培養切片を用いた小脳における放射線生物学的効果の検討

Effect of X-ray and carbon ion beam on the postnatal cerebellum in organotypic slice culture

吉田 由香里*; 鈴木 義行*; 浜田 信行*; 白井 克幸*; Al-Jahdari, W. S.*; 小林 泰彦; 小澤 瀞司*; 中野 隆史*

Yoshida, Yukari*; Suzuki, Yoshiyuki*; Hamada, Nobuyuki*; Shirai, Katsuyuki*; Al-Jahdari, W. S.*; Kobayashi, Yasuhiko; Ozawa, Seiji*; Nakano, Takashi*

脳培養切片を用いて、正常な小脳組織における重粒子線及びX線の生物学的効果について検討した。方法:生後10日目のラットから小脳を採取し、培養切片を作製した。この切片に炭素線及びX線を照射後、標本を作製し、HE及びTUNEL染色を行った。照射後の切片において、外顆粒細胞層(EGL)の形態異常が認められた。TUNEL染色では、照射後24時間以内にEGL中のほとんどの細胞が陽性を示した。12時間後のEGLの異常及びTUNEL陽性率を指標として炭素線とX線を比較した結果、炭素線による効果が同線量のX線に比べ約1.5倍大きかった。発達過程の小脳において炭素線とX線は外顆粒層の形態異常と細胞死を引き起こし、炭素線のRBEは約1.5であった。

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