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廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-065, 111 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「アルファダストの検出を目指した超高位置分解能イメージング装置の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、スミヤろ紙上に付着するより細かい線核種を含む微細なダストの詳細な分布を可視化することを可能にする技術の開発を目的の1つとする。この目的を満たすためには、これまでの研究から、シンチレータ信号の効率化と、発光した信号の収集効率の向上が必要であり、その工夫を行い、位置分解能10
m以下を達成することができた。これらの研究課題の過程で、新たなシンチレータ材料の創成が期待でき、上記の
ダストモニタのみならず、多くの応用が期待できた。特に当該研究に関連して、非常に高い線量率場における線量率の分布を、光ファイバーを用いて測定できるかもしれないとの着想を得た。そこで、光ファイバーを用いた高線量率モニタの実証についても、最大数kSv/h程度の線量率下の環境で実施することができた。
廃炉環境国際共同研究センター; 名古屋大学*
JAEA-Review 2022-033, 80 Pages, 2022/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「一次元光ファイバ放射線センサを用いた原子炉建屋内放射線源分布計測」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、1Fの廃炉を進めるにあたり把握する必要がある、原子炉建屋内作業環境の放射線源の位置分布を測定するセンサとして、最も確実に汚染源の位置分布の把握を行うことができ、密着型で、かつ「点」ではなく「線」に沿った放射線源分布が把握できる、一次元光ファイバ放射線センサの開発を行った。従来型の飛行時間型光ファイバ放射線センサについて、光ファイバの材質の検討及び光ファイバ径の小口径化を行うことで、高線量率・高散乱線環境へ適用可能なセンサを見出し、光ファイバの多チャンネル化を行うことで低線量率に対しても感度を維持できるシステムの構築を行った。加えて、1F原子炉建屋内に局所的に存在するSv/hオーダーを超える環境へ適用可能であり、さらには、飛行時間法のファイバ両端での受光の必要性という課題を解決する全く新しい方式のセンサとして、光ファイバの片側から光の波長スペクトルを読み出し、光ファイバ内での光の減衰量に波長依存性が存在することを利用して、放射線入射位置を逆推定する波長分解型光ファイバ放射線センサを開発した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2021-044, 58 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「アルファダストの検出を目指した超高位置分解能イメージング装置の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、廃炉のある段階から作業員が実際に炉内に立ち入る際に、体内被曝の影響が指摘されるアルファ線を放出する核種を含むダストやデブリについての、形状や核種を観測するための装置や素材の開発を目的としている。さらに、作業員が立ち入る前の高線量率場での分布測定についても計測するための装置や素材についても、その開発を目的とする。令和2年度には、これらの目的に対して、前者は撮像カメラ、エネルギー測定部位、および、それらを統合したシステム開発と実証を行うことができた。また、後者についても、令和元年度に引き続き、新しい赤色・近赤外発光シンチレータ材料の開発と実証試験を行うことができた。
廃炉環境国際共同研究センター; 名古屋大学*
JAEA-Review 2021-033, 55 Pages, 2021/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「一次元光ファイバ放射線センサを用いた原子炉建屋内放射線源分布計測」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、福島第一原子力発電所の廃炉を進めるにあたり把握する必要がある建屋内作業環境の放射線源の位置分布を測定するセンサとして、最も確実に汚染源の位置分布の把握を行うことができる密着型で、かつ「点」ではなく「線」に沿った放射線源分布が把握できる一次元光ファイバ放射線センサの開発を行う。従来方式の飛行時間型光ファイバ放射線センサの高線量率対応を図るため、様々な径と材質の光ファイバについて一次元センサとしての基礎評価を行い、小口径の石英光ファイバの一次元センサとしての有用性を見出した。また、光の波長成分に着目した全く新しい方式の波長分解型光ファイバ放射線センサの実証試験を通じて、Sv/hを超える線量率で放射線分布が測定可能であることを実証した。
廃炉環境国際共同研究センター; 名古屋大学*
JAEA-Review 2020-063, 44 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「一次元光ファイバ放射線センサを用いた原子炉建屋内放射線源分布計測」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。福島第一原子力発電所の廃炉を進めるにあたり把握する必要がある建屋内作業環境の放射線源の位置分布を測定するセンサとして、最も確実に汚染源の位置分布の把握を行うことができる密着型で、かつ「点」ではなく「線」に沿った放射線源分布が把握できる一次元光ファイバ放射線センサの開発を行う。従来方式の飛行時間型光ファイバ放射線センサの高度化に加え、光の波長成分に着目した全く新しい方式の光ファイバ放射線センサの開発・実用化を進める。
青柳 和平; 櫻井 彰孝; 宮良 信勝; 杉田 裕
JAEA-Research 2020-004, 68 Pages, 2020/06
本報告書では、数km数kmにわたる広大な範囲で施工される高レベル放射性廃棄物の地層処分場の建設の視点で、数十年にわたり長期的かつ効率的に坑道安定性をモニタリングする技術の検証を目的として、幌延深地層研究センターに設置した支保工応力計および岩盤応力計のデータを分析した。具体的には、幌延深地層研究センターの水平坑道および立坑掘削時の力学的安定性のモニタリングのために設置した光ファイバー式および従来型の電気式の計測器のデータ取得可能期間(耐久性)を分析し、長期的な岩盤および支保工のモニタリングに適した手法について検討した。結果として、幌延のような坑道掘削による変形は大きいが湧水は少ない環境においては、岩盤変位の計測には光ファイバー式の変位計の設置が適しており、コンクリート中に埋設されるコンクリート応力計や鋼製支保工応力計といった計測器については、従来型の電気式のものでも長期的な耐久性が見込めることを示した。さらに、断層部を対象とした計測では、350m東周回坑道の計測断面において、吹付けコンクリートおよび鋼製支保工応力が、ひび割れ等の発生により耐久性が損なわれる状態に相当する使用限界と定義された基準値を超過していた。しかしながら、現時点ではクラック発生等の変状は認められなかったことから、定期的な目視点検等を実施すべきであると提案した。それ以外の計測断面については、断層部付近において一部注意を要する値を逸脱する計測値はあったものの、施工時に壁面の崩落が著しかった領域や、立坑と水平坑道の取り付け部付近では、坑道は安定した構造を保っていると判断した。
青木 智幸*; 谷 卓也*; 坂井 一雄*; 古賀 快尚*; 青柳 和平; 石井 英一
JAEA-Research 2020-002, 83 Pages, 2020/06
日本原子力研究開発機構は、新第三紀堆積軟岩を対象とした高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発を目的として、北海道天塩郡幌延町において幌延深地層研究計画を進めている。幌延深地層研究所周辺の地質は、珪藻質泥岩の声問層や珪質泥岩の稚内層で構成され、どちらも珪藻化石を多量に含んでいる。これらの岩石は高い空隙率と低い透水性を示すことから、多孔質弾性論に基づく岩盤挙動の検討が重要であると考えられる。しかしながら、幌延深地層研究所周辺に特徴的な珪藻質泥岩や硬質頁岩については、低透水性であるという岩石の特徴や試験時の制御が容易ではないこと等を要因に、多孔質弾性パラメータの測定実績は多いと言えない状況である。そこで、珪質泥岩(稚内層)を対象として、多孔質弾性パラメータの測定実績を蓄積し、既往の研究で示唆されている拘束圧に対する依存性を確認することを目的として、多孔質弾性パラメータを取得するための岩石三軸試験を実施した。その結果、多孔質弾性パラメータのうち、排水体積弾性係数は拘束圧の増加に伴い大きくなる関係性が確認された。一方、Biot-Wills係数およびSkemptonの間隙水圧係数は、拘束圧の増加に伴い小さくなる傾向が確認された。また、岩石供試体の葉理方向によって拘束圧依存の程度が若干異なることが示唆された。
伊藤 主税; 内藤 裕之; 石川 高史; 伊藤 敬輔; 若井田 育夫
JPS Conference Proceedings (Internet), 24, p.011038_1 - 011038_6, 2019/01
東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の原子炉圧力容器と格納容器の内部調査への適用を想定して、光ファイバーの耐放射線性を向上させた。原子炉圧力容器内の線量率として想定されている~1kGy/hレベルの放射線環境に適用できるよう、OH基を1000ppm含有した溶融石英コアとフッ素を4%含有した溶融石英クラッドからなるイメージ用光ファイバを開発し、光ファイバをリモートイメージング技術に応用することを試みた。イメージファイバの本数は先行研究時の2000本から実用レベルの22000本に増加させた。1MGyのガンマ線照射試験を行った結果、赤外線画像の透過率は照射による影響を受けず、視野範囲の空間分解能の変化も見られなかった。これらの結果、耐放射線性を向上させたイメージファイバを用いたプロービングシステムの適用性が確認できた。
若井田 育夫; 大場 弘則; 宮部 昌文; 赤岡 克昭; 大場 正規; 田村 浩司; 佐伯 盛久
光学, 48(1), p.13 - 20, 2019/01
レーザー誘起ブレークダウン分光(LIBS)や関連技術である共鳴吸収分光の原子力分野での応用について紹介する。放射性物質を多く含有した次世代低除染MOX燃料への適用や、福島第一原子力発電所の損傷炉内といった高放射線・過酷環境における燃料出渕のその場サーベランスにおいては、光ファイバーを活用したLIBS技術や共鳴吸収分光技術は、遠隔分析手法として最も有力な手法の一つとして期待されている。これらの技術の基本及び性能について現状を紹介し、LIBS技術などの原子力分野への適用についてレビューする。
Verzilov, Y. M.; 西谷 健夫; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 阿部 雄一
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1477 - 1483, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:16.82(Nuclear Science & Technology)水中の酸素(O-16)は14MeV中性子による(n,p)反応により放射性核種N-16を生成する。これまでN-16からの線を測定する方法が開発されてきたが、
線検出器への中性子の影響を防ぐために
線検出器を核融合炉から十分(10
20m)に離す必要があった。その場合、水の輸送時間だけ検出時間が遅れることになる。その遅れをできるだけ小さくするために、N-16が
崩壊する時に放出される高エネルギー電子により水がチェレンコフ発光することに着目し、そのチェレンコフ光を核融合炉から十分に離れた光検出器に導く手法を考案した。しかしチェレンコフ光は、紫外域が中心であるため光ファイバーによる減衰が大きい。そこでチェレンコフ光を一旦波長シフトファイバーで受け可視光に変換して光検出器へ伝送する方式を採用した。試作した検出器は14MeV中性子源FNSで特性を測定し、十分な検出器効率と時間分解能を有していることを確認した。
山内 俊彦
Japanese Journal of Applied Physics, 43(9A), p.6473 - 6474, 2004/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Applied)自由電子レーザー等のレーザー用光学バンドルファイバーを通ったHe-Neレーザーの出力分布は、ファイバーに加えられた負荷に強く依存する(横モード変調)。出力分布半径の増分は、負荷とともに指数関数的に増加する。これはマイクロベンディングに起因していると考えられる。一方、遅延時間もまた負荷とともに指数関数的に増加する。この遅延時間は、ピコ秒程度と小さい。
核融合工学部
JAERI-Review 2004-004, 96 Pages, 2004/03
IEA核融合材料研究実施協定付属書II(核融合材料の照射損傷に関する実験)に基づく第13回IEAセラミックス絶縁材の照射効果に関するワークショップは第11回核融合材料国際会議(ICFRM)のサテライト会合として2003年12月9日に京都で開催された。10か国,44名(日本26人,スペイン5人,ベルギー3人,米国3人,ロシア2人,オーストリア,ギリシャ,イタリア,ルーマニア,英国各1人)の参加者があり、本会議の組織委員で議長であるCIEMAT研究所のE.R. Hodgson博士の開催の辞の後、最新の実験結果である、照射誘起微視的構造変化における電場の効果,照射によるケーブルの寄生電流と寄生電圧,光学材料,IFMIF関連課題,基礎的問題について議論した。その結果、照射誘起絶縁劣化の原因として-アルミナとアルミニウムコロイドの生成を確認する等の成果が得られた。
松井 義典; 菊地 泰二; 角田 恒巳
JAERI-Tech 2002-060, 23 Pages, 2002/08
JMTRにおける最近の照射では、計装線に光ファイバを利用した照射試験が増加しつつある。これは、光ファイバの信号伝達が原子炉内のノイズの影響を受けにくいこと、最近の研究により耐放射線性に優れたものが開発されてきていることが大きな要因である。照射キャプセルでは計測線を取り出す場合、キャプセル本体の貫通部を完全にシールする必要があり、光ファイバも例外ではない。光ファイバ貫通部のシールについては信頼性の問題があったので、信頼性の向上のため、深海用光ケーブルのシールに使用されているハンダ付けシール及びその応用である銀ロー付けシールについて炉外試験を実施し、良好な結果が得られた。このため、実際の照射キャプセルにハンダ付けシールを用い、JMTRで5サイクル(約3000時間)の照射を実施した。この結果、シール性能の劣化は見られず、シールの信頼性が確認された。
西谷 健夫; 四竈 樹男*; 杉江 達夫; 河西 敏; 石塚 悦男; 河村 弘; 角田 恒巳; 八木 敏明; 田中 茂; 鳴井 實*; et al.
JAERI-Research 2002-007, 149 Pages, 2002/03
ITER工学R&Dの一環として計測機器要素の照射試験を核分裂中性子,線,14-MeV中性子を用いて実施した。14-MeV中性子及びCo-60
線照射下におけるKU-1溶融石英の紫外域透過率を測定したところ、200-300nmの波長域に著しい透過損失が生じることがわかった。5種類のITER共通資料の光ファイバーをJMTR及びCo-60
線で照射試験を行った。KS-4V,KU-H2G及びフッ素添加ファイバーは極めて高い耐放射線性を示し、ITERの真空容器外側付近まで導入できる見通しを得た。マイカ薄膜ボロメータを0.1dpaまでJMTRで照射した。第1照射サイクルの停止時にボロメータの断線が発生し、金を蒸着した抵抗体は、ITERにおいて問題であることを示した。磁気プローブもJMTRで照射試験を行った。磁気プローブに長時間デジタル積分器を接続したところ、1000sに対し、10-40 mVsのドリフトが観測されたが、照射誘起起電力ばかりでなく、積分器自体のドリフトによる発生したと考えられる。1000sの積分時間に対し、ドリフトを0.5 mVs以下に抑えうる、ITER仕様の磁気プロープをMIケーブルを用いて製作できる見通しが得られた。
小佐古 敏荘*; 杉浦 紳之*; 工藤 和彦*; 森 千鶴夫*; 飯本 武志*; 四竈 樹男*; 片桐 政樹; 林 君夫; 相原 純; 柴田 大受; et al.
JAERI-Review 2000-017, 78 Pages, 2000/10
原研は、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いる高温照射研究である「高温工学に関する先端的基礎研究」を平成6年度から実施している。平成9年度には、同研究の推進母体であるHTTR利用検討委員会に「高温放射線下での照射線量評価タスクグループ」が設置された。本報告書は、同タスクグループが、HTTRを用いる高温照射研究に資するため、高温高放射線場における中性子計測器についての開発課題を調査検討した結果をまとめたものである。取り上げた検出器は、日本国内については、(1)小型核分裂計数管、(2)小型核分裂電離箱、(3)自己出力型検出器、(4)放射化検出器、及び(5)光ファイバの、5種類の炉内検出器であり、そのほかにロシアにおける開発状況についても調査した。本報告書の内容は、高温ガス炉の核計装としても役立つものである。
四竈 樹男*; 石原 正博; 林 君夫; 角田 恒巳; 社本 尚樹*; 石野 栞*
Proceedings of 1st Information Exchange Meeting on Basic Studies on High-Temperature Engineering, p.379 - 386, 1999/09
HTTRを用いた高温工学に関する先端的基礎研究の一つとして耐熱耐放射線性光ファイバの開発を進めてきた。一連の研究開発により、耐熱耐放射線性を高めるためには光ファイバのコアの高純度化、OHの添加あるいはFの添加が必要であることが明らかとなってきている。そこで、これらの条件で光ファイバを試作し、JMTRを用いた高温照射試験を実施し、最適な光ファイバの条件を検討した。照射条件は高速中性子束が210
m
s
で20日間、温度は最高800
である。照射試験の結果、Fをコアに添加した光ファイバの透光性が最も良好となった。本報告は今までに得られたこれらの成果について述べるものである。
杉江 達夫; 鳥谷 智晶*; 河西 敏
JAERI-Tech 98-036, 31 Pages, 1998/08
ITERにおける第2真空境界(クライオスタット容器壁)を通して、可視及び赤外域の光を貫通させるための多チャンネル光ファイバー導入端子、及びコネクターを開発した。導入端子部の製作にあたっては、個々のチャンネルの接続精度を向上させるために、光ファイバー(コア径200m)を精度良く中心に埋め込んだ石英ロッド(径2.5mm)を一体成型により製作し、そのロッドを高温ハンダで真空フランジに固定した。その結果、53チャンネルの導入端子個々の接続損失がすべて3dB以下になり、チャンネル間の一様性も60%以上となった。また、耐圧力、耐衝撃に関して、それぞれ5気圧、15Gまでの試験に合格し、使用温度については室温から200度までの試験に合格した。導入端子部の真空リークは、検出限界(5
10
pa・m
/s)以下であった。
高橋 良和; S.Pourrahimi*; S.P.Smith*; J.V.Minervini*; J.H.Schultz*; Anghel, A.*; Vecsey, G.*; S.Ezekiel*
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 7(2), p.447 - 450, 1997/06
被引用回数:14 パーセンタイル:67.74(Engineering, Electrical & Electronic)ITERタスクの一貫として行われたクエンチ試験(QUELL)は、1/6の縮小導体を約100m用いて、導体がクエンチした時の導体のふるまいを観測し、このデータを用いてコンピュータの解析コードを確立することと、クエンチ検出システムを開発することを目的として、行われた。本論文においては、米国で開発されたクエンチ検出システムの性能について報告する。開発されたクエンチ検出センサーは、導体内温度を測定する光ファイバーと共巻き電圧タップである。これらは、導体の中に入れられた。どちらのセンサーも、大型コイルに要求される性能を満足していることが確認された。しかし、導体からセンサーの取り出し部の構造が、今後に残された問題である。
杉江 達夫; 小川 宏明; 勝沼 淳*; 丸尾 光正*; 安東 俊郎; 河西 敏
JAERI-Tech 96-055, 82 Pages, 1996/12
本システムは、ダイバータ部での不純物粒子の同定、粒子流入束の二次元測定等を行うことを主な目的としており、プラズマ制御に欠かせない計測システムとして、スタートアップセットの中に入っている。今回は、システムの概念設計、光学設計、及び初期的な機械設計を行った。目的に合わせた三つの最適な分光系(不純物の種類をモニターする分光系、粒子束の空間分布を高速測定する分光系、粒子の運動エネルギーを測定する高分散分光系)でシステムを構成した。二次元測定はダイバータカセット内部に金属ミラーを設置し、互いに交差する視野で行う。また、光線追跡による解析を駆使して光学系の最適化を行った結果、ダイバータ部で要求されている3mmの空間分解能は難しいことが判明した。その他、測定限界の評価、光ファイバーの使用限界の検討等を行った。
木原 武弘; S.I.Sinkov*; 藤根 幸雄; 前田 充
Value Adding Through Solvent Extraction (Proc. of ISEC 96), 2, p.1603 - 1607, 1996/00
核燃料再処理への応用のため、レーザー誘起光音響分光法のための光ファイバーシステムを開発した。ウラン溶液中に存在する550nmのCr(III)の吸収を、Pn(IV)の模擬として使用した。検出限界吸収係数は、1.710
cm
となることが分かり、その値は一般的な吸光光度計の検出限界吸収係数よりも二桁良い値である。光音響スペクトルのためのダブルセルシステムを開発した。その検出限界吸収係数は、U(IV)共存下、646.6nmにおいて7.0
10
cm
であった。このシステムを模擬溶解液の光音響スペクトルの測定に応用した。