ヒト正常二倍体細胞における放射線誘発遅延的増殖死のLET依存性

LET dependence of radiation-induced delayed reproductive death in normal human diploid cells

浜田 信行*; 原 孝光*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 鈴木 芳代; 深本 花菜; 小林 泰彦

Hamada, Nobuyuki*; Hara, Takamitsu*; Funayama, Tomoo; Sakashita, Tetsuya; Wada, Seiichi*; Kakizaki, Takehiko; Suzuki, Michiyo; Fukamoto, Kana; Kobayashi, Yasuhiko

放射線照射生存子孫細胞において遅延的に増殖死が引き起こされることが知られているが、そのLET依存性は解明されていない。そこで、本研究では、高密度接触阻害培養したヒト正常二倍体線維芽細胞AG01522にCo線(0.2keV/m)及び6種のイオンビーム(16.2-1610keV/m)を照射し、1次及び2次コロニーを形成させ、2次コロニー形成能の喪失を指標として、遅延的細胞増殖死のLET依存性を明らかにすることを目的とした。1次コロニー及び2次コロニーにおいて、線の一定の生存線量に対するRBEは、ともに100keV/m近傍で最大となったことから、遅延的増殖死にもLET依存性があることがわかった。その一方、1次コロニーでの10%生存線量における2次コロニーの生存率は、LETによらず一定であったことから、遅延的増殖死の起因は1次コロニー形成期間に固定される可能性が考えられる。

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