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木津 要; 土屋 勝彦; 島田 勝弘; 安藤 俊就*; 菱沼 良光*; 小泉 徳潔; 松川 誠; 三浦 友史*; 西村 新*; 奥野 清; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.872 - 875, 2006/06
被引用回数:1 パーセンタイル:12.06(Engineering, Electrical & Electronic)NbAl素線の臨界電流値(Ic)は歪みにより減少する。ケーブル・イン・コンジット導体(CICC)中の素線には熱歪みと曲げ歪みが加わる。しかしながら、JT-60定常高ベータ化計画のR&Dにおいてリアクト・アンド・ワインド法によって製作されたNb
Al-D型コイルにおいては、0.4%の曲げ歪みが印加されてもIcは減少しないことが見いだされている。これは、素線の曲げ歪みがケーブル効果により緩和したことを示唆している。CICCのIcに対する曲げの効果を評価するためには、素線に対する引張り・圧縮歪みの効果と、CICC中の素線の歪み緩和効果を調査する必要がある。そこで本研究では、素線及びCICCサンプルに引張り・圧縮歪みを印加できる装置を開発した。サンプルはベリリウム銅製のねじりコイルばね形状のサンプルホルダー表面に取り付けられ、ホルダーをねじることで歪みが印加される。CICCサンプルを取り付け可能とするために82mm径のサンプルホルダーを製作した。Nb
Al素線サンプルのIcを外部磁場6
12T,歪み-0.86%
+0.18%の範囲で測定することに成功した。外部磁場11T,歪み-0.86%でのIcは歪み0%の65%に減少することが見いだされた。
竹内 孝夫*; 田川 浩平*; 野田 哲司*; 伴野 信哉*; 飯嶋 安男*; 菊池 章弘*; 北口 仁*; 小菅 通雄*; 土屋 清澄*; 小泉 徳潔; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 16(2), p.1257 - 1260, 2006/06
被引用回数:6 パーセンタイル:37.64(Engineering, Electrical & Electronic)次期核融合炉では、16T以上の高磁場で大電流を流す導体が必要となる。急熱急冷変態法(RHQT)NbAl線は、2次熱処理前に撚線加工が行えるので、RHQT-Nb
Al CIC導体は、その有力な候補導体として考えられている。CIC導体で使用する丸線には、従来は、1900
C程度の1次熱処理でNb母材と反応しない銀を安定化材として使用していた。しかし、銀,Nbには放射化の問題があるため、タンタルを母材とし、安定化材として銅を使用する製造方法の開発を試みた。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 佐藤 正泰; 礒野 高明; 櫻井 真治; 中村 博文; 佐藤 聡; 鈴木 哲; 安堂 正己; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1151 - 1158, 2006/02
被引用回数:116 パーセンタイル:99(Nuclear Science & Technology)原研における発電実証プラント設計検討では、中心ソレノイド(CS)の機能に着目して3つの設計オプションを検討中である。これらのうち、主案はCSの機能をプラズマ形状制御に限定してコンパクトにすることによりトロイダル磁場コイルの軽量化を図ったものであり、この設計オプションの場合、主半径5.5m程度のプラズマで3GWの核融合出力を想定する。本プラントでは、NbAl導体による超伝導コイル,水冷却固体増殖ブランケット,構造材として低放射化フェライト鋼,タングステンダイバータなど近未来に見通しうる核融合技術を利用する。プラントの設計思想及び要素技術に対する要請を述べる。
安藤 俊就*; 木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 松川 誠; 玉井 広史; 石田 真一; 小泉 徳潔; 奥野 清
Fusion Engineering and Design, 75-79, p.99 - 103, 2005/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.63(Nuclear Science & Technology)トカマク国内重点化装置のTFコイルはNbAl導体を用い、リアクト・アンド・ワインド法で製作することが検討されている。その製作方法の妥当性を実証するために、実機サイズの導体に0.4%の曲げ歪みを加えて巻き線したコイルサンプルを試作し、試験した結果、その臨界電流値は曲げ歪みを加えていない導体サンプルの臨界電流値とほとんど同じであった。このことは、コイル製作時の曲げ歪みによって臨界電流値が約10%低下するとの予想に反し、実機コイルの製作には朗報である。この現象について解析を行った結果、導体のケーブル部を構成するNb
Al線が曲げ加工中に互いに滑ったことが予想された。その考察、解析について議論する。
木津 要; 三浦 友史*; 土屋 勝彦; 安藤 俊就*; 小泉 徳潔; 松井 邦浩*; 逆井 章; 玉井 広史; 松川 誠; 石田 真一; et al.
Nuclear Fusion, 45(11), p.1302 - 1308, 2005/11
被引用回数:4 パーセンタイル:14.59(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の工学研究をとおして、将来の核融合装置に適用できる先進的な超伝導コイルの製作技術を開発した。その開発技術の一つは超伝導導体を熱処理後巻き線する方法(リアクト・アンド・ワインド法:R&W法)のNbAlのD型コイル製作への適用である。R&W法による導体の曲げの影響を評価するために臨界電流測定部がトロイダル磁場コイル実機と同じ曲率となるD型のコイルを開発し、臨界電流を測定した。その結果、R&W法による曲げ歪は、導体の臨界電流特性に影響を与えないことが見いだされた。また、中心ソレノイドコイル用のNb
Sn導体の開発においては、熱処理後のNb
Snコイル導体に故意に曲げ歪を加えることにより、導体の交流損失を減らす方法を考案し、その効果を実験的に実証した。また、平衡磁場コイル用NbTi導体の開発においては、高銅比化による安定性とフィラメント径の極細化による低交流損失を同時に達成するNbTi素線を開発し、実断面サイズの導体サンプルの通電試験により、臨界電流目標値を達成することを確認した。
小泉 徳潔; 松井 邦浩; 久米 悦雄; 奥野 清
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 15(2), p.1363 - 1366, 2005/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)原研では、NbAl導体核融合炉への応用を目指して、Nb
Alインサート・コイルを開発した。本コイルのクエンチ試験は、13Tにて、温度マージン(分流開始温度と運転温度の差)を変化させて行った。また、初期の常伝導転移は、誘導加熱コイルを使用し、常伝導転移後も、数秒以上電流を保持した。温度マージンが0.5Kのとき、加熱後3s後に、常伝導伝播速度が急激に加速される超高速クエンチ伝播を観測した。1次元安定性・クエンチ解析コードを用いた計算も行い、常伝導転移時のジュール発熱により、冷媒供給システムのループ内に閉じ込められている冷媒全体の圧力が上昇し、常伝導部が到達していないところでも、冷媒温度が分流開始温度を超えて常伝導転移が起こることを見いだした。
小泉 徳潔; 竹内 孝夫*; 奥野 清
Nuclear Fusion, 45(6), p.431 - 438, 2005/06
被引用回数:30 パーセンタイル:68.33(Physics, Fluids & Plasmas)原研では、約750Cで熱処理を行えるNb
Al導体を開発した。しかし、Nb
Al本来の性能を発揮し、約16Tの高磁場を発生するためには、約1900
Cの高温で熱処理を行う必要がある。他方、約1900
Cでの熱処理を行った場合、核融合炉用超伝導導体で従来採用している安定化銅を内部に含有するNb
Al線を使用することができなくなる。そこで、約1900
Cの高温で一次熱処理を行った後に、Nb
Al線の外部に銅線を配置し、これにより安定化する構造を考案した。従来、このような外部安定化の構造では、常伝導転移時の銅線への電流転流に時間を要し、安定化が困難であると予想されていた。そこで、電流転流挙動と熱的挙動を数値的に解くコードを開発し、Nb
Al導体の外部安定化の可否について定量的に評価した。その結果、Nb
Al線と銅線の熱的,電気的接触を良好に保つことで、外部安定化が可能なことを示した。これにより、高性能Nb
Al導体を使用したより効率の高い発電実証プラントへの可能性の道を開いた。
小泉 徳潔; 竹内 孝夫*; 奥野 清
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
原研では、約750Cで熱処理を行えるNb
Al導体を開発した。しかし、Nb
Al本来の性能を発揮し、16T程度の高磁場を発生するためには、約1900
Cの高温で熱処理を行う必要がある。他方、1900
Cでの熱処理を行った場合、核融合炉用超伝導導体で従来採用されている安定化銅を内部に含有するNb
Al線を使用することができない。そこで、約1900
Cの高温で一次熱処理を行った後に、Nb
Al線の外部に銅線を配置し、これにより安定化する構造を考案した。従来、このような外部安定化の構造では、常伝導転移時の銅線への電流の転流に時間を要し、安定化が困難と予想されていた。そこで、電流転流挙動と熱的挙動を数値的に解くコードを開発し、Nb
Al導体の外部安定化の可否について、定量的に評価した。その結果、外部安定化が可能であることを示した。これにより、高性能Nb
Al導体を使用したより効率の高い発電実証プラントへの可能性に道を開いた。
木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 安藤 俊就*; 濱田 一弥; 原 英治*; 今橋 浩一*; 石田 真一; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 14(2), p.1535 - 1538, 2004/06
被引用回数:1 パーセンタイル:11.64(Engineering, Electrical & Electronic)JT-60SCの超伝導トロイダル磁場コイル(TFC)製作においては、NbAl導体が歪による臨界電流(
)の減少が少ないために、より低コストなコイル製作を可能とする熱処理後巻線する方法(リアクト・アンド・ワインド法:R&W法)が適用可能と考えられる。しかしながら、曲げに起因する
の減少を評価するためのデータが不足しており、核発熱などによる温度上昇に対するコイルの温度裕度を見積もることが困難であった。そこで、R&W法による導体の曲げの影響を評価するために
測定部がTFC実機と同じR=1.06m(曲げ歪:
0.4%)の曲率となるD型のコイルを開発し、
を測定した。また曲げの寄与を明確にするために、曲げを加えていない短尺サンプルも製作した。コイル製作は、導体をR=2.13mの環状に成形した状態で熱処理を行い、その後、D型コイル形状に巻線を行った。D型コイルを温度(T)4.3-4.4K,磁場(B)7-12Tで試験し、30kA(7.3T, 4.4K)の
を達成した。D型コイルと超伝導素線との
比較より、導体の歪は-0.6%程度と見積もられた。これは、短尺サンプルと同程度の歪であり、0.4%の曲げは
にほとんど影響を与えないことが明らかとなり、TFCをR&W法で製作した場合でも、設計基準の温度裕度を確保できることが見いだされた。
小泉 徳潔; 安藤 俊就*; 中嶋 秀夫; 松井 邦浩; 杉本 誠; 高橋 良和; 奥野 清; 木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; et al.
Proceedings of 20th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE 2003), p.419 - 422, 2003/10
13T以下の磁場で運転されるTFコイル用導体として、NbSn導体が開発された。しかし、Nb
Snは歪に弱く、磁場が高くなると性能低下が大きい。このため、13Tを超える磁場での使用は困難である。他方、Nb
Alは歪に強く、潜在的にはNb
Snより高い臨界電流値を有するため、次世代の超電導導体として考えられている。そこで、原研では80年代より、Nb
Al導体の開発を行ってきた。第一段階では、素線の大量生産技術を開発した。第二段階で、大型コイルの開発を行い、定格点の134T-46kAまでの励磁に成功した。これらの成果から、JT-60SCのTFコイル導体として、Nb
Al導体の開発も進めている。D型のコイルを製作し、成功裏に試験することができた。以上の結果は、16T級TFコイルNb
Al導体の開発に多大な貢献をし、本開発は着実に進んでいる。
小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 中嶋 秀夫; 安藤 俊就*; 奥野 清
Superconductor Science and Technology, 16(9), p.1092 - 1096, 2003/09
被引用回数:8 パーセンタイル:43.35(Physics, Applied)ITER-EDAの一環として、TFコイルの製作にreact-and-wind法を採用できることを実証するために、13T-46kA NbAlインサート(ALI)を開発した。react-and-wind法を採用した場合、導体は0.4%の曲歪を受けるため、ALI導体には、熱処理後に故意に0.4%の曲歪を印加した。したがって、導体は熱歪と曲歪を受ける。ALIの臨界電流値の測定結果から、素線が受ける熱歪,導体の曲げによる歪みは、それぞれ0.4%, 0%と評価できた。熱歪は予想値とよく一致した。他方、導体の曲げによっては、素線軸方向の歪は印加されなかった。また、歪の評価結果を、Nb
Sn導体のそれとも比較した。Nb
Sn導体の場合は、予想外の歪が生じたが、Nb
Al導体ではそのような歪は発生しなかった。これは、Nb
Al線の剛性が高いことに起因する。本結果は、Nb
Al導体が大型コイルへの適用性に優れていることを示す。
濱田 一弥; 松井 邦浩; 高橋 良和; 中嶋 秀夫; 加藤 崇; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.417 - 424, 2003/08
日本原子力研究所は、 ITERの工学設計活動の一環として、NbAlインサート・コイル等を製作し、13Tの磁場下で国際共同実験を行った。これらの実験の結果、通電中の導体の圧力損失の変化を調べることによって、コイル状態では見ることのできない導体内部の撚線の動きを推測できることが明らかとなった。今回、Nb
Sn素線とは機械的性質が異なるNb
Al線材を用いた導体について、電磁力に対する圧力損失の挙動に注目して圧力損失を測定し、過去に行われた導体の測定結果とともに解析してまとめた。その結果、(1)定常状態における圧力損失は、Nb
Snを使用した導体とNb
Al導体は、撚線構造が同じであれば、同様の特性を示すことがわかった。(2)同じ撚線構造でも、圧力損失特性にはばらつきが見られる。これは4次撚線とジャケット,中心チャンネル間に発生する隙間の効果であり、撚線ピッチが長い導体に発生し易いと考えられる。(3)圧力損失に対する電磁力の影響は、同じ撚線構造のNb
Sn導体よりもその影響は小さく、Nb
Al撚線は剛性が高いことがわかった。(4)ボイド率が小さくなるにつれて、圧力損失に対する電磁力の影響は少なくなり、撚線の動きを低減できることが明らかとなった。
小泉 徳潔; 奥野 清; 中嶋 秀夫; 安藤 俊就*; 辻 博史
低温工学, 38(8), p.391 - 398, 2003/08
原研は、1980年代にNbAl導体の開発を開始し、1990年代終りには約1トンのNb
Al線を製造し、150m長の大電流Nb
Al導体を開発した。本導体を用いてNb
Alインサート・コイルを開発し、試験した。本コイルの開発では、コイル端子の電気的接続部の開発や、従来の知見では予想されていなかった熱応力への対処法の考案等を行った。さらに、Nb
Alインサート・コイルの製作では、Nb
Al線の歪による臨界電流値の低下が小さいことを利用して、Nb
Al生成熱処理後に巻線加工を行うことで、コイル製作方法を簡易にする手法を採用した。この手法の適用性検証のため、熱処理後の導体に人為的に曲げ歪を印加した。このようにして、2001年1月にNb
Alインサート・コイルの製作を完了し、2002年4月に通電試験を行った。その成果として、46kA-13Tの定格励磁に成功した。また、60kA-12.5Tの拡張試験も行い、大きな電磁力の下でも、コイルを安定に運転できることを実証した。さらに、熱処理後の導体の曲げの臨界電流性能への影響も十分小さく、コイル製作方法の簡易化が可能であることを示した。
小泉 徳潔; 布谷 嘉彦; 高安 真*; 杉本 誠; 名原 啓博; 押切 雅幸*; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.399 - 409, 2003/08
トロイダル磁場コイルへのNbAl導体とReact-and-wind法の適用性を実証するために、Nb
Alインサート・コイルを開発した。本コイルの導体には、熱処理後0.4%の曲げ歪を印可した。臨界電流値試験の結果、Nb
Alインサート・コイル導体の素線に加わった実効歪は、素線とコンジットの熱歪差に起因する成分が-0.4%、導体の曲げに起因する成分がほぼゼロと評価できた。後者は、予想よりも小さかったが、Nb
Al導体を用いたReact-and-wind法の適用性を実証するとともに、Nb
SnコイルへのReact-and-wind法の適用性も示唆した。さらに、Nb
Alインサート・コイル導体と同規模のNb
Sn導体では、電磁力が増加するに従って臨界電流値が低下する現象が観測されたが、Nb
Alインサート・コイルでは、このような予想外の臨界電流性能の劣化は観測されなかった。これは、Nb
Al線の剛性が高い、及びその臨界電流値の歪に対する低下度が小さいためと考えられた。これは、Nb
Al導体が、高磁場、大電流応用に適していることを示す。また、導体内の電流分布について解析し、その臨界電流値の評価への影響を考察した。その結果、本影響が小さいことを明らかにした。
二ノ宮 晃*; 新井 和昭*; 高野 克敏*; 津川 一仁*; 石郷岡 猛*; 海保 勝之*; 中嶋 秀夫; 奥野 清; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.425 - 433, 2003/08
国際熱核融合実験炉(ITER)では大型超伝導コイル・システムの安定な運転が、その成功の鍵を握ると言っても過言ではない。このため、アコースティックエミッション(AE)技術を用いて超伝導コイルの状態を常時監視し、コイル内部の状態を推定することが重要となる。このような観点から、平成12年から14年に渡り実施されたCSモデル・コイル及びNbAlインサート・コイルを含めた三つのインサ-ト・コイルの通電試験では、AE信号の頻度,強度等を長時間にわたり計測し解析を行った。その結果、AE信号のエンベロープ波形の記録・解析で状態推定が行えること、及び、一定間隔毎に一定量のデータを記録する方法により、長時間に渡って超伝導コイルの状態監視が可能であることが示された。また、AE計測結果からは、これら開発されたコイルが安定した状態で運転されていると判断され、超伝導コイルの技術開発成果を裏付ける結果を得た。
松井 邦浩; 高橋 良和; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 濱田 一弥; 布谷 嘉彦; CSモデル・コイル実験グループ
低温工学, 38(8), p.410 - 416, 2003/08
ITER計画の一環として、中心ソレノイド・モデル・コイル、CSインサート・コイル、NbAlインサート・コイルを製作し、2002年までにそれらの試験を実施した。これらのコイルの交流損失測定は、コイルの特性を明らかにするために重要な試験項目の一つである。CSインサート・コイルとNb
Alインサート・コイルの交流損失を、それぞれ熱量法及び磁化法で測定した。両コイル内には、複数の時定数を持つ結合損失が存在し、コイルに取り付けられた電圧タップやホール素子で循環電流が観測された。結合損失は、素線間の焼結が電磁力を受けることで剥がれ、素線間の接触抵抗が大きくなり、ある減衰定数をもって指数函数的に減少した。また、圧力損失の測定及び解析結果より、撚線とコンジットの間に電磁力により発生する隙間が、導体内を流れる冷媒の圧力損失に依存することが示されている。本論文では、結合損失の減衰定数が導体内に発生する隙間に依存することを明らかにした。仮に、コイルの本運転前にこの減衰定数を知ることができ、減衰定数に相当する電磁力をコイルに加えることができるならば、コイルの運転開始時には損失が低下した状態で使用することが可能となる。
木津 要; 三浦 友史; 土屋 勝彦; 小泉 徳潔; 松井 邦浩; 安藤 俊就*; 濱田 一弥; 原 英治*; 今橋 浩一*; 石田 真一; et al.
Proceedings of 6th European Conference on Applied Superconductivity (EUCAS 2003), p.400 - 407, 2003/00
JT-60SCのトロイダル磁場コイル(TFC)は18個のD型コイルで構成される。運転電流19.4kAでのTFCの最大経験磁場は7.4Tとなる。原研ではTFCのために先進的なNbAl導体を開発した。Nb
Alは歪に強いという性質があるため、熱処理後巻線する方法:リアクト・アンド・ワインド法(R&W法)でTFCを製作することが可能となり、より高いコイル製作精度と低コスト化を実現できる。R&W法によるコイル製作を実証するためにD型の2ターンコイルを開発した。D型コイルを温度範囲4.3-4.4K,磁場範囲7-12Tで試験し、30kA(7.3T,4.4K)の臨界電流(Ic)を達成した。D型コイルと超伝導素線とのIc比較より、導体の歪は-0.6%程度と見積もられた。この歪とNb
Alの臨界電流密度・磁場・温度の関係式を用いて性能を予測したところ、TFCをR&W法で製作した場合でも、設計基準の温度マージンを確保できることが見出された。以上より、R&W法がTFC製作に適用可能であることが実証できた。
杉本 誠; 小泉 徳潔; 礒野 高明; 松井 邦浩; 布谷 嘉彦; 堤 史明*; 押切 雅幸*; 若林 宏*; 奥野 清; 辻 博史
JAERI-Tech 2002-080, 100 Pages, 2002/11
CSモデル・コイルの第3回実験が2002年3月より開始した。第3回目の実験では、CSモデル・コイルの内側にNbAlインサート・コイルを設置し、実験を行った。CSモデル・コイルとNb
Alインサート・コイルの予冷は同年3月4日から開始して、約1ヶ月を費やした。その後直ちに4月3日より通電試験を行った。同年5月2日に通電試験を完了した。その後コイルの昇温を行い、全ての実験を同年5月30日に終了した。この間、実験番号は102を数え、収集したデータはバイナリ形式で5.2GBに達した。本報告書は5週間にわたる実験のログ(日誌)とそのリストを集めたデータベースである。
小泉 徳潔; 高橋 良和; 布谷 嘉彦; 松井 邦浩; 安藤 俊就; 辻 博史; 奥野 清; 東 克典*; Fuchs, A.*; Bruzzone, P.*; et al.
Cryogenics, 42(11), p.675 - 690, 2002/11
被引用回数:23 パーセンタイル:65.13(Thermodynamics)ITER-EDAの一環として、NbAll導体とReact-and-wind法のITER-TFコイルへの適用性を実証するために、13T-46kA級ステンレス鋼製ジャケットNb
Al導体を開発した。本導体が曲げ歪を加えた場合も含めて、臨界電流値性能を達成できることを確認するために、臨界電流値試験を実施した。試験は、磁場7, 9, 10, 11T, 温度6-9Kの範囲で行った。また、予想臨界電流値を評価するために開発した解析モデルによる計算の結果、実験結果は計算結果とよく一致することがわかった。したがって、本導体の製造過程が妥当であり、かつ、React-and-wind法の適用が可能であることを実証できた。
Keys, S.*; 小泉 徳潔; Hampshire, D.*
Superconductor Science and Technology, 15(7), p.991 - 1010, 2002/07
被引用回数:39 パーセンタイル:82.41(Physics, Applied)ジェリー・ロール製ニオブ・アルミ線の臨界電流密度を、磁場,温度,歪の3つのパラメーターの関数として、はじめて測定し、その評価式を導いた。磁場は15T以下,温度は14K以下,歪は-1.8~0.7%の範囲で変化させた。