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斎藤 祐児; 藤原 秀紀*; 山口 貴司*; 中谷 泰博*; 森 健雄*; 渕本 寛人*; 木須 孝幸*; 保井 晃*; 宮脇 淳*; 今田 真*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 85(11), p.114713_1 - 114713_7, 2016/11
被引用回数:13 パーセンタイル:65.51(Physics, Multidisciplinary)軟X線吸収(XAS)、磁気円二色性(XMCD)、角度分解光電子分光(ARPES)により強磁性体CeAgSbの電子状態を調べた。Ce
XASスペクトルのサテライト構造の強度が非常に小さいことから、Ce 4
電子は非常に局在的であることが明らかとなった。Ce
XASの線二色性効果から、Ce 4
基底状態は
軸方向を向いた
であることが分かった。XMCD結果は、CeAgSb
の局在磁性描像を支持する。さらに、ARPESで得られたバンド構造は、CeAgSb
では無くLaAgSb
に対するバンド計算結果とよく一致する。しかしながら、Ce 3
-4
共鳴ARPES結果では、ブリルアンゾーンの一部でCe 4
と4
ピーク強度比に波数依存性が観測され、Ce 4
と伝導電子に無視できない混成効果が有ることが分かった。このことは、CeAgSb
のあまり大きくない電子比熱係数と関係づけることができる。
馬場 基芳*; 錦野 将元; 長谷川 登; 富田 卓朗*; 南 康夫*; 武井 亮太*; 山極 満; 河内 哲哉; 末元 徹
Japanese Journal of Applied Physics, 53(8), p.080302_1 - 080302_4, 2014/08
被引用回数:7 パーセンタイル:31.57(Physics, Applied)軟X線光源として波長13.9nm、パルス幅8ピコ秒の軟X線レーザーを用 いたシングルショット斜入射反射型軟X線顕微鏡の開発を行っている。結像光学素子としてフレネルゾーンプ レートを用いることで高空間分解能を達成している。サブミクロンスケールの溝構造をつけたプラチナサンプルの表面を約360nmの空間分解能でシングルショット撮像に成功した。ケーラー照明を用いることで100ミクロンの幅広い空間視野を保ち、また、この軟X線顕微鏡は100ミクロン以上の深さの焦点深度を持つことを確認した。この高空間分解能の軟X線顕微手法により、単一パルスのフェムト秒レーザーによって引き起こされる レーザーアブレーションの過程や表面の微細構造を高空間,高時間分解能で観察することが可能となった。
横谷 明徳; 藤井 健太郎; 牛込 剛史; 鹿園 直哉; 漆原 あゆみ; 渡邊 立子
Radiation Protection Dosimetry, 122(1-4), p.86 - 88, 2006/12
被引用回数:11 パーセンタイル:60.65(Environmental Sciences)軟X線により誘発される、DNA損傷の収率を調べた。軟X線のLETは、線と超軟X線のそれの中間にある。通常のX線発生装置から得られる広いエネルギースペクトルを持つ軟X線は、放射線生物学実験のみならず乳がん検診にも広く用いられている。ICRPの勧告によれば、軟X線の放射線加重係数は
線のそれと同じ1とされている。しかし、そのエネルギースペクトル上には、制動放射により発生する数10keV以下の低エネルギー光子の成分がかなり多い。これらの低エネルギー光子は、光電効果により低速の光電子やAuger電子を多数発生させるためDNAに対してより高密度な電離・励起を与え、複雑なDNA損傷を誘発すると考えられる。われわれはWターゲット,150kVpで運転したX線発生装置より得られる軟X線をDNAに照射し、生じたDNAの鎖切断収率を定量した。さらに、塩基除去修復酵素との反応を利用して定量された塩基損傷の収率についても報告する予定である。
今園 孝志; 広野 等子*; 木村 洋昭*; 斎藤 祐児; 石野 雅彦; 村松 康司*; 小池 雅人; 佐野 一雄*
Review of Scientific Instruments, 76(12), p.126106_1 - 126106_4, 2005/12
被引用回数:14 パーセンタイル:55.7(Instruments & Instrumentation)回転検光子法により合成雲母(フッ素金雲母)結晶を用いた反射型偏光子の偏光能の評価を行い、水平偏光モードにおけるAPPLE-2型可変偏光アンジュレータ光源BL23SUビームライン(SPring-8)の直線偏光度を評価した。その結果、入射エネルギー880eV,入射角45近傍での合成雲母のs偏光及びp偏光反射率はそれぞれ2.6%及び0.013%であった。回転検光子法に基づく解析の結果、合成雲母の偏光能は少なくとも0.997
0.002、入射光の直線偏光度(880eV)は0.993
0.004であることがわかった。
安居院 あかね; Kmbre, T.*; S
the, C.*; Nordgren, J.*; 薄田 学; 齋藤 智彦*; 守友 治*
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 144-147, p.589 - 592, 2005/06
被引用回数:1 パーセンタイル:5.7(Spectroscopy)ペロプスカイト型層状マンガン酸化物LaSr
Mn
O
についてO K吸収端近傍で軟X線吸収分光実験及び共鳴発光分光実験を行った。吸収スペクトルはこれまでのペロプスカイト型マンガン酸化物のスペクトルを再現した。発光分光スペクトルは異なる化学状態の酸素2pの状態密度を反映し、ローカルデンシティアプロキシメーション法によるバンド計算の結果との比較によって説明された。
安居院 あかね; Butorin, S. M.*; Kmbre, T.*; S
the, C.*; 齋藤 智彦*; 守友 浩*; Nordgren, J.*
Journal of the Physical Society of Japan, 74(6), p.1772 - 1776, 2005/06
被引用回数:8 パーセンタイル:48.49(Physics, Multidisciplinary)層状ペロプスカイト型マンガン酸化物LaSr
Mn
O
は巨大磁気抵抗など興味深い物性を示しさまざまな見地から研究がなされている。今回われわれは、軟X線分光の手法を用いMn 3dの電子状態を調べたので報告する。Mn
XASスペクトルはこれまでにペロプスカイト型マンガン酸化物報告されているスペクトルの特徴をほぼ再現し、スペクトル構造はMn 3dの結晶場分裂やO2pとの軌道混成で説明できた。XASの特徴的なピークのエネルギー位置を選択し、Mn L XESスペクトル測定の励起エネルギーとした。励起エネルギーの変化に対応してMn L XESスペクトル形状は共鳴様の多様な変化を示した。それぞれのピークはdd励起状態や電荷移動型の電子励起状態などに帰属され、励起エネルギーの変化に伴いその強度比が変化しスペクトル形状が変化することがわかった。
中谷 健; 安居院 あかね; 吉越 章隆; 田中 均*; 高雄 勝*; 竹内 政雄*; 松下 智裕*; 青柳 秀樹*
JAERI-Tech 2005-027, 29 Pages, 2005/05
SPring-8の蓄積リングに設置された原研軟X線ビームライン用挿入光源ID23はギャップ駆動及び位相駆動に依存する電子軌道変動を引き起こす。この変動を抑える補正励磁テーブル作成のためのスタディを行った。ID23駆動時に使用する補正励磁テーブルを新たに作成するために、リングのアーク部に置かれているビームポジションモニターとX線ビームポジションモニターから得られた軌道変動データとID23パラメータとを同じ時間軸上で取得し、変動成分を補正するための励磁テーブルの作成を2001年12月から2002年11月にかけて行った。また、位相駆動用サーボモーターからの漏れ磁場により軌道変動が引き起こされることがわかったので、磁気遮蔽によりこれを軽減した。
小池 雅人
JAERI-Conf 2005-004, p.15 - 18, 2005/04
米国Advanced Light Source(ALS)ビームライン6.0はバンチ「切り出し」のテクニックでフェムト秒のX線パルスを作り出し、X線吸収分光学研究を行うために設計されており、軟X線,硬X線ブランチビームラインは120eVから10keVまで広い光子エネルギー範囲をカバーすることを目指している。 軟X線ブランチビームラインでは軟X線分光写真機を用いて波長分散により吸収スペクトル形成する。本論文では光子エネルギー範囲2-8keVにおける軟X線吸収分光研究へのラミナー型回折格子の応用についての考察について述べる。
水牧 仁一朗*; 魚住 孝幸*; 安居院 あかね; 河村 直己*; 中沢 誠*
Physical Review B, 71(13), p.134416_1 - 134416_8, 2005/04
被引用回数:14 パーセンタイル:52.39(Materials Science, Multidisciplinary)ユーロピウムガーネットは古くから典型的な強磁性体として多くの研究がなされている物質である。この中でEuは3価となり理想的な基底状態ではEuイオンに磁気モーメントは発現しない。われわれはユーロピウムガーネットの磁気円二色性吸収分光測定を室温と低温(20K)で行い、J=0の基底状態にJ=1,2の励起状態が混成することによって生じる新たなピークを観測した。また、化合物中の内部磁場の起源についてもモデル計算を用いて検討した。
今園 孝志; 石野 雅彦; 小池 雅人; 木村 洋昭*; 広野 等子*; 佐野 一雄*
Review of Scientific Instruments, 76(2), p.023104_1 - 023104_4, 2005/02
被引用回数:13 パーセンタイル:53.89(Instruments & Instrumentation)1keV領域で機能する偏光子を開発するために、天然雲母の偏光特性に関して動力学理論に基づく理論的検討を行い、入射角45、入射エネルギー0.9keVで同結晶がs偏光反射率
=3%の反射型偏光子として機能する可能性があることがわかった(p偏光反射率
)。このことを実験的に検証するために、直線偏光したアンジュレータ放射光(SPring-8 BL27SU)を用いて天然雲母(002)対称ブラッグ反射の偏光別反射率測定を行った。その結果、878eVでピーク反射率は
=1.8%,
=0.022%であった。また、偏光子の偏光性能を表し、
と
の反射強度の比として定義される消光比が
となる入射角で
=1%であった。この結果は、天然雲母が軟X線領域で実用的な偏光子として機能することを示した。
今園 孝志; 柳原 美広*
Photon Factory News, 22(3), p.18 - 22, 2004/11
全反射臨界角を利用して励起した軟X線蛍光分光を用いて、Fe/Si多層膜の表面から数nmの深さの範囲内にSiOが分布することを明らかにした。これは、最上Fe層に最も近い拡散層であるFe
Si層の酸化によって生成したもので、結果的にFe
Si層厚は減少する。このことは臨界角から十分離れた入射角で励起した通常の軟X線蛍光分光では得られない全く新しい知見であり、全反射軟X線蛍光分光が表面及び界面にある物質の化学結合状態の分析法として極めて有用であることを示している。
佐藤 仁*; 吉河 訓太*; 平岡 耕一*; 有田 将司*; 藤本 浩二*; 小島 健一*; 室 隆桂之*; 斎藤 祐児; 関山 明*; 菅 滋正*; et al.
Physical Review B, 69(16), p.165101_1 - 165101_6, 2004/04
被引用回数:33 パーセンタイル:78.12(Materials Science, Multidisciplinary)YbInCuの価電子帯の電子状態を励起エネルギー800eVを用いた高分解能光電子分光によって調べた。測定温度を50Kから40Kに下げると、42Kの価数転移に伴い、Yb
成分は著しく強度が増加し、一方Yb
成分の強度は減少した。Ybイオンの価数はこの光電子スペクトルから直接導出され、100Kにおいて約2.81であり、50Kまで徐々に減少し、40Kにおいて約2.68へ急激に変化した。これらの値は、これまでに報告されている検出深さの短い実験と比べて大きく、YbInCu
の準表面状態の存在を示唆する。また、測定温度を50Kから40Kに下げると、Yb
成分の多重項構造が50meV程度高結合エネルギーに移動することが観測された。これは、Ybの4f準位に電子を加えるためのエネルギーの増加を反映していると考えられ、価数転移現象とよく対応する。
藤井 健太郎; 赤松 憲; 横谷 明徳
Radiation Research, 161(4), p.435 - 441, 2004/04
被引用回数:14 パーセンタイル:38.1(Biology)DNAの放射線損傷のメカニズムを解明するため、直接イオン化や放射線トラックに生じた二次電子によって受ける損傷を調べることは、重要な課題である。本研究では軟X線照射によって引き起こされるDNA中の特定サイトで起こる分子フラグメントを観測することを試みた。実験はSPring-8原研専用ビームラインBL23SUにおいて行い、軟X線照射によって得られる、表面脱離イオンを四重極質量分析器によって観測した。試料としてDNA構成分子である、デオキシリボース,チミン,チミジンTMPを用い、得られたフラグメントのパターンから、DNA分子中では糖のサイトが脆弱部位であることが明らかになった。
村松 康司; 元山 宗之*; Denlinger, J. D.*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 42(10), p.6551 - 6555, 2003/10
被引用回数:6 パーセンタイル:28.32(Physics, Applied)軟X線発光・吸収分光法により、いぶし瓦表面炭素膜の化学状態を分析した。その結果、この炭素膜は基本的にカーボンブラックと同様なsp2炭素からなるものの、その半分は粘土基板にほぼ平行な層構造をもち、残り半分の炭素は非晶質構造をもつことがわかった。いぶし瓦の光沢色はこの層構造成分に起因し、耐久性は非晶質構造に起因することが示唆された。
中谷 健; 田中 均*; 高雄 勝*; 安居院 あかね; 吉越 章隆; 竹内 政雄*; 青柳 秀樹*; 大熊 春夫*
JAERI-Tech 2003-048, 29 Pages, 2003/05
SPring-8原研軟X線ビームライン用挿入光源ID23は高速で位相駆動を行うのでその磁場変動は頻繁に発生する。その影響を抑えることを目的として、軌道変動抑制用補正励磁テーブルの作成を行っている。ビーム軌道変動データとID23の動きの相関を測定し補正テーブルを作成するためのデータを取得したので報告する。
斎藤 祐児; 中谷 健*; 松下 智裕*; 安居院 あかね; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 横谷 明徳
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 474(3), p.253 - 258, 2001/12
被引用回数:75 パーセンタイル:97.53(Instruments & Instrumentation)SPring-8の原研専用ビームラインであるBL23SU(重元素科学ビームライン)の性能について報告する。本ビームラインでは、可変偏光アンジュレータと非等間隔回折格子分光器を用い、アクチノイド、表面科学、生態関連物質等の軟X線分光実験が行われる。エネルギー分解能は400eVで10000以上、867eVで6500程度が得られた。また、実験ステーションにおいては、0.5-1.8keVで10/秒程度の円偏光が得られた。
佐々木 貞吉; 中岸 信彦*
表面科学, 22(10), p.43 - 50, 2001/10
装置の小型化,検出効率の向上,時分割測定の可能性などを目指し、軟X線用CCD検出器を搭載した装置(ローランド円半径1m,エネルギー分解能500~1500,エネルギー範囲60~1500eV)を製作し、性能を評価した。試料から入射スリットまでの距離が13cmであったにもかかわらず金属,酸化物,グラファイト,Si半導体などからの軟X線発光について、3~30分計測でS/Nの良好なスペクトルを取得できた。Si単結晶については、Ar照射した試料のSi Lスペクトルを測定・解析し、結晶性のキャラクタリゼーションに応用できることを示した。
安居院 あかね; 水牧 仁一朗*; 斎藤 祐児; 松下 智裕*; 中谷 健*; 深谷 綾子*; 鳥飼 映子*
Journal of Synchrotron Radiation, 8(2), p.907 - 909, 2001/03
被引用回数:9 パーセンタイル:49.91(Instruments & Instrumentation)イルメナイト(FeT:O)で代表されるこの系列の酸化物、六方晶結晶構造を有する最も単純な酸化物の一つである。イルメナイト構造ではFeによって占有されたC面とTiによって占有されたC面が交互に積み重なっている。イルメナイトの磁気的性質を明らかにする基礎実験として、われわれはSPring-8のBL23SUにおいて軟X線吸収実験を行った。実験はFeTiO
のみでなく、MnTiO
とCoTiO
についても行われスペクトルを比較した。BL23SUは高分解能ビームラインであり微細な構造も観測されたので報告する。
平松 洋一*; 島田 太平*; 宮原 義一*
JAERI-Tech 99-082, p.274 - 0, 1999/12
SPring-8の23番セルに設置された原研軟X線ビームライン用挿入光源の制御系を開発した。この挿入光源は、平面型可変偏光アンジュレータ(APPLE型)であり、上下に設置された2対の磁石列を相対的に動かして、水平直線偏光、垂直直線偏光、だ円偏光、左右円偏光の放射光を発生する装置である。本制御系では、磁石列のギャップ駆動と位相駆動に伴って、蓄積リングの電子ビーム軌道が変動するのを制御するために、10台の補正電磁石で速い(周期=24msecの)軌道修正をかけることができる。一定の周期(2secで、バラツキ誤差0.1%以下)の位相駆動を実現することにも成功した。開発したシステムは、SPring-8全体の制御系で採用されている「SVOCコマンド制御方式」に合致したものになっている。
横谷 明徳; 渡辺 立子*; 原 岳広*
Journal of Radiation Research, 40(2), p.145 - 158, 1999/00
被引用回数:49 パーセンタイル:81.54(Biology)本論文は、放射光を単色化して得られる超軟X線領域のPhoton、338eV,435eV及び573eVを、固相のプラスミドDNA(pBR322)に照射し、単鎖切断、二重鎖切断の頻度を測定したものである。鎖切断頻度は三つの波長で大きな違いは見られなかったが、線や2keV軟X線のそれと比べて大きかった。この結果は、放射線生物照射効果に1keV以下のエネルギーが大きく効いていることを示すものである。