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秋山 大輔*; 日下 良二; 熊谷 友多; 中田 正美; 渡邉 雅之; 岡本 芳浩; 永井 崇之; 佐藤 修彰*; 桐島 陽*
Journal of Nuclear Materials, 568, p.153847_1 - 153847_10, 2022/09
被引用回数:3 パーセンタイル:63.91(Materials Science, Multidisciplinary)ウラン酸鉄,ウラン酸クロム、およびその固溶体を合成し、これらのウラン酸塩が異なる熱的安定性を示すメカニズムを研究した。熱的安定性を評価するため、ウラン酸塩試料の熱重量分析を実施した結果、ウラン酸クロムの分解温度(約1250C)に対してウラン酸鉄は低温(約800C)で分解するが、クロムを含む固溶体では熱分解に対する安定性が高まることが分かった。この熱的安定性と結晶構造との関係性を調べるため、エックス線結晶構造解析,エックス線吸収微細構造測定,メスバウアー分光測定,ラマン分光分析による詳細な結晶構造と物性の評価を行ったが、本研究で用いたウラン酸塩試料の間に明瞭な差異は観測されなかった。そのため、熱的安定性の違いは結晶構造に起因するものではなく、鉄とクロムとの酸化還元特性の違いによるものと推定した。クロムは3価が極めて安定であるのに対して、鉄の原子価は2価と3価を取ることができる。このため、ウラン酸鉄の場合には結晶中でウランと鉄との酸化還元反応が起こり、低温での分解反応を誘起したものと考えられる。
山田 椋平; 小田桐 大貴*; 岩岡 和輝*; 細田 正洋*; 床次 眞司*
Radiation Environment and Medicine, 8(1), p.21 - 25, 2019/02
固体飛跡検出器であるCR-39を用いたパッシブ型の測定器によってラドン・トロン及びその子孫核種を評価している。曝露後、CR-39は化学エッチング処理を行う必要がある。本研究では、この処理時間を短縮するためにCR-39の化学エッチング時間の短縮と、将来的な自動計数システムの導入を見据えたトラック直径(エッチピット直径)の拡大を検討した。最適なエッチング条件は、溶液濃度, 溶液温度及びエッチング時間を変えることによって決定した。その結果、最適条件(濃度, 温度, エッチング時間)は6M NaOH溶液, 75度, 10時間と決定された。これらの結果は、従来の化学エッチング時間の半分の時間で処理が完了することを示した。さらに、従来のトラック直径の拡大を考慮しなければ、より短いエッチング時間で処理を行うことが可能であることが示唆された。
向 泰宣; 中道 英男; 小林 大輔; 西村 和明; 藤咲 栄; 田中 秀樹; 磯前 日出海; 中村 仁宣; 栗田 勉; 飯田 正義*; et al.
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 8 Pages, 2017/04
東海再処理工場では、2007年の運転以降、長期間、プルトニウムを溶液の状態で貯蔵している。硝酸Pu溶液は、全電源喪失時に水素爆発や沸騰に伴う事故により放射性物質を施設外に放出するリスクがあり、2011年の東日本大震災以降、原子力機構は硝酸Pu溶液貯蔵時の潜在的なリスクについて評価を実施し、2013年に貯蔵中の硝酸Pu溶液(約640kgPu)の潜在的なリスクを低減するため、当該溶液をMOX粉末に転換し、固化・安定化を図ることを目的としたプルトニウム転換技術開発施設(PCDF)の運転を計画した。PCDFの運転をリスク低減化活動の一環として新規制基準の適用を受けずに実施するため、緊急安全対策等の原子力安全に係る必要な対策を実施し、原子力規制委員会より運転実施の了解が得られた。その結果、PCDFの運転を2014年の4月28日から開始し、2016年8月3日に約2年間の処理運転を計画通り無事に完遂した。
都留 智仁; Chrzan, D. C.*
Scientific Reports (Internet), 5, p.8793_1 - 8793_8, 2015/03
被引用回数:68 パーセンタイル:86.73(Multidisciplinary Sciences)性能を犠牲にすることなく機械製品の効率を向上する技術において、軽量で高強度の構造材合金の開発が重要となる。マグネシウム合金は構造材料への応用に大きく期待されているが、強度において重要な欠点がある。転位の運動は合金中の電子の結合によって決定され、この結合は量子力学に基づくアプローチによってモデル化される。ここで、我々はMgの柱面上でのらせん転位の電子構造の計算を行った。そして、いくつかの添加元素がらせん転位の運動に必要な転位の収縮を安定化させることによりMgの延性を向上することを示した。
原賀 智子; 亀尾 裕; 中島 幹雄
分析化学, 55(1), p.51 - 54, 2006/01
被引用回数:4 パーセンタイル:14.41(Chemistry, Analytical)非金属放射性廃棄物をプラズマ溶融処理して製作される溶融固化体の放射化学分析を行うためには、比較的多量の試料を溶液化する必要がある。本報告では、溶融固化体試料を効率的に溶液化するために、マイクロ波加熱装置を用いる迅速溶解法を検討した。従来のホットプレートのみによる外部加熱法では、一容器あたり溶液化可能な溶融固化体試料は0.1g程度であったが、マイクロ波加熱法を適用することにより、試料1gをより短時間に溶液化できるようになった。これにより、溶解操作の所要時間は1/10以下に短縮され、溶融固化体試料に対する迅速溶解法を確立することができた。また、リファレンスとして高炉スラグを用いて、マイクロ波加熱を適用した溶解法の妥当性を確認した。
荒井 康夫; 湊 和生
Journal of Nuclear Materials, 344(1-3), p.180 - 185, 2005/09
被引用回数:24 パーセンタイル:81.94(Materials Science, Multidisciplinary)原研で進めているマイナーアクチノイド(MA)核変換用窒化物燃料の製造及び使用済窒化物燃料の乾式処理技術開発のための電気化学測定に関する研究成果を報告する。MA窒化物燃料の製造については、高純度窒化物合成のための炭素熱還元,MAを含む窒化物固溶体形成及び窒化物の焼結挙動について報告する。乾式処理技術開発のための電気化学測定については、塩化物溶融塩中での陽極溶解挙動,液体陰極回収挙動及び再窒化挙動について報告する。
外池 幸太郎; 三好 慶典; 大久保 清志
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(4), p.238 - 245, 2003/04
被引用回数:2 パーセンタイル:18.89(Nuclear Science & Technology)STACYにおいて、低濃縮(U濃縮度10%)の硝酸ウラニル水溶液を内蔵する同形の2ユニットを用いて、中性子相互干渉の反応度効果を測定した。一つのユニットの厚さは350mm,幅は690mmであり、二つのユニットの間隔が0mmから1450mmまで可変である。溶液の条件はウラン濃度約290gU/L,遊離硝酸濃度約0.8規定,温度2427C,溶液密度約1.4g/cmであった。反応度効果はユニット間隔に応じて495mmから763mmまで変化した臨界液位から評価した。また、立体角法、及び連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4Cと核データライブラリーJENDL3.2を用いた数値計算によっても反応度効果を評価した。本報告ではこれらの反応度評価結果を比較する。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 湊 和生; 沼田 正美
Proceedings of GLOBAL2003 Atoms for Prosperity; Updating Eisenhower's Global Vision for Nuclear Energy (CD-ROM), p.2285 - 2291, 2003/00
マイナーアクチノイドの核変換用窒化物燃料に関して、その成分となるAmN及び不活性母材との固溶体(Am,Zr)Nの安定性を室温での加水分解挙動と高温での蒸発挙動について実験的に調べた。空気中に放置したAmNは水分と急速に反応して水酸化物Am(OH)と思われる化合物になったが、(AmZr)Nでは、1000時間の観察中に加水分解による重量増加は認められなかった。Dyモル分率をパラメータにした(Dy,Zr)Nによる実験では、固溶体の水分に対する安定性はDyのモル分率に大きく依存することがわかった。(Dy,Zr)Nの乾燥空気中での熱重量分析による高温酸化に関する実験では、700K以上で急激な酸化が起こり、Dyモル分率への依存性はほとんど見られなかった。高温でのHe中における蒸発挙動では、1623から1733Kの範囲でAmNの蒸発速度定数を得た。(AmZr)N中のAmNの蒸発速度定数はAmNのそれに比べて小さかったが、AmNの選択的な蒸発が起こり固溶体の組成が変化することがわかった。窒素雰囲気中におけるAmNの蒸発との比較から、焼結などの高温加熱を行う場合には蒸発による損失を抑えるために、窒素雰囲気を用いる必要があることがわかった。
高野 公秀; 伊藤 昭憲; 赤堀 光雄; 小川 徹
Journal of Alloys and Compounds, 327(1-2), p.235 - 239, 2001/08
被引用回数:13 パーセンタイル:60.66(Chemistry, Physical)炭素熱還元法によりDyOから調製したDyN中の酸素溶解度を、固溶酸素量及び格子定数測定により求めた。得られた格子定数は、固溶酸素量の増加とともに減少すること、また、固溶酵素量は温度上昇とともに増大することが明らかとなった。結果として、DyN-DyO擬似二元系における1気圧窒素での酸素溶解度は、1628Kで約9mol%DyO,2075Kで約14mol%DyOとなることを示した。
藤野 威男*; 佐藤 修彰*; 山田 耕太*; 中間 昌平*; 福田 幸朔; 芹澤 弘幸; 白鳥 徹雄
Journal of Nuclear Materials, 265(1-2), p.154 - 160, 1999/00
被引用回数:6 パーセンタイル:45.46(Materials Science, Multidisciplinary)EuUO固溶体のy=0.05及び0.1における酸素ポテンシャル(G)の変化を熱天秤を用いて、1000C、1100C及び1200Cで測定した。Eu添加によってGはハイポ側で著しい増加がみられる一方、ハイパー側ではy=0.05及び0.1ともほとんど同じであった。Gの急激な変化をおこすO/M比(M=Eu+U)は、y=0.1では、1000~1400Cの間で、温度が低くなるとともに減少する。ただし、y=0.05ではその影響はみられない。この減少の温度依存性は、yの増加とともに著しくなるようである。また、酸素のエントロピー(S)とエンタルピー(H)はともに、O/M比が2よりわずかに小さいところで大きな鋭いピークとなった。これらのピークは温度が下がるに従い、Gの急激な変化によるO/M比の減少の結果として現れる。
藤野 威男*; 中間 昌平*; 佐藤 修彰*; 山田 耕太*; 福田 幸朔; 芹澤 弘幸; 白鳥 徹雄
Journal of Nuclear Materials, 246(2-3), p.150 - 157, 1997/00
被引用回数:22 パーセンタイル:83.26(Materials Science, Multidisciplinary)酸素分圧が低い領域において、UOへのMgの溶解挙動を調べた。1200Cでは、酸素分圧が10atm以下であってもMgが0.1~0.15%固溶することが判明した。固溶したMgは、Uのサイトに置換するだけでなく、格子間にも固溶すると考えられる。この格子間に固溶したMgは、固溶体の格子定数を増大させる効果をもつ。
芹澤 弘幸; 白鳥 徹雄; 福田 幸朔; 藤野 威男*; 佐藤 修彰*
Journal of Alloys and Compounds, 218, p.149 - 156, 1995/00
被引用回数:3 パーセンタイル:37.04(Chemistry, Physical)軽水炉用低酸素ポテンシャル燃料として有望である、(Mg,U)O固溶体の格子ひずみについて調べた。組成の異なる試料を調整し、X線回折法による格子ひずみを測定した。その結果、固溶体に生じる均質ひずみが、金属クラスター(Mg,U)の形成に起因していることがわかった。また、酸素含有量の少ない固溶体に、非均質ひずみが生じることが明らかとなった。この固溶体の結晶子サイズが、酸素含有量の多い試料と比較して小さくなっていることから、試料調整時に生じるMgO析出物と関係していると考えられる。
赤堀 光雄; 小川 徹; 伊藤 昭憲; 森井 幸生
Journal of Physics; Condensed Matter, 7, p.8249 - 8257, 1995/00
被引用回数:46 パーセンタイル:89.25(Physics, Condensed Matter)-UZrの格子安定性と構造を熱分析及び中性子回折により調べた。構造はZrの相に類似した修正C32-AlB構造であることを確認した。相格子定数の温度依存性を室温から880Kの温度領域で決定した。相からbcc固溶体相への相変態における熱効果を測定し、X=0.67~0.81の組成域で5.6~4.4kJ/g-atomの値を得た。さらに、この熱効果の組成依存性から、純Zrの/変態熱が約2.8kJ/g-atomであることを明らかにした。
臼田 重和; 三原 明; 阿部 仁
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 321, p.247 - 253, 1992/00
被引用回数:21 パーセンタイル:85.53(Instruments & Instrumentation)種々の固体シンチレータ(CsI(Tl),NaI(Tl),CaF(Eu),BaF,BGO,スチルベン,NE102A)を用いて、簡単な波形弁別法により固体測定試料からの及び()線の立上り時間スペクトルを測定した。そのうち、最も良い分解能(FOM:2.4)を示したシンチレータは、CsI(Tl)結晶であった。金及びアルミニウム蒸着したマイラー膜の種々の溶液に対する耐食性試験を行った後、CsI(Tl)シンチレータをそれらの膜で保護することにより、溶液試料からの及び()線の波形弁別も可能であることを確かめた(FOM:1.8-2.0)。
鈴木 康文; 荒井 康夫; 岩井 孝; 大道 敏彦
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(7), p.689 - 691, 1991/07
炭素熱還元で調製した原料を用いて全組成領域におけるUN-PuN固溶体の格子定数を測定した。その結果では格子定数はVegard則に従わず、特にPuN側組成では正にずれることが確認された。今回得られた結果はTenneryらの報告とよい一致を示したが、より詳細な測定によってVegard則から最もずれる組成についてはTenneryらの値よりもPuN側にあることを明らかにした。
宇賀神 光弘; 白鳥 徹雄; 柴 是行
Journal of Nuclear Materials, 116(2-3), p.172 - 177, 1983/00
被引用回数:15 パーセンタイル:81.65(Materials Science, Multidisciplinary)固溶体ThUOの酸素ポテンシャルとO/M比とを、固体電池式酸素センサーを併用した熱重量法により測定した。混合酸化物への酸素の溶解のエントロピー、エンタルピーが酸素ポテンシャルの温度依存性から求められた。これらの熱力学諸量と生成の自由エネルギーとを用いて、2000-2300KにおけるThUO上の蒸気圧を計算した。その結果、UO(g)の蒸気圧はThO(g)より数桁高く、Uが優先的に蒸発すること、蒸気圧はO/M比に依存することなどがわかった。
宇賀神 光弘
Journal of Nuclear Materials, 110, p.140 - 146, 1982/00
被引用回数:24 パーセンタイル:88.74(Materials Science, Multidisciplinary)ThUO,ThUO,ThUOおよびUOのO/M比と酸素ポテンシャルについて、1000~1200Cの温度領域で酸素センサーを併用した熱重量法により測定した。その結果、(Th,U)Oの酸素ポテンシャルは、従来から言われているUの原子価のみではなく、Th/(Th+U)比によっても変化することがわかった。即ち、酸素ポテンシャルは一定の温度とU原子価でThの含量が増加すると上昇する。また(Th,U)O中のUOの活量計算から、Uの原子価が増すにつれ固溶体としての理想性から正に偏倚することがわかった。
福島 奨; 大道 敏彦; 前多 厚; 半田 宗男
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(8), p.681 - 683, 1982/00
被引用回数:2 パーセンタイル:43.66(Nuclear Science & Technology)乾燥空気中、1173°Kで酸化したPuO-RO系固溶体(R=Nd、Y;0~15mol%RO含有)の結晶構造、化学量論組成および結晶中のPu原子価をX線回折試験によって調べた。その結果、これら固溶体はCaF型結晶構造をもつ単相で、そのO/(Pu+R)比は2にほぼ等しく、しかも結晶格子中ではPuイオンのほかにPuイオンがPuイオンに優先して存在することが判った。したがって、固溶体の化学組成は(Pu、Pu、R)Oで近似的に表わされる。
棚瀬 正和; 一色 正彦; 下岡 謙司; 本島 健次*
Journal of Nuclear Science and Technology, 17(1), p.83 - 85, 1980/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.29(Nuclear Science & Technology)中性子照射したUOから昇華法によりMoを製造する際、カプセルとしてAlを使用する場合のこのカプセルの安全性の評価,溶解,固化について検討した。安全性評価では、照射時の温度分布を求め、カプセルの溶解はNaOH溶液で試み、固化はゼオライト状固体を得るため、SiO粉末を加える方法を採用した。その結果、Alカプセルは74Cになり、十分耐熱性があることが確認できた。また、カプセルの溶解は3MNaOHが最適でSiO粉末添加によるその固化は容易だった。固化後、100Cの熱処理ではゼオライトの生成はみられなかったが800Cではその生成が確認できた。さらに、中性子照射したAlカプセルを使用した固化体からの水への放射性物質の溶出を試み、Sb以外の溶出は見られなかった。
鎌田 耕治; ヨシザワイサオ*
Journal of the Physical Society of Japan, 31(4), p.1056 - 1068, 1971/10
被引用回数:81抄録なし