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永井 崇之; 青山 雄亮; 岡本 芳浩; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 菊池 哲也*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2025-012, 43 Pages, 2026/01
高レベル放射性廃液のガラス固化プロセス研究において、模擬廃棄物ガラスに内在した析出物をXRDで検出しているが、析出物の状態(微細、極微量)によってXRDパターンに析出物ピークが観察されない場合がある。本研究は、ガラス中の廃棄物成分の溶存状態をより詳細に把握するため、溶融条件や凝固条件を変えて作製した模擬廃棄物ガラスを対象に、ラマン分光測定等によりガラス構造を評価した。XRDパターンで析出物ピークが観察されなかった模擬廃棄物ガラスをラマン分光測定した結果、ガラス相内の微細な異物を検出できることが分かった。また、ガラス作製において、溶融状態のガラスを撹拌することや、溶融状態からの冷却速度を速くすることによって、ガラス相内の異物生成を抑制する可能性が高いことを確認した。ラマン分光計を用いて模擬廃棄物ガラスのSi-O架橋組織を評価した結果、異物が内在する部位と異物が存在しない部位でSi-O架橋組織に違いはなかった。このため、ラマン分光測定で検出された異物はCeO
やCaMoO
でなく、spinel等の化合物組成であると考えられる。高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設において、模擬廃棄物ガラス内部の状況をX線透過画像観察した結果、溶融状態のガラスを撹拌する操作は、ガラス相内に内在する気泡を低減する効果が認められた。また、ガラスに含まれるMo, Ce, SiのXAFS測定を行った結果、溶融状態での撹拌操作はガラスに含まれるMo, Ce, Siの化学状態に影響しないことを確認した。
永井 崇之; 青山 雄亮; 岡本 芳浩; 柴田 大輔*; 朝倉 清高*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 菊池 哲也*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2025-009, 122 Pages, 2025/11
軟X線領域におけるXAFS測定はX線の透過率が低いため、試料表層の化学状態を評価することに適している。本研究は、アルミナ濃度を高めた原料ガラス組成から作製した模擬廃棄物ガラスの凝固した表層とガラス内部の差異を確認するため、ガラス構成元素であるホウ素(B)、酸素(O)、ナトリウム(Na)及びケイ素(Si)のK吸収端と、廃棄物成分のセリウム(Ce)のL
吸収端のXANESスペクトルを測定した。その結果、BのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層でのB-Oの4配位sp
構造(BO
)の割合がガラス内部と比べて高くなる傾向を確認した。一方、OのK吸収端XANESスペクトルは、各ガラス試料とも測定部位によって差が認められたが、ガラス試料毎にその差の傾向が異なった。この理由として、アルミナ濃度を高めた原料ガラスは溶融状態の粘度が高いため、均一な組成の模擬廃棄物ガラスを作製できないと考えられる。また、Na及びSiのK吸収端スペクトルは、各ガラス試料とも凝固表層とガラス内部で違いはなかった。また、CeのL
吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のCe原子価がガラス内部と比較して酸化していることを確認した。
蓬田 匠; Scaria, J.*; Fablet, L.*; 徳永 紘平; 出井 俊太郎; 東 晃太朗*; 河村 直己*; 高橋 嘉夫*; Marsac, R.*
Chemical Communications, 61(91), p.17926 - 17929, 2025/11
本研究では、U(VI)からU(V)およびU(IV)への還元反応において、磁鉄鉱のstoichiometry(0
R = Fe(II)/Fe(III)
0.5)がUの酸化還元反応に与える影響を明らかにした。磁鉄鉱のRは、構造中のFe(II)の酸化やプロトン/リガンドにより促進される溶解により容易に変化することが知られているが、これまでの研究ではU(V)の生成反応に関するRの影響は評価されていなかった。本研究では、異なるRを持つ磁鉄鉱上におけるUの電子状態を調べるため、U L
端HERFD-XANES分光法を用い、磁鉄鉱上のU(V)による特異的なピーク分裂を観察した。また、異なる条件下で行った吸着実験の結果、U(V)種が広範な条件下で高い安定性を示すことを示し、10日間の反応時間を経た後でも磁鉄鉱上で安定に存在していることが示された。最も重要な知見として、pHと酸化還元条件に依存して存在量が変化する、磁鉄鉱構造中のFe(II)がU(V)の安定化に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
Fablet, L.*; P
drot, M.*; Choueikani, F.*; Kieffer, I.*; Proux, O.*; Pierson-Wickmann, A.-C.*; Cagniart, V.*; 蓬田 匠; Marsac, R.*
Environmental Science; Nano, 12(5), p.2815 - 2827, 2025/05
被引用回数:2 パーセンタイル:89.06(Chemistry, Multidisciplinary)ニッケル(Ni)は環境中に遍在する微量元素である。Niは酸化鉄ナノ粒子との親和性が高く、土壌や水中から酸化鉄ナノ粒子、特に環境中に普遍的に存在する磁鉄鉱によって除去することができれば、環境浄化のための新たな戦略の1つとなり、その研究の意義は大きい。しかし、磁鉄鉱の化学量論(Fe(II)とFe(III)の比率)を制御することが困難であるため、Niと磁鉄鉱の相互作用は十分に理解されていなかった。そこで本研究では、異なるFe(II)とFe(III)の比率を持つ磁鉄鉱ナノ粒子を用い、吸着実験とX線吸収分光法によって溶液中と嫌気雰囲気下におけるNiと磁鉄鉱の相互作用を調べた。この研究により明らかにされた磁鉄鉱とNiの相互作用は、将来的にNi汚染の環境浄化戦略を立案する上で重要な知見となりうる。
蓬田 匠; 高橋 嘉夫*
地球化学, 59(1), p.1 - 10, 2025/03
X線吸収微細構造(XAFS)分光法は、元素の価数や局所構造の情報を与える上に、殆どの元素に応用可能で元素選択性が高く、高感度な分析が可能であるため、天然試料中の主要および微量元素の化学種解析や天然模擬系での化学反応素過程の研究に広く応用されており、宇宙地球化学や環境化学では必須な手法になっている。本稿では、蛍光X線を高いエネルギー分解能で分析してXAFSを測定することで従来検出の難しかった元素を調べた事例や、新しい化学種についての情報を得た事例など、近年のXAFSを用いた研究例を紹介する。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2024-014, 54 Pages, 2025/02
軟X線領域におけるXAFS測定は、X線の透過率が低くなるため、測定試料の表層を対象とした化学状態の評価に適している。本研究では、模擬廃棄物ガラスの凝固した表層とガラス内部の差異を確認することを目的に、ガラス構成元素であるホウ素(B)、酸素(O)、ナトリウム(Na)及びケイ素(Si)のK吸収端と、廃棄物成分のセリウム(Ce)のL
吸収端のXANESスペクトルを測定した。その結果、BのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層でのB-Oの4配位sp
構造(BO
)の割合がガラス内部の切断面と比べて高く、凝固表層の耐水性が向上することが期待される。一方、OのK吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のO存在量がガラス内部の切断面より低く、凝固表層にアルカリ金属元素が集中する可能性が予想された。しかしながら、凝固表層と切断面のNaのK吸収端スペクトルに差は認められず、SiのK吸収端XANESスペクトルも凝固表層とガラス内部で違いはなかった。また、CeのL
吸収端XANESスペクトルから、凝固したガラス表層のCe原子価がガラス内部と比較して酸化していることを確認した。
中U(V)の分析事例蓬田 匠
放射光, 38(1), p.19 - 25, 2025/01
高エネルギー分解能蛍光検出-X線吸収端近傍構造分光(HERFD-XANES)法を用いることで、従来のXANES法よりも詳細にウラン(U)化合物の電子状態を議論できるようになった。我々はHERFD-XANES法を元に、将来的に様々な環境試料中のアクチノイドスペシエーションを行うことで、微量アクチノイド元素の環境中移行挙動の予測に貢献することを目指して研究を進めている。本稿では、これらの応用研究を進める上で基盤となる、マイナーな化学種であるU(V)の電子状態をHERFD-XANESにより明らかにするとともに、XANESのシミュレーションを加えて議論した内容を紹介する。
箕輪 一希*; 渡部 創; 中瀬 正彦*; 高畠 容子; 宮崎 康典; 伴 康俊; 松浦 治明*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 556, p.165496_1 - 165496_6, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Instruments & Instrumentation)X線吸収端構造(XANES)分析とカラム試験により希土類のアルキルジアミドアミン(ADAAM)含浸吸着材への選択性を考察した。さらに高レベル放射性廃液に含まれるマイナーアクチノイド(MA)の模擬物質として希土類を実験に利用する蓋然性の高さを、ADAAMの窒素原子と希土類イオンの相互作用により証明した。LaとCeはADAAM中のアミンの窒素原子と相互に作用することを証明し、N-K端におけるXANESスペクトルにて検討に供した希土類においてピークシフトが観察されたことから、ソフトな相互作用が希土類の選択性に関与することを明らかにした。また、ADAAM含浸吸着材において希土類の選択性に関する要因はMAのそれと同じであることから、希土類がMAの模擬物質として適していることを示した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 柴田 大輔*; 小島 一男*; 長谷川 毅彦*; 佐藤 誠一*; 深谷 茜音*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2023-004, 45 Pages, 2023/09
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、ガラス固化体を模擬したガラス(以下、模擬廃棄物ガラス)を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供したガラス表面を対象に、BのK吸収端、FeのL
、L
吸収端及びCsのM
、M
吸収端のXANESスペクトル測定を行った。その結果、浸出液に曝露されたガラス表面は変化し、明瞭なXANESスペクトルが得にくくなることが分かった。BのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後の試料表面は未浸漬の試料表面と比較してB-Oの3配位構造(BO
)が増加し、4配位構造(BO
)が減少する傾向を確認した。FeのL
、L
吸収端及びCsのM
、M
吸収端のXANESスペクトルから、浸漬時間が長くなるに従って、ガラス表面に存在するCsが浸出液中へ溶出することを確認した。未浸漬の模擬廃棄物ガラスを対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、Na
O濃度によるXANESスペクトルの変化が廃棄物成分濃度による変化より大きいことを確認した。
大貫 敏彦*; Ye, J.*; 加藤 友彰; Liu, J.; 高野 公秀; 香西 直文; 宇都宮 聡*
Environmental Science; Processes & Impacts, 25(7), p.1204 - 1212, 2023/07
被引用回数:2 パーセンタイル:16.74(Chemistry, Analytical)福島第一原子力発電所事故により生成し環境に放出された放射性微粒子に含まれるCsとIの化学状態を明らかにするため、CsIとコンクリートを含む核燃料成分を用いた溶融実験により生成した粒子(CVP)に含まれるCsとIを分析した。CVPは直径が数10
mより小さい丸い粒子で、CsとIを含んでいた。2種類の粒子が確認された。一つはCsとIを多く含むもので、CsIが含まれていると推定された。他方はSi量が多く、CsとIの量は少なかった。2種類の粒子に含まれるCsIの大部分は水に溶けた。Siを多く含む粒子からは一部のCsが水に溶けずに残った。これらの結果は、後者の粒子ではSiとともにCsが粒子に取り込まれ、Siによってこの粒子の溶解性が低くなったことを示す。
永井 崇之
JAEA-Research 2022-014, 84 Pages, 2023/02
物性評価に供する模擬ガラス固化体試料の多くは、溶融ガラスを室温まで徐冷したガラス塊から測定手法に適した形状に加工しているが、実際のガラス固化体は、溶融炉から流下したガラスをキャニスター内で冷却凝固させる。そこで、溶融状態の模擬廃棄物ガラスを凝固させた表面を深さ方向にラマン分光測定し、凝固表面近傍のSi-O架橋組織の状況を評価した。溶融した模擬廃棄物ガラスカレットを大気下で凝固させたガラス表面近傍のラマンスペクトルは、表面からの深さ方向に対して変化し、スペクトル解析の結果、ガラス凝固表面のSi-O架橋組織は架橋酸素数の少ない構造の割合が高くなる傾向が認められた。一方、原料に用いたガラスカレットやArガス雰囲気で凝固させたガラス表面は深さ方向に対するスペクトル変化は小さく、ガラス表面近傍のSi-O架橋組織はほぼ同等であった。また、ガラス切断面も深さ方向に対するスペクトル変化は小さく、破損したガラス破断面も深さ方向に対するスペクトルの変化が小さいことを確認した。表面近傍の深さ方向に対するラマンスペクトル変化が大きいガラスは、大気雰囲気のマッフル炉内で溶融状態から室温まで冷却したガラスであり、溶融状態から凝固するまでの時間が長いほど深さ方向に対するスペクトル変化が大きくなると考えられる。ガラス凝固表面でSi-O架橋組織の架橋酸素数が少ない構造の割合が高くなる理由を確認するため、凝固表面と切断面を対象にSiのK吸収端及びCeのL
吸収端をXAFS測定した。その結果、凝固表面のSiのK吸収端ピークが切断面のピークより高く、凝固する過程で表面近傍にアルカリ金属酸化物の濃度が高まる可能性が認められた。また、凝固表面と切断面のCeのL
吸収端XAFSスペクトルを比較すると、凝固表面近傍のCeが切断面より4価状態にあることを確認した。
佐々木 祐二; 中瀬 正彦*; 金子 政志; 小林 徹; 竹下 健二*; 松宮 正彦*
Analytical Sciences, 5 Pages, 2023/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)Ru抽出に関して、XANESスペクトルとDFT計算による理論的な検討を行った。各種鉱酸からMIDOA(メチルイミノジオクチルアセトアミド)によるRu分配比はHCl
H
SO
HNO
HClO
の順になった。XANESスペクトルの結果から、HClから抽出したRuの原子価は低く、有機相中でアニオン性のRuの存在とこれによるイオン対抽出を示唆した。抽出剤相互のRu分配比の比較結果(NTAamide
MIDOA
IDOA)はDFT計算のHOMO, LUMO間のエネルギー差と一致した。これは抽出能力と反応熱量の間に重要な関連があることを示した。
Ln
O
(Ln = Gd, Er) solid solutionPham, V. M.*; 有馬 立身*; 稲垣 八穂広*; 出光 一哉*; 秋山 大輔*; 永井 崇之; 岡本 芳浩
Journal of Nuclear Materials, 556, p.153189_1 - 153189_9, 2021/12
被引用回数:1 パーセンタイル:8.48(Materials Science, Multidisciplinary)純Ar及びAr-10%H
雰囲気1973Kで8時間焼結させた(1-x)UO
-xLnO
(Ln=Gd or Er; x= 0 to 0.4)試料の結晶構造変化を評価した。UO
に対してLnO
を添加した場合の構造への影響を、X線回折(XRD)及びX線吸収微細構造(XAFS)法によって調べた。UO
にLnO
を添加していくと、40mol%LnO
組成まで、UO
-LnO
固溶体の格子定数が減少していった。これらの試料の格子定数の値は、化学量論比(U,Ln)O
の固溶体とほぼ同じであったことから、試料中のO/M比は2.00に近い状態にあるとみられる。U原子L
吸収端のXANES解析は、試料中のUの酸化数に関して、4価に加えて、より高い5価あるいは6価の生成を示した。また、EXAFS解析から、U-OとGd-Oの原子間距離はxの増加とともに減少したが、Er-Oの原子間距離は単調に減少しないことがわかった。
杉浦 佑樹; 戸村 努*; 石寺 孝充; 土井 玲祐; Francisco, P. C. M.; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 松村 大樹; 高橋 嘉夫*; 舘 幸男
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 324(2), p.615 - 622, 2020/05
被引用回数:5 パーセンタイル:39.71(Chemistry, Analytical)Batch sorption experiments were performed to investigate the sorption mechanism of Se on montmorillonite under reducing conditions in deep geological environments. Based on Eh-pH diagrams and ultraviolet-visible spectra, Se was dissolved as selenide (Se(-II)) anions under the experimental conditions. The distribution coefficients (
; m
kg
) of Se(-II) indicated ionic strength independence and slight pH dependence. The
values of Se(-II) were higher than those of Se(IV), which also exists as an anionic species. X-ray absorption near edge spectroscopy showed that the oxidation state of Se-sorbed on montmorillonite was zero even though selenide remained in the solution. These results suggest that Se(-II) was oxidized and precipitated on the montmorillonite surface. Therefore, it is implied that a redox reaction on the montmorillonite surface contributed to high
values for Se(-II).
-edge XANES to determination of U oxidation state in zircon田中 万也; 高橋 嘉夫*
Geochemical Journal, 53(5), p.329 - 331, 2019/00
被引用回数:1 パーセンタイル:4.54(Geochemistry & Geophysics)本研究では放射線量の異なる天然ジルコン3試料のウランM
吸収端及びL
吸収端XANESスペクトルの測定を行った。最も線量が高いジルコン試料中では、M
吸収端及びL
吸収端ともにウランが四価であることを示す結果が得られた。残りの2試料は五価ウランの存在の可能性を残しつつも、四価と六価のウランが共存していることが示唆された。本研究は、ウランM
吸収端XANESを天然試料に適用した初めての論文である。
-Edge X-ray absorption near edge structure spectra太田 充恒*; 田中 万也; 津野 宏*
Journal of Physical Chemistry A, 122(41), p.8152 - 8161, 2018/10
被引用回数:1 パーセンタイル:2.69(Chemistry, Physical)本研究では、L
吸収端XANESスペクトルを用いて水溶液, 鉄水酸化物, マンガン酸化物及び炭酸カルシウム中のランタノイドの局所構造解析を行った。XANESスペクトルピークの半値幅(FWHM)はランタノイドの配位数の増加とともに減少した。しかし、こうした関係は厳密ではなく、むしろ化学形(配位子)の違いによるものと考えられた。そこでFWHMの大小関係を5d電子軌道の結晶場理論や縮退の観点から評価した。その結果、FWHMの系統的な変化は配位子によって引き起こされる結晶場分裂により説明できることが明らかとなった。本研究の結果は、XANESスペクトルの半値幅を用いることによりEXAFSのような直接的な局所構造解析法よりもより簡便にランタノイドの化学種解析を行うことができることを示した。
島田 紘行*; 深尾 太志*; 南 寛威*; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎; 横谷 明徳; 福田 義博*; 斎藤 祐児
Journal of Chemical Physics, 141(5), p.055102_1 - 055102_8, 2014/08
被引用回数:23 パーセンタイル:63.45(Chemistry, Physical)The N K-edge X-ray absorption near edge structure (XANES) spectra of the purine-containing nucleotide, guanosine 5'-monophosphate (GMP), in aqueous solution are measured under various pH conditions. The spectra show characteristic peaks, which originate from resonant excitations of N 1s electrons to 
orbitals inside the guanine moiety of GMP. The relative intensities of these peaks depend on the pH values of the solution. The pH dependence is explained by the core-level shift of N atoms at specific sites caused by protonation and deprotonation. The experimental spectra are compared with theoretical spectra calculated by using density functional theory for GMP and the other purine-containing nucleotides, adenosine 5'-monophosphate, and adenosine 5'-triphosphate. The N K-edge XANES spectra for all of these nucleotides are classified by the numbers of N atoms with particular chemical bonding characteristics in the purine moiety.
小西 啓之; 山下 正人*; 内田 仁*; 水木 純一郎
Materials Transactions, 46(1), p.136 - 139, 2005/01
被引用回数:3 パーセンタイル:32.38(Materials Science, Multidisciplinary)耐候性鋼の表面に生成するさび層の保護性は、さび層の構造に関係して現れる特性である。塩分環境下でCr添加型耐候性鋼のさび層よりもNi添加型耐候性鋼のさび層が高い保護性を持つことは、それぞれのさび層中におけるCr及びNiの化学状態や局所構造などの特徴が異なることを示唆する。塩分環境下での鋼材さび層の保護性に対するCrとNiの効果の相違を説明するために、塩分環境下で大気暴露したFe-Cr及びFe-Ni合金のさび層中のCr及びNiの周辺構造を放射光を用いたXANES測定によって調べた。Cr K-edge XANES測定の結果よりFe-Cr合金のさび層中のCrの局所構造はCr添加量によって変化し、したがってその構造は不安定であり、CrまたはCrが作る分子はその周辺の原子から比較的強く相互作用を受けると考えられる。一方、Fe-Ni合金のさび層のNi K-edge XANES測定から、Niがさび層構成物質の結晶構造の中の特定の位置を占有しており、このためCl
イオンなどの影響をNiはほとんど受けず、保護性さび層形成にかかわる役割を阻害されないと考えられる。
矢板 毅; 塩飽 秀啓; 鈴木 伸一; 岡本 芳浩; 島田 亜佐子*; Assefa, Z.*; Haire, R. G.*
Physica Scripta, T115, p.302 - 305, 2005/00
N,N'-dimethyl-N,N'-diphenylpyridine-2,6-carboxyamide(DMDPhPDA)セリウム錯体の構造パラメータ及び電子状態についての研究を、XAFS及び蛍光,励起スペクトル法によって行った。DMDPhPDAは、3価ランタノイドからの3価アクチノイド分離のための試薬として有望なものである。SPring-8 BL11XUにおいて測定し、CeのK吸収端XAFS解析から、セリウムと酸素及び窒素の原子間距離はそれぞれ、253pm及び264pmであることを見いだした。ピリジル基の為す平面と金属の為す角はおよそ180度であった。得られた錯体は黄色の錯体で、その吸収スペクトルは大変ブロードなものであった。このピークの長波長側の部分は他のランタノイドでは見いだされなかった。XANESスペクトルは、Ceが3価であることを示しており、この吸収帯は、f-d遷移に基づくものであると推定した。
横谷 明徳; 高倉 かほる*; 渡邊 立子; 赤松 憲*; 伊藤 隆*
Radiation Research, 162(4), p.469 - 473, 2004/10
被引用回数:3 パーセンタイル:9.76(Biology)DNAの放射線増感剤の一つである、5-bromouracilの単結晶に対するX線吸収スペクトルの測定を、水平面内に直線偏光した放射光を用いて、透過法により13.41から13.50keVのBrK吸収端領域で行った。その結果、4つの共鳴ピーク構造が観測された。これらのピークの相対強度は、X線の入射方向と平行にした結晶のb-c面の法線に関する回転に強く依存した。分子軌道計算により、これらのピーク構造はBr-C結合の反結合分子軌道への励起及び形状共鳴に由来することが示された。観測されたX線吸収の異方性は、これら分子軌道の角度依存性に由来すると考えられる。