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廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2024-019, 102 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「//線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリの本格的取り出し工程での閉じ込め機能(PCV、負圧維持系等)の経年劣化要因として重要と考えられる腐食を対象としたものである。1F 13号機PCV内部における腐食環境の特殊性は、燃料デブリ由来の線/線放出核種の粒子やイオンと構造材料がPCV内の種々の部位で直接接触し得ることに在り、飛程の短い線/線放出核種が接触する局所で、ラジオリシスにより生成する化学種(特にHO)が局所的に高濃度となれば、当該箇所において鋼材の腐食が大きく加速する可能性が有る。対して、/ラジオリシスを考慮した腐食評価に関する知見が欠けていた。このような背景に鑑みて、本研究では以下の研究成果を得た。(1)線/線/線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルを構築した。(2)線放出核種/線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)ならびにコールド条件での模擬環境腐食試験による系統的な腐食速度データを取得した。
伊藤 辰也; 永石 隆二; 桑野 涼*
Nuclear Technology, 210(8), p.1427 - 1443, 2024/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所の多核種除去設備における凝集沈殿(共沈)プロセスから排出される放射性廃棄物のような強アルカリ条件下で、水の放射線分解によって発生した水素(H)気泡の保持を、マグネシウムとカルシウムの混合沈殿物である懸濁物固体(SS)からなる炭酸塩スラリーの高粘度懸濁液中で定量的に研究した。親水性の異なる2種類の炭酸塩スラリー、親水性の「現行型」と疎水性の「返送型」についてH保持特性を評価し、それらの特性を別の懸濁液であるベントナイトの粘土懸濁液の特性と比較した。SS粒子表面の化学吸着量とスラリー中のHOの量の比較から、SS粒子間でHO分子が共有されている必要があり、この共有により粘土懸濁液中で微細な粘土鉱物間の静電的な結合が形成する粘性とは異なる構造粘性が形成されることが確認された。スラリー中のH気泡の保持は、Co線照射後のスラリーの撹拌前後で観測されたH発生量の差から評価した。親水性スラリー、疎水性スラリー、粘土懸濁液、処理水の保持特性の比較から、親水性スラリー中のH気泡は構造粘性だけでなく立体障害によっても保持されると示唆された。
Cantarel, V.; Chupin, F.; Ortega-Charlot, M.*; 山岸 功; 上野 文義
Journal of Nuclear Materials, 592, p.154969_1 - 154969_9, 2024/04
When nuclear waste is immobilized in cement or geopolymer, gases may be generated by corrosion and radiolysis. This production must be accurately predicted, and waste loading and countermeasures selected accordingly to avoid overpressure and limit the risk of explosion in the case of dihydrogen (H). We measured and simulated H generation and release from water-saturated geopolymer confined in a glass bottle under Co gamma irradiation. It was observed that confinement of H in the pores of a high pH geopolymer could lead to recombination of more than 99.9% of the hydrogen generated by radiolysis. Shrinkage can allow hydrogen to diffuse between the geopolymer and the vessel, reducing the fraction of recombined H to 90% at our experimental scale. We then used a model to scale up the results of our experiments. The hydrogen release of a saturated geopolymer in a standard 200 L drum is expected to be equivalent to that of a hydraulic binder containing approximately 2% moisture. Harnessing the effects of recombination would make it possible to preserve the capacity of countermeasures such as H absorbers, increase the loading capacity of waste packages, and reduce the cost of nuclear waste immobilization.
端 邦樹; 塙 悟史; 知見 康弘; 内田 俊介; Lister, D. H.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(8), p.867 - 880, 2023/08
被引用回数:2 パーセンタイル:38.50(Nuclear Science & Technology)PWR一次冷却水中の腐食環境評価の1つの主要な目的は、主な構造材への悪影響を抑えつつ、PWRにおける一次冷却材応力腐食割れ(PWSCC)を抑制するための最適水素濃度を決定することにある。この目的に資するため、本研究ではラジオリシス解析と腐食電位(ECP)解析を併用したECP評価手法を提案した。前報では、ラジオリシス解析結果について報告した。この結果を踏まえて本報ではECP解析結果を報告する。ECP解析は混成電位モデルと酸化物層成長モデルを組み合わせたものであり、元々BWR用に開発したものである。本研究ではこれにLiとHのアノード分極曲線への影響を取り入れ、PWR用に拡張した。解析結果を過去のINCAインパイルループでの実験結果やその他の実験結果と比較し、本解析により100mVの誤差でECPを再現可能であることを示した。
端 邦樹; 内田 俊介; 塙 悟史; 知見 康弘; 佐藤 智徳
Proceedings of 21st International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors (Internet), 14 Pages, 2023/08
The coupled code of water radiolysis and electrochemical corrosion potential (ECP) calculations (WRAC-JAEA) has been proposed for evaluating ECP both for boiling water reactor (BWR) and pressurized water reactor (PWR) systems. In the present study, some updates, such as pH control based on boron (B) and lithium (Li) concentration, were carried out. The calculated ECP were compared with the measured results in the INCA in-pile loop in the Studsvik R2 reactor for validation of the code. It was confirmed that the calculated ECP agreed with the measured ones in the INCA loop. The suitable rate constant set for water radiolysis calculation is also discussed. In particular, the rate constants for the chemical reaction of hydroxyl radical and molecular hydrogen and its backward reactions were carefully examined to evaluate the effects of pH and hydrogen concentration on hydrogen peroxide concentration. Moreover, the polarization curves were calculated, and the effects of Li and the other species on ECP were estimated. In order to apply the code for both type of reactor systems, verification and validation (V&V) procedures of the code are proposed.
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-069, 114 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「//線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、線放出核種/線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)線/線/線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)線放出核種/線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。3カ年計画の2年目にあたる令和3年度の事業実績は、1.線、線照射による腐食影響および気相ラジオリシスの腐食環境への影響、2.PCV・負圧維持系設備等の腐食モード・腐食速度の評価、3.1F複合環境における腐食抑制技術の開発である。
廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*
JAEA-Review 2022-002, 85 Pages, 2022/06
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「//線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現: ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、線放出核種/線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)線/線/線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)線放出核種/線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。
端 邦樹; 内田 俊介; 塙 悟史; 知見 康弘
Proceedings of International Symposium on Contribution of Materials Investigations and Operating Experience to LWRs' Safety, Performance and Reliability (Fontevraud 10) (Internet), 11 Pages, 2022/00
Stress Corrosion Cracking (SCC) is one of the key phenomena to determine material degradation in nuclear power plants, and the electrochemical potential (ECP) is known as an environmental factor of SCC initiation and propagation. In the PWR primary coolant, the low ECP level is maintained due to H injection. On the other hand, material degradation attributed to H attack was also reported. Thus, the optimization of H concentration has been still discussed. In JAEA, an ECP analysis method has been developed. This method was originally prepared for BWR primary coolant, but it is improved to apply to PWR primary coolant. In the recent study, this ECP analysis method was modified by introducing pH adjustment based on boron-lithium combined control, and ECP calculation for stainless steels and Ni-based alloys were carried out. ECP calculation assuming a reactor core region and a steam generator region was also tried and the optimal hydrogen concentration without any serious adverse effect was discussed.
樋川 智洋; Peterman, D. R.*; Meeker, D. S.*; Grimes, T. S.*; Zalupski, P. R.*; Mezyk, S. P.*; Cook, A. R.*; 山下 真一*; 熊谷 友多; 松村 達郎; et al.
Physical Chemistry Chemical Physics, 23(2), p.1343 - 1351, 2021/01
被引用回数:15 パーセンタイル:78.83(Chemistry, Physical)An(III)/Ln(III)分離用抽出剤であるヘキサニトリロトリアセトアミド(HONTA)の、SELECT (Solvent Extraction from Liquid waste using Extractants of CHON-type for Transmutation)プロセス条件下における放射線影響を、米国INLが有する溶媒テストループを用いて調べた。HPLC-ESI-MS/MS分析の結果、放射線照射により、HONTAが線量に対して指数関数的に減衰し、ジオクチルアミンをはじめとする多様な分解物が生じることがわかった。またHONTAの減衰及び分解物の生成により、アメリシウム及びユーロピウムの抽出及び逆抽出挙動が低下する結果が得られた。パルスラジオリシス実験からは、このHONTAの減衰は、溶媒であるドデカンのラジカルカチオンとの反応((HONTA + R) = (7.61 0.82) 10 M s)によることがわかった。一方、アメリシウムやユーロピウムとの錯形成により、反応速度定数は増加した。この反応速度の増加は、錯形成によって異なる経路の分解反応が生じた可能性を示唆している。最後にナノ秒の時間分解測定からHONTAの直接効果,間接効果共に100ns以下の短い寿命を持つHONTAラジカルカチオンとマイクロ秒以上の長い寿命を持つHONTA励起三重項状態が生じることを明らかにした。これらの活性種はHONTAの分解における重要な前駆体となると考えられる。
樋川 智洋; 村山 琳*; 熊谷 友多; 山下 真一*; 鈴木 英哉; 伴 康俊; 松村 達郎
UTNL-R-0501, p.24 - 25, 2020/12
東京大学大学院工学系研究科が有するライナック研究施設を利用して平成31年度に得られた成果をまとめたものである。マイナーアクチノイド(MA)の分離プロセスで利用が見込まれるジグリコールアミド抽出剤について、ドデカン及びオクタノール溶液中における放射線分解過程をパルスラジオリシスにより調べた。その結果、アルコールを添加することにより、ジグリコールアミド抽出剤の放射線分解過程は、これまで考えられてきたラジカルカチオンを経由するドデカン単一溶媒中での分解過程とは異なることが示唆された。
Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功
Journal of the American Ceramic Society, 102(12), p.7553 - 7563, 2019/12
被引用回数:12 パーセンタイル:45.78(Materials Science, Ceramics)放射性廃棄物固化において、固化体からの水素発生は安全上の主要な懸念事項である。ジオポリマー材で固化する場合、材の多孔質構造中に多量の水が存在するため、水の放射線分解による水素発生が重要な因子となる。本研究では、ジオポリマー材単独またはゼオライト(模擬廃棄物)を含むジオポリマー固化体を、水飽和度と試料サイズを変えてCo 線で照射し、水素放出量を測定した。試料が塊状でサイズが大きく(円筒形40cm長)かつ水で飽和している場合(円筒形40cm長)の水素ガス放出量は1.910 mol/Jであり、粉末試料の放出量2.210 mol/Jよりも2桁小さかった。測定結果をジオポリマー中での水素の発生、再結合および拡散挙動を考慮したモデルにより解釈した。ジオポリマー中の拡散係数が既知であれば、モデルは水素放出量を水飽和度の関数として再現でき、試料サイズ40cmまでの放出量を予測できることがわかった。
塙 悟史; 端 邦樹; 知見 康弘; 笠原 茂樹
Proceedings of 21st International Conference on Water Chemistry in Nuclear Reactor Systems (Internet), 12 Pages, 2019/09
Water radiolysis and ECP calculations models were preliminary verified using in-pile ECP and related measurement data obtained under BWR and PWR simulated conditions. Two separate anodic polarization curves were supposed in ECP calculations in order to deal with the material surface condition changed by water chemistry, and the measured ECP under BWR simulated conditions were well explained by the calculations. ECP calculations under PWR simulated conditions were also carried out supposing the other polarization curve applicable to the temperature range of 593 K and good agreement between the measurement and the calculations was obtained.
熊谷 友多; 木村 敦*; 田口 光正*; 渡邉 雅之
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 316(1), p.341 - 348, 2018/04
被引用回数:2 パーセンタイル:19.49(Chemistry, Analytical)放射線を利用した水環境汚染物質の分解処理をゼオライトによる固相抽出を用いて効率化する可能性を探索するため、2-クロロフェノール(2-ClPh)をモデル物質としてゼオライト共存下での放射線誘起反応を研究した。3種のゼオライトを比較した結果、Si/Al比率の高いゼオライト(HMOR)を用いることで2-ClPhの放射線による分解反応を効率化できることを明らかにした。HMORは疎水性を示すゼオライトであり、水溶液中の2-ClPhに対して優れた吸着能を示した。この吸着能を利用してHMORに2-ClPhを濃縮してから線を照射することで、2-ClPhの脱塩素反応が高効率で進むことが分かった。この固相抽出による反応効率の向上は、水溶液を10倍濃縮することに相当した。これは、2-ClPhが高濃度に吸着したことで、HMORが線から吸収したエネルギーが効率よく分解反応に使われたためと考えられる。
向井 悟*; 梅原 隆司*; 塙 悟史; 笠原 茂樹; 西山 裕孝
Proceedings of 20th International Conference on Water Chemistry of Nuclear Reactor Systems (NPC 2016) (USB Flash Drive), 9 Pages, 2016/10
日本のPWRでは、水の放射線分解抑制のために、一次冷却材中の溶存水素濃度は2535cc/kg-HOの範囲に制御されている。しかし、日本では被ばく低減の観点から、溶存水素濃度の低下を目指している。そこで、溶存水素濃度を低下したときの一次冷却材中の放射線分解生成物の濃度について、線,高速中性子、及びB(n,)Li反応によるアルファ線を考慮した放射線分解モデルにより評価した。その結果、溶存水素濃度が5cc/kg-HOに低下しても放射線分解が抑制されることが示された。異なるG値と主要反応の速度定数がHOとOの濃度に及ぼす影響を水素注入条件下で調べるとともに、ホウ酸水中でのアルファ線による放射線分解の影響にも注目した。
塙 悟史; 内田 俊介; 端 邦樹; 知見 康弘; 笠原 茂樹*; 西山 裕孝
Proceedings of 20th Nuclear Plant Chemistry International Conference (NPC 2016) (USB Flash Drive), 10 Pages, 2016/10
腐食電位(ECP)評価における放射線の影響は理論的には想定されるが具体的な検証は行われていない。われわれは、酸化皮膜への中性子照射効果を取り入れたECP解析コードを開発し、中性子の照射により酸化皮膜の電気的抵抗が低下すること、それによりECPが低下すること、ECP低下の程度は中性子線束に依存することを解析的に示した。材料試験炉(JMTR)は、照射環境下での水化学試験に適した照射ループを有していることから、JMTRで照射した場合のECPへの照射影響を解析で予測した。その結果、JMTRの照射ループを用いれば、ECPへの照射影響は十分に捉えられることを確認した。
端 邦樹; 佐藤 智徳; 本岡 隆文; 上野 文義; 塙 悟史; 笠原 茂樹; 塚田 隆
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(8), p.1183 - 1191, 2016/08
被引用回数:7 パーセンタイル:47.31(Nuclear Science & Technology)Radiolysis calculations of simulated seawater were conducted using reported data on chemical yields and chemical reaction sets to predict the effects of seawater constituents on water radiolysis. Hydrogen, oxygen, and hydrogen peroxide were continuously produced from simulated seawater during -ray irradiation. The concentration of molecular hydrogen exceeded its saturation concentration before it reached the steady-state concentration. The production behavior of these molecules was significantly promoted by the addition of bromide ions because of the high reactivity of bromide anion with the hydroxyl radical, an effective hydrogen scavenger. It is also shown that the concentrations of these molecules were effectively suppressed at dilution levels of less than 1%.
Yang, S.*; 勝村 庸介*; 山下 真一*; 松浦 千尋*; 広石 大介*; Lertnaisat, P.*; 田口 光正
Radiation Physics and Chemistry, 123, p.14 - 19, 2016/06
被引用回数:2 パーセンタイル:18.60(Chemistry, Physical)沸騰水の線照射分解を行った。水素発生の収率は水中の極微量の有機不純物に大きく影響した。高純度の水を用いた場合、HとOの生成収率は0.48と0.24で、2:1となり、HOはほとんど生成しなかった。HとOの生成収率は線量率に依存し、線量率が下がるほど増加した。NaCl添加した場合、塩素イオンがOHラジカルを捕捉するため、H生成収率は約2倍に増大した。また、これらの結果は、決定論的化学反応速度論を用いたシミュレーションの結果とよく一致した。
端 邦樹; 城戸 健太朗; 西山 裕孝; 丸山 結
NEA/CSNI/R(2016)5 (Internet), p.196 - 203, 2016/05
Model calculations of radiolysis of seawater with iodide were carried out to predict effects of seawater constituents on iodine chemistry at the time of a severe accident. Through the calculations based on -radiolysis of solutions at ambient temperature, it was found that the production of molecular iodine (I) was promoted by the addition of seawater constituents. Especially, Br and HCO had a large impact on its production. The production yields of radiolytic species were affected by the addition of I as well. It was also shown that the pH of seawater is an important parameter to determine radiolytic conditions of iodine. These results imply the potential that the injection of seawater has significant impact on iodine source term.
端 邦樹; 井上 博之*; 小嶋 崇夫*; 岩瀬 彰宏*; 笠原 茂樹; 塙 悟史; 上野 文義; 塚田 隆
Nuclear Technology, 193(3), p.434 - 443, 2016/03
被引用回数:13 パーセンタイル:75.00(Nuclear Science & Technology)radiolysis experiments of solutions, which consisted of a mixture of NaCl and NaBr, were conducted to confirm the validity of radiolysis calculations of seawater simulated solutions and to determine the importance of Br in the production of HO via water radiolysis. The steady-state concentration of HO in each solution was measured after irradiation and compared to that obtained by radiolysis calculations. It was found that the calculated and experimental results were in good agreement. The concentration of HO in the 0.6 M NaCl solution increased approximately three times by the addition of 1 mM NaBr. The result showed that Br plays an important role in the production of HO by water radiolysis, presumably due to the reactions of Br with hydroxyl radical. The HO production of 1 mM NaCl solutions increased when the pH was either higher or lower than 8. It was considered that hydrated electron also plays an important role in HO production in these acidic and alkaline conditions.
北村 暁; 高瀬 博康*; Metcalfe, R.*; Penfold, J.*
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(1), p.19 - 33, 2016/01
被引用回数:2 パーセンタイル:7.29(Nuclear Science & Technology)使用済燃料の再処理を経て生成するガラス固化体の地層処分だけでなく、使用済燃料そのものを深地層中に処分(直接処分)する可能性について、日本の地層処分計画において検討される可能性が出てきている。使用済燃料の直接処分においては、廃棄体中の放射濃度が高く、放射線による影響も高くなる。放射線による影響の可能性の具体例としては、キャニスターの腐食量が増える、放射線によって地下水が変質することで酸化性化学種が生成し還元型地下水が酸化される、使用済燃料の溶解速度が上昇するといったことが挙げられる。このことから、ガラス固化体の地層処分では問題とならないと思われる放射線による影響について、使用済燃料の直接処分の安全評価では考慮することが必要となる。安全評価における線照射影響に特に注目して、本研究では直接処分を計画している日本以外の国々の安全評価をレビューした。本レビューは、日本における直接処分の安全評価に適切な論点を明確にした。