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論文

Chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under high temperatures and various water vapor concentrations

Mohamad, A. B.; 中島 邦久; 井元 純平*; 高野 公秀

Journal of Nuclear Materials, 631, p.156826_1 - 156826_12, 2026/09

 被引用回数:0

It is estimated that considerable amounts of Cs remain in the reactors at the Fukushima Daiichi nuclear power plant and may react with the reactor materials such as UO$$_{2}$$ fuel as reported by our previous paper. In order to understand the chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ fuel, chemisorption tests between CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under different water vapor concentrations and temperatures were performed. As predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the poor water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$UO$$_{4}$$ occurred even at 1273 K. On the other hand, as predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the rich water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$U$$_{4}$$O$$_{12}$$ occurred at 1273 K and 1473 K. Therefore, this study demonstrates the crucial role of thermodynamics in predicting the conditions under which chemisorption occurs. In addition, it was suggested that the chemisorption rate of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ pellet was considerably higher than that onto type 304 stainless steel.

論文

Real-time inversion of radioactive source distribution using air dose rate measurements via least absolute shrinkage and selection operator method

Shi, W.*; 町田 昌彦; 岡本 孝司*; Luo, X.*; Feng, W.*; Liu, X.*

Reliability Engineering & System Safety, 272, Part1, p.112538_1 - 112538_18, 2026/08

深刻な原子力事故時における緊急対応の信頼性は、放射性線源分布をリアルタイムで確実に監視できるかどうかに大きく依存する。しかし、この安全機能は、監視の死角を生じさせる物理的制約や動的な放出を追跡するには静的手法が不十分であるという問題によって大きく制約されている。本研究では、線源推定の信頼性およびロバスト性を向上させるため、時間正則化を導入したLASSO回帰に基づく動的再構成フレームワークを提案する。具体的には、スライディングウィンドウ型の時間ペナルティ機構を導入し、時間ステップ間の線源変化に対して$$L_2$$ノルム制約を課すことで、物理的連続性を確保する。また、放射線遮蔽や時間的に変動する強度によるバイアスを補正するため、寄与行列および測定ベクトルを正規化した。検証には、内部遮蔽を有する二室モデルを用い、PHITS(モンテカルロシミュレーション)を用いて実施した結果、遠隔測定データから動的線源を高精度に再構成できることが示された。時間正則化は、空間エイリアシングを抑制し、状況認識能力を向上させる。スライディングウィンドウ幅$$T = 1$$(正則化なし)の場合、ホットスポット位置は大きく変動し、平均絶対誤差の変動量は約$$5.4 times 10^{-3}$$であった。一方、$$T geq 2$$では空間的一貫性が改善され、誤差変動量は$$3.1 times 10^{-3}$$程度まで低減した。比較解析の結果、精度と計算コストのバランスの観点から$$T = 2$$が最適であることが示された。本研究は、困難な条件下においても線源位置および強度を高精度で追跡可能とする、動的ハザード評価のためのより信頼性の高い手法を提示するものである。提案手法は、原子力施設における緊急時管理のレジリエンスと安全性を向上させる意思決定支援ツールとしての活用が期待される。

論文

Optimization of microwave power in ESR dosimetry of tooth enamel in Japanese macaques

林 哲平*; 山下 琢磨*; 光安 優典*; 小野 健太*; 岩見 聡音*; 木野 康志*; 関根 勉*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 清水 良央*; et al.

International Journal of Radiation Biology, 102(7), p.888 - 895, 2026/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Biology)

福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性核種による長期的な慢性被ばくによる生物影響を調べている。放射線によって野生ニホンザルの歯のエナメル質中に生じる炭酸ラジカルを電子スピン共鳴(ESR)装置で測定することで、個体の被ばく線量を推定している。本研究では、マイクロ波出力や掃引速度などのESR測定条件を検討した。

論文

Development of an electron spin resonance spectroscopy code for measuring carbonate radicals in tooth enamel and verification of its practicality using irradiated Japanese macaque teeth

山下 琢磨*; 林 哲平*; 光安 優典*; 小野 健太*; 岩見 聡音*; 木野 康志*; 関根 勉*; 岡 壽崇; 高橋 温*; 清水 良央*; et al.

International Journal of Radiation Biology, 102(7), p.880 - 887, 2026/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:50.28(Biology)

東京電力・福島第一原子力発電所事故による野生ニホンザルに対する低線量率で慢性的な被ばくによる放射線生物影響を調べている。放射線生物影響をきちんと理解するには、個々の個体の被ばくを推定する必要があり、我々は歯のヒドロキシアパタイト中に生成する炭酸ラジカルを指標に被ばく線量を推定している。本研究では、電子スピン共鳴(ESR)測定して得たESRスペクトルから炭酸ラジカル成分を抽出する分離プログラムを開発し、その実用性を評価した結果を報告する。

報告書

革新的アルファダスト撮像装置と高線量率場モニタの実用化とその応用(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2026-016, 64 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-016.pdf:3.06MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和4年度に採択された研究課題のうち、「革新的アルファダスト撮像装置と高線量率場モニタの実用化とその応用」の令和4年度から令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。ここでは、二つの検出器の開発を実施している。一つ目は、作業員の安全の確保のための$$alpha$$線核種の炉内の分布を明らかにする技術の実現を目指し、スミヤろ紙上に付着するより細かい$$alpha$$線核種を含む、微細なダストの詳細な分布を可視化することを可能にする技術の開発である。令和6年度末までに、発光波長が500-800nmかつ5.5MeVのアルファ線入射で、発光量が70,000光子相当の材料開発といった目標値を満たす材料の開発などを実施することができた。あわせて、$$alpha$$粒子とそれ以外の粒子との判別方法を確立し現場適用ができた。二つ目の検出器は、光ファイバーを用いた超高線量率場での線量率モニタの開発であり、これまでよりも線量率の測定下限値を低くでき、当初の目標値(下限値)よりも低い線量率である1mSv/h未満から測定が可能になった。また、上限値も1kSv/h以上までの線量率が測定でき、非常に幅広いダイナミックレンジを有した検出器の開発に成功し、現場適用が決定した。加えて、放射線で発電する放射線電池などへの応用も検討した。あわせて、学生を含む若手研究者に対する活躍の場も提供できた。

報告書

高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京科学大学*

JAEA-Review 2026-007, 65 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-007.pdf:4.67MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「高線量かつ不可視環境下での炉内可視化を可能とするレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ切り出し作業の安全性を最大限保証するため、作業中におけるダストおよび濁水環境下での炉内構造物/燃料デブリ形状および飛散物の可視化を数メートルオーダーの距離で可能とし、ロボットや作業アームへの搭載を鑑みて、小型かつ可搬性に優れた超音波装置を用いたレーザ偏向検出型超音波広帯域3Dイメージングシステムの開発を目的としている。令和6年度は、超音波イメージングシステムのイメージング性能評価および高度化/高速化検討、数値シミュレーション、システム試作と実スケール検証、耐放射線性検証、超音波サブミリ測距システムの構築、LIBSへの超音波サブミリ測距システムの適用、計測システムのバッテリ駆動遠隔化などを行い、本報告書に取りまとめた。

報告書

燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2026-003, 173 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-003.pdf:12.5MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ研究とSEEM学構築を基軸とした研究人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、不確実な苛酷環境下でのより合理的な意思決定を可能とする『シビアエンジニアリングマネジメント学(SEEM学)』の構築に資することを主眼とし、あわせて1F廃炉における中心課題である燃料デブリの取り出し・長期保管および処理・処分の学術基盤を支える研究人材の育成を図るため、令和6年度から令和10年度までの予定で異分野の専門家が有機的連携のもとで複数の研究ならびに人材育成タスクを推進するものである。初年度である令和6年度は、最終的な研究成果を得るために設定した【SEEM学分野】【専門分野1$$sim$$2】および【共通工学分野1$$sim$$3】において、具体的な研究方法を明確にして研究の方向付けを行うとともに、必要な試験・解析等を実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行うための諸条件を整える必要があった。また、人材育成面においては、原子炉廃止措置に関する教育プログラムの運営およびSEEM学関連科目の企画検討を進める必要があった。このため、具体的な研究方法の検討や必要な試験などを実施するための諸準備を行い、本格的な研究を行えるよう諸条件を整えるとともに、一部の計測システム構築および解析、人材育成面の検討等を実施し、所定の成果を挙げることを目的とした。この目的のもとに、令和6年度の成果目標および実施方法を業務計画として定め、計画通り実施し、各技術分野および教育・人材育成活動においてそれぞれ目標とした成果を挙げることができた。

報告書

燃料デブリ取り出しに向けた遠隔ロボット-計測技術の統合のための研究教育人材育成(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2026-001, 140 Pages, 2026/06

JAEA-Review-2026-001.pdf:9.25MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しに向けた遠隔ロボット-計測技術の統合のための研究教育人材育成」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1Fにおける燃料デブリ取り出しに関して、性状把握・キャラクタリゼーションを遠隔で実現するためのロボット技術やセンサ及び放射線計測技術の開発、そして、それらの技術をシステムとして統合できる人材の育成を目指す。また、関連する研究実績や講義等のリソースを再整理することでSEEM学の構築を目指すとともに、実際の教育現場へ展開する。令和6年度の実績としては、過酷環境での放射線計測・センサ技術において、高い放射線耐性が見込める中性子検出器の最適化や放射線の入射イベントを適切に生成できるシミュレータの構築、3次元体積モデル生成のためのローバーの設計・開発を行った。また、取り出し工法に調和した遠隔ロボット技術では、遠隔操作支援のためのシミュレーション及び実機環境の構築と放射線分布推定を実現するためのセンサ構成の検討を行うとともに、運搬機能を備えたモジュール分割型軌道構造体として吊下式多腕型軌道構造体の提案、デブリサンプリングのための軽量化アームの検討、多視点遠隔操縦システム及び軌道計画器に入力するインタフェースを検討した。計測-遠隔ロボット統合技術と実証では、実スケール環境構造モデリングのための画像処理手法の開発や画像データ伝送法の検討、統合DXプラットフォームの開発、センサ・ロボットのモジュール化の基礎検討を行った。そして、廃炉工程を俯瞰した性状把握、キャラクタリゼーションでは、燃料デブリ分布推定に向けた剛体・弾性体解析手法の開発に着手するとともに、気中工法における性状把握・廃棄物管理方針を検討し、ジオポリマーの充填材として適用性を検討した。また、SEEM学の構築では、未知の課題の抽出並びに課題解決方法や高等専門学校におけるSEEM学教育を検討した。

論文

No detectable impact of ALPS-treated water discharge on tritium levels in terrestrial waters of the upper Ota River catchment, Fukushima, Japan

佐久間 一幸; 吉村 和也

Journal of Environmental Radioactivity, 297, p.108055_1 - 108055_4, 2026/06

 被引用回数:0

トリチウム($$^{3}$$H)は、福島第一原子力発電所(FDNPP)から放出されるALPS処理水中に残留する主要な放射性核種であり、その環境への潜在的な影響は大きな注目を集めている。陸域への影響を評価するため、福島県内の太田川上流域において、降水、地下水、河川水中の$$^{3}$$H濃度をモニタリングした。2023年8月の海洋放出開始前後に、月次で試料を採取した。時系列比較の結果、放出開始後、いずれの環境水においても$$^{3}$$H濃度の顕著な上昇は認められなかった。非パラメトリック統計解析により、地下水および河川水において有意な差がないことが確認された。観測された変動は、日本の降水における自然のバックグラウンドレベルおよび既知の季節的パターンと一致していた。これらの結果は、ALPS処理水の放出が、調査地域の陸域水に対して検出可能な影響を与えていないことを示している。

論文

Water-leaching behavior for cesium chemisorbed on stainless steel at room temperature

中島 邦久; 井元 純平*; 西岡 俊一郎*; 逢坂 正彦; 三輪 周平

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.727 - 736, 2026/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

ステンレス鋼に化学吸着されたセシウム(Cs)の長期的な溶解挙動を調べるため、303Kでの水浸出試験を実施した。その結果、Csは1200時間経過後も水に溶解し続け、Csはリング状粒子としてケイ素と共存していることがわかった。このことから、既存のシビアアクシデント解析コードに組み込まれているCsの化学吸着モデルで定義されている水不溶性Csでさえ、リング状のCsケイ酸塩粒子から長期間にわたってCsが水に溶出することが明らかとなった。さらに、これらの水浸出挙動については、Noyes-Whitneyの式でうまく記述できたことから化学吸着モデルにおける水不溶性Csの水溶解モデルの開発につながる可能性を示唆した。これらの知見から、福島第一原子力発電所の原子炉圧力容器内で化学吸着したCsについては、長期的な再分布が起こる可能性があることを意味しており、水相を介したCsの再分布を予測するための水溶解モデルが必要になることが分かった。

論文

Cold sintering of whitlockite-based phosphate ceramics for ALPS carbonate slurry waste immobilization

Gubarevich, A.*; 久保 遼太郎*; 有阪 真; 大杉 武史; 吉田 克己*; 竹下 健二*

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(6), p.667 - 676, 2026/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:50.28(Nuclear Science & Technology)

多核種除去設備(ALPS)で発生する炭酸塩スラリー廃棄物を固定化・固化するため、これらの廃棄物をリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウム相に変換する化学変換プロセスと続いてそれらを緻密化する新しい低温焼結プレス(CSP)技術の導入について検討した。炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーの模擬物をリン酸処理してリン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムを合成し、CSPを用いて300-500$$^{circ}$$Cで焼結した。カルシウムとマグネシウムの比率、ストロンチウムの取り込み、および塩化ナトリウムの添加が相組成およびCSPの緻密化に及ぼす影響を調査した。バルクサンプルを作製し、X線回折、走査型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分光法、およびアルキメデス法を用いて特性評価を行った。これらの結果から、(1)化学変換プロセスによってウィットロカイトとニューベライトが形成され、カルシウムとマグネシウムの比率によってこれらの相の相対的な割合が決定されること、(2)ストロンチウムはウィットロカイトの結晶構造に効果的に組み込まれ、ニューベライトは脱水促進プロセスによって緻密化を促進すること、(3)塩化ナトリウムは化学変換に影響を与えず、最終的な固体生成物には含まれないことがわかった。これらの結果は、炭酸カルシウム-マグネシウムスラリーをウィットロカイト系リン酸塩セラミックスに直接変換し、その後CSPを行うことで安定した固化が可能になることを示しており、この方法がALPS炭酸塩スラリー廃棄物の管理に有望であることを示している。

論文

福島第一原子力発電所の廃炉作業に資する立体復元技術と課題

羽成 敏秀; 中村 啓太*; 今渕 貴志; 川端 邦明

計測と制御(インターネット), 65(6), p.438 - 443, 2026/06

廃炉作業が進められている福島第一原子力発電所では高い放射線環境で様々な調査や作業を行うため、様々な遠隔技術が活用されている。廃炉作業環境下で用いられている遠隔技術においてオペレータの空間認知の不良性が問題視されており、それを改善する手法として作業環境の立体モデルの提示が有望視されている。本稿では、画像に基づいた立体モデリングおよびシミュレーション技術の活用やAIを利用した立体モデリング技術について紹介するとともに、廃炉作業への適用に関する課題についても述べる。

論文

Floating object removal in underwater ROV video images using segment anything model and generative image in-painting

高橋 弘毅*; 加藤 徹*; 山下 圏*; 土井 章男*; 今渕 貴志

Artificial Life and Robotics, 31(2), p.598 - 610, 2026/05

To create accurate 3D models from video footage, it is essential to use high-quality videos without floating objects that could interfere with the process. In this study, we applied the Segment Anything Model (SAM) and Generative Image Inpainting to enhance the quality of video frames by detecting and removing floating objects on a frame-by-frame basis. The results demonstrated the effectiveness of this approach in detecting and eliminating such objects, contributing to the improvement of video quality.

論文

異なる粒径を有する粒子充填層の透過率およびForchheimer係数

河部 友三郎*; 佐野 吉彦*; 桑原 不二朗*; 上澤 伸一郎; 吉田 啓之

第63回日本伝熱シンポジウム講演論文集(インターネット), 1 Pages, 2026/05

東京電力福島第一原子力発電所の原子炉格納容器(PCV)内に存在する燃料デブリの熱挙動を推定するため、多孔質体モデルを追加したJUPITERコードによる解析手法の開発が進められている。しかしながら、多孔質体の内部構造に応じたモデルおよびそのパラメータの選定が、シミュレーション結果に大きく影響することが明らかとなっており、これらを適切に選定する手法の確立が求められている。本研究では、多孔質体の一形態である粒子充填層に着目し、その流動特性を記述するモデル定数の算出手法について検討を行った。特に、粒径比や充填構造が不均一な粒子充填層に関する系統的な知見は限られており、構造差を考慮した包括的な整理は十分になされていないことから、本研究では数値シミュレーションを用いて、粒径比や充填構造が異なる粒子充填層の透過率、Forchheimer係数について評価した。得られた結果に基づき粒子充填層の構造特性に応じてこれらのパラメータを適切に算出する手法を提案するとともに,多孔質体内の流動解析モデルの精度向上を確認した。

論文

競技を通じた人材育成の10年

伊藤 倫太郎

エネルギーレビュー, 46(6), p.9 - 12, 2026/05

廃炉創造ロボコンは、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉作業の将来を担う人材の育成および廃炉技術への興味喚起のために、全国の高等専門学校の学生を対象として実施しているロボット競技会である。本稿では、廃炉創造ロボコンにおける10年間の軌跡を紹介する。

論文

1F事故時における熱流動挙動の解明に向けた取り組み; 1F事故時の燃料デブリ移行挙動の検討

佐藤 一憲*; 山下 拓哉

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 68(5), p.306 - 310, 2026/05

福島第一原子力発電所における燃料デブリ取り出しに向けては、事故時のデブリ挙動とその結果としての最終的なデブリ分布と性状を把握することが重要である。このためには、プラント内部調査結果や事故進展段階におけるプラントデータ、及びこれらの客観的情報と整合する解析評価などの知見を活用することが有効である。そこで、福島第一原子力発電所1$$sim$$3号機について、プラント内部調査結果や事故進展段階のプラントデータ、及びこれらの客観的情報と整合する解析評価などの既往知見を総合的に活用し、原子炉圧力容器からペデスタルへの燃料デブリ移行の各段階での燃料デブリ熱条件に着目して、現時点で最も可能性が高いと考える燃料デブリ挙動を推定した。また、今後の検討課題を提示した。

論文

Accumulation possibility of tritium released from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station in marine organisms

佐藤 雄飛*; 谷 享*; 池之上 翼; 川村 英之; 大森 裕子*

Environmental Science and Pollution Research, 33(13), p.5818 - 5826, 2026/04

東京電力ホールディングスは、2023年8月から、福島第一原子力発電所(FDNPS)から多核種除去設備(ALPS)を用いて放射性物質が効果的に除去された処理水の海洋放出を開始した。ALPS処理水に含まれる放射能のほぼ全てを占めるトリチウムの環境動態は、科学的にも社会的にも極めて重要な懸念事項である。福島近海で採取された水産物の安全を確保し、根拠のない風評被害を防止するため、ALPS処理水の放出条件下における海洋生物へのトリチウムの蓄積可能性について検討した。まず、海洋放出が海水中のトリチウムのレベルに及ぼす影響について議論するために、福島近海におけるALPS処理水由来のトリチウムの海水中の分布に関する実測結果と数値モデルによる推定結果から得られた知見をまとめた。その結果、影響は極めて限定的であり、福島第一原子力発電所から200km以内の海域を除き、自然レベルと区別がつかない程度であることが示唆された。次に、これまでの実験および数値解析による研究から得られた知見を用いて、植物プランクトン、海藻、魚類などの海洋生物への有機結合型トリチウム(OBT)の蓄積可能性について評価した。その結果、これら生物におけるOBT蓄積量は、FAO/WHOが定める食物連鎖ガイドライン値と比較してはるかに小さいことが明らかとなった。最後に、福島沖で水揚げされる水産物の摂取に伴う内部被ばくリスクについて検討し、特に食物連鎖ガイドライン値と比較して極めて低いレベルであることを定量的に説明した。ただし、ALPS処理水の海洋放出に関しては、継続的な環境モニタリングが不可欠であると考える。

論文

Construction of a Compton camera-equipped robotic system capable of moving autonomously towards the radiation source

佐藤 優樹; 角藤 壮*; 田中 孝幸*; 嶋野 寛之*

European Physical Journal; Special Topics, 235(4), p.949 - 958, 2026/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:41.22(Physics, Multidisciplinary)

In decommissioning the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station, understanding the distribution of radioactive substances is crucial to developing detailed decontamination plans and minimizing worker exposure. In this study, an autonomous mobile radiation source detection system based on a mecanum wheel robot equipped with a Compton camera was constructed. The Compton camera visualizes the radiation source, and software embedded in the robot system reads the results to recognize the radiation source and move the robot toward it. If the robot's depth camera detects an obstacle while moving, it changes direction, visualizes the radiation source again using the Compton camera, and repeats moving the robot toward the radiation source. Furthermore, two demonstration tests were conducted in the laboratory using a $$^{137}$$Cs radiation source to confirm that the robot can reach it where there are obstacles or a narrow region. We have also summarized issues that must be identified to apply this system to actual decommissioning sites.

論文

Measurement of uranium and fission products in a spent fuel sample using fiber-optic laser-induced breakdown spectroscopy

Batsaikhan, M.; 大場 弘則*; 狩野 貴宏; 赤岡 克昭; 若井田 育夫*; 岩田 圭弘; 坂本 寛*

Journal of Analytical Atomic Spectrometry, 41(4), p.1324 - 1335, 2026/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)

This study presents the development and application of a fiber optic laser-induced breakdown spectroscopy system designed for remote, in situ analysis of nuclear fuel debris at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS). The system was deployed for the first time in a hot cell under high radiation to analyse an actual Boiling Water Reactors spent fuel sample as an exemplar of FDNPS fuel debris. The system successfully identified the main fuel components along with several long lived fission products and related markers such as Sr, Cs, Mo, Ba, and Rb. The emission intensity of the Ba, Rb, and Cs near the periphery region was slightly higher than at the center of the fuel. This indicates a higher concentration of these elements in that area.

論文

Modelling of the Fukushima Dai-ichi multiphase molten debris spreading using OpenFOAM software

Pshenichnikov, A.

Proceedings of the Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC2026) (Internet), 8 Pages, 2026/04

Modelling of the corium propagation from RPV through the PCV to the suppression chamber is challenging. A geometry of approximately one fourth of the RPV and a part of PCV until the jet deflector was created and tested to reproduce the final debris shape as measured by TEPCO. A multiphase Volume-Of-Fluid (VOF) method proved that it can be used under clearly defined assumptions. It was figured out that using the viscosity values for completely liquefied corium and steel makes no sense in modelling of debris flow because the final PCV debris shape cannot be reproduced under these conditions.

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