the ARC-F given along with some exemplary, preliminary results. Finally, the readers' attention is drawn to open issues which are not included in the ARC-F work scope and could need further attention.
Pellegrini, M.*; 内藤 正則*; 三輪 周平
2022年度連携重点研究成果報告書(インターネット), 7 Pages, 2022/00
本共同研究では、東京電力福島原子力発電所(1F)事故を受けて明らかとなった不確かさが大きいと考えられる核分裂生成物(FP)移行挙動を対象として検証、妥当性確認と不確かさ定量化(VVUQ)手法を検討し、CFDコードを利用したシビアアクシデント(SA)総合解析コードの改良とその不確かさの定量化方法の具体化に繋げる。2022年度は、FP移行挙動、特に1F事故を受けて明らかとなった不確かさが大きいと考えられるセシウムと構造材料との反応とプールスクラビング挙動等を対象として、複雑な条件における挙動を解析できるようにFP移行挙動評価技術の高度化として、SA総合解析コードに新たなモデルを導入し、今後の改良に向けた課題を抽出した。
Rizaal, M.; 三輪 周平; 鈴木 恵理子; 井元 純平; 逢坂 正彦; Goullo, M.*
ACS Omega (Internet), 6(48), p.32695 - 32708, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:13.70(Chemistry, Multidisciplinary)This paper presents our investigation on cesium and iodine compounds revaporization from cesium iodide (CsI) deposits on the surface of stainless steel type 304L, which were initiated by boron and/or steam flow. A dedicated basic experimental facility with a thermal gradient tube (TGT) was used for simulating the phenomena. The number of deposits, the formed chemical compounds, and elemental distribution were analyzed from samples located at temperature range 1000-400 K. In the absence of boron in the gas flow, it was found that the initial deposited CsI at 850 K could be directly re-vaporized as CsI vapor/aerosol or reacted with the carrier gas and stainless steel (CrO layer) to form CsCrO on the former deposited surface. The latter mechanism consequently gave a release of gaseous iodine that was accumulated downstream. After introducing boron to the steam flow, a severe revaporization of iodine deposit at 850 K occurred (more than 70% initial deposit). This was found as a result of the formation of two kinds of cesium borates (CsBO5HO and CsBO4HO) which contributed to a large release of gaseous iodine that was capable of reaching outlet of TGT ( 400 K). In the case of nuclear severe accident, our study have demonstrated that gaseous iodine could be expected to increase in the colder region of a reactor after late release of boron or a subsequent steam flow after refloods of the reactor, thus posing its near-term risk once leaked to the environment.
塩津 弘之; 伊藤 裕人*; 杉山 智之; 丸山 結
Annals of Nuclear Energy, 163, p.108587_1 - 108587_9, 2021/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)In the late phase of severe accident in light water reactor nuclear power station, re-mobilization of fission products (FPs) has a significant impact on the source term because most portion of FPs is retained in reactor coolant system and/or containment vessel. Recently, VERDON-2 experiment showed noticeable re-vaporization, which was one of the re-mobilization phenomena, of iodine under air ingress condition, but this mechanism has not been identified yet. The present study numerically investigated the FPs behaviors in VERDON-2 experiment with the mechanistic FPs transport analysis code incorporating thermodynamic chemical equilibrium model in order to further understand nature for FPs behavior, especially iodine re-vaporization under air ingress condition. Consequently, this analysis reproduced the deposition profile of cesium, one of important FPs in the source term, along the thermal gradient tube (TGT) in the experiment, which revealed that cesium was transported as CsOH in early phase of FP release from fuel, and then formed CsMoO and CsTe after the release of molybdenum and tellurium was activated. Regarding iodine as another important FP, formation of CsI was predicted in steam condition. The CsI was transported and partly deposited and condensed onto the TGTs and other components of the VERDON facility. Under the air ingress condition, the present analysis showed the agreement for iodine re-vaporization in the experiment and revealed its mechanism; the deposits of iodide were chemical re-vaporized as molecular iodine (I) gas by redox reaction with competitive elements such as molybdenum, chromium and tellurium.
Rodriguez, D.; Abbas, K.*; 小泉 光生; Nonneman, S.*; Rossi, F.; 高橋 時音
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1014, p.165685_1 - 165685_10, 2021/10
被引用回数:4 パーセンタイル:54.40(Instruments & Instrumentation)Under the MEXT subsidy on research for improving nuclear security related development, we designed the Delayed Gamma-ray Californium Test (DGCT) instrument. From He-3 count-rate experiments performed in collaboration with the European Commission Joint Research Centre, we show the effective neutron flux entering the sample space. Further, we show delayed gamma-ray spectra of both U and Pu samples as well as a comparison to the background from Cf activation of the environment. Finally, we make comparisons to earlier spectra obtained using PUNITA, including relative fission capability, spectral signature, and mass correlations.