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報告書

HTTRを用いた安全性実証試験の完遂; 炉心流量喪失試験(出力100%(30MW)で炉心冷却を停止)

長住 達; 長谷川 俊成; 中川 繁昭; 久保 真治; 飯垣 和彦; 篠原 正憲; 七種 明雄; 野尻 直喜; 齋藤 賢司; 古澤 孝之; et al.

JAEA-Research 2025-005, 23 Pages, 2025/07

JAEA-Research-2025-005.pdf:2.68MB

高温ガス炉の異常状態での安全性を示すため、HTTRを用いて安全性実証試験を行った。制御棒による停止操作の失敗事象を模擬した状態で、原子炉熱出力100%(30MW)での定常運転時に1次ヘリウムガス循環機を急停止させ、炉心の強制循環冷却機能が全喪失した後の原子炉出力および原子炉圧力容器まわり温度の経時変化データを取得した。事象発生(冷却材の流量がゼロ)後、炉心温度上昇に伴う負の反応度フィードバックにより原子炉熱出力は速やかに低下し、再臨界を経て低出力(約1.2%)の安定な状態まで原子炉出力が自発的に移行することを確認した。また、原子炉圧力容器表面から、その周囲に設置されている炉容器冷却設備(水冷パネル)への放熱により、低出力状態で原子炉温度を一定化させるために必要な除熱量が確保されることを確認した。このように、出力100%(30MW)で炉心強制冷却を停止したケースにおいて、能動的停止操作をせずとも原子炉の状態が事象発生から安定的(安全)状態へ移行すること、すなわち高温ガス炉の固有の安全性を実証した。

論文

Optimization of dissolved hydrogen concentration for mitigating corrosive conditions of pressurised water reactor primary coolant under irradiation, 2; Evaluation of electrochemical corrosion potential

端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介; Lister, D. H.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(8), p.867 - 880, 2023/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:25.52(Nuclear Science & Technology)

PWR一次冷却水中の腐食環境評価の1つの主要な目的は、主な構造材への悪影響を抑えつつ、PWRにおける一次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)を抑制するための最適水素濃度を決定することにある。この目的に資するため、本研究ではラジオリシス解析と腐食電位(ECP)解析を併用したECP評価手法を提案した。前報では、ラジオリシス解析結果について報告した。この結果を踏まえて本報ではECP解析結果を報告する。ECP解析は混成電位モデルと酸化物層成長モデルを組み合わせたものであり、元々BWR用に開発したものである。本研究ではこれにLi$$^{+}$$とH$$^{+}$$のアノード分極曲線への影響を取り入れ、PWR用に拡張した。解析結果を過去のINCAインパイルループでの実験結果やその他の実験結果と比較し、本解析により$$pm$$100mVの誤差でECPを再現可能であることを示した。

論文

Feasibility study on tritium recoil barrier for neutron reflectors of research and test reactors

Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; Ho, H. Q.; 坂本 直樹*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

Fusion Engineering and Design, 164, p.112181_1 - 112181_5, 2021/03

JMTRとJRR-3Mの運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、ベリリウム中性子反射体の二段核反応による$$^{6}$$Li(n$$_{t}$$,$$alpha$$)$$^{3}$$Hで生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。この結果から、一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためには、ベリリウム中性子反射体の表面積を小さくするか、他の材料で反跳トリチウムを遮蔽する必要がある。本報告では、ベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材の概念検討として、Al, Ti, V, Ni, Zr等の多様な材料を候補材として、障壁厚み、長期運転後の放射能、反応度への影響を評価した。この結果、Alがベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止材として適した候補材になり得るとの結果を得た。

論文

Evaluation of tritium release into primary coolant for research and testing reactors

Kenzhina, I.*; 石塚 悦男; 奥村 啓介; Ho, H. Q.; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.1 - 8, 2021/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:8.04(Nuclear Science & Technology)

ベリリウム反射体を有するJMTRとJRR-3の一次冷却水へのトリチウム放出源と放出機構について評価した。この結果、トリチウム放出は$$^{9}$$Beの二段核反応によるものがほとんどであり、計算結果は一次冷却水のトリチウム測定の誤差範囲で良く一致した。また、ベリリウム反射体からの反跳放出を用いた簡易計算法は、ベリリウム反射体を有する試験研究炉の一次冷却水へのトリチウム放出量を予測する上で有用であることが明らかとなった。

論文

Feasibility study of tritium recoil barrier for neutron reflectors

石塚 悦男; 坂本 直樹*

Physical Sciences and Technology, 6(2), p.60 - 63, 2019/12

試験研究炉運転中に一次冷却水へ放出されるトリチウムについて研究してきた結果、$$^{9}$$Beの二段反応で生成する反跳トリチウムが主要因であることが明らかになった。一次冷却水へ放出するトリチウムを少なくするためのベリリウム中性子反射体のトリチウム反跳防止膜の概念検討として、PHITSで多様な材料のトリチウム反跳を計算した。この結果、3桁低下させるために必要なトリチウム反跳防止厚みは、材料によって依存するが20$$sim$$40$$mu$$m必要であることが明らかとなった。

論文

Calculation of tritium release from driver fuels into primary coolant of research reactors

Ho, H. Q.; 石塚 悦男

Physical Sciences and Technology, 5(2), p.53 - 56, 2019/00

試験研究炉の運転に伴って1次冷却材中のトリチウム濃度増加が報告されている。JMTRとJRR-3Mの運転中に1次冷却材に放出されるトリチウム放出源を明らかにするために、ドラーバー燃料から放出されるトリチウム量をMCNP6とPHITSコードで計算した。計算の結果、JMTRとJRR-3Mのドラーバー燃料からの放出されるトリチウム量は、1サイクル運転あたり10$$^{7}$$及び10$$^{6}$$Bqであること、この値は測定データより約4桁低いことが明らかとなった。この結果は、両炉のドラーバー燃料から放出されるトリチウム量は無視できるレベルであることを示している。

報告書

中性子反射体のLi及びU不純物からのトリチウム反跳放出計算(共同研究)

石塚 悦男; Kenzhina, I.*; 奥村 啓介; Ho, H. Q.; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

JAEA-Technology 2018-010, 33 Pages, 2018/11

JAEA-Technology-2018-010.pdf:2.58MB

試験研究炉の一次冷却材へのトリチウム放出機構解明の一環として、PHITSを用いてベリリウム、アルミニウム及び黒鉛製中性子反射体中のLi及びU不純物から反跳放出するトリチウムについて計算した。また、この結果を用いて、具体的にJMTR及びJRR-3Mのベリリウム中性子反射体を想定し、MCNP6及びORIGEN2でLi及びU不純物から生成するトリチウム量を計算してトリチウムの反跳放出量を評価した結果、Li及びU不純物から反跳放出するトリチウムは、ベリリウムから反跳放出するトリチウムに対して無視できる程度であり、それぞれ2桁及び5桁程度小さいことが明らかとなった。

論文

Evaluation of tritium release curve in primary coolant of research reactors

石塚 悦男; Kenzhina, I. E.*

Physical Sciences and Technology, 4(1), p.27 - 33, 2018/06

試験研究炉の運転に伴って1次冷却材中のトリチウム濃度増加が報告されている。トリチウム放出源を明らかにするために、JMTRとJRR-3Mについて1次冷却材中のトリチウム放出率曲線を評価した。トリチウム放出量は、新しいベリリウム要素に交換すると小さくなること、交換後は運転に伴って増加することが明らかとなった。この結果は、ベリリウム要素が1次冷却材中のトリチウム放出に大きな影響を与えていることを示している。1次冷却材中のトリチウム放出率曲線を評価した結果、$$^{9}$$Beの(n,$$alpha$$)で生成する$$^{6}$$Liがトリチウム放出に影響すること、JMTR及びJRR-3Mの1次冷却材中のトリチウム放出源はベリリウム要素が主因であることが明らかとなった。更に、照射時間に伴うトリチウム放出率データがばらつくこと、バラツキはJRR-3MよりJMTRの方が早期に見られることも明らかになった。

報告書

PHITSコードによる中性子照射下ベリリウムからの反跳トリチウム放出率計算(共同研究)

石塚 悦男; Kenzhina, I. E.*; 奥村 啓介; 竹本 紀之; Chikhray, Y.*

JAEA-Technology 2016-022, 35 Pages, 2016/10

JAEA-Technology-2016-022.pdf:3.73MB

試験研究炉の一次冷却水中へのトリチウム放出機構解明の一環として、ベリリウム炉心構成材からの反跳トリチウム放出率を評価するためPHITSコードを用いた場合の計算方法について検討した。この結果、線源に中性子またはトリトンを用いた場合、両者とも反跳トリチウム放出率は同程となったが、トリトン線源の計算速度が2桁程度速いことが明らかとなった。また、トリトン線源を用いて反跳トリチウム放出率を有効数字2桁の精度で求めるためには、単位体積あたりのヒストリー数が2$$times$$10$$^{4}$$ (cm$$^{-3}$$)程度になるまで計算すれば良いことが明らかとなった。更に、トリトン線源を用いてベリリウム炉心構成材の形状と反跳トリチウム放出率の関係を調べたところ、反跳トリチウム放出率はベリリウムの体積当たりの表面積に対して線形となったが、従来の式を使って求めた値の約半分となった。

論文

A Modelling study on water radiolysis for primary coolant in PWR

向井 悟*; 梅原 隆司*; 塙 悟史; 笠原 茂樹; 西山 裕孝

Proceedings of 20th International Conference on Water Chemistry of Nuclear Reactor Systems (NPC 2016) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/10

日本のPWRでは、水の放射線分解抑制のために、一次冷却材中の溶存水素濃度は25$$sim$$35cc/kg-H$$_{2}$$Oの範囲に制御されている。しかし、日本では被ばく低減の観点から、溶存水素濃度の低下を目指している。そこで、溶存水素濃度を低下したときの一次冷却材中の放射線分解生成物の濃度について、$$gamma$$線,高速中性子、及び$$^{10}$$B(n,$$alpha$$)$$^{7}$$Li反応によるアルファ線を考慮した放射線分解モデルにより評価した。その結果、溶存水素濃度が5cc/kg-H$$_{2}$$Oに低下しても放射線分解が抑制されることが示された。異なるG値と主要反応の速度定数がH$$_{2}$$O$$_{2}$$とO$$_{2}$$の濃度に及ぼす影響を水素注入条件下で調べるとともに、ホウ酸水中でのアルファ線による放射線分解の影響にも注目した。

報告書

HTTR出力上昇試験における燃料及び核分裂生成物挙動の検討,2; 30MWまでの結果

植田 祥平; 江森 恒一; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 黒羽 操; 石井 太郎*; 沢 和弘

JAERI-Research 2003-025, 59 Pages, 2003/11

JAERI-Research-2003-025.pdf:2.53MB

高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10$$^{3}$$Bq/cm$$^{3}$$以下であり、Kr及びXe核種の濃度は0.1Bq/cm$$^{3}$$以下であった。$$^{88}$$Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約2$$times$$10$$^{-9}$$、定格30MW出力時において約7$$times$$10$$^{-9}$$であった。事前解析による$$^{88}$$Kr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。

論文

Fuel and fission gas behavior during rise-to-power test of the High Temperature engineering Test Reactor (HTTR)

植田 祥平; 角田 淳弥; 江森 恒一; 高橋 昌史*; 沢 和弘

Journal of Nuclear Science and Technology, 40(9), p.679 - 686, 2003/09

 被引用回数:16 パーセンタイル:69.72(Nuclear Science & Technology)

日本原子力研究所において、高温工学試験研究炉(HTTR)の出力上昇試験を実施した。HTTRの燃料性能を評価するため、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装,燃料破損検出装置(FFD),1次冷却材サンプリング設備により1次冷却材中の放射能濃度を測定した。その結果、1次冷却材中放射能濃度は10$$^{3}$$MBq/m$$^{3}$$以下であり、Kr及びXe核種の濃度は、0.1MBq/m$$^{3}$$以下であった。$$^{88}$$Kr放出率(R/B)値は、原子炉出力60%以下において約2$$times$$10$$^{-9}$$,定格30MW出力時において約7$$times$$10$$^{-9}$$であった。事前解析による$$^{88}$$Kr放出率の予測値は、測定値とよく一致し、希ガスの放出機構が、燃料コンパクトマトリックス部の汚染ウランの核分裂により生成し、反跳から拡散へと変化することが示された。

報告書

高温工学試験研究炉の燃料及び核分裂生成物挙動評価のための$$gamma$$線エネルギー分析装置の校正試験

植田 祥平; 飛田 勉*; 高橋 昌史*; 沢 和弘

JAERI-Tech 2002-055, 24 Pages, 2002/07

JAERI-Tech-2002-055.pdf:1.04MB

高温工学試験研究炉(HTTR)の運転中の燃料及び気体状核分裂生成物挙動の評価及び1次冷却材中の短半減期希ガス濃度から被覆燃料粒子の破損率を推定するため原子炉保護設備の放射能計装,燃料破損検出装置による領域別の$$beta$$線測定に加えて、1次ヘリウムサンプリング設備の試料採取装置により1次冷却材を採取し、$$gamma$$線エネルギー分析装置により試料中の短半減期希ガスの定量分析を行い、核種ごとの希ガス濃度及び放出率(R/B)値を求めている。そのため、HTTRの運転に先立ち、133Xe線源及び固体線源を用いて希ガス濃度の絶対値を求めるための$$gamma$$線エネルギー分析装置の校正試験を実施した。本報では、エネルギー分析装置の校正方法及び結果について述べる。

報告書

HTTR出力上昇試験における燃料及び核分裂生成物挙動の検討, 1; 15MWまでの結果

沢 和弘; 飛田 勉*; 植田 祥平; 鈴木 修一*; 角田 淳弥; 関田 健司; 青木 和則*; 大内 弘

JAERI-Research 2001-002, 33 Pages, 2001/02

JAERI-Research-2001-002.pdf:1.42MB

高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料に対する設計方針では、「初期破損率は0.2%以下」、「運転中の追加破損は十分許容しうる小さな値に制限する」と定めている。そのため、HTTRの運転中に破損率を定量的に評価する必要があり、1次冷却材中の放射能を測定する、原子炉保護設備の1次冷却材放射能計装、燃料破損検出装置(FFD)、1次ヘリウムサンプリング設備を設けている。HTTRの出力上昇試験のうち15MWまでに取得したデータを用いて、燃料及び1次元冷却材中の核分裂生成物挙動の評価を行った。まず、1次冷却材中の核分裂生成物ガス濃度はすべて10$$^{-2}$$Bq/cm$$^{3}$$以下であった。また、1次冷却材中の$$^{88}$$Kr濃度とFFD計数率はほぼ比例関係にあること、事前解析とサンプリングによる$$^{88}$$Kr濃度の出力に対する傾向が合っていることがわかった。

論文

水冷却型試験・研究炉の炉心冠水維持装置サイフォンブレーク弁の性能評価法

桜井 文雄; 熊田 博明; 神永 文人*

日本原子力学会誌, 42(4), p.325 - 333, 2000/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

本研究においては、サイフォンブレーク弁の炉心冠水維持装置としての性能を評価するためのプログラムを開発し、その試験・研究炉への適用性を実験的に検討した。本プログラムにおいては、サイフォンブレーク弁から吸入された空気と1次冷却水が配管内において完全に分離するとした気液完全分離モデルを採用した。本モデルにより、サイフォンブレーク弁の炉心冠水維持性能は確実に評価できることを検証した。また、非常に流出流量が大きい1次冷却系配管破損事故における冷却水流出事象を精度良く解析するためには、空気の巻き込みを伴う渦(air-entraining vortex)の発生を考慮する必要があることが明らかとなった。

報告書

HTTR不純物濃度測定試験;確認試験(3)における測定

坂場 成昭; 江森 恒一; 猿田 徹

JAERI-Tech 99-072, p.125 - 0, 1999/10

JAERI-Tech-99-072.pdf:5.85MB

HTTRの1次系には黒鉛の酸化防止及び配管材の腐食防止の観点から、1次系温度400$$^{circ}C$$以上において不純物濃度を規定している。系内の化学的不純物であるH$$_{2}$$,CO,H$$_{2}$$O,CO$$_{2}$$,CH$$_{4}$$,N$$_{2}$$,O$$_{2}$$はヘリウム純化設備の酸化銅反応筒、モレキュラーシーブトラツプ(MST)、コールドチャコールトラップ(CCT)を用いて除去され、不純物濃度はヘリウムサンプリング設備の水分計及びガスクロマトグラフ質量分析計により測定される。本報では、系統別・総合機能試験の確認試験(3)において、HTTRとして初めて実施された、ヘリウムサンプリング設備の自動サンプリングを用いた正規の手順による不純物濃度測定試験について、不純物濃度変化を示すとともに、トラップの除去効率、除去速度及び除去量について評価した結果を示す。系統の到達温度約210$$^{circ}C$$までにおいて、酸化銅反応筒、CCTについては、十分な除去能力を有していることが確認された。また、MSTにおいては1次系のCO$$_{2}$$に対する除去能力は十分であることが確認されたものの、H$$_{2}$$O及び2次系のCO$$_{2}$$に対しては想定値を下回った。今後は、出力上昇試験初期の不純物濃度に規定のない1次系温度400$$^{circ}C$$以下までの段階において、MSTの除去能力について再度検討・評価する。

報告書

高温ガス炉運転中の被覆燃料粒子挙動及び核分裂生成物ガス挙動解析コード

沢 和弘; 角田 淳弥; 渡部 隆*

JAERI-Data/Code 99-034, 115 Pages, 1999/06

JAERI-Data-Code-99-034.pdf:3.65MB

高温工学試験研究炉(HTTR)の燃料に対する設計方針では多少の燃料破損は許容しており、「運転中の追加破損は十分許容しうる小さな値(0.2%)に制限する」こととしている。そのため、HTTRの運転に当たっては、破損率を定量的に推定し異常の有無を判断する必要がある。そのため、これまでに運転中の被覆燃料粒子の破損モデル、希ガス放出率評価モデル、1次冷却材中の希ガス濃度評価モデルを開発してきた。本報は、これらのモデルを併せてコード化した、FIGHT(Fuel Failure and Fission Gas Release Analysis Code in HTGR)について述べたものである。

報告書

原研研究炉における重水の計量管理

吉島 哲夫; 田中 純利; 根本 傳次郎

JAERI-Tech 98-052, 69 Pages, 1998/11

JAERI-Tech-98-052.pdf:3.28MB

研究炉部では、3基の研究炉を運転管理し、減速材、冷却材及び反射材として使用するために約41トンの重水を保有している。これらの重水は、米国、カナダ及びノルウェーから輸入している。このうちのカナダから輸入した重水は、日加原子力協定において国際規制物質としての管理が義務付けられていることから全ての重水は国際規制物質に準じた方法で厳密な計量管理を実施している。本報告書は、各炉での在庫量の変動と重水の計量管理等についてまとめたものである。

報告書

高温工学試験研究炉のスタンドパイプ及び1次上部遮蔽体の昇温防止対策

國富 一彦; 橘 幸男; 本谷 浩二*; 中野 正明*; 七種 明雄; 竹田 武司; 伊与久 達夫; 石仙 繁; 澤畑 洋明; 大久保 実; et al.

JAERI-Tech 97-040, 91 Pages, 1997/09

JAERI-Tech-97-040.pdf:2.51MB

高温工学試験研究炉において、非核加熱で1次ヘリウムガスを約110$$^{circ}$$Cまで昇温させる試験を実施中に、スタンドパイプ内雰囲気及び1次上部遮へい体の温度が測定以上に上昇した。そこで、その原因を解析及び試験により特性するとともに、スタンドパイプ内構造物の一部構造変更により、温度上昇を防止する対策を定めた。また、対策に伴う構造変化により、炉内の流量配分に悪影響が無いこと、制御棒ワイヤーと改造後の構造物の接触が無いことを確認した。本報は、昇温の原因、構造変更の内容、構造変更による影響評価の結果を示したものである。

報告書

化学試験及び放射化学試験; 原子力船「むつ」出力上昇試験報告

吉島 哲夫; 鈴木 邦彦*; 向井 悟*; 田中 孝和; 落合 政昭

JAERI-M 92-002, 56 Pages, 1992/02

JAERI-M-92-002.pdf:1.92MB

原子力船「むつ」の出力上昇試験は、1990年3月から開始され、12月に終了した。その一環として、化学及び放射化学試験を実施した。「むつ」の原子炉は、熱出力36MWのPWRタイプの原子炉であるが、化学及び放射化学の観点からは、燃料被覆管がステンレス鋼製であること、及びケミカルシムを採用していないことが特徴である。化学試験の結果、一次冷却水及び、二次冷却水の水質は良好であることを確認した。放射化学試験の結果、燃料集合体、蒸気発生器伝熱管及び補機冷却系統に漏洩のないことを確認した。本報告書は、化学及び放射化学試験の方法及び結果をとりまとめたものである。

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