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越智 義浩; 永島 圭介; 岡田 大; 田中 桃子; 立野 亮*; 古川 泰之*; 杉山 僚
Proceedings of SPIE, Vol.8885, p.88851Z_1 - 88851Z_6, 2013/11
被引用回数:4 パーセンタイル:86.95(Optics)AlO/SiO多層膜を用いた無反射(AR)、及び高反射(HR)コーティングの高耐力化に関する技術開発を行った。原子力機構にて設計し、島津製作所にて製膜した無反射コーティングについて、1kHz繰り返しの500psレーザーにて耐力評価を行った結果、平均値として36J/cmが得られた。また、高反射コーティングについても同様に設計,製膜を行い7ns, 500ps, 1psのパルス幅のレーザーを用いた耐力評価を行った。得られた結果から、ダメージ発生の素過程についての考察を行った結果等について報告する。
和田 健*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 祐樹*; 柳下 明*; 池田 光男*; 大澤 哲*; 諏訪田 剛*; 古川 和朗*; 白川 明広*; et al.
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本講演では、高エネルギー加速器研究機構(KEK)低速陽電子実験施設の最近の進展について報告する。本施設では、2010年夏に、低速陽電子ビーム生成のためのコンバータ・モデレータユニットを改造し、ビーム強度が一桁増大した。増大したビーム強度を生かして、ポジトロニウム負イオンの分光実験、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験、ポジトロニウム飛行時間測定実験を展開してきた。2012年春には、RHEPD実験用に新たにタングステンモデレータを用いた透過型輝度増強ユニットを導入し、質・強度ともに大幅に向上した平行ビームを生成することに成功した。この高強度・高輝度陽電子ビームを用いて、Si(111)-77表面からのRHEPDパターンを測定したところ、従来のNa線源を用いたビームでは捉えることができなかった、表面超構造に由来する高次の回折スポットを観測することに成功した。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。近年成果が上がっている、反射高速陽電子回折(RHEPD)実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、多数のコイル用電源を移動して新しいビームラインの分岐を整備するとともに、装置の移動を行った。また、低速陽電子回折(LEPD)実験装置開発のための予備実験を行い、装置設計を進めている。平成24年度秋のビームタイムより共同利用が再開したポジトロニウム飛行時間測定装置における実験成果の紹介も行う予定である。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; 古川 和朗*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年度春に、日本原子力研究開発機構の河裾グループの協力を得て、反射高速陽電子回折用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。磁場で輸送した15keVの低速陽電子ビームを非磁場領域に解放した後、10kVに印加した厚さ100nmのタングステン薄膜に磁気レンズを用いて収束し、数段からなる引き出し電極と磁気レンズを用いてアース電位の試料に導く。輝度増強ユニット導入前と比べて、ビームのエネルギー広がりが1桁以上狭くなるとともに、反射強度が約4倍向上した。また、これまで使用できなかったポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定装置を、東京理科大学長嶋グループの協力を得て再整備し、同装置を用いる共同利用の募集を開始した。2012年度秋より3課題のPs-TOF測定装置を用いた共同利用が開始された。2009年度まで行われていた透過型陽電子顕微鏡実験で用いた輝度増強チャンバーを生かし、東京大学物性研究所高橋グループ及び千葉大学藤浪グループの協力を得て、低速陽電子回折実験装置の開発を開始した。最近予備実験として、このビームライン分岐におけるビーム試験と、輝度増強ユニットの動作試験を行った。以上の施設の整備状況について報告するとともに、最近の共同利用の成果の紹介を行う。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、ライナックベースの大強度低速陽電子ビームを共同利用に供している。2012年春に、日本原子力研究開発機構の協力を得て、反射高速陽電子回折(RHEPD)用に透過型の輝度増強ユニットを導入した。これにより、Naベースの陽電子ビームと比較して、ビームの輝度が約3600倍上がり、ビーム強度は約60倍向上した。この輝度増強ビームを用いてSi(111)-77表面におけるRHEPD実験を行ない、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。近年成果が上がっている上記RHEPD実験とポジトロニウム負イオン分光実験を次の段階に進めるために、地下1階部分の多数のコイル用電源を実験と干渉しないスペースへ移動して、より広い実験スペースを確保した。ロングパルスモードを使用するRHEPD実験は地下1階で、ショートパルスモードを使用するポジトロニウム負イオン実験とポジトロニウム飛行時間測定実験を地上1階で行うよう、ステーションの再配置を行った。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設で得られた最近の成果について報告する。本施設では、専用ライナック(55MeV)を有しており、高強度のパルス低速陽電子ビーム(510 e/s: ロングパルスモード)を共同利用に供している。低速陽電子ビームは、高圧(35kVまで)に印加された発生部で生成され、磁場を用いて接地されたビームラインを輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験(ポジトロニウム負イオン分光,ポジトロニウム飛行時間測定,反射高速陽電子回折(RHEPD))が進行中である。今回、RHEPDの最新の成果について取り上げる。陽電子における結晶ポテンシャルは、電子の場合とは逆のプラスであり、陽電子は、低視射角入射で全反射を起こす。最近、Si(111)-77表面におけるRHEPD実験を行い、全反射臨界角以下の領域で、最表面原子層からのみの明瞭な回折像を観測することに成功した。
和田 健*; 望月 出海*; 兵頭 俊夫*; 小菅 隆*; 斉藤 裕樹*; 濁川 和幸*; 設楽 哲夫*; 大澤 哲*; 池田 光男*; 白川 明広*; et al.
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高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所の低速陽電子実験施設では、専用電子線形加速器(linac)を用い、高強度のパルス低速陽電子ビームを提供している。低速陽電子の生成ユニットは35kVまで印加可能である。陽電子ビームは接地されたビームライン中を磁場輸送され、各実験ホールに振り分けられる。現在、3つの実験ステーションが稼働中である。ポジトロニウム負イオン(Ps)では、エネルギー可変(0.3-1.9keV)のポジトロニウム(Ps)ビームの発生に成功している。Psビームは、絶縁体の表面回折実験に利用される予定である。ポジトロニウム飛行時間(Ps-TOF)測定では、表面状態の情報を得ることができる。反射高速陽電子回折(RHEPD)は、最表面構造を決定することができる。RHEPDは、反射高速電子回折(RHEED)の陽電子版である。電子の場合とは対照的に、陽電子の結晶ポテンシャルは正であるため、ある臨界角以下の視射角で入射した場合、陽電子は物質表面で全反射される。最近、Si(111)-表面からの全反射陽電子回折パターンが最表面原子のみの情報を含むことが分かった。
越智 義浩; 永島 圭介; 圓山 桃子; 岡田 大; 杉山 僚; 立野 亮*; 古川 泰之*
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Yb:YAG薄膜ディスクレーザーのための高耐力AR、及びHRコーティングをデザインした。ガラス基板を用いたテストサンプルを試作し、QUADRA-Tレーザーから出力される520psパルス、及び1psパルスを用いて耐力試験を行った。結果、高屈折材料にAlO誘電体を用いることにより500psパルスに対するARコーティングのダメージしきい値は75J/cmとなり目標性能であった40J/cmを達成した。また、HRコーティングでは膜厚を高度に制御することにより、ダメージしきい値が高くなることを確認した。
古川 純*; 山本 剛史*; 野田 浩希*; 佐藤 忍*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; et al.
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大気Micro-PIXE (particle induced X-ray emission)を用いた植物組織切片の元素分析手法の確立と、微量元素の生理学的機能の解明を目的に研究を進めている。今回は、植物体の構造維持に関与する不溶性の元素(Ca,Si)を残存させることができるパラフィン包埋法とTIARAの大気Micro-PIXE分析システムを用いた分析手法を考案し、通常及び遺伝子改変したイネの葉身の切片試料の分析に応用した。その結果、Caは葉身の内側、特に細胞と細胞の接着部分である中葉と呼ばれる部位に粒状に分布しており、Siは葉の表皮に一様かつ多量に分布するが葉身の内側には少量しか検出されなかった。CaもSiも細胞壁における構造維持が中心的な役割の一つとされており、これを支持する結果と考えられる。遺伝子改変されたイネ葉身の分析では、表皮のSi分布が不均一になり量も減っていたが、葉身の内側に存在する量は増加していた。また、Caの蓄積量が少ないはずの未成熟葉であっても葉身内部にCaの局在が認められた。このように、パラフィン包理法と大気Micro-PIXEによって元素局在の変化を解析することに成功し、遺伝子機能の変化や欠損が起こった際の植物の応答の詳細な解析が可能となった。