One dimensional ecosystem model in the northern Japan Sea based on an operational ocean forecast system

海況予報システムに基づいた日本海北部の一次元生態系モデル

渡邊 達郎*; 高山 勝巳*; 川村 英之  ; 田中 伊織*

Watanabe, Tatsuro*; Takayama, Katsumi*; Kawamura, Hideyuki; Tanaka, Iori*

日本海北部における基礎生産の季節変動と鉛直分布を解明するために、日本海海況予報システムに基づいた一次元低次生態系モデルを開発した。低次生態系モデルには、データ同化を適用した海況予報システムの2003年から2008年の北海道西岸域における水温と鉛直拡散係数の計算結果の平均値を入力した。モデルの計算結果は、硝酸塩・植物プランクトン・動物プランクトンの季節変動と鉛直分布を現実的に再現していた。例えば、植物プランクトンの増殖が原因となる春季ブルーミングは、観測結果と同様に、海面から水深50 mの間で4月上旬に発生し、その時の植物プランクトン濃度は1.510molN/lとなった。その後、水深40 m付近に濃度の極大が形成され、秋季までにその水深は深くなり、11月末には表層で弱い秋季ブルーミングが起こるという季節変動を示した。

Based on an operational ocean forecast system, a one dimensional lower trophic ecosystem model was applied for understanding seasonal and vertical variations of the primary production in the northern Japan Sea. The ecosystem model successfully showed realistic seasonal variations and their vertical distributions of nitrate, phytoplankton and zooplankton. For example, the spring bloom occurred with approximately 1.510 molN/l in early April from the surface to the depth of 50 m.