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海野 昌喜*; 石川 久美子*; 日下 勝弘*; 玉田 太郎; 萩原 義徳*; 杉島 正一*; 和田 啓*; 山田 太郎*; 友寄 克亮; 細谷 孝明*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 137(16), p.5452 - 5460, 2015/04
被引用回数:28 パーセンタイル:64.15(Chemistry, Multidisciplinary)シアノバクテリアや高等植物等の光合成生物は細胞内にビリン色素と呼ばれる集光色素を有している。ビリン還元酵素PcyAはビリベルジン(BV)を2段階で還元する反応を触媒することによりビリン色素の1つであるフィコシアノビリンを合成する。今回、我々はシアノバクテリア由来PcyAの立体構造をBVとの複合体状態で中性子結晶解析により決定した。BVは2つの状態(通常の状態と1つ水素が付いたBVHの状態)で存在していたが、近接したPcyA中のAsp105もBVの状態に対応して2つの状態(プロトン化および解離状態)で存在していた。また、X線構造解析では照射還元により確認できなかったBV中のA環近くの「アキシアル」水分子の存在を確認することができた。さらに、BV近傍に位置するHis88がプロトン化状態で存在しBV中のA環のラクタム酸素と水素結合を形成していることも確認したが、このHis88と隣接したHis74の間の水分子がHOの状態で存在することも明らかにした。これらの知見はAsp105, His88および「アキシアル」水分子がPcyAによる触媒反応におけるプロトン移動に関与していることを示唆しており、フィコシアノビリン合成(初期段階)の新たな反応機構の提唱を可能とした。
丸山 忠司; 皆藤 威二; 堀内 博人; 内海 貴志; 吽野 一郎
PNC TN9410 94-293, 88 Pages, 1994/05
「常陽」MK-II制御棒の照射後試験は、これまでに13体について実施しており、このうち5体の制御棒で吸収ピン被覆管にクラックが確認されている。本報告書は、これまでの試験結果と被覆管クラックの発生原因および時期を調べるために実施した追加試験の結果をまとめたものである。これまでに得られた試験結果から、吸収ピンは燃焼度571026cap/m3を超えると被覆管にクラックが発生するようになり、製造時におけるペレットと被覆管とのギャップの拡大はリロケーションの発生を誘発し、逆に制御棒寿命を短くすることが明らかとなった。発生原因はB4CペレットのリロケーションによるACMIの発生と、これに被覆管のHe脆化等の因子が加わったためにクラックが発生するに至ったものと推定できる。また、発生時期は炉内滞在中であると考えられるが、炉運転中であるのか、炉停止時であるのかを特定するのは困難である。今回の試験結果からは、炉から取り出した後の水処理にともなうアルカリ応力腐食割れの可能性は非常に低いと考えられる。今後、制御棒寿命延長のためにはリロケーションの発生を抑制することが非常に重要である。
鹿倉 栄; 丸山 忠司; 佐藤 義則; 浅賀 健男; 鵜飼 重治; 吽野 一郎
動燃技報, (86), p.20 - 33, 1993/06
「常陽」MK-II炉心燃料の照射後試験を実施し、照射挙動解析を実施してきた。取得した照射デ-タに基づき、燃料が炉内使用中に所定の性能を発揮したこと、その健全性を確保していたことが確認された。燃料の照射挙動について、燃焼度,線出力等の依存性が豊富なデータにより明らかとなった。燃料温度,材料強度,FPガス放出率,FCCI,燃料ピン外径増加等の炉内での実際の挙動は、燃料設計における評価に比べ十分安全側であり、設計の妥当性と示した。燃料の寿命には余裕があり、今後の設計手法の合理化の可能性を示唆するものであった。
吽野 一郎
PNC TN9410 90-187, 62 Pages, 1990/03
炉心燃料集合体(FAD、NO、PFD209)は、J1燃料として「常陽」MK-2炉心「3D1」の位置に装荷され100MW8サイクルから100MW15サイクルの間照射された最初の2次取替集合体(混合転換燃料)であり、集合体平均燃焼度は約54.700MWD/Tである。本試験では燃料ピンの健全性及び照射挙動を把握するため、光学顕微鏡。走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察、X線マイクロアナライザ(SXMA)による元素分析並びにイオンマイクロアナライザ(IMA)による質量分析を実施した。
鵜飼 重治; 額賀 貞芳*; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 櫛田 尚也; 野村 茂雄*; 鹿倉 栄*
PNC TN9410 89-188, 58 Pages, 1989/10
計測線付C型特殊燃料集合体PFI010(INTA-1)は、「常陽」MK-II炉心装荷位置5F2おいて、100MW第8サイクルから第12サイクルの間照射された。集合体平均燃焼度は32,200MWd/t,集合体平均中性子照射量は3.210の22乗n/平方cm(E0.1MeV)である。計測線付C型特殊燃料集合体の照射試験の目的は、計測センサー,信号ケーブル,コネクター及び計測器などの計測系の照射下での性能確認、及び「もんじゅ」燃料仕様の燃料要素を含む燃料要素を集合体形式で計測照射することにより、集合体の熱流力特性及び燃料,材料に関する経時データを取得し、「もんじゅ」設計手法の検証,挙動解析コードの改良に資することである。ADS全相セルでは、中空ペレットと中実ペレットの燃料組織変化挙動及び、計測センサー,信号ケーブル等の健全性を調べるために組織観察と機器分析を実施した。本試験により以下の結果が得られた。(1)燃料の組織変化は顕著に生じており,中心空孔の生成,柱状晶の発達が認められた。中空ペレットの内径も増加した。(2)SXMAによるXe,I,Csのペレット径方向濃度分布測定の結果、それらの径方向分布は類似しており、組織変化を生じているペレット中央部での放出が認められた。(3)SXMAによるU,Puの径方向分布測定により、Puの再分布が確認された。中空ペレットでは中心空孔端で、製造時の29.55%から34.23%にまでPuは増加していた。(4)SXMAによる分析の結果、熱電対素線の組成は、W-26Re合金において照射前のW濃度74.61wt%から、照射によりW濃度が54.5wt%と77.6wt%の2相共存となり、相とW-richな固溶体に相分離した可能性がある。一方,W-5Re合金の組成は均一であるが、表面は不均一に侵食されている。また、照射によるW-Reの核変換におけるOsの生成量は、分析値と計算予測値がよく一致した結果となった。(5)IMAによる中性子検出器の中性子照射量の測定において測定値は計算値とよく一致した結果となり、本手法を用いて評価可能であることがわかった。
櫛田 尚也; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 野村 茂雄*; 鹿倉 栄*
PNC TN9410 89-185, 69 Pages, 1989/08
B型特殊燃料集合体(Fab.No.PFB020)は、「常陽」MK-2炉心の装荷位置3C2において100MW、第3サイクルから第10サイクルまで照射され、集合体平均燃焼度は48,300MWd/tである。本試験の目的は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の炉心校正要素とほぼ同一使用の2型特殊燃料要素を用い「もんじゅ」の実機条件に近い照射条件での燃料要素及び被覆管の健全性並びに照射挙動を把握することである。本報告書では、光学顕微鏡観察、走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察、遮蔽型X線マイクロアナライザ(SXMA)による元素分析並びにイオンマイクロアナライザ(IMA)による質量分析結果を述べる。本試験により以下の結果が得られた。1)燃料組織は、燃料カラム軸方向中心部で中心空孔(約1.2mm径)と柱状晶が観察された。ギャップは、閉塞しており照射中に機械的相互作用(FCMI)が生じていたと推測されるが、燃料ピンは、健全であった。また、タグガス封入の有無による燃料組織に及ぼす影響は、ほとんど無いと判断される。なお、被覆管内面腐食量は、最大14m(被覆管内面温度600)であった。2)画像解析により求めた燃料ペレットの体積増加率は、燃料カラム中心部で5.12%であり照射初期の焼きしまり状態から燃焼にともなう燃料のスエリングによる体積増加が認められた。3)燃料内に保持されているXe,Csは、不変領域でほぼ一定に保持されているが等軸晶領域において放出が開始されていることが確認された。また、Iは、燃料内においてほぼ一定に保持されていることも確認された。4)燃料カラム軸方向中心部の中心空孔端でPu濃度が製造時の26.69%から30.47%に増加しており、これに伴い中心空孔端で若干の燃焼度増加が認められた。5)被覆管外表面の性状は、低温部(385)で冷却材ナトリウム中からの付着物が多数認められるものの製造時状態を保持している。一方、高温部(585以上)では、各元素の腐食、溶出によって形成された表面の凹部が多数認められた。
熊倉 忠夫*; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 櫛田 尚也; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 88-206, 71 Pages, 1988/12
「常陽」MK―2C型特殊燃料集合体(PFC020)は,「もんじゅ」の炉心燃料要素とほぼ同一仕様の燃料要素を,定格最大線出力と被覆管ホットスポット温度が「もんじゅ」実機条件と同等となる条件下で照射したものである。本試験では,燃料要素の照射挙動を把握するため,光学顕微鏡観察,走査電子顕微鏡観察,X線マイクロアナライザによる元素分析並びにイオンマイクロアナライザによる質量分析を実施した。本試験により得られた結果は以下の通りである。1)燃料組織は,燃料カラム軸方向中心部で中心空孔(約1.25mm径)と柱状晶が観察された。ギャップ巾は,製造時ギャップ巾である80mから8mにまで減少していることから照射中において燃料と被覆管の機械的相互作用(FCMI)が生じていた可能性がある。被覆管内面腐食量は,最大26mであった。2)画像解析により求めた燃料ペレットの体積増加率は,燃料カラム中心部で焼しまり状態から,スエリングに伴う体積増加を示していた。3)ペレット内に保持されているXe濃度と燃料組織との間に明瞭な対応が認められた。Xe濃度は等軸晶領域で急激に低下し,ペレット中心部ではXeはほとんど放出していた。4)燃料カラム軸方向中心部の中心空孔端でPu濃度が製造時の29.86%から31.42%に増加しており,これに伴い中心空孔端で若干の燃焼度の増加が認められた。5)被覆管外表面の性状は,被覆管温度が400以下の低温度部では,製造時状態を保持しているが,約500以上では,温度が高くになるに従い表面荒れが著しくなっている。特に低温部において従来観察されているような付着物が認められなかった。これは本集合体では意図的にNa流速を低くしたことが原因しているものと考えられる。
吽野 一郎; 鵜飼 重治; 熊倉 忠夫*; 櫛田 尚也; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 88-186, 62 Pages, 1988/02
炉心燃料集合体(Fab.No.PFD105)は、第1次取替燃料集合体として、「常陽」MK-2炉心「1D1」の位置で、100MW第3サイクルから第8サイクルまで照射されたものである。集合体平均燃焼度は約48,300MWD/MTMである。本試験では、燃料要素の照射挙動を把握するため、燃料ペレットの組織観察と機器分析を実施し、以下の結果が得られた。(1)燃料カラム軸方向中心部では、中心空孔と柱状晶が形成され、残留ギャップ幅は製造時の85mから13mに減少していた。画像解析より、ペレット体積は製造時よりもむしろ減少していることが確認されたことから、このようなギャップ幅の減少はペレットのリロケーションに支配されていることが示唆された。(2)被覆管の内面腐食は、内面温度が600以上の上部インシュレータとの境界部で認められ、最大32mであった。(3)組織変化している領域のペレットからのXe放出率はピーク燃焼度が60,000MWD/MTMで90%に達している。一方、ペレット周辺部の不変領域では、ガス気泡の集積に伴い約50,000MWD/MTMあたりからXeの放出が開始し、60,000MWD/MTMでは27%の放出が認められた。(4)ペレット内に保持されているCs、Iの径方向分布は、Xeの分布と極めて良く類似しており、温度、燃焼度に対する放出しきい値はXeと同様と考えられる。(5)中心空孔を有する燃料ペレットでは、Pu濃度は中心空孔に近づくにしたがい製造時の27wt%から32wt%に増加していた。ペレット径方向の燃焼度分布はPuの再分布の影響をうけている。
鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*
PNC TN9410 87-193VOL2, 72 Pages, 1987/02
Vol.1ではPFD029燃料ピンの照射後試験結果の要約を記した。本報は下記の詳細データを集録したものである。・光学顕微鏡による燃料組織観察。・SXMAによる燃料内に保持されているXeの測定。・IMAによる燃料内質量分析・被覆管外表面の観察及び元素分析。
鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*
PNC TN9410 87-193VOL1, 48 Pages, 1987/02
炉心燃料集合体(Fab.N-PFD029)は,初装荷燃料集合体として「常陽」MK―2炉心3E2の位置に装荷され100MW6サイクルまで照射されたもので,集合体平均燃焼度は約43,700MWD/MTMである。本試験では燃料被覆管の健全性並びに照射挙動を把握するため,光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察,X線マイクロアナライザ(SXMA)による元素分析並びにイオンマイクアナライザ(IMA)による質量分析を実施した。本試験により得られた結果は以下のとおりである。1)燃料カラム軸方向中心部のおよそ72mmの範囲にわたって,中心空孔と柱状晶が観察された。径方向残留ギャップ幅の平均値は,製造時の85mから22mにまで減少しているものの,運転中においてペレットと被覆管の機械的相互作用(PCMI)は生じていなかったと予測された。また,被覆管の最大内面腐食量は11mであった。2)ペレット内に保持されているXe濃度は,不変領域の内側に相当する微細なガスバブルの析出位置で急激に低下し,組織変化領域ではほとんどのXeガスはペレット外に放出していた。3)IMAにより測定したピーク燃焼度は約5.3at%であり,計算値とよい一致を示した。4)被覆管外表面の性状に関して,480以下の炉心部下半分ではNi,Mnが高濃度化した付着物が認められ,一方500以上の炉心部上半分ではNi,Mn,Crが溶出していた。現在までに測定を終了したMK―2初装荷燃料要素の被覆管外表面の定量分析結果に基ずき,一次系統内における腐食生成物の発生・移行・沈着挙動に関する評価を行なった。
甲野 啓一*; 櫛田 尚也; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 87-189VOL2, 103 Pages, 1987/02
Vol.1では,PFD001燃料ピンの照射後試験結果の要約を記した。本報は,下記の詳細データを集録したものである。・光学顕微鏡による燃料組織観察。・EPMAによる燃料及びギャップ部の元素分析。・IMAによる燃料内質量分析。・被覆管外表面の観察及び元素分析。
甲野 啓一*; 櫛田 尚也; 鵜飼 重治; 吽野 一郎; 熊倉 忠夫*; 柴原 格*; 榎戸 裕二*
PNC TN9410 87-189VOL1, 45 Pages, 1987/02
炉心燃料集合体(Fab.N-PFD001)は,初装荷燃料集合体として「常陽」MK-2炉心中心に装荷され,100MW第3サイクルまで照射されたものであり,集合体平均燃焼度は,約31,300MWD/MTMである。本試験では,燃料,被覆管の健全性並びに照射挙動を把握するため,光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察,X線マイクロアナライザー(EPMA)による元素分析並びにイオンマイクロアナライザー(IMA)による質量分析を実施した。本試験により得えられた結果は,以下のとおりである。(1)試料カラム軸方向中心部の,およそ86mm長さにわたって直径0.56mmの中心空孔と柱状晶が観察された。燃料一被覆管ギャップ部には,Csが蓄積し被覆管成分の溶出が認められた。被覆管内面最大腐食量は,17mであった。(2)EPMAによるU,Puの径方向濃度分布測定により,中心空孔を有するペレットでは,中心空孔端のPu濃度は製造時の30wt%から34wt%に増加していることが確認された。(3)EPMAによるペレット内に保持されているXe及びCsの径方向分布測定より,FPガスは,製造時領域でほぼ一定に保持されているが,高密度化領域で急激に放出が開始していることが確認された。Csの径方向分布は,Xeとまったく同様であり,その放出機構はFPガスと類似していると考えられる。(4)IMAによるペレット径方向燃焼度分布の測定から,中心空孔を有するペレットでは,中心空孔端で燃焼度が増加していることが確認された。これは,Puの再分布に起因するものと推察された。(5)被履管外表面の性状については,450以下の低温部ではMn,Niの高濃度化した付着物が認められ,一方,500以上の高温部ではMn,Niの溶出が観察された。Siは炉心全域から,Crは570以上で溶出している。各合金元素が溶出している深さは表面から1.5m以内の極く表面層に限られることがわかった。
鵜飼 重治; 大里 行弘*; 吽野 一郎
PNC TN9410 86-134VOL2, 105 Pages, 1986/01
Vol.1では、Rapsodie PNC-4(2)、(3)照射燃料ピンの照射後試験結果の要約を記した。本報はK09ピンとK07ピンについて、下記の詳細データを集録したものである。光学顕微鏡による燃料組織観察結果、X線マイクロアナライザによる燃料内及びギャップ部の元素分析結果、イオンマイクロアナライザによる燃料内及びギャップ部の質量分析結果
鵜飼 重治; 大里 行弘*; 吽野 一郎; 杉山 忠夫*; 櫛田 直也; 柴原 格
PNC TN9410 86-134VOL1, 70 Pages, 1986/01
Rapsodie PNC-4(2)(3)は、「もんじゅ」燃料の高燃焼度確性照射試験として実施された。照射した燃料ピンのうちK09ピンは現在動燃の有する最高燃焼度ピンであり、「もんじゅ」の目標燃焼度をほぼ達成している。K09ピンの金相試験はすでに仏国で一部実施済であり、その健全性は確認されているが今回中燃焼度のK07ピンを含め、燃料の照射挙動を詳細に把握するため、燃料組織観察と元素分析を実施した。K09ピンとK07ピンのピーク燃焼度とピーク中性子照射量はそれぞれ128,000MWD/MTM、1.2610E23(E0.1MeV)及び79,000MWD/MTM、7.2510E22(E0.1MeV)である。本試験により以下の結果が得られた。(1)K07ピンの燃料カラム中心部では燃料ペレットと被覆管のギャップは存在せず、照射中は軸方向全域で燃料と被覆管が接触し機械的相互作用(PCMI)が発生していたと考えられる。一方K09ピンでは2.3%のピン径増加が認められ、被覆管のスエリングに起因してギャップ幅は60mにまで再オープンしていた。(2)K09ピンとK07ピンの最大被覆管肉厚減少量はそれぞれ53mと75mであった。高燃焼度で内面腐食量は飽和することが再確認された。(3)被覆管内面腐食部の反応層のうち、燃料側に存在するFe-Ni層と被覆管側に存在するCr-Mn-FP層はそれぞれ金属相と酸化物相であることが、イオンマイクロアナライザによる酸素分析により確認された。(4)中心空孔近傍では、Pu濃度は製造時の20.3wt%から27wt%程度に増加している。(5)燃料内の析出物として灰色層と金属析出物がある。灰色相にはBa-Zr系、Ba-Ce系の化合物が存在する。(6)ペレット内の保持Xe濃度分布と燃料組織は明瞭な対応を示し、光学顕微鏡で観察される黒色リングはFPガスの放出開始領域であることが判明した。柱状晶、等軸晶各領域のXe濃度は検出限界以下であった。
杉山 忠夫*; 鵜飼 重治; 吽野 一郎
PNC TN9410 85-135vol2, 89 Pages, 1985/02
Vol.1ではPFD003燃料ピンの照射試験結果の要約を記した。本報は下記の詳細データを集録したものである。光学顕微鏡による燃料組織観察。EPMAによる燃料及びギャップ部の元素分析。IMAによる燃料内質量分析。被覆管外表面の観察及び質量分析。
杉山 忠夫*; 鵜飼 重治; 吽野 一郎
PNC TN9410 85-135vol1, 53 Pages, 1985/02
炉心燃料集合体(Fab.N-PFD003)は、「常陽」MK―II炉心の装荷位置1B1において、100MW0サイクルから1サイクルの間照射され、集合体平均燃焼度は約13.800MWD/MTMである。本試験は燃料、被覆管の健全性並びに照射挙動を把握するため、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)による組織観察、X線マイクロアナライザー(EPMA)による元素分析並びにイオンマイクロアナライザー(IMA)による質量分析を実施した。本試験により以下の結果が得られた。1)燃料カラム軸方向中心部近傍に、直径0.43mmの中心空孔及び柱状晶が観察された。燃料一被覆管ギャップ部には、Csが蓄積し、若干の被覆管成分の溶出が認められるが、被覆管の肉厚減少には至っていない。2)UとPuの再分布は生じていない。しかし、UとPuは、柱状晶領域では均一に混りあっているが、製造時領域では不均一である。3)EPMAにより燃料内に保持されているXeのペレット径方向分布を測定した。FPガスは製造時領域でははぼ均一に保持されているが、高密度化領域で急激に放出が開始し、ガスバブル領域ではそのほとんどが放出している。4)IMAにより測定した燃焼度は、計算値とよい一致を示した。5)被覆管外表面は、IMAによる深さ方向測定により、2m以下の範囲で、照射温度380付近ではMnの沈着、500以上ではNi、Mnの溶出が確認された。しかし450付近では濃度変化は認められなかった。
鵜飼 重治; 林 幸雄*; 吽野 一郎
PNC TN9410 85-134vol2, 63 Pages, 1985/02
1)要約編にPPJX12燃料ピンの照射後試験結果の要約を記した。本報は同試験で得られた詳細データを集録したもので,下記の試験結果が含まれている。光学顕微鏡による燃料組識観察X線マイクロアナライザによる燃料内及びギャップ部の元素分析。イオンマイクロアナライザによる燃料内質量分析。走査型電子顕微鏡による被覆管外表面観察。
鵜飼 重治; 林 幸雄*; 吽野 一郎
PNC TN9410 85-134vol1, 49 Pages, 1985/02
炉心燃料集合体(Fab.NoPPJX12)は「常陽」50MW出力上昇試験より75MW定格第6サイクルまで炉心内第1列に装荷されていたものであり、集合体平均燃焼度は約39、000MWD/MTMである。本集合体はMK-I炉心燃料集合体としては、PPJX13(平均燃焼度約41、000MWD/MTM)に次ぐ燃焼度を有する。 また集合体は意図的にナトリウム洗浄が不十分な状態で水中保管されていたものである。本試験は、ナトリウム洗浄不足集合体の水中保管における健全性の確認ならびに高燃焼度照射データベースの拡充を目的として走査型電子顕微鏡による被覆管外表面観察、光学顕微鏡による燃料組織観察及びX線マイクロアナライザとイオンマイクロアナライザを用いた元素分析を実施した。本試験により以下の結果が得られた。1)被覆管外表面の微粒子の状況は、MK-1燃料要素で従来より観察されたものとほぼ同様であり、外面からの粒界腐食やオーステナイト組織の異状も認められず健全であった。2)燃料組織は、MK-I燃料要素で従来より観察されているものと同様、ガスバブル領域、高密度化領域、不変領域から形成されており、中心空孔や柱状晶の形成は認められなかった。また燃料-彼覆管ギャップ幅は最高出力部で径方向で約14mにまで減少しており、これらの高燃焼度領域でのデータによりPPJX13のデータを補充することができた。3)MK-I燃料ではU、Puの再分布は生じていないが、Csがギャップ部に蓄積していることが再確認された。燃料-被覆管化学的相互作用(FCCI)による被覆管肉厚減少量は最大で10mであった。4)イオンマイクロアナライザにより求めた燃焼度は詳細照射条件計算コード「JYHIST」による計算値と良い一致を示した。
水野 峰雄*; 榎戸 裕二; 吽野 一郎; 甲野 啓一; 山内 勘; 井滝 俊幸
Nuclear Technology, 69(1), p.107 - 113, 1985/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Nuclear Science & Technology)遮蔽型IMA(Shield Ion Microprobe Analizer)を使用した高速炉燃料の新しい燃焼度測定法を開発した。本測定法の使用により「常陽」MK-I炉心燃料(計 14試体)の燃焼度測定を行い、MK-I炉心燃料の局部最高燃焼度として 5.1%を得た。上記測定結果は表面電離型質量分析器を用いる従来法による測定値及び計算コードによる計算値と良く一致し、信頼度の高いものである事が確認された。従来法では、燃料内存在元素の化学分離を必要とする為、測定に多大な労力及び時間(34日/試料)を要し、ある程度の放射線被曝も避けられなかったが、本測定法では①測定処理能力の大幅な向上(データ解析も含め0.5日/試料)、②放射線被曝の解消③微小領域の燃焼度測定、従ってペレツト半径方向の燃焼度分布測定が可能となる。
榎戸 裕二*; 小野 峰雄*; 吽野 一郎
PNC TN9410 84-125, 243 Pages, 1984/09
高速実験炉「常陽」MK-I炉心燃料(Fab.No.PPJX13)の燃料要素の組織観察並びに機器による分析を実施した。本燃料はMK-I増殖炉心において照射された燃料の中で最高の燃焼度(40,100MWD/MTM(集合体平均),48,000MWD/MTM(局部))を有し,MK-Iにおける燃料照射挙動の全様を把握できる試験体である。照射後金相試験は本燃料集合体中の被覆管最高温度ピン(PIEN-5335)および中心ピン回りの高燃焼度ピン(PIEN-5357)の2本について光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡による燃料・被覆管組織観察並びにX線マイクロアナライザーによる元素分析とイオンマイクロアナライザーによる燃料・被覆管の表面質量分析を実施した。結果の概要は下記の通りである。燃料組織に関してMK-I燃料では初めて中心に約200m¢の空孔が認められ,その周りには軸比6程度の伸長粒(柱状晶に属す)領域,ガスバブル領域,高密度化領域の順に組織変化領域が形成され,高燃焼度燃料の組織に似た形態を呈している。燃料/被覆管境界部にはF.PであるCs,Te,I,Ag.Pd等が存在し,燃料/被覆管化学的相互作用(FCCI)も認められるが,それによる被覆管の内面腐食量は最大12m程度であった。3)被覆管組織には異常な析出,粒界腐食等は無く被覆管は健全なものであった。は被覆管外表面において従来と同じく微粒子の存在が確認されている。高温度部の外表面から約4mの範囲においてNi,Mn,の溶出(Fe,Crの高濃度化)と低温度部へのNi,Mnの沈着が確認された。低温部の付着粒子は高温部の表面粒子とは異質のものでNi,Mnが高濃度化している。Na腐食による減肉はほとんど無いものと考えられる。最大局部燃焼度は5.08at%であった。6)F.P元素の半径方向分布の詳細が把握され,MK-I燃料のF.Pの挙動のはぼ全様が本試料で調べられた。再処理工程における不溶解残査に関連した燃料内金属状析出物の総量はMK-I最大で0.27Wt%であった。以上の事実からMK-I最大の燃焼度を有する本集合体の炉内照射挙動は正常であり,燃料・材料の健全性が確認された。一方本集合体のPIE結果には今後MK-II照射,あるいは「もんじゅ」において期待される高燃焼度下での燃料材料の照射挙動がわずかではあるが現われてお