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木名瀬 栄; 高木 俊治*; 野口 宏; 斎藤 公明
Proceedings of 11th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2004/05
原研では、これまで、被検者の体格や臓器形状はもとより体内放射能分布を任意に設定可能とするボクセルファントムを用いた全身カウンタの数学的校正手法を開発した。本研究では、原研で校正に利用している水ブロックファントムをボクセル化したもの,日本人成人男性,成人女性のCT画像から構築したOtoko,Onagoボクセルファントムについての全身カウンタ応答を計算評価するとともに、計数効率曲線の相違について比較検討した。また、ボクセルファントムを用いた全身カウンタの数学的校正手法の妥当性を検証するため、水ブロックファントムについての全身カウンタの応答及び計数効率を実測評価した。その結果、実測により得られた計数効率は、水ブロックファントムに含有する放射能の不確かさ(18%)を起因とした誤差が大きいこともあるが、Cs137,K40いずれも計算結果と最大8%の誤差の範囲内で一致し、評価手法の妥当性が検証された。また、Otoko,Onagoボクセルファントムの計数効率は、水ブロックファントムの計数効率より最大1.7倍大きくなることがわかった。
木名瀬 栄
JAERI-Research 2003-011, 104 Pages, 2003/05
本研究では、計算シミュレーションによる体外計測装置の数学的校正手法を開発した。これにより、被検者について多種多様な人体形状,放射能分布を模擬することが可能となり、体外計測装置による体内放射能評価を高精度化することができる。数学的校正手法の拡張として、計算シミュレーションによる体外計測装置の計数効率曲線を評価する方法を開発し、計数効率における散乱線の影響を定量的に明らかにするとともに、体外計測装置校正にかかわる体格依存性補正法を開発し、体表面積を補正因子とした体格依存性補正式を提案した。また、本研究では、体外計測装置による体内放射能評価の不確かさについて解析し、体内放射能評価の不確かさにおいて、体内放射能分布による体外計測装置計数効率の変動, 計測装置による測定の統計誤差が大きく影響することを示した。さらに、半導体検出器による体外計測装置の高精度化について検討を行い、ゲルマニウム半導体検出器のピーク効率曲線の評価法,ゲルマニウム半導体検出器とNaI(Tl)シンチレーション検出器のそれぞれの長所をいかした体外計測装置,ゲルマニウム半導体検出器を用いた全身カウンタの具体的設計案を提案し、数学的校正手法の有効性を示した。
山本 哲哉*; 松村 明*; 山本 和喜; 熊田 博明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 遠藤 聖*; 松下 明*; 吉田 文代*; 柴田 靖*; et al.
Research and Development in Neutron Capture Therapy, p.697 - 700, 2002/09
ホウ素中性子捕捉療法を実施するに当たり、各元素に対する生物学的効果比(RBE)は重要である。原研のJRR-4の中性子ビーム設備において、各ビームスペクトル毎のRBEをそれぞれ測定した。実験は、細胞実験による細胞生存率を評価して行った。熱外中性子ビームモード及び、熱中性子ビームモード1、及び2のホウ素のRBEはそれぞれ、3.990.24,3.04
0.19,1.43
0.08という結果を得た。実際のBNCTの臨床成績を評価するために、今後もさまざまなビームスペクトルでの細胞実験及びファントムによる細胞実験を重ねるものである。細胞実験から得られたそれぞれのビームに対するRBEとその特徴について報告する。
研究炉部
JAERI-Conf 95-006, 207 Pages, 1995/03
本報文集は平成5年度JRR-3M中性子ラジオグラフィ研究会において行われた講演を基に、それぞれの研究者が執筆した論文を収録したものである。本研究会は平成6年2月3、4日に開催された。研究発表16件、参加者46名であった。今回の研究会の特徴は研究発表の増加とともに新分野における応用の提案、および中性子ラジオグラフィ技術への新たな試みがなされたことである。外国における中性子ラジオグラフィの研究が2件紹介された。また、特別講演も1件招待した。
浅野 雅春; 吉田 勝; 大道 英樹; 岡部 和彦*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 鈴木 慶二*; 森本 正規*; 榊原 秀雄*
Pharm. Sci., 1, p.433 - 435, 1995/00
機能材料の一つとして生分解性をもつD,L-乳酸ポリマーを合成した。このポリマーのin vivoでの分解パターンは、分子量の増加とともに放物型からs-字型へと変わることが確かめられた。次に、骨粗鬆症の治療薬として知られているうなぎカルシトニンの合成アナログの一つを乳酸ポリマーと混ぜ合わせ針状に成形した。放物型の分解パターンをもつMn=1400のポリマーからの薬物のin vivo放出は1週間で完結した。これに対し、5週の実験期間を通じ、15units/dayの一定の放出が、Mn=200からなるs-字型分解パターンをもつポリマー系で観察された。また、Mn=4400からなるポリマーでは、Mn=2000のポリマーに比べ、初期におけるより長い誘導期間の出現のため、薬物の放出が初期で著しく抑制された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 大道 英樹; 山中 英寿*
膜, 17(4), p.216 - 227, 1992/07
ポリマー主鎖中にアミド結合(-NHCO-)あるいはエステル結合(-COO-)をもつポリペプチド, ポリオキシ酸, ポリラクトン, ポリデプシペプチドなどの生体分解性ポリマーを合成し、それらのポリマーの分解特性(生体内での)を検討した。また、制癌薬, ホルモンなどの薬物とポリマーを複合化する技術の確立、さらに得られた複合体からの薬物のin vivo放出制御、そして埋入型複合体の性能評価についても検討した。本研究は、それらの研究成果を「総説」としてまとめたものである。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 12, p.433 - 437, 1991/05
被引用回数:34 パーセンタイル:84.00(Engineering, Biomedical)16900~41300の重量平均分子量(Mw)をもつ無定形ポリ(L-ラクチド-Co-グリコライド、70:30mol%)を触媒の存在下開環重合によって調製した。この場合、分子量は分子量調節剤(ラウリルアルコール)を用いてコントロールした。このポリマーのin vivo分解パターンはS-型を示す。前立腺治療薬をMw=24000のポリマー中に包括し、in vivo分解とin vivo放出の関係を調べた。その結果、ポリマーからin vivoにおいて放出した薬物の累積放出量はポリマーの分解パターンとよく対応することが分かった。
今坂 一道*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 山中 英寿*; 永井 恒司*
Int. J. Pharm., 68, p.87 - 95, 1991/00
ワックス状生分解性コポリエステルを無触媒下において、-カプロラクトン(CL)と
-バレロラクトン(VL)の直接脱水縮合によって合成した。コポリエステルはホモポリマーよりも加水分解を受けやすい。この場合、分解は、エステラーゼ酵素作用によって著しく加速される。前立腺癌治療薬のひとつであるエストラマスチンをコポリ(CL/VL、92/8mol%)中に圧融着法によって分子分散させ、針状に成形加工した。この複合体針からの薬物のin vivo放出速度は、実験期間(最大20週)を通して一定であった。これはポリマーの分解が律速のためと考えられる。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
J. Biomed. Mater. Res., 25, p.315 - 328, 1991/00
被引用回数:17 パーセンタイル:56.97(Engineering, Biomedical)グリコール酸(GA)とラクトン(BL:-グチロラクトン、VL:
-バレロラクトン、CL:
-カプロラクトン)からなる低分子量ポリエステルを無触媒系の縮合反応によって合成し、ドラッブデリバリーシステムへの生分解型ポリマーとしての用途を検討した。85mol-%GA含有ポリマー(Mn=2900
100)は、いずれの系においても、結晶・固体で放物線型のin vivo分解パターンを示した。これに対し、非結晶・ペースト状ポリ(GA/CL、50/50mol-%)のin vivo分解パターンは、ポリマーの分子量が増加すると、放物線型
直線型
S-字型へと変化した。[Leu
、des-Gly
]-LHRHエチルアミド(前立腺癌治療薬)を、これらのポリマー中に包括し、担体のin vivo分解過程での薬物の放出挙動および薬理効果について、ウイスター系ラットを用いて検討した。放物線型分解パターンをもつポリマー系からの薬物の放出は初期にバースト現象がみられた。しかし、このバースト現象は、S-字型のそれぞれでは、著しく抑制された。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Drug Des. Delivery, 5, p.301 - 320, 1990/00
1400-16900の数平均分子量(Mn)をもつDL-乳酸ポリマー(PLA)を合成し、それのin vivo分解パターンを動物の背中皮下に埋め込むことによって調べた。Mnが1600以下のPLAでは、その分解パターンは放物線型で、Mn=2000以上になると分解に誘導期を示すS-字型になることが分かった。この場合、S-字型分解パターンに見られる誘導期はMnに強く依存し、Mnが大きくなると、より長期間になる傾向を示した。これらのポリマー担体に薬物を包括し、担体のin vivo分解パターンと薬物のin vivo放出パターンの関係および動物の前立腺におよぼす薬理作用についても調べた。放物線型のin vivo分解パターンをもつPLAの場合、薬物のin vivo放出は数週間以内で殆ど完結した。これに対し、S-字型のそれは、初期段階にみられる薬物の急激な放出を抑制できることが判明した。結果的に、最も強い薬理効果はMn=2000のPLA系で12週の期間にわたって観察された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(1), p.29 - 33, 1990/00
被引用回数:10 パーセンタイル:48.95(Polymer Science)32-67%の結晶性をもつpoly(-プロピオラクトン)(PL)を種々の有機溶媒系を用いて低温放射線固相重合によって合成した。この場合、結晶性は、有機溶媒の種類もしくは己の量をかえることによってコントロールできる。このポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、生体酵素作用によって分解を受ける。このような分解は、ポリマーの結晶性に強く依存し、結果的に結晶性の減少が分解を加速する。in vivo実験系において、20週埋入後のポリマーの分解率(y)と結晶性(x)の関係は、直線となり、そこでの回帰曲線はy=1.701x+120.6(
=0.985)になることが分った。
今坂 一道*; 永井 恒司*; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
Makromol. Chem., 191, p.2077 - 2082, 1990/00
L-乳酸(LA)と芳香族オキシ酸を無触媒下で直接脱水共縮合させ、共重合性とin vitroでの分解性を検討した。H-NMRとGPCのデーターから、反応が定量的に進行することが分かった。しかし、得られたコポリエステルの分子量は一般的に低い値を示した。LAとp-オキシフェニルプロピオン酸のコポリマーの場合、in vitro分解パターンは、ポリマー中の芳香族オキシ酸組成の増加に伴い、放物線型からS-字型に変化した。これに対し、p-オキシフェニル安息香酸もしくはp-オキシフェニル酢酸のような芳香族オキシ酸を含むコポリエステルでは、放物線型分解パターンのみを示した。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Journal of Controlled Release, 10, p.293 - 303, 1989/00
Mn=1500-2600のCopoly(L-lactic acid/-valerolactone)(copoly(LA/VL))をDDSのための生分解性担体として用いるため、無触媒下で直接脱水縮合によって合成した。LA組成を関数として、固体状(100-80mol-%LA)、ペースト状(70-30mol%LA)、そしてワックス状(15-0mol-%LA)ポリマーを得た。Rhizopus delemer lipaseは最も高い分解活性を示した。この場合、ペースト状ポリマーの分解速度は、固体、ワックス状ポリマーのそれより著るしく速い。estradiol-17
のnitrogen mustard誘導体であるestramustineをMn=2500をもつcopoly(LA/VL、70/30mol-%)(ペーストポリマー)の中に均一分散固定した。この系は、in vivo実験系において、埋入から5週目で完全分解消失する。rat prostateにおよぼす薬理作用は、5週の期間にわたって観察された。
福崎 裕延*; 饗庭 喜和*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔
Makromol. Chem., 190, p.2407 - 2415, 1989/00
200C、解媒不存在下で直接脱水重縮合させたL-乳酸(LA)ホモポリマーは結晶性であるのにたいし、DL-マンデル酸ポリマー(MA)のそれは非晶性であった。コポリ(LA/MA)は、15-100mol-%MA組成範囲において非晶性である。これらのホモポリマーのin vivo分解メカニズムは、ホモポリ(LA)がparabola-type分解パターンを示した。しかし、ホモポリ(MA)は、15週の実験期間を通じて分解をおこさなかった。一方、コポリマー系の場合、分解メカニズムは、特徴的なS-type分解パターンになることが分った。この場合、S-type分解パターンは、誘導期間の出現(マトリックスの分解を伴わない初期表面膨潤のみ)、次いで膨潤した部分のマトリックスの主鎖切断によって生じたオリゴマーの溶解・分解と続くことによって特徴づけられる。このような現象はポリマーに含まれている疎水性の側鎖基であるフエニル基の性質に起因している。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 今井 強一*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*; 若林 克己*; 山崎 巖*
Polym.J., 18(4), p.287 - 296, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:51.57(Polymer Science)低温放射線注形重合法によって、疎水性diethylene glycol dimethacrylate/親水性polyethylene glycol #600 dimethacrylateからなる80/20 vol-%組成のメタクリル酸コポリマー中にdes-Gly-[D-Leu
]-LH-RH-ethlamideを包含する。上述の薬物は水に可溶である。一般にポリマー中に単純分散状態で包含されている薬物のin vitro放出パターンは時間を関数とした時、イクスポネンシャルな減少傾向を示す。本稿では、コポリマーからの薬物の放出に見掛け上zero-order mechanismを付与するため、薬物を錠剤化(加圧下)し、それの上下に適当なフィルター膜を重ね合わせ、さらにメタクリル酸コポリマーによって含浸包含することを試みた。例えば、Whatman No.1フィルター膜を用いた場合、複合体からの薬物のin vitro放出パターンは見掛け上zero-order mechanismをとり、250日間の試験期間にわたって16
g/dayの一定値を保持した。これはradioimmuno assayから測定したserum薬物濃度の値からも示唆される。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 片貝 良一*; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
生体材料, 4(2), p.65 - 75, 1986/00
3つのアミノ酸moietyと1つのオキシ酸moietyから成るAla-X-Ala-Glu(OEt)-Lac(X=Gly,Ala,Leu)とAla-Ala-Glu(OEt)-Y(Y=Hea,Lac,Hmp)のsuquential polydepsipeptideを合成した。加圧-加熱溶融処理した円柱状担体(1.6mm径、3.5mm長さ)のpoly(Ala-X-Glu(OEt)-Lac)をラットの背中皮下部に埋入した時のin vivo分離速度はアミノ酸moiety(X-moiety)の側鎖基(H基がGly,CH基がAla,CH
CH(CH
)
基がLeu)が大きくなるほど、すなわちGly
Ala
Leuの順に抑制された。同じような傾向は、Poly(Ala-Ala-Glu(OEt)-Y)のin vivo分解にも観察された。このタイプのオキシ酸(Y-mo;ety)の側鎖基はH基がHea,CH
基がLac,CH
CH(CH
)
基がHmpに相当する。一方、この研究に用いたpolydepsipeptideのin vivo分解はラットの埋入箇所によって著しく影響を受けることが分かった。さらに、エステラーゼ酵素、プロテアーゼ酵素を用いてpolydepsipeptideの酵素分解メカニズムを検討した。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 大屋 正尚*; 今井 強一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 山中 英寿*
高分子論文集, 42(10), p.783 - 791, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:22.19(Polymer Science)DL-alanine/-ethyl-L-aspartate[AlaAsp(OEt)]とDL-alanine/
-ethyl-L-glutamate[AlaGlu(OEt)]のランダムコポリマーをNCA法で調製ののち、150kg/cm
の圧力下で加熱溶融処理することにより高密度・高剛性の性質をもつ1.6mm径の円柱状成形物とした。これらのコポリマーの100% in vivo分解率は[AlaAsp(OEt)]
系で50mol-%Alaそして[AlaGlu(OEt)]
系で75mol-%Ala組成以上のところで、各々得られた。また、50mol-%Ala組成からなる[AlaAsp(OEt)]
に温度を変えて
線照射(3
10
rad)したところ、-196
C,-78
C,0
C,30
Cそして60
Cでのin vivo分解率(3W埋入時)はそれぞれ、33.6%,29.5%,18.9%,52.5%そして22.4%であった。この結果から、[AlaAsp(OEt)]
のin vivo分解率は30
Cの照射温度付近に極大値があることが分った。この照射温度によるin vivo分解率の違いを粘度,電顕観察,アミノ酸分析によって検討した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 鈴木 孝憲*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
Biomaterials, 4, p.33 - 38, 1983/00
被引用回数:17 パーセンタイル:68.03(Engineering, Biomedical)長期間にわたって緩徐な薬物溶出性能をもつ複合体を低温過冷却状態においてガラス化性モノマーの放射線重合によって試作した。複合体からのTSSのin vitro溶出はmatrix-controlled processに従うことが見出された。この場合、drug deliveryの速度は担体の親水性に依存し、含水率が増加するほど増加した。in vivo実験の場合、複合体は30日間の試験期間にわたって去勢したウイスター系ラットの背中の皮下に埋入した。TSSのin vivo速度はin vitroのそれに比べ抑制された。この抑制作用は担体の親水性とよく対応していることが分った。一方、ラットにおける生理学的機能はTSS包含複合体を用いて前立腺腹葉の重量およびserum中の薬物濃度を測定することにより検討した。前立腺腹葉の重量は薬物の溶出速度の増加に伴ない直線的に増加する傾向を示した。またserum中の薬物濃との間にもよい対応関係が認められた。さらに担体自体の生体適合性に関する評価も試みた。
浅野 雅春; 吉田 勝; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 志田 圭三*
高分子論文集, 40(9), p.525 - 530, 1983/00
被引用回数:5 パーセンタイル:38.18(Polymer Science)100kg/cmの圧力下で加熱溶触処理の後、
線照射した
-グロブリン担体をWistan系ラットの背中皮下に埋入した。この担体のin vivo分解は埋入開始から90日目で約1.9%であった。一方、0,0.005,0.01そして0.1W/V%のペプシン溶液を用いた時の担体の37
Cでのin vitro分解は媒液に浸漬してから90日目で各々1.2,31.4,45.7そして53.9%に達した。これらの結果に基づいて、テストステロンを加圧加熱溶触処理の後、
線照射した
-グロブリン中に複合化した。この場合、担体自体のin vivo分解は薬物の共存によって著しく加速され、90日目で57.4%にまで達した。薬物のin vivo溶出持続期間は本研究の場合、60日が限度であった。さらに、テストステロンのin vivo溶出と薬理作用の関係についても検討した。
吉田 勝; 浅野 雅春; 嘉悦 勲; 中井 克幸*; 山中 英寿*; 志田 圭三*; 鈴木 慶二*
医学のあゆみ, 122(2), p.103 - 104, 1982/00
テストステロン(T)含有ポリマーマイクロスフィア(PMS)を低温放射線サスペンジョン重合によって試作した。分散保護剤にPVAおよび-グロブリン(GB)を使用した。PMSの粒度分布をcoulter counterを用いて測定したところ、PVAを用いた時は150
m付近に極大値をもつ比較的シャープな粒度分布を示すのに対し、GB系では極大値が小粒子側に移り(90
m付近)、その分布はブロードであった。GB系におけるPMSからのTの溶出量は30日目でin vitroが19.8mg、in vivoが9.9mgであった。in vivoにおける薬物の溶出抑制は粒子表面に粘着した生体細胞によって拡散抵抗が増大したためと思われる。このPMSから放出されたTの生物学的作用(physiological response)は四中濃度および前立腺腹葉の重量変化を測定することにより検討した。その結果、本研究に用いたPMSは30日以上にわたる薬物の溶出性能と薬理作用をもっていることが分った。また、同時に素材の生体提合成についても評価を試みた。