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Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍*; 神谷 富裕
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 219-220, p.1015 - 1021, 2004/06
被引用回数:7 パーセンタイル:45.31(Instruments & Instrumentation)高エネルギーイオンは半導体素子中でエネルギーを失い、高密度の電子-正孔対を生成する。生成された電荷は、半導体素子中の電界によって電極に収集され外部回路へ電流信号として取り出される。電荷が高密度に生成されるとそれ自身によって空間の電位勾配が減じ、電荷の移動度が小さくなることを予測した。このことを確認するために、本研究では、Si pinフォトダイオードに、酸素及び炭素の2種類のイオンを照射し、生成される電子-正孔密度が異なる場合の、空間電荷効果及び移動度の違いを議論する。われわれはこの過程のモデル化を試み、この実験結果と3次元シュミレータ(TCAD)による計算とを比較したので報告する。
桜井 淳; 野尻 一郎*
JAERI-Conf 2003-019, p.855 - 857, 2003/10
本稿は日本における核燃料サイクル施設のモンテカルロ法による未臨界安全解析セミナーについてまとめたものである。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4C2システムが参加者各自の持参したノート型パソコンに瞬時にインストールされ、計算演習に利用された。計算に先立ち炉物理及びモンテカルロシミュレーションの基礎理論の講義が行われた。このセミナーでは、JCO沈殿槽,JNCウラン溶液貯蔵施設,JNCプルトニウム溶液貯蔵施設,JAERI TCA炉心の実効中性子増倍率及び中性子スペクトルの計算を行った。臨界事故を防止するため、核燃料サイクル施設の安全管理の考え方も示した。
Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 神谷 富裕
Proceedings of 3rd IEEE/LEOS International Conference on Numerical Simulation of Semiconductor Optoelectronic Devices (NUSOD '03), 2 Pages, 2003/10
放射線環境場での高速通信及び光通信用光デバイスにおける重大な問題は、宇宙環境に存在する高エネルギー粒子によって生じる放射線損傷である。この影響を調べるために電子線加速器と重イオンマイクロビームを用いた照射実験を行った。実験では、評価試料であるシリコンP-I-N光デバイスに電子線を約1E15/cm照射し照射損傷を導入したうえで、重イオンマイクロビームを照射し発生するシングルイベント過渡電流を測定した。なお過渡電流の測定は照射中の温度を300
175Kまで変化させTIBICにて行った。その結果、イオン入射に伴う欠陥の増加により増幅率が減少することがわかり、さらにこの減少が周波数帯域の低下にも影響を及ぼすことを見いだした。さらに欠陥の回復と照射中の温度との関係を調べた結果、回復率は、照射中の温度が高温照射でなく低音照射時に顕著であることがわかりその原因をTCADを用いたシミュレーションにより検証した。本ワークショップではこれらの結果について発表し、議論する。
Cao, X.; 須崎 武則; 久語 輝彦; 森 貴正
JAERI-Tech 2003-069, 36 Pages, 2003/08
燃料棒の貯蔵と輸送に関する臨界安全性の観点から、日本原子力研究所の軽水臨界実験装置TCAを用いて、水ホールの大きさ,水ギャップ幅,軽水対燃料体積比及び軽水減速材の非一様配置の反応度への影響を評価する実験が行われている。本研究では、軽水減速材の体積比率と非一様配置の反応度への影響を水位反応度差法により評価するとともに、SRACコードを用いて解析評価した。実験値と解析値の持つ誤差、特に解析におけるエネルギー群モデルについて検討した。17群モデルを用いた拡散計算による解析結果は実験結果と最大数十セント以内で良い一致を示した。
井手 広史; 松井 義典; 長尾 美春; 小森 芳廣; 板橋 行夫; 辻 宏和; 塚田 隆; 永田 暢秋*; 堂崎 浩二*; 瀧口 英樹*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 7 Pages, 2003/04
日本原子力研究所では、軽水炉の高経年化にかかわる照射誘起応力腐食割れ(IASCC: Irradiation Assisted Stress Corrosion Cracking)研究のための照射試験ニーズに応えるため、BWRの水質、温度を模擬した条件下で照射試験が行える高度材料環境照射装置の開発を行った。高度材料環境照射装置は、照射試験片を収納し炉内に装荷される飽和温度キャプセルと炉外に設置されキャプセルへ高温高圧水を供給する水環境制御装置から構成される。このうち、飽和温度キャプセルについて、試験片温度を精度よく制御すること及び給水の水化学の制御性を改善するために試験片表面での給水流速をより高めることを目的とした熱水力的検討を行った。種々のキャプセルの構造を検討し、導水管及び矩形孔を設けた熱媒体を採用した飽和温度キャプセルを用いた照射試験の結果、各試験片温度と給水の水化学を制御できることがわかった。
Rahman, M.*; 須崎 武則; 森 貴正
JAERI-Research 2003-007, 68 Pages, 2003/03
原研のTCAにおいてPWR型MOX燃料を含む炉心を用いて実施された一連の臨界実験について解析を行った。炉心中央にテスト格子として1010本の4.91%富化MOX燃料棒を水対燃料体積比2.40又は2.96にて配列し、周囲に臨界調整用ドライバ領域として2.6%濃縮UO
燃料棒を水対燃料体積比1.50にて配列した。核分裂性Puの含有率は91.4%であった。可溶性ほう素を309.4及び554.0ppm混入した2種の炉心,テスト格子中に等間隔で4個の水ホールを設けた炉心、及び中心に十字型水ギャップを有する炉心を含む6種の炉心について、臨界水位,MOX領域の出力分布、及び金線放射化率分布が測定された。これらの実験値に対応して、実効増倍率,核分裂率分布、及び金の捕獲反応率分布の計算を、連続エネルギーモンテカルロコードMVP及び2種の核データJENDL3.2及びJENDL3.3を用いて行った。計算結果は、実効増倍率について0.27%以下,出力分布について3.0%以下、全領域にわたる熱中性子放射化率分布について5.9%以下、及び炉心領域の熱外中性子放射化率分布について4.3%以下の差で実験値と一致した。
山本 俊弘; 三好 慶典; 外池 幸太郎; 岡本 肇*; 井田 俊一*; 青木 繁明*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(2), p.77 - 83, 2003/02
被引用回数:8 パーセンタイル:50.12(Nuclear Science & Technology)指数実験での未臨界度測定における高次モード中性子束の影響について調べた。指数実験における減衰定数を固有値とする中性子拡散方程式に対する高次モード解析手法を開発し、高次モードに対する固有値及び固有関数を求められるようにした。指数実験における3次元の中性子束分布を高次モード中性子束の重ね合わせで再現することを試みた。TCA (Tank-type Critical Assembly)での未臨界の矩形の燃料棒配列において指数実験を行い、中性子源位置を何箇所かに変えて、垂直方向の中性子束分布を数箇所に配置した検出器で測定した。この指数実験での高次モードの固有値と固有関数を計算し、垂直方向の中性子束の再現を行った。その結果、燃料棒配列内または水反射体領域でも燃料棒配列に近いところでは、少数次の高次モード中性子束でよく再現できた。この高次モード解析手法を用いることで、高次モードの影響の評価や垂直方向の中性子束の測定結果から基本モードを抽出することが可能となる。さらに、高次モード解析によって指数実験における中性子源や検出器の適切な配置を決めることが容易にできるようになる。
桜井 健; 岡嶋 成晃
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 12 Pages, 2002/10
積分データを用いる断面積調整手法をJENDL-3.2のU,
U,
Puの遅発中性子収率の調整に適用し、収率の改善を行った。積分データとしては、高速炉臨界実験装置MASURCAとFCA及び熱中性子炉臨界実験装置TCA における合計6つの炉心で実施された
ベンチマーク実験の結果を用いた。調整は、JENDL-3.2ファイル中の各入射中性子エネルギー点で与えられている遅発中性子収率に対して行った。さらに、調整後の収率をテストするために、高速炉臨界実験装置ZPRで実施された
実験の解析を行った。調整後の収率を用いることにより、
計算値の誤差が低減し、
計算値が実験値により良く一致するようになった。
吉田 正*; 岡嶋 成晃; 桜井 健; 中島 健; 山根 剛; 片倉 純一; 田原 義壽*; 瑞慶覧 篤*; 親松 和浩*; 大澤 孝明*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.136 - 139, 2002/08
核データファイルJENDL-3.3の評価に寄与するために、U,
U,
Puの遅発中性子データの評価を行い、推奨値を求めた。遅発中性子収率に関しては、臨界実験装置FCAとTCA(原研),MASURCA(フランスCEA)における、最近の
の積分実験の結果を用いてJENDL-3.2の遅発中性子収率を調整した。その結果、高速炉や熱中性子炉の炉物理計算において重要なエネルギー領域で、収率の調整結果を誤差
5%以内で得ることができた。特に、
Uに関しては、調整によりJENDL-3.2の値と比べて約3%小さな収率を得た。遅発中性子の6群崩壊定数等の評価も行った。これは、核データ評価の国際ワーキングパーティー(WPEC)の遅発中性子データ評価サブグループの活動においてSpriggsが収集した遅発中性子の放出率の実験データを、最小二乗法により処理することにより行った。さらに、臨界実験装置VHTRC,TCAとTRACY(原研),VIPEX(ベルギーSCK/CEN)におけるペリオド測定やロッドドロップ測定の結果を用いて、得られた6群定数の検証を行った。その結果、新たな6群定数を用いると、JENDL-3.2の定数を用いた場合に比べて反応度価値が約3%増加し、反応度効果のC/E値を改善する傾向にあることがわかった。
桜井 健; 岡嶋 成晃
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(1), p.19 - 30, 2002/01
被引用回数:6 パーセンタイル:39.76(Nuclear Science & Technology)積分データを用いる断面積調整手法をJENDL-3.2のU,
U,
Puの遅発中性子収率の調整に適用し、収率の改善を行った。積分データとしては、高速炉臨界実験装置MASURCAとFCA及び熱中性子炉臨界実験装置TCAにおける合計6つの炉心で実施された
実験の結果を用いた。調整は、JENDL-3.2ファイル中の各入射中性子エネルギー点で与えられている遅発中性子収率に対して行った。調整の結果、
Uの収率は7MeV以下でほぼ一様に約3%小さくなった。熱エネルギーにおいて、
Puの収率は2.6%大きくなり
Uの収率は0.9%小さくなったが、他のエネルギー点では、これら2つの核種の収率の調整量は0.3%未満であった。これら調整を行った収率を用いることにより、
計算値の誤差が低減し、
計算値が実験値により良く一致するようになった。
Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 森 英喜; 伊藤 久義
Proceedings of 6th European Conference on Radiation and its Effects on Components and System (RADECS 2001) (CD-ROM), 7 Pages, 2002/00
15MeV酸素イオンによりシリコンエピpn接合ダイオードに誘起される過渡電流の観測を80Kから300Kの温度範囲で行った。照射時温度80Kでは300K(室温)と比較した場合、過渡電流波形のピーク高さは約2.5倍,立下り時間は約1ns短くなっていることがわかった。一方、収集電荷量は温度によらずほぼ一定である結果が得られた。また、TCADシュミレーションにわれわれ独自の温度効果モデルを取り入れることで実験で得られた過渡電流の温度依存性を再現できることが確認できた。
将来型炉研究グループ; 炉物理研究グループ; 熱流体研究グループ
JAERI-Research 2000-035, 316 Pages, 2000/09
原研と原電は、低減速スペクトル炉心に関する主要な特性を評価するとともに同炉心に関する基礎基盤的研究を実施することを目的に、平成10年度より共同研究「低減速スペクトル炉心の研究」を開始、平成11年度に第1フェーズの研究を終了した。炉心概念の検討では、高転換比、長期サイクル運転あるいはプルトニウムの多重リサイクルが可能な炉心として、BMW型炉心3炉心、PWR型2炉心の概念を構築した。核計算手法の研究では、モジュラー型核熱結合炉心解析コードシステムの開発、及びモンテカルロ摂動計算手法の高精度化を行った。熱水力設計手法の研究では、炉心の熱工学的成立性を評価した。また、臨界実験の予備調査として、燃料棒本数、プルトニウム富化度等の概略値を求めるとともに、実験施設の改造方法を検討した。
嶋田 昭一郎*; 秋江 拓志; 須崎 武則; 大久保 努; 碓井 修二*; 白川 利久*; 岩村 公道; 久語 輝彦; 石川 信行
JAERI-Research 2000-026, 74 Pages, 2000/06
原研では軽水炉技術高度化研究の一環として、ウラン資源の有効利用、プルトニウムの多重サイクル、及び高燃焼度・長期サイクル運転等の広範囲なニーズに対応するため、軽水炉型低減速スペクトル炉を今後のエネルギーシステムの中核と位置づけて研究開発を進めている。低減速スペクトル炉は現在、概念の想像段階にあるが、今後はその成立性につき確認する必要がある。成立性の条件として、まず核設計上の2つの重要な設計要求である、転換比が1.0以上、ボイド係数が負という条件を臨界実験等によって確認する必要がある。そこで、これまでに諸外国及び原研で行われた低減速スペクトル炉に有効と考えられる実験についてレビューし、現在使用可能なデータはほとんど存在せず、新たな臨界実験の必要性を確認して、原研のTCA臨界実験装置を用いたMOX臨界実験を計画した。TCAはタンク型の軽水臨界実験装置である。低減速スペクトル炉の臨界実験のためにはMOX燃料を用意する必要があり、さらにMOX燃料使用のため実験装置の改良が必要である。本レポートは臨界実験の概略計画を立て、予備解析を行い臨界実験に必要なMOX燃料棒数と種類の概略値を求め、またMOX燃料を使用する実験方法について考察して、必要な実験施設の変更に関して検討したものである。
須崎 武則; 桜井 淳; 中島 健; 堀木 欧一郎*
Proceedings of 6th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC '99), 1, p.386 - 394, 1999/00
実効遅発中性子割合のベンチマークデータを取得するため、反応度のバックリング係数を用いる新しい方法を提案し、この方法を水対燃料体積比の異なる4種のU炉心及びMOX燃料領域の大きさの異なる3種のU-Pu炉心に対して適用した。TCAに構成したこれらの炉心について、レーザー水位計と反応度計を用いた水位反応度の精密測定からドル単位のバックリング係数を求めた。また、この係数が水位に依らず一定であることを利用して、広範な水位変化に伴う反応度の高精度モンテカルロ計算結果から
k/k単位のバックリング係数を求めた。
は両者のバックリング係数の比として評価される。その値を、JENDL3.2ライブラリを用いた通例の方法による
計算結果と比較したところ、全炉心について計算値と評価値は3%以内の差で一致し、熱中性子炉に関する同ライブラリの遅発中性子定数の妥当性が示された。
松井 義典; 新見 素二; 星屋 泰二; 塚田 隆; 辻 宏和
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.378 - 382, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)IASCCの問題は水冷却をともなう核融合炉の容器構造材においても重要な論議の一つである。このIASCC研究において、高圧水環境下での照射実験は欠くことのできない実験であると考えられる。JMTRではこのIASCC研究のために数年前に開発したSATCAPという高圧水中照射型の照射装置がある。最近、このSATCAPを核融合炉及び軽水炉のために、性能向上の目的で改良を施し、ハイブリッド型SATCAPを開発完了した。このハイブリッド型SATCAPはノーマル型SATCAPにヒータ制御及び真空制御を付け加えることで、より低線発熱領域でも試料表面で核沸騰が起こせるようになった。今回、このハイブリッド型SATCAP照射条件は冷却材圧力が8.6MPaで飽和温度は573K、流量は8.3
10
m
/sであった。この照射試験により、SATCAPは
線発熱率に関係なくJMTRの全照射領域で照射が可能になった。
桜井 淳; 山本 俊弘; 荒川 拓也*; 内藤 俶孝*
日本原子力学会誌, 40(5), p.380 - 386, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)TCAで実施された二分割結合炉心実験の解析をMCNP 4Aで行った。中性子増倍率の誤差は、筆者らによって提案された「計算誤差間接推定法」で評価した。パルス中性子法シミュレーション計算は1717+5G+17
17体系に対して、指数実験法シミュレーションの計算は16
9+3G+16
9体系及び16
9+5G+16
9体系に対して行った。「計算誤差間接推定法」による評価によれば、MCNP 4Aで計算した中性子増倍率には、0.4~0.9%の誤差が見込まれる。従来のパルス中性子法及び指数実験法では中性子増倍率に6%の誤差が見込まれているが、「計算誤差間接推定法」による計算値を用いた未臨界度の評価ではそれを1%以下にできる。
須崎 武則; 堀木 欧一郎*
日本原子力学会誌, 40(4), p.257 - 259, 1998/00
前回、日本原子力学会誌でわが国の臨界集合体に関する特集が組まれてから約9年が経過し、この間にJMTRC,VHTRCが停止され、今、KUCA,TCA及びFCAの運転維持方策が検討されつつある。今回の特集では次の2点を報告する。1.TCAは軽水型の装置として、これまで、軽水炉・燃料サイクル研究及び炉物理教育研修に活発に使用されてきた。2.将来利用に関しては、(1)教育研修における原子炉シミュレータや出力炉とは異なる面での有用性、(2)軽水炉でのプルトニウム利用と関連燃料サイクルにおける臨界実験の必要性、(3)今後原子力利用を拡げようとしている近隣アジア諸国等との共同実験の必要性、等を再評価し、運転継続をはかるべきであると提言している。
奥野 浩; 野村 靖; 須山 賢也
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.742 - 748, 1998/00
はじめに日本における燃焼度クレジット導入状況を概観した。次に、日本原子力研究所の活動を燃料サイクル施設に現れる使用済燃料の臨界安全評価の立場から総括した。これらには、(1)使用済燃料組成データベースSFCOMPO,(2)核分裂生成物核種の効果を明瞭にする臨界実験、(3)モデル溶解槽の安全裕度についての数値的研究が含まれる。これらの事項を、日本の臨界安全ハンドブックとの関連で議論した。計算コード及びデータライブラリの検証も、さまざまな活動の中で進められた。最近開発した燃焼計算コードSWATを、日本の加圧水型原子炉中で照射した1717型燃料集合体の照射後試験データに適用して検証した。さらに、OECD/NEA主催の燃焼度クレジット・ベンチマーク活動への参加、ARIANE計画への参加、核種量推定に対する反応度感度係数の新しい計算方法の提案、未臨界度測定を目的としたPWR使用済燃料の指数実験についても言及した。
山本 俊弘; 桜井 淳; 須崎 武則; 新田 一雄*; 星 良雄; 堀木 欧一郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1178 - 1184, 1997/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)主要な核分裂生成物元素であるRh,Cs,Nd,Sm,Eu,Gdの熱外中性子領域での断面積評価に利用可能な実験データを示す。TCA(Tank-type Critical Assembly)の炉心中心に挿入されたカドミウム被覆の容器に純水と核分裂生成物元素を含む水溶液を入れたときの臨界水位の差から反応度効果を求めた。それらの値は実験誤差と比べて有意な値であった。随伴熱中性子束はカドミウムカットオフエネルギー以下では容器内で大きく低下するので、熱外中性子領域での反応度効果を測定することができる。この実験に対する解析をSRACコードシステムと中性子輸送計算コードTWOTRANを用いて行った。核分裂生成物元素の反応度効果の計算には厳密摂動論を用いた。JENDL-3.2及びENDF/B-IVを用いて計算した反応度効果を測定値と比較したところ、JENDL-3.2は妥当な結果を与えた。
小室 雄一; 須崎 武則; 大友 正一*; 桜井 淳; 堀木 欧一郎*
JAERI-Research 97-088, 19 Pages, 1997/11
使用済燃料の燃焼度クレジットの観点から、核分裂生成物の核データを検証することは重要な課題として残されている。そのための検証用データを得るために、タンク型臨界集合体(TCA)を用いてSm,Cs,Gd,Nd,Rh及びEuの各種濃度の水溶液試料の反応度価値を臨界水位法により測定した。比較のため、B及びErの試料も実験に供された。いくつかのケースについては、試料領域を横切って据え付けた金線の中性子放射化率分布を測定した。試料領域中の熱中性子束のピーキングと反応度価値の間には直線関係が見出された。