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瀧谷 啓晃; 門脇 春彦; 松嶌 聡; 松尾 秀彦; 石山 正弘; 荒谷 健太; 手塚 将志
JAEA-Technology 2020-001, 76 Pages, 2020/05
日本原子力研究開発機構新型転換炉原型炉施設「ふげん」(以下、「ふげん」という。)は、約25年間の運転を経て、2008年2月12日に廃止措置計画の認可を取得し、廃止措置に移行して解体作業を進めている。「ふげん」は、減速材として重水を使用しており、原子炉の運転に伴って重水素による中性子の吸収によってトリチウムが生成・蓄積されているため、炉心本体, 重水系及びヘリウム系はトリチウムによって汚染されている。これらの設備の解体撤去に先立ち、環境へのトリチウムの放出量及びトリチウムによる内部被ばくリスクを低減するとともに、作業性を確保するため、廃止措置の第一段階である「重水系・ヘリウム系等の汚染の除去期間」の作業の一環として、これらの設備のトリチウム汚染を除去する作業を2008年度から開始し、2017年度に完了した。本報告書では、炉心本体, 重水系及びヘリウム系のトリチウム汚染の除去作業に当たって作業方法や作業の進捗管理等を検討し、実証した結果を報告する。
吉田 陽一*; Yang, J.*; 近藤 孝文*; 関 修平*; 古澤 孝弘*; 田川 精一*; 柴田 裕実*; 田口 光正; 小嶋 拓治; 南波 秀樹
JAEA-Review 2005-001, TIARA Annual Report 2004, p.183 - 185, 2006/01
シングルフォトンカウンティングシステムを用いて重イオンパルスラジオリシス技術を開発した。このシステムでは、溶液試料入射前に置かれた薄膜シンチレータにイオンを照射した時にシンチレータから発した光を溶液試料中に生成する初期活性種の検出光源として用いた。このシステムを用いて水中における水和電子の時間過渡吸収の測定が達成でき、これにより本技術の有用性が示された。
横山 須美; 野口 宏; 一政 祐輔*; 一政 満子*
Journal of Environmental Radioactivity, 71(3), p.201 - 213, 2004/01
被引用回数:11 パーセンタイル:24.12(Environmental Sciences)核融合施設では、大量のトリチウムを扱うため、周辺の公衆の被ばく線量評価を行ううえでは、施設から放出されたトリチウムの環境中での挙動を調べておく必要がある。特に施設から放出されたトリチウムが土壌に沈着した後、再放出される過程については、あまりデータが得られていないことから明らかにしておく必要がある。本報告書では、特にトリチウム水(HTO)の土壌からの再放出を調べるために、HTOの代わりに重水(HDO)を用いて、土壌に沈着したHTOの再放出過程を模擬した野外実験を行った結果について報告する。実験には、ビニールハウス内でHDOに上面をばく露した土壌(ばく露土壌)及びあらかじめ重水を均一に混合した土壌(重水混合土壌)を用い、土壌を薄く分割して、任意の時間ごとにこれらの土壌水分中HDO濃度の深さ分布の時間変化を調べた。その結果、ばく露土壌及び重水混合土壌の両方の表層土壌水分中重水濃度の低下が著しいものの、ばく露土壌の方が重水混合土壌に比べて、低下割合が大きかった。さらに、交換,蒸発及び拡散過程を考慮した簡易なHTO環境移行モデルを用いて本実験結果の解析を行った結果、モデルは比較的実験結果と良い一致を示すことがわかった。
中野 正弘; 有金 賢次; 大川 浩; 鈴木 武; 岸本 克己; 照沼 章弘; 矢野 政昭; 桜庭 直敏; 大場 永光
JAERI-Tech 2003-072, 92 Pages, 2003/08
JRR-2の解体計画及び第3段階前半までの解体工事の実施内容,放射性廃棄物発生量及び放射線業務従事者の被ばく等についてまとめた。JRR-2は我が国最初の汎用研究炉として、昭和35年10月に初臨界を達成以来、原子力の研究・開発に利用されてきたが、原研の「長期事業計画」(平成8年1月)に基づき平成8年12月に原子炉を永久停止し、平成9年5月原子炉の解体届を提出した。解体工事は、平成9年度から平成19年度までの11年間を4段階に分けて実施し、第4段階で原子体を一括撤去した後残存する原子炉建屋等を有効利用する計画で、平成9年8月工事を開始した。第1段階の原子炉の機能停止措置等は平成10年3月に、第2段階の原子炉冷却系統施設の系統隔離及び原子炉本体の密閉等は平成12年2月に、第3段階前半のトリチウム等の除染試験等は平成14年3月にそれぞれ計画どおり終了した。現在、平成15年度末終了の計画で、第3段階後半の原子炉冷却系統施設等の撤去工事を実施している。
松下 明*; 山本 哲哉*; 松村 明*; 能勢 忠男*; 山本 和喜; 熊田 博明; 鳥居 義也; 樫村 隆則*; 大竹 真一*
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.141 - 143, 2002/09
1998年よりJRR-4で実施されてきた熱/熱外混合中性子ビームである熱中性子モードIをホウ素中性子捕捉療法に11回使用してきた。より深い腫瘍の治療のため、次の術中BNCTより熱外中性子を使用することを検討している。本研究では熱中性子モードIのカドミニウムシャッタを挿入することによって作られる熱外中性子モード(Epi-12モード)の医療への適用性と安全性を調査した。その結果、Epi-12モードの速中性子混入率の減少は、BNCT、特に術中BNCTに対して優位性があることがわかった。なぜなら、速中性子は正常組織に直接作用するため、BNCTの制限値の1つであるからである。さらに、Th-12とEpi-12モードを混合させることで、線量分布に変化させることができることがわかった。これは個々の腫瘍に対して最適な線量分布に制御する新しい方法として期待される。
吉島 哲夫; 田中 純利; 根本 傳次郎
JAERI-Tech 98-052, 69 Pages, 1998/11
研究炉部では、3基の研究炉を運転管理し、減速材、冷却材及び反射材として使用するために約41トンの重水を保有している。これらの重水は、米国、カナダ及びノルウェーから輸入している。このうちのカナダから輸入した重水は、日加原子力協定において国際規制物質としての管理が義務付けられていることから全ての重水は国際規制物質に準じた方法で厳密な計量管理を実施している。本報告書は、各炉での在庫量の変動と重水の計量管理等についてまとめたものである。
横山 須美; 野口 宏; 福谷 哲; 一政 満子*; 一政 祐輔*
Fusion Engineering and Design, 42, p.141 - 148, 1998/00
被引用回数:3 パーセンタイル:31.63(Nuclear Science & Technology)ITERのような核融合実験炉において、公衆の被ばく線量を評価するうえで、トリチウムが重要な核種となる。このような施設から、事故的に、大気中へトリチウム水が放出された場合、トリチウム水の土壌への沈着及び大気への再放出過程が重要となる。これらの過程を模擬するために、HTOのかわりに重水を用いて野外実験を1995年11月と1996年8月に行った。重水水蒸気を放出したビニールハウス内で、土壌試料をばく露した後、重水汚染のない場所に移し、所定の時間(最大31時間)置き、土壌水分中重水濃度の時間変化及び土壌沈着重水の再放出率を調べた。この結果1995年の実験では、再放出開始直後の濃度は、表層0-0.5cmが最も高く、深さが深くなるにつれて指数関数的に減少した。また、土壌沈着重水の再放出率は、再放出開始直後に22%/hと最も高く、時間とともに低下し、水分の蒸発率とは異なる時間変化を示した。
横山 須美
プラズマ・核融合学会誌, 73(12), P. 1354, 1997/12
トリチウムの代わりに重水を用いた野外実験において、土壌沈着重水の大気への再放出を調べた結果をまとめたものである。トリチウム水(HTO)が大気へ放出された場合、土壌への沈着及び再放出は公衆被ばく線量を評価する上で重要である。実験では、重水を土壌試料にばく露し、ばく露時間及び再放出開始時間(日中または夜間)が土壌水分中重水濃度の深さ分布及び再放出率の時間変化にどのような影響を与えるかを調べた。この結果、重水ばく露終了直後の土壌水分中重水濃度は深さ方向に指数関数的に減少すること、ばく露時間が短い方が重水濃度分布の勾配が大きいこと、再放出率は、日中か夜間に開始したかに関係なく、初期に最も高くなること、このときの再放出率は、ばく露時間が短く、日中に再放出を開始した方が大きくなること等がわかった。
野口 宏
日本原子力学会誌, 39(11), p.915 - 916, 1997/00
特集「トリチウムの影響と安全管理」の第2章である。本特集の基礎情報として、環境中トリチウムの発生源である天然、核実験、医療・産業・研究、原子力等を起源とするトリチウムのインベントリと発生量をまとめた。大気中核実験起源のトリチウムは環境中トリチウムの最大の発生源であったが、年々そのインベントリは減少している。医療や産業起源のトリチウム発生量は少ないと考えられる。将来的には原子力利用に伴うトリチウムの割合が増加する可能性があるが、ITERは大量のトリチウムインベントリを有するものの、平常時の環境への放出量は他の原子力施設に比べて大きくなることはないと考えられる。
N.Suparit*; 吉島 哲夫; 田中 純利
JAERI-Tech 95-001, 60 Pages, 1995/02
研究炉部では、現在3基(JRR-2、JRR-3M、JRR-4)の研究炉が運転されている。各研究炉の水・ガス管理は、研究炉技術開発室で実施している。水化学管理は、重要な項目で、主たる目的は、燃料要素や冷却系統の腐食防止並びに放射線レベルの制御による放射性廃棄物の低減化である。本報告書では、各研究炉の施設の概要と水化学管理で必要とする放射化学分析方法及び化学分析方法について記述した。
JRR-2管理課
JAERI-Tech 94-014, 279 Pages, 1994/08
JRR-2は昭和35年10月1日、初臨界に達して以来、30年以上にわたり、原子力用燃料・材料の照射試験、RIの生産、中性子ビームを利用した中性子回折実験、医療照射(BNCT)等原子力における研究・開発の広範な分野に利用されてきた。この間、熱遮蔽軽水系への重水漏洩をはじめとする種々のトラブルが発生したが、その都度、その当時の最新技術を駆使し、関係者の努力により一つ一つ解決し、このような長期にわたる利用運転を可能にしてきた。しかし、平成6年4月、経年劣化等を考慮し、短期間利用運転へと運転形態を変更した。この節目の時期にあたり、JRR-2における30年以上にわたる運転管理、保守整備、改造及び利用についての成果をまとめた。
小菅 征夫; 入子 真規*; 大西 信秋
JAERI-M 89-120, 48 Pages, 1989/09
反応度投入事象解析コードとしては、EUREKAおよびそれを改良したEUREKA-2などが知られているが、これらは軽水炉用に開発されたもので、熱水力学的物性値や動特性定数で異なる重水減速・冷却型原子炉には厳密には適用できない。また使用している熱伝達相関式などから、一般に常温・常圧の研究用原子炉へそのまま適用するには問題が生じる。反応度投入事象解析コード・EUREKA-2Dは、これらの問題を解決するために、EUREKA-2を常温・常圧の重水減速・冷却型研究用原子炉に使用できるように改造したものである。本報告書は、コードの特徴と改造内容および本コードを用いて重水減速・冷却型研究用原子炉であるJRR-2の安全評価のために行った解析例について述べる。
岩崎 又衛*; 作花 哲夫*; 大橋 成介*; 松下 寛*; 横山 淳; 鈴木 和弥
Journal of Physical Chemistry, 93(13), p.5139 - 5143, 1989/00
被引用回数:6 パーセンタイル:31.96(Chemistry, Physical)クロロホルム相と水相の二液相系でのCHClとDO間水素同位体交換反応の速度を研究した。実験結果は、水とクロロホルムの両相間移動と水相におけるCHClとDO間水素同位体交換反応の二つのステップを経て反応が進むというモデルにより説明が出来た。26Cでのクロロホルムの相関移動速度定数および水相における水素同位体交換反応速度定数は、それぞれ0.1070.003m・sおよび0.2310.013L・mol・sと求まった。
伊勢 武治; 丸尾 毅; 宮坂 靖彦; 成田 秀雄*
JAERI-M 86-155, 35 Pages, 1986/11
JRR-3改造炉において、原子炉再起動時の中性子源となり得る光中性子に因る炉心出力分布を評価した。原子炉停止時のガンマ線強度はORIGENコ-ドを用いて、炉心囲りのガンマ線分布はDOTコ-ドを用いて求めた。このガンマ線が反射体のベリリウム及び重水に衝突するときに発生する光中性子に因る炉心出力分布はCITATIONを用いて求めた。
木下 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(4), P. 378, 1986/00
被引用回数:1 パーセンタイル:55.60(Nuclear Science & Technology)先に公開された、多段型水-水素間同位体交換塔のシミュレーション手法においては、ヤコビ行列が対角要素が1に近くて非対角要素の絶対値が1に比べて充分に小さいという特徴を有するよう、独立変数と残余関数の選定に工夫がなされていた。そのため、Newton-Raphson法を厳密に適用する必要はなく、はじめに計算したヤコビ行列の逆行列をすべてのくり返しステップで使うことにより、容易に収束解が得られる。即ち、ヤコビ行列及びその逆行列の計算はたった1回必要なだけであり、なんらの擬Newton法(例えば、Broyden法)も必要としない。本報は、以上のことを数値実験によって検証し、前報に比べて大幅に計算時間が短縮することを示した速報である。
青柳 長紀; 金杉 克正*; 岡 芳明*; 坂野 和雄; 山本 章
JAERI-M 85-206, 60 Pages, 1985/12
重水タンクと炉心反射体の改良により、JRR-4サーマルコラム室に純熱中性子照射場をつくるため核設計計算を行った。輸送計算コードANISN,DOTによる1次元および2次元のパラメー夕・サーベイ計算の結果、次の点があきらかとなった。(1)熱炉心とサーマルコラム室の間の軽水層をできるだけ取り除く。そのため重水タンクと炉心反射体をできるだけ大きくする。(2)中性子照射場のガンマ線量率を下げるため、サーマルコラム室の炉心側前面に15cm程度のビスマス遮蔽体を設ける。この結論は、純熱中性子照射場の設計に生かされた。1次元計算では、改良案の熱中性子束は810n/cm・secガンマ線混入率は、0.5%以下となる。
近藤 忠美; 吉島 哲夫; 重本 雅光; 田中 純利; 飯田 省三; 山本 章
JAERI-M 85-039, 26 Pages, 1985/03
前報では、JRR-3一次冷却重水系の汚染状況の把握と実験室規模でのCAN-DECON法の有効性について検討した。本報告書では、ループテストによるCAN-DECON法の実験結果について検討した。実験の目的は次の通りとした。(1)アルミニウム材の溶解に関する評価、(2)ステンレス配管の除染評価、(3)イオン交換樹脂による除染剤の除去に関する有効性の評価。実験の結果、アルミニウムとステンレス鋼は溶解に関して問題のないことがわかった。また、スレンレス鋼の平均除染係数は、ウランが約10、プルトニウムが約5であった。除染剤と溶出イオンは陰イオン交換樹脂と温床イオン交換樹脂でほぼ完全に除去できた。CAN-DECON法は汚染されたステンレス配管から、ウラン、プルトニウムおよび核分裂生成物の除去に効果的であることがわかった。
安藤 弘栄; 井川 博雅; 吉村 和美*; 大西 信秋
JAERI-M 85-019, 40 Pages, 1985/02
本報告書は、JRR-3改造炉の安全評価解析のうち、熱伝導解析コードHEATING5を用いて解析した「炉心流路閉塞事故」及び「重水流量喪失」の解析結果について述べたものである。「炉心流路閉塞事故」の解析においては、最も過酷な条件である1流路完全閉塞の場合においても、燃料芯材最高温度はホットスポットにおいて約150Cであり、最小DNBRは1.0を下まわらないことを確認した。また、「重水流量喪失」の場合には、熱交換器による重水の除熱を無視しても、重水タンク内の重水の温度上昇は、最大約94Cであり、飽和温度を下まわることを確認した。
木下 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 22(5), p.398 - 405, 1985/00
被引用回数:6 パーセンタイル:64.28(Nuclear Science & Technology)本報は、疎水性触媒を用いた重水濃縮用の多段型水-水素間同位体交換塔の1つのシミュレーション手法を与えるものである。HO,HDO及びDOに対するマーフリー形の効率が、シーブトレイ部において考慮されている。反応H+D2HDの交換速度はきわめて速く、触媒ベッド出口で平衡に達しているものと仮定し、HO(g)とDO(g)に対して定義した触媒効率が、H+HDO(g)HD+HO(g)とH+DO(g)D+HO(g)なる反応について考慮されている。これらの効率は、シミュレーションの入力として取り扱われている。主計算ループは、ニュートン・ラフソン法に基づいているが、ヤコビ行列の次数は、シーブトレイの数に等しいに過ぎない。
木下 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(4), p.299 - 307, 1984/00
被引用回数:5 パーセンタイル:51.01(Nuclear Science & Technology)抄録なし