Radiation-induced reactions the lowest excited states in cinnamic acid crystals

最低励起状態を経て進行するケイ皮酸結晶の放射線反応

前川 康成; 稲葉 伯至; 保々 広樹; 成田 正*; 越川 博; Moon, S.; 加藤 順; 吉田 勝

Maekawa, Yasunari; Inaba, Tomonori; Hobo, Hiroki; Narita, Tadashi*; Koshikawa, Hiroshi; Moon, S.; Kato, Jun; Yoshida, Masaru

ナノ電子デバイスに適用可能な有機薄膜表面のナノ微細加工技術や電子ビームに対する高感度レジスト材料の開発のためには、電子線に対して高い反応性を示す有機高分子化合物が必要である。しかし、色素や感光剤など、レジストや機能性薄膜に利用できる芳香族系有機化合物の電子線による反応性はほとんど研究されてない。そこで、光化学反応性が報告されているオレフィン化合物結晶3種類について電子線反応を検討した結果、電子線反応は光反応と全く同様のに進行し、環状生成物や異性化反応物を生成した。このこと結果から、ケイ皮酸誘導体の電子線反応は、電子線照射により生じたラジカルカチオンや高エネルギー励起状態分子が全て最低励起状態を経由する始めての反応例であることを明らかとした。

Radiation-induced reactions of cinnamic acid derivatives have been examined and compared them with photoreactions in the crystalline states; all the reaction products were exactly the same as those of the photoreactions, indicating that the reactions proceed only via the lowest excited state to give [2+2]cycloadducts, E/Z isomerization products, or starting molecules.