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渡邊 和弘; 伊賀 尚*; 森下 卓俊; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 花田 磨砂也; 谷口 正樹; 今井 剛
Proceedings of 28th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.186 - 188, 2003/08
IFMIFでは、加速器入射部として100keV,155mA出力で原子イオン組成比が90%以上、規格化エミッタンスが0.2mm・mrad以下の高輝度重水素正イオン源が要求されている。原研では、イオン源の方式選択に向けて、アーク放電型イオン源とマイクロ波イオン源の開発を行い、性能の比較を行った。アーク放電型ではイオン引き出し部への高速電子流出を抑制する磁気フィルター配位やフィラメント形状を改良してプロトン比90%を得た。マイクロ波イオン源では、92%の高プロトン比をアーク放電型より3倍以上の放電効率で得られた。一方、エミッタンスは、マイクロ波放電型では0.35mm・mradであり、アーク型での値0.27mm・mradに比べて幾分大きいことなどがわかり、加速器への適用にはさらなる改善が必要なことがわかった。
柏木 美恵子; 奥村 義和; 花田 磨砂也; 森下 卓俊; 渡邊 和弘; 折田 善崇*; 堀池 寛*; 井門 俊治*
JAERI-Tech 2001-046, 19 Pages, 2001/06
負イオンビームを用いた中性粒子入射装置の高効率化にために、中性化効率が60%である現在のガス中性化セルに対し80%以上となるプラズマ中性化セルの開発が重要である。本研究ではプラズマ中性化セルの実現に向けて、アーク放電型の円筒形多極磁場型大容量プラズマ源(長さ2000mm直径600mm)を設計製作し、プラズマ生成実験を行った。プラズマの閉じ込め性能比較のために小型の円筒形プラズマ源での試験も実施した。その結果、閉じ込め性能の高いプラズマ源では低ガス圧で電離度の高いプラズマが得られることが確認され数値解析による傾向と一致した。さらに高電離プラズマ生成を目指してアルゴンプラズマ生成実験を行い、中性化実験に必要な電離度(10%)とプラズマ線密度(4.510cm)を得た。また、アークパワー30kW,0.027Paにおいて17%の電離度を得た。
伊賀 尚*; 奥村 義和; 柏木 美恵子
JAERI-Tech 2001-028, 16 Pages, 2001/05
原研では40MeV,250mAの重陽子ビームを発生する施設であるIFMIF(International Fusion Materials Irradiation Facility)用の高輝度イオン源の開発を進めている。このほど、熱陰極式の第1号機を開発し、ITS-2テストスタンドにおいて60keVまでのビーム光学を調べた。このイオン源は多極磁場型プラズマ源と4枚電極からなる2段加速系の引出し部から構成されている。イオンビームの等価質量を2.38(プロトン比30%)と仮定したビーム軌道計算結果は実験結果とよく一致した。最適パービアンス条件で得られたイオンビーム60keV/100mA Hは100keV/220mA H (155mA D)に相当し、ビーム光学を良好に保ったままIFMIF用イオン源の仕様を満足する大電流イオンビーム引出しの見通しを得た。
小栗 英知; 奥村 義和; 宮本 直樹*; 草野 譲一; 水本 元治
Review of Scientific Instruments, 67(3), p.1051 - 1053, 1996/03
被引用回数:1 パーセンタイル:23.44(Instruments & Instrumentation)原研では、加速エネルギー1.5GeV、平均ビーム電流10mAの性能を有する大強度陽子加速器の建設を計画している。本加速器を用いて中性子基礎科学実験を行うために、ビーム貯蔵リングを加速器後段に設ける必要がある。そのため当研究室では、負水素イオンビームを生成するイオン源の開発に着手している。現在開発中の負水素イオン源は、体積生成型と呼ばれるもので、少量のセシウムをプラズマ生成室内に導入することで、高密度の負水素プラズマを生成する。また、7個のビーム引き出し孔から引き出されるイオンビームを静電レンズ効果によって、ある一点に集束させるという比較的新しい技術を用いることで、高輝度のビーム引き出しを目指す。本イオン源は、既に製作を終え、間もなくビーム引き出し実験を開始する予定である。
奥村 義和; Fumelli, M.*; 花田 磨砂也; Jequier, F.*; Pamela, J.*; 渡邊 和弘
Fusion Technology 1992, Vol.1, p.594 - 598, 1994/00
セシウム添加型体積生成負イオン源を用いて、アンペア級の重水素負イオンビームの生成に成功した。負イオンは直径34cm、長さ129cmの半円筒形の多極磁場プラズマ源中で生成され、120cm6cmの領域に1cmの引き出し孔240個をもつ多孔型電極によって100keVまで加速された。加速された重水素負イオンビームは、狭い中性化セル(3m下流で幅13cm)を通過した後、ターゲットにおいて熱的に電流値が測定された。ビーム電流はアーク電流に比例して増加し、最大100keV、2.2A、5秒の重水素負イオンビームが得られた。これは重水素負イオンビームとして世界最高値である。
横田 渉; 奈良 孝幸; 荒川 和夫; 中村 義輝; 福田 光宏; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫; 立川 敏樹*; 林 義弘*; et al.
Proceedings of 13th International Conference on Cyclotrons and Their Applications, p.336 - 339, 1993/00
原研AVFサイクロトロンには2つのイオン源が設置されている。1つは重イオン生成用のECRイオン源(OCTOPUS)、他は軽イオン用のマルチカスプイオン源である。イオンの生成およびサイクロトロンへのビームの入射は1991年より始められた。主にH,D,He,Ar,ArおよびKrのイオンが生成され、サイクロトロンで加速されている。また、金属原素を含んだ物質で作ったロッドを直接ECRプラズマ中に入れる方法を用いて、金属イオンの生成を試みた。サイクロトロンへのビームの輸送効率は、ビームのエミッタンスや運動量の広がりに強く影響を受けるため、サイクロトロンのアクセプタンスとの関係が重要である。本論文では、これらのビーム特性とビームの輸送効率との関係、および金属イオン生成結果について報告する。
奥村 義和; 渡邊 和弘
JAERI-M 92-024, 23 Pages, 1992/03
技術開発用加速器と呼ばれる10MeV,10mA,CWの陽子加速器のためのイオン源を設計し、製作した。このイオン源は多極磁場型プラズマ源と2段加速系から構成され、極めて高輝度の陽子ビーム(100keV,120mA,エミッタンス0.5mm・mrad)を生成する。このイオン源の基本設計方針とビーム光学やプラズマ生成部の磁場配位、プロトン比、ガス効率等に関する計算結果について述べる。
荒川 和夫; 中村 義輝; 横田 渉; 福田 光宏; 神谷 富裕; 奈良 孝幸; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫; 田中 隆一; et al.
Proceedings of the International Conference on Evolution in Beam Applications, p.264 - 268, 1992/00
材料科学やバイオ技術等のR&Dに広く使用することを目的としてAVFサイクロトロン(K=110)を建設した。プロトンを90MeVまで加速するためにはディー電圧を60keV発生させることが必要であり、共振器をショート板方式に設計を変更した。重イオン用にECRを、軽イオン用にマルチカスプイオン源を採用し、外部からサイクロトロンにイオンを入射する方式とした。重イオンは炭素からキセノンイオン程度まで加速可能で、2.5M~110Z/M(MeV)(Z;荷電数,M;質量数)のエネルギー範囲が得られる。また、ゾームチョッパーによるシングルパルス照射及びビームスキャナーによる最大100100mmの面積まで均一照射が可能である。
渡邊 和弘; 荒木 政則; 大楽 正幸; 堀池 寛; 小原 祥裕; 奥村 義和; Pamela, J.*; 田中 茂; 横山 堅二
Review of Scientific Instruments, 62(9), p.2142 - 2145, 1991/09
被引用回数:4 パーセンタイル:55.30(Instruments & Instrumentation)半円筒型マルチカスププラズマ源において、陽子含有率95%のビームを生成した。このプラズマ源の大きさは、直径34cm、長さ129cmであり、陰極からの高速一次電子をプラズマ源内に強く閉じ込めるため、強い結合磁場配位が用いられた。この磁場配位により、プロトン比(陽子含有率)を低下させると考えられる一次電子のビーム引き出し部への漏れ出しが抑制され、上記の世界最高値のプロトン比が得られた。その時のビーム電流密度は175mA/cmで、動作ガス圧力は0.4Paであった。プロトン比はドップラーシフト分光法によって測定された。
荒川 和夫; 中村 義輝; 横田 渉; 福田 光宏; 神谷 富裕; 奈良 孝幸; 上松 敬; 奥村 進; 石堀 郁夫; 田中 隆一; et al.
Proc. of the 8th Symp. on Accelerator Science and Technology, p.34 - 36, 1991/00
JAERI AVFサイクロトロンは、プロトンを90MeVまで加速するためにRF共振器をショート板方式に設計変更するとともに、イオン源は重イオン用にECRを、軽イオン用にマルチカスプを採用し、外部入射方式とした。サイクロトロンは、昨年6月より据付を開始し、本年3月中旬にはファーストビームを得た。これまでにH,D,He,Ar,Ar,及びKrの各イオンの加速テストに成功した。ビームの最大透過率は8.2%、引出し効率は65%である。P型とS型チョッパーを用い、He50MeVイオンで1.4s~1.0msのパルス間隔でシングルパルスの引き出しに成功した。
奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 水野 誠; 小原 祥裕; Pamela, J.*; 鈴木 靖生*; 田中 秀樹*; 渡邊 和弘
Production and Application of Light Negative Ions, p.35 - 40, 1991/00
ソースプラズマの閉じ込めを改善した大型負イオン源にごく少量のセシウムを添加することにより、負イオン源の運転ガス圧を大きく低下させることに成功した。体積生成型負イオン源においては、負イオン電流値を最大にする最適な運転ガス圧が存在し、それ以下のガス圧では負イオン電流値は急激に減少してしまう。しかしながらプラズマの閉じ込めを改善し、かつ、セシウムを添加することにより、最適ガス圧を1~2Paから、0.4Pa程度に、また負イオン電流が70%低下することを許容すれば、0.03Paまで下げることが出来た。この超低ガス圧の領域では、対電は蒸発したごく少量のセシウムにより維持されていることがわかった。
奥村 義和; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 小島 啓明; 松田 恭博*; 渡邊 和弘
Proc. of the 13th Symp. on Ion Sources and Ion-Assisted Technology,I, p.149 - 152, 1990/06
体積生成型負イオン源の水素負イオン生成率は、ごく少量のセシウム蒸気を注入することによって大幅に高められる。この効果を、大型のマルチカスププラズマ源を持つイオン源を用いて詳細に調べた。その結果、この効果はプラズマ電極面上における負イオンの表面生成が主たる原因であることがわかった。
桜庭 順二*; 秋場 真人; 荒川 義博*; 河合 視己人; 田中 茂
Japanese Journal of Applied Physics, 21(2), p.325 - 330, 1982/00
被引用回数:6 パーセンタイル:39.20(Physics, Applied)短パルス中性粒子入射過熱装置用に、円形の多極ラインカスプ磁場つきイオン源を製作した。このイオン源から30keV、30Aの水素イオンビームを100msec間引き出す事ができた。イオン飽和電流密度分布は、18.5cm中の引出し電極面にわたって、5%の範囲で一様となった。放電電流が260A、放電電圧100V、イオン源内圧力3.5mTorrという、代表的な条件下で、放電アーク効率は1.2A/kWであった。0.23A/cmという電流密度で、70%を超えるプロトン比が得られた。