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寺岡 有殿; 盛谷 浩右; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 216(1-4), p.8 - 14, 2003/06
被引用回数:6 パーセンタイル:35.74(Chemistry, Physical)SPring-8のビームラインBL23SUに設置された表面反応分析装置を用いて、O/Si(001)表面反応系における表面酸化とSiO脱離が900Kから1000Kの表面温度範囲で共存することが見いだされた。SiOはおおむね1000K以上の温度で著しく大きな脱離収率を示す。脱離収率はO
分子の運動エネルギーが大きいほど大きい。ところが、1000K以下では逆の傾向を示した。すなわち、運動エネルギーが小さいほどSiO脱離収率は大きい。Si(001)表面の酸素の吸着曲線をO-1s光電子強度で測定した結果、SiO脱離収率の結果と整合した。これらの事実から900Kから1000Kの表面温度範囲ではSi(001)表面の酸化とSiOの脱離が共存することが明らかとなった。
吉越 章隆; 盛谷 浩右; 寺岡 有殿
真空, 46(5), p.424 - 428, 2003/05
Si(001)表面の酸素分子(110
Pa)による初期熱酸化過程(表面温度: 870K
1120K)を明らかにするために、放射光Si-2p及びO-1sリアルタイム光電子分光観察を行った。吸着酸素量の時間変化を反応速度論に基づいて解析し、酸素吸着量に対応したSi酸化状態をSi-2p光電子スペクトルの時間発展から明らかにした。
高桑 雄二*; 石塚 眞治*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 水野 善之*; 頓田 英樹*; 本間 禎一*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 200, p.376 - 381, 2003/01
被引用回数:10 パーセンタイル:56.76(Instruments & Instrumentation)Tiは耐食性,耐熱性に優れた性質から今日広く使われている。Ti表面は活性であるため酸化による不動態化が必要であるが、Ti酸化膜の形成過程についてはよく理解されていない。本研究では極薄膜のTi酸化膜の形成過程における化学結合状態を調べることを目的としてTi(0001)表面の初期酸化過程を放射光を用いた時間分解光電子分光でその場観察した。実験には原研ビームラインBL23SUの表面反応分析装置を用いた。Ti-2p,O-1sの光電子スペクトルをそれぞれ40eV,10eVの広い範囲にわたって短時間で計測して時間発展を観察することに成功した。酸化の初期においては最表面Tiの酸化に伴い内殻準位のエネルギーがシフトしたTiの成分が減少し、酸化の進行に伴って再び最表面にTi層が出現するとともに酸化が再び進行することがわかった。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Applied Surface Science, 190(1-4), p.75 - 79, 2002/05
被引用回数:12 パーセンタイル:53.37(Chemistry, Physical)Si表面の酸化を原子レベルで精密に制御することは、MOSFETのゲート酸化膜の製作にとって重要である。本研究では超音速分子線と放射光光電子分光を用いてO分子の並進運動エネルギーがSi(001)表面の初期酸化に与える影響を研究している。これまでに第一原理分子動力学計算で予測されていたO
分子がSi(001)面上で解離吸着するときのエネルギー障壁を実験的に初めて検証した。1.0eVと2.6eVを境にしてSiの化学結合状態がO
分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが高分解能光電子分光で確かめられた。さらにO-1sの光電子ピークが2つの成分から構成され、その成分強度比がO
分子の並進運動エネルギーに依存して変化することが新たに見いだされた。この事実はO原子の電子状態がその吸着サイトによって異なることを意味している。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
真空, 45(3), p.204 - 207, 2002/03
超音速分子線技術を用いることにより酸素分子の並進エネルギーを制御した状態で、Si(001)-12表面の酸化状態(サブ・オキサイド)の時間変化を高分解能放射光を用いた光電子分光法によって初めてリアルタイムに観察した。実験は、SPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)に設置した表面反応分析装置(SUREAC2000)で行った。並進エネルギーの表面垂直成分が2.9eVの酸素分子線を室温でSi(001)-2
1表面に照射した時の分子線照射量によるSi-2p光電子スペクトルの変化を調べた。約40秒と極めて短時間で高分解能Si-2p光電子スペクトルが測定でき、各酸化状態に対応するサテライト・ピークが明瞭に観測された。分子線照射量が増加するにつれて各酸化状態が変化し、そのピーク位置は変化しないことが明らかとなった。光電子スペクトルから求めた酸化膜厚と各酸化状態の分子線照射に伴う変化から以下のことが明らかとなった。(1)分子線照射の初期段階(34.4L)においては、Si
,Si
及びSi
の急激な増加が観測されるものの、Si
は観測されない。そのときの酸化膜厚は、0.30nmであった。(2)Si
が徐々に増加し、最終的に0.57nmに相当する酸化膜厚まで緩やかに増加した。並進エネルギーを2.9eVとすることにより通常の酸素ガスの吸着と異なり、室温において0.57nmの酸化膜を形成できることがわかった。Si
の増加に対応して膜厚の緩やかな増加が観測された。(3)Si
が増加するにつれて、Si
,Si
及びSi
が減少するが、特にSi
が急激に減少した。この結果、Si
が主にSi
が変化したものと考えられる。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
表面科学, 22(8), p.530 - 536, 2001/08
Si(001)面のパッシブ酸化に与えるO分子の並進運動エネルギーの影響を光電子分光法を用いて研究した。加熱ノズルを使用した超音波シードビーム法を用いて、O
分子の並進運動エネルギーを最大3eVまで制御した。第一原理計算の結果に対応するふたつの並進運動エネルギー閾値(1.0eV,2.6eV)が見いだされた。代表的な並進運動エネルギーで測定されたSi-2p光電子スペクトルはO
分子の直接的な解離吸着がダイマーとサブサーフェイスのバックボンドで起こることを示唆している。さらに、O原子の化学結合の違いもO-1s光電子スペクトル上で低結合エネルギー成分と高結合エネルギー成分として見いだされた。特に低結合エネルギー成分が並進運動エネルギーの増加とともに増加することが確認された。これもバックボンドの並進運動エネルギー誘起酸化を示唆している。