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松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 大島 武
Journal of Applied Physics, 104(4), p.043702_1 - 043702_6, 2008/08
被引用回数:13 パーセンタイル:46.89(Physics, Applied)電子線照射による炭化ケイ素(SiC)半導体中のキャリア濃度の減少効果を明らかにするため、アルミニウム(Al)添加型六方晶(4)SiCへ200keV電子線を照射した。ホール係数測定をすることで、正孔濃度の変化を調べた。その結果、照射量の増加とともに正孔濃度が減少することが判明した。また、正孔濃度の温度依存性より、アクセプタ準位を求めたところ、Alのアクセプタ準位である200eVに加え、380keV程度の深いアクセプタ準位も存在することが見いだされた。照射量とアクセプタ濃度の関係を調べたところ、照射量の増加とともにAlアクセプタは減少し、深いアクセプタは増加することが判明した。200keV電子線がSiC中のC原子のみをはじき出すエネルギーであることを考えると、深いアクセプタ準位はAlとC空孔が関与した複合欠陥であると推測される。一方、キャリアの補償中心に注目すると、照射量の増加によって濃度変化はなく一定であることが判明した。このことから、200keV電子線による正孔濃度減少は、Alアクセプタ近傍のCがはじき出され、Alと複合した深いアクセプタ準位となることでAlアクセプタ濃度が減少するためと推測される。
松浦 秀治*; 井澤 圭亮*; 蓑原 伸正*; 大島 武
Japanese Journal of Applied Physics, 47(7), p.5355 - 5357, 2008/07
被引用回数:2 パーセンタイル:9.78(Physics, Applied)1MeV電子線照射による型六方晶炭化ケイ素(6H-SiC)のホール濃度()減少に関して調べた。アクセプタ濃度(),アクセプタのイオン化エネルギー()を評価し、アクセプタの起源について考察した。その結果、本研究で得られたアクセプタ(=220eV程度)はAl不純物によるものであると同定された。さらに、は電子線の照射量に依存し、照射量とともに減少するが、は照射量に依存せず、ほぼ一定であることが判明した。と照射量の関係を解析することで、キャリア減少率を見積もったところ、6.410cmと見積もられた。1MeV電子線照射によるの減少は、おもにの減少に起因し、深い準位を有する欠陥(キャリア補償中心)の発生にはよらないことも併せて判明した。
松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 稲川 祐介*; 高橋 美雪*; 大島 武; 伊藤 久義
Materials Science Forum, 556-557, p.379 - 382, 2007/00
アルミ(Al)添加された炭化ケイ素(SiC)中の深いアクセプタ準位の起源を明らかにすることを目的に、Al添加六方晶(4H)SiCに炭素(C)元素のみがはじき出される200keVの電子線を照射し、ホール効果測定により正孔濃度の変化を調べた。その結果、室温での正孔濃度は電子線照射量の増加とともに減少するが、350C以上の温度では電子線照射の有無によらず正孔濃度は一定となることが判明した。さらに、正孔濃度の温度依存性を解析したところAlアクセプタのエネルギー準位である200meVに加え370meVの深いアクセプタ準位が観測された。また、310/cmの照射量までは電子線の照射量の増加とともにAlアクセプタ濃度は減少し、深いアクセプタ濃度が増加するが、それ以上の照射量では深いアクセプタ濃度も若干ではあるが減少することが見いだされた。以上の結果より、深いアクセプタ準位に関しては、C空孔(V)とAlが関与した複合欠陥であること,結晶損傷が大きくなると異なる構造を有する欠陥へ変化することが推測される。
松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 高橋 美雪*; 大島 武; 伊藤 久義
Proceedings of 7th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-7), p.181 - 184, 2006/10
電子線照射による炭化ケイ素(SiC)中の正孔濃度の変化をホール測定により調べた。試料はアルミ(Al)添加六方晶(4H)SiCを用い、200keV電子線を室温にて照射した。正孔濃度の温度依存性を測定・解析することでアクセプタ準位,アクセプタ濃度及び補償濃度を見積もったところ、200meV程度の活性化エネルギーを有するAlアクセプタ濃度は電子線照射により減少すること、それに伴い370meV程度の活性化エネルギーを有する深いアクセプタ濃度が増加することが見いだされた。200keVの電子線ではSiC中の炭素(C)のみはじき出されることから、370meVの深いアクセプタ準位はC空孔に関連する欠陥であることが示唆される。
松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 稲川 祐介*; 鏡原 聡*; 伊藤 裕司*; 大島 武; 伊藤 久義
no journal, ,
炭化ケイ素(SiC)半導体の耐放射線性に関する研究の一環として、電子線照射によるAlドープ六方晶(4H)SiC中の正孔濃度減少を調べた。n型4H-SiC基板上に作製した10m厚のAlドープp型4H-SiCへ0.2及び0.5MeV電子線を照射し、正孔濃度の変化をHall測定より評価した。その結果、0.2MeV電子線の場合、照射量の増加とともに、格子置換位置Alに由来する浅いアクセプタの濃度が減少するが、逆に欠陥由来の深いアクセプタ準位の濃度が増加することが見いだされた。また、浅いアクセプタ準位と深い準位の総量は一定であった。一方、0.5MeV電子線照射では、浅いアクセプタ準位,深い準位ともに照射量の増加とともに減少することが明らかとなった。0.2MeVではSiC中の炭素(C)原子のみがはじき出され、0.5MeVではシリコン,C原子ともにはじき出されることを考慮すると、これまで構造が明らかでなかった欠陥由来の深いアクセプタ準位は、C空孔とAlの複合欠陥に関連することが示唆される。
西野 公三*; 蓑原 伸正*; 松浦 秀治*; 大島 武
no journal, ,
低エネルギー電子線照射による「はじき出し損傷」に起因する炭化ケイ素(SiC)のキャリア濃度減少効果に関して考察を行うため、100keV又は200keVの電子線をAl添加p型六方晶(4H)SiCへ照射し、ホール係数測定によりキャリア濃度を調べた。その結果、100keV電子線照射では、キャリア濃度は温度依存性を含めて未照射のものと差異はないが、200keV電子線照射では、照射量の増加とともにキャリア濃度が減少していくことが見いだされた。SiC中の各原子のはじき出しのしきい値エネルギーを見積もったところ、100keVではSiCのシリコン(Si),炭素(C)ともにしきい値エネルギー以下であり変位は発生しないが、200keVではCのみがはじき出されることが明らかとなった。このことから、100keV電子線照射では原子の変位が発生せずキャリア濃度が変化しなかったが、200keV電子線照射ではC原子のはじき出しによりキャリア濃度が減少したと結論できた。
松浦 秀治*; 蓑原 伸正*; 小野田 忍; 大島 武
no journal, ,
Al(アルミニウム)を添加した4H-SiCに対して、200keVの電子線を照射し、照射前後の正孔密度を測定した。FCCS(Free Carrier Concentration Spectroscopy)法を用いて、アクセプタ密度,アクセプタ準位,深い欠陥の密度を求めた。その結果、E+0.2eVのAlアクセプタと、E+0.37eVの深いアクセプタが検出され、アクセプタは2種類あることがわかった。本研究では、Alアクセプタ密度の減少割合がアクセプタ密度に比例すると仮定するとともに、深い欠陥順位がC vacancyとAlとで形成されたAl-Vc複合欠陥に起因すると仮定することで、照射量とAlアクセプタ密度及び深い準位密度の関係から、それぞれの損傷係数を導出することに成功した。