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Esser, S. P.*; Rahlff, J.*; Zhao, W.*; Predl, M.*; Plewka, J.*; Sures, K.*; Wimmer, F.*; Lee, J.*; Adam, P. S.*; McGonigle, J.*; et al.
Nature Microbiology (Internet), 8(9), p.1619 - 1633, 2023/09
被引用回数:5 パーセンタイル:75.28(Microbiology)CRISPR-Cas systems defend prokaryotic cells from viruses, plasmids, and other mobile genetic elements. Capitalizing on multi-omics approaches, we show here that the CRISPR-Cas systems of uncultivated archaea also play an integral role in mitigating potentially detrimental interactions with episymbionts. A comprehensive analysis of CRISPR-Cas-based infection histories revealed that uncultivated deep-subsurface archaeal primary-producers defend themselves from archaeal episymbionts of the DPANN superphylum of archaea, some of which are known to fuse their membranes with their host. We show that host cells counter these attacks by deploying one of two CRISPR-Cas systems (type I-B and type III-A) to target and disrupt essential genes in the episymbiont. However, genome-scale modeling of metabolic interactions between two deep subsurface host-symbiont systems revealed that host cells also benefit from the symbionts via metabolic complementation. We speculate that populations of these uncultivated archaeal episymbionts are currently transitioning from a parasitic lifestyle to one of mutualism, as must have occurred in countless mutualistic systems known today. By expanding our analysis to thousands of archaeal genomes, we conclude that CRISPR-Cas mediated resistance to archaeal episymbiosis evolved independently in various archaeal lineages and may be a wide-spread evolutionary phenomenon.
施設管理最適化タスクフォース
JAEA-Technology 2022-006, 80 Pages, 2022/06
2020年4月1日の原子炉等規制法改正とその経過措置を経て2020年度から始められた新しい原子力規制検査制度(新検査制度)に的確に対応するとともに、その運用状況を施設管理の継続的改善に反映していくため、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所に「施設管理最適化タスクフォース」を設置し、2020年11月から課題の整理及び改善策の検討を行った。2021年のタスクフォース活動では、新検査制度の基本方策の一つ「グレーデッドアプローチ」を考慮しつつ、「保全重要度分類とそれに基づく保全方式及び検査区分」並びに「施設管理目標(保安活動指標PI)の設定及び評価」について課題を整理した上で具体的な改善提案を取りまとめた。これら検討結果については、原子力科学研究所の所管施設(試験研究炉、核燃料使用施設、放射性廃棄物取扱施設)の施設管理に適宜反映し、その運用状況を踏まえ更なる改善事項があれば、翌年度以降の活動に反映していくこととする。
山本 昌亘; 沖田 英史; 野村 昌弘; 島田 太平; 田村 文彦; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; et al.
Proceedings of 12th International Particle Accelerator Conference (IPAC 21) (Internet), p.1884 - 1886, 2021/08
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、ビームを加速する高周波電圧の発生に四極真空管を用いている。これまでのところ真空管の寿命を延ばすために、真空管に印加するフィラメント電圧を定格値よりも下げて使用している。2020年に初めて、60000時間運転したところで1本の真空管が寿命を迎えた。これは真空管メーカーが推奨(もしくは保障)する運転時間よりも長いことを意味しており、フィラメント電圧を下げることが有効であることを示唆している。しかし、フィラメント電圧を下げて使用すると、電子放出が減ることになる。大強度ビームを加速するときにはビームによって誘起される電圧(ウエイク電圧)を補償するため大振幅の陽極電流が必要となるが、フィラメントからの電子放出が少ないため、それを補おうとしてコントロールグリッド回路を駆動する半導体増幅器が出力不足になる現象が発生した。そこで、実際に印加しているフィラメント電圧の定格に対する割合を85%から95%にしたところ、同じビームパワーを加速するのに必要な半導体増幅器の出力を大幅に減少させることができた。本発表では、フィラメント電圧調整の観点から、真空管のパラメーター測定の結果について述べる。
山本 昌亘; 古澤 将司*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 野村 昌弘; 大森 千広*; 島田 太平; 杉山 泰之*; 田村 文彦; 吉井 正人*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011022_1 - 011022_6, 2021/03
J-PARCリング高周波システムではThales社製四極真空管TH589を使用し、2007年の運転開始以来長いものでは5万時間を超える運用を実現している。特に3GeVシンクロトロンにおいては、初期不良を除いてこれまで寿命を迎えた真空管は無い。TH589はトリウムタングステンを使用したフィラメントを用いており、トリウムの蒸発を抑えるために製作時に炭化を実施している。真空管の運用とともに脱炭化が進むため、フィラメントの抵抗値を測定すると徐々に下がっていくのが観測される。真空管メーカーからは、脱炭化を抑えるために定格電圧よりも低い値(10%)で運用することが推奨されている。しかし12年に及ぶ運用の経験で、電圧を低い値に固定していても抵抗値が下がるに従って電流値が増え、フィラメントの発熱が増えて脱炭化が促進されている様子が観測された。これはフィラメントの電圧だけに着目するのではなく、発熱を一定にする運用をすることが寿命を伸ばすためには必要であることを示唆しており、3GeVシンクロトロンにおいては定期的に電流値を下げる運用手法を確立した。
曽野 浩樹; 助川 和弘; 野村 紀男; 奥田 英一; 保全計画検討チーム; 品質管理検討チーム; 検査制度見直し等検討会
JAEA-Technology 2020-013, 460 Pages, 2020/11
2020年4月1日施行の原子炉等規制法及び関係法令に基づき行われる新しい原子力規制検査制度(新検査制度)の導入準備として、日本原子力研究開発機構(原子力機構)所管の新検査制度対象7事業施設(研究開発段階発電用原子炉施設,再処理施設,加工施設,廃棄物管理施設,廃棄物埋設施設,試験研究用原子炉施設及び核燃料物質使用施設)を対象に、それら施設の多様性,特殊性及び類似性を考慮しつつ、原子力規制検査に対応するための運用ガイド6種「保全文書ガイド」,「独立検査ガイド」,「溶接検査ガイド」,「フリーアクセス対応ガイド」,「PI設定評価ガイド」及び「CAP対応ガイド」を策定した。また、新検査制度下での品質マネジメントシステム及び保安規定の改定案を検討し、原子力機構内で典型的な規定類のひな形として取りまとめ、新たな保安・保全・品質管理活動体制の導入を完了した。規制当局及び事業者ともに新検査制度の運用に係る細部の調整は、新検査制度本運用後(2020年4月以降)も継続していることから、今後の本運用の実施状況とその調整結果を踏まえ継続的・段階的に改善していくこととする。
松原 章浩; 藤田 奈津子; 木村 健二
Proceedings of the 8th East Asia Accelerator Mass Spectrometry Symposium and the 22nd Japan Accelerator Mass Spectrometry symposium (EA-AMS 8 & JAMS-22), p.57 - 59, 2020/00
設置面積2m2m未満にC-AMS装置を小型化する場合、従来の妨害分子の除去法であるガスストリッパーでは真空条件の悪化によりバックグラウンドが高まるという問題が生じる。われわれは、ガスを使用しないストリッパーとしてイオンと固体表面の相互作用を基にしたいわば、表面ストリッパーを提案した。本法の実用化に向けた初期的な取り組みとして、Cがテルル化スズの単結晶に入射した際の鏡面反射軌道を数値的に求めた。入射エネルギーが45keV、入射角度が1.5の場合、軌道に沿って積分された電子密度は、従来のガスストリッパーでの妨害分子の除去に十分とされるヘリウムガスの0.4g/cmのそれに相当することが分かった。これは、本方法がガスストリッパーに匹敵する妨害分子の除去機能があることを示唆する。
瀬谷 道夫; 呉田 昌俊; 曽山 和彦; 中村 仁宣; 原田 秀郎; 羽島 良一
Proceedings of INMM 55th Annual Meeting (Internet), 10 Pages, 2014/07
原子力機構は保障措置及び核セキュリティのための、次の先進的な核物質非破壊測定の基礎技術開発プログラムを実施してきている。(1)ZnS/BOセラミックシンチレータによるHe代替中性子検知技術、(2)中性子共鳴透過分析(NRTA)及び中性子共鳴捕獲分析(NRCA)の組み合わせによる中性子共鳴濃度分析法、(3)レーザー・コンプトン散乱線(大強度単色線)利用核共鳴蛍光NDA(1)は、供給不足が懸念されるHeに代わるZnS/BOセラミックシンチレータ中性子検出器の開発であり、(2)は、粒子状溶融燃料などの測定対象物中の核物質同位体組成比測定NDA技術開発、(3)は、レーザー・コンプトン散乱により発生させたエネルギー可変の大強度の単色線により引き起こすPu/U同位体の核共鳴蛍光反応を利用するNDAのためのプログラムである。この論文ではこれらについて紹介する。
森山 伸一; 篠崎 信一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(8), p.6224 - 6229, 2005/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.65(Physics, Applied)実時間波形整形の手法を用い、分散処理の概念に基づいて、JT-60U高周波加熱装置の制御設備の改造を行った。改造後のシステムが、従来の集中処理システムに比べて高い性能と信頼性を発揮しているのは当然であるが、実時間波形整形機能により装置運転の役割分担を見直し、高効率で円滑な運転を実現したことは注目すべきことである。実験装置の性格上、実験運転と装置調整は平行して進められ、調整の完了は事実上ありえない。特にプラズマ対向機器でありかつ高い高周波電界の発生するアンテナのコンディショニングには、磁場やプラズマの存在する条件で、きめ細かく入射パラメータを設定することが不可欠である。改造後の典型的な役割分担では、JT-60U全体の実験パラメータを把握する実験オペレータが矩形の入射パワー波形をプログラムし、一方で高周波加熱装置、特にアンテナのその時点での状態を熟知したRFオペレータが、パワー上昇率限界など機器に固有のパラメータを入力する。これらの情報を実時間で合成した入射命令を機器側に送出するようにした。この改造では制御機器間の信号伝達を可能な限り単純化し、汎用機器を多用した。本改造で構築した単純で柔軟性のある分散処理システムは、核融合研究用高周波加熱装置の制御系のあり方を提案するものである。
栃尾 大輔; 中川 繁昭
JAERI-Tech 2005-040, 39 Pages, 2005/07
定格熱出力30MWの高温工学試験研究炉(HTTR)では、原子炉で発生した熱を加圧水冷却器,中間熱交換器による熱交換を経て、最終的に加圧水空気冷却器により大気に放散している。HTTRの主冷却系熱交換器は原子炉出口冷却材温度850C/950Cを達成しつつ原子炉で発生した30MWの除熱を行わなければならず、主冷却系の熱交換器は設計時に定めた伝熱性能を有していなければいけない。本報では、HTTRにおいてこれまで実施してきた出力上昇試験,供用運転のデータから、主冷却系に設置されている熱交換器のうちの中間熱交換器(IHX)について伝熱性能を評価した。また、設計時におけるIHXの熱交換性能との比較を行い、設計時に用いたIHX伝熱性能評価手法の妥当性を検討した。
栃尾 大輔; 中川 繁昭; 古澤 孝之*
日本原子力学会和文論文誌, 4(2), p.147 - 155, 2005/06
日本原子力研究所の高温ガス炉HTTRでは、2004年3月から7月にかけて高温試験運転を行い、世界初となる原子炉出口冷却材温度950Cを達成した。HTTRの熱交換器は、原子炉で発生した熱の除熱及び原子炉入口冷却材温度を所定の温度に維持するという観点から、伝熱性能が設計時に想定した範囲内でなければならない。本報では、本試験運転で得られた実測データを用いて、主冷却系に設置されている熱交換器の伝熱性能を評価した。さらに、伝熱性能について評価値を設計値と比較し、熱交換器の設計手法が妥当であることを確認した。
黒崎 譲; 高柳 敏幸*
Chemical Physics Letters, 406(1-3), p.121 - 125, 2005/04
BrH系の非経験的に計算された基底状態のグローバルなポテンシャルエネルギー面(PES)についての新しい解析的関数を構築した。これは、以前われわれが発表した1A' PES[Y. Kurosaki, T. Takayanagi, J. Chem. Phys. 119 (2003) 7383]の修正版である。反応H+HBrH+Brとその同位体置換した反応の速度定数を、新しい1A' PESを用いて計算したところ実測値をよく再現した。これはフィットした関数の反応障壁の値1.53kcal molが真の値に非常に近いことを強く示唆している。
藤井 常幸; 関 正美; 森山 伸一; 寺門 正之; 篠崎 信一; 平内 慎一; 下野 貢; 長谷川 浩一; 横倉 賢治; JT-60チーム
Journal of Physics; Conference Series, 25, p.45 - 50, 2005/00
JT-60U電子サイクロトロン波帯(ECRF)加熱装置は高性能プラズマの実現のために活用されている。その出力は周波数110GHzで4MWである。JT-60U ECRF加熱装置で使用するジャイロトロンの出力は、そのアノード電圧を制御することで、制御できる。これを利用して、プラズマへの入射パワーを変調するために、アノード電圧制御器を開発し、出力0.7MWで、変調周波数10500Hzを達成した。また、このアノード電圧制御器を使用して、入射パルス幅を5秒から16秒まで伸長することに成功した。このような長パルスにおいて、アルミナ製のDCブレークの最大温度は約140度に達した。これを解析した結果、目標とするパルス幅30秒を実現するには、DCブレークの材料を低損失の材料に変更する必要があることが判明した。実時間制御でのECRF加熱による新古典テアリングモードの安定化を実証した。この実時間制御系では、ECE計測より10msごとに予測されるNTM発生領域を狙って、ECRFビームが入射される。
倉田 有司; 二川 正敏; 斎藤 滋
Journal of Nuclear Materials, 335(3), p.501 - 507, 2004/12
被引用回数:34 パーセンタイル:87.82(Materials Science, Multidisciplinary)450C及び550Cの酸素飽和した液体鉛ビスマス中で、Al表面処理を行った種々のレベルのCrを含む鋼について、3000時間の腐食試験を実施した。Al表面処理法として、ガス拡散法及び溶融Al浸漬法の2種類を採用した。ガス拡散法によって作られたAlO, FeAl及びAlCrは液体鉛ビスマスに対して耐食性を示したが、溶融Al浸漬法によって作られた表面層では著しい腐食が起こった。溶融Al浸漬法によって作られたFeAl及びFeAlは550Cの腐食試験中に消失し、FeAlだけが残存した。
中川 繁昭; 橘 幸男; 高松 邦吉; 植田 祥平; 塙 悟史
Nuclear Engineering and Design, 233(1-3), p.291 - 300, 2004/10
被引用回数:8 パーセンタイル:48.34(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉は冷却材温度を高温にすることができるとともに、固有の安全性があることで魅力的な原子炉である。日本初の高温ガス炉であるHTTRが日本原子力研究所の大洗研究所に建設された。HTTRは、その出力上昇試験において2001年12月7日に原子炉出力30MW,原子炉出口冷却材温度850Cを達成した。出力上昇試験では、運転合格証取得のための試験と原子炉性能確認のための試験の2種類を実施した。原子炉出力30MWまでの出力上昇試験の結果から、原子炉及び冷却機器の性能を確認し、原子炉施設の運転が安全に実施できることを確認した。本論文は、HTTRに関するシリーズ投稿の一つである。
大橋 弘史; 稲葉 良知; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 片西 昌司; 高田 昌二; 小川 益郎; 塩沢 周策
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(3), p.385 - 392, 2004/03
被引用回数:19 パーセンタイル:73.41(Nuclear Science & Technology)原研では、高温核熱利用の有用性の実証を目的として、HTTRと水素製造システム(メタンの水蒸気改質:CH+HO=CO+3H)との接続技術の開発を進めている。HTTR水素製造システムの製作の前に、システムの特性把握,原子炉に対応した運転・制御技術の確立,HTTR水素製造システムの安全審査・設工認に必要なデータの取得を目的として実規模単一反応管試験を計画し、HTTR水素製造システムの1/30スケールの規模を有する試験装置を完成させた。さらに、今後の試験を行ううえで必要な水素製造能力,制御性等を確認するために、試験装置完成時にHTTR水素製造システムと同条件下で水素製造試験等の機能試験を実施した。この結果、本装置の水素製造能力は設計値110Nm/hを満足する120Nm/hであった。また、起動時におけるヘリウムガスの熱外乱を蒸気発生器で緩和することにより、原子炉戻りヘリウムガス温度に相当する蒸気発生器出口へリウムガス温度を設計値である10C以内に制御できた。本報では、機能試験の結果について述べる。
立花 光夫; 伊藤 博邦*; 畠山 睦夫*; 柳原 敏
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.120 - 127, 2004/03
原子力施設の廃止措置において、コンクリート表面における低レベル放射能汚染を自動測定する建屋表面汚染自動測定装置(RAPID-1600:Radiation Measuring Pilot Device for Floor Contamination with 1,600cm Detectors)を開発した。RAPID-1600は、積層型検出器,自動走行ロボット,制御部から構成される。放射能測定は、検出器を上下2層に重ね、その間に線の遮へい板を挟むことにより、コンクリート表面に近い第1検出器では線と線を、第2検出器では線を測定する。測定対象物からの線の計数率は、第1検出器に測定される線と線の計数率から、第2検出器に測定される線の計数率を差し引くとこにより評価できる。RAPID-1600は、双輪キャスタ型駆動機構の駆動輪と操舵輪をそれぞれ個別に操作することにより全方向に移動でき、デジタル標識を用いた自己位置同定システムにより位置の補正ができる。日本原子力研究所のRI製造棟における実地適用試験を通して、RAPID-1600が原子力施設の廃止措置における確認測定に適用できる見通しが得られた。
黒崎 譲; 高柳 敏幸
Journal of Chemical Physics, 119(15), p.7838 - 7856, 2003/10
被引用回数:26 パーセンタイル:63.21(Chemistry, Physical)BrH系の三つの最低二重項状態(1A', 2A', 1A") についての断熱ポテンシャルエネルギー面を、Breit-Pauliハミルトニアンに基づくスピン-軌道相互作用による補正を加えてMRCI/aug-cc-pVTZ法により計算し、得られた断熱エネルギーを解析的な多体関数にフィットした。基底状態のポテンシャル面上での水素引抜き及び水素交換の反応障壁は、MRCI+Q/aug-cc-pVTZレベルでそれぞれ1.28 and 11.71 kcal molと計算された。ポテンシャル面のフィットの精度は0.1 kcal mol以内であった。フィットした基底状態のポテンシャル面を用いて、水素引抜き及び水素交換並びに同位体置換した反応の反応速度定数を、変分的遷移状態理論に基づくICVT/LAG法により計算した。その結果、水素引抜きについては実験との一致はおおむね良好であったが、水素交換については計算値は実験値を大幅に下回った。この不一致は、実験データの不足が主な原因と考えられる。
峰原 英介; 羽島 良一; 沢村 勝; 永井 良治; 菊澤 信宏; 西森 信行
Proceedings of 28th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.31 - 32, 2003/08
原研超伝導リニアック駆動自由電子レーザー施設及び研究開発の現状について報告する。半永久的に連続無停止運転が唯一可能な原研FELの超伝導加速器のための冷凍機運転状況,大型から超小型の産業用高出力FEL,次世代光源として急速に開発が進展しているERL放射光源の概念設計,要素検討研究,大規模産業応用等について概略報告する。
横倉 賢治; 平内 慎一; 柴山 実*; 池田 佳隆; 森山 伸一; 篠崎 信一; 佐藤 文明*; 春日井 敦
JAERI-Tech 2003-047, 58 Pages, 2003/06
本報告書は、JT-60U電子サイクロトロン加熱(ECH)装置の伝送系システムについて述べたものである。本装置は周波数110GHzを使用した、MW級の伝送系システムであり、基本設計,システム性能と特徴,建設での作業と過程,運転経験から建設に反映された改善について記述した。本伝送系では1系統あたり1.2MW,4秒の大電力伝送を実証し、伝送損失は基本設計と同等である20~25%を得た。
稲垣 嘉之; 林 光二; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2003-034, 129 Pages, 2003/05
HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の水素製造設備を模擬した実規模単一反応管試験装置の機能試験の結果について報告する。本試験装置は、HTTR水素製造システムの水蒸気改質器反応管1本を実寸大で模擬した装置で、熱源には原子炉の代わりに電気ヒータを用いて、HTTR水素製造システムと同じ温度・圧力の条件で試験を行うことができる。試験装置は、平成9年より設計,製作を開始し、平成13年9月に据付を完了した。平成13年10月から平成14年2月まで実施した機能試験において、各設備の性能確認を行うとともに、高温ヘリウムガスを熱源として120mN/hの水素製造を達成して、試験装置を完成させた。また、本報告では、機能試験時に発生した不具合事項とその対策についても合わせて述べる。