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論文

Anomalous-magnetic-moment-enhanced Casimir effect

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review D, 113(3), p.036002_1 - 036002_12, 2026/02

ディラックフェルミオンの異常磁気モーメント(AMM)が磁場中のフェルミオン・カシミール効果に及ぼす影響について、理論的に検討する。この解析では、既存のリフシッツ公式を拡張するかたちでAMMの効果を組み込む。我々の導出した拡張公式により、AMMの存在がフェルミオン・カシミールエネルギーを増加させることが明らかになる。特に、AMMが十分大きい場合、最低ランダウ準位のギャップレスな性質によってカシミールエネルギーが大きく強化される。さらに、電子、ミューオン、構成クォークといった異なるフェルミオンに対して、磁場下でのカシミールエネルギーを定量的に評価する。

論文

Structure of heavy quarkonia in a strong magnetic field

Arifi, A. J.; 鈴木 渓

Physical Review D, 112(9), p.094013_1 - 094013_18, 2025/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

本研究では、構成子クォーク模型を用いて、強磁場下における重いクォーコニウムの構造変化の解析を行う。磁場中のクォークのダイナミクスを記述する模型として、スピン固有状態の混合効果とクォークのランダウ準位の効果を取り込んだ非相対論的ハミルトニアンを採用する。2体シュレーディンガー方程式は、磁場中で現れる円筒対称性を尊重した円筒型ガウス展開法を用いて数値的に解く。ライトフロント波動関数(LFWF)密度を計算することで、その横方向および縦方向の構造を解析し、横方向運動量の広がりなどの特徴的な性質を明らかにする。縦方向の構造は模型の範囲ではわずかに変化するだけだが、そこで大きな影響を与える可能性のある補正についても説明する。さらに、励起状態の構造変化について説明し、LFWF密度の顕著な変化と、回避交差付近の状態再シャッフルを示す。これらの結果は、ハドロン構造が外部磁場に敏感であることを示し、相対論的なアプローチへの理解を深めるのに役立つ。

論文

Spin-flavor $$SU(6)$$ symmetry for baryon-baryon interactions

岡 眞

Akito Arima Memorial Volume, p.165 - 179, 2025/09

バリオン間の短距離力をスピンーフレーバー$$SU(6)_{sf}supset SU(3)_f times SU(2)_s$$対称性の観点から分類しその性質を調べた。クォーク間のパウリ原理によって、ハドロン間の波動関数の短距離部分が制限される。その結果、同じスピンーフレーバーを持つ$$BB$$状態が1個あるいは数個の状態に制限される。そのような制限がバリオン間に短距離の斥力を与える。また、実験的にも知られている$$Xi N to LambdaLambda$$転移が弱いことがこの議論から説明できる。同じく、スピンが1でアイソスピンが1/2の$$Sigma N$$ to $$Lambda N$$転移にも同様の議論が適用できる。さらに、フレーバーが反対称な状態で引力的なカラー磁気相互作用の効果についても議論した。

論文

Lifshitz formulas for finite-density Casimir effect

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physics Letters B, 868, p.139758_1 - 139758_6, 2025/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

リフシッツ公式は、有限温度におけるカシミール効果を解析するための基本的な理論枠組みとして広く知られている。本研究では、この公式を有限化学ポテンシャルのもとでの量子場に由来するカシミール効果へと拡張する。得られた一般化された公式の有用性を示すために、境界条件の違いや有限温度、空間次元の一般化、化学ポテンシャルの不均衡など、さまざまな設定における典型的なカシミール効果の特徴を検討する。この枠組みは、密なクォーク物質やディラック/ワイル半金属といった系にも適用可能であり、そこでは化学ポテンシャルがカシミール効果を制御するための調整パラメータとして機能する。

論文

Casimir effect in magnetic dual chiral density waves

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review D, 112(3), p.034020_1 - 034020_17, 2025/08

 被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Astronomy & Astrophysics)

磁場中の有限密度物質において、ディラックフェルミオンに由来するカシミール効果を理論的に解析する。特に、強い相互作用をもつディラック系における不均一な基底状態の候補として知られる「磁気二重カイラル密度波(MDCDW)相」におけるクォーク場に注目する。この相では、化学ポテンシャル・外部磁場・基底状態の空間的変調が複雑に干渉することで、カシミールエネルギーが距離に対して非自明な振動的挙動を示す。全カシミールエネルギーをランダウ準位ごとに分解することで、最低準位と高次準位のどちらが寄与するかによって、異なるタイプのカシミール効果が現れることが明らかになる。さらに、アップクォークとダウンクォークといったフェルミオンのフレーバー間の準位分裂に起因する特徴的な振る舞いも指摘する。

論文

Casimir effect in dual chiral density waves

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

International Journal of Modern Physics A, 40(10-11), p.2543022_1 - 2543022_9, 2025/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)

本発表では磁場がゼロかゼロでない場合の、高密度で薄いクォーク物質において、クォーク場から発現する新しいカシミア効果の発見について講演した。驚くべきことに、密なクォーク物質の基底状態の候補である二重カイラル密度波(DCDW)相では、カシミアエネルギーが厚さの関数として振動する。この発見は、極限状態におけるQCDダイナミクスによって駆動されるユニークな振動カシミール現象を浮き彫りにするものである。

論文

Casimir effect at finite density

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

International Journal of Modern Physics A, 40(10-11), p.2543020_1 - 2543020_8, 2025/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Nuclear)

本講演では、有限の化学ポテンシャル、特に、有限密度系の量子場から誘起されるカシミール効果について議論する。有限温度系のカシミール効果には長い歴史があり、実験による検証も含めて一定の理解が得られているが、有限密度系のカシミール効果についての先行研究は非常に少ない。これは、平衡状態として光子場の化学ポテンシャルを実験的に制御することが困難なためである。一方、フェルミオン系に着目したとき、フェルミオンの化学ポテンシャルは実験で比較的制御可能なパラメータであり、カシミール効果の性質を制御するのに役立つことが期待される。さらに、有限密度フェルミオン系で実現する多彩な量子多体現象は、カシミール効果の典型的な性質を劇的に変化させる可能性がある。本研究では、有限密度のディラック場から誘起されるカシミール効果を定式化し、カシミール効果に起因する物理量が境界条件間の距離や化学ポテンシャルの関数として振動することなどを示す。このような「有限密度カシミール効果」が現れる物理系の例として、ディラック半金属薄膜や高密度クォーク物質が平たく広がった状態への応用について議論する。

論文

Novel first-order phase transition and critical points on $$SU(3)$$ Yang-Mills theory in $$T^{2}$$ $$times$$ $$R^{2}$$

北澤 正清*; 藤井 大輔; 岩中 章紘*; 末永 大輝*

Proceedings of Science (Internet), 466, p.163_1 - 163_9, 2025/02

本研究では、二方向をコンパクト化した時空$$T^{2}$$ $$times$$ $$R^{2}$$上で定式化された$$SU(3)$$ヤン・ミルズ理論の熱的性質と相構造を調べる。ユークリッド時空での格子数値シミュレーションと有効模型の両方を用い、異方的な空間体積条件のもとで解析を行う。格子上での応力テンソルは、グラディエントフロー法により定義されるエネルギー運動量テンソルを通じて評価される。その結果、自由スカラー理論とは対照的に、明確な圧力異方性はコンパクト化方向の長さが十分に短い場合にのみ現れることが分かった。これに基づき、コンパクト化方向に沿った2つのポリヤコフループを動的変数として取り入れた有効模型を構築し、格子上の熱力学量を再現するよう調整した。この模型の解析から、新たな一次相転移が存在し、それが臨界点で終端することが示された。特に、2つのポリヤコフループの相互作用がこの相転移の発現に重要な役割を果たしていると考えられる。

論文

Novel first-order phase transition and critical points in SU(3) Yang-Mills theory with spatial compactification

藤井 大輔; 岩中 章紘*; 北澤 正清*; 末永 大輝*

Physical Review D, 110(9), p.094016_1 - 094016_16, 2024/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:18.58(Astronomy & Astrophysics)

ユークリッド時空の$$mathbb{T}^2timesmathbb{R}^2$$上の$$SU(3)$$ヤンミルズ理論の熱力学と相構造を有効模型によるアプローチで調べる。このモデルは、コンパクト化された2方向に沿った2つのポリアコフ・ループを力学変数として取り入れ、格子上で測定された$$mathbb{T}^2timesmathbb{R}^2$$上の熱力学を再現するように構成されている。モデル解析の結果、非閉じ込め相において$$mathbb{T}^2timesmathbb{R}^2$$上の新しい一次相転移が存在することが示され、この相転移は二次元$$Z_2$$普遍クラスに属するべき臨界点で終端する。この一次転移は、ポリアコフ・ループ・ポテンシャルにおける交差項によって誘起されるポリアコフ・ループの相互作用が原因であることを議論する。

論文

Dual chiral density wave induced oscillating Casimir effect

藤井 大輔; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review D, 110(1), p.014039_1 - 014039_15, 2024/07

 被引用回数:6 パーセンタイル:63.42(Astronomy & Astrophysics)

カシミア効果は、微小体積に閉じ込められた光子場から誘起されることが知られており、また、そのフェルミオン的な対応物も、幅広い量子系で予言されている。ここでは、薄い有限密度クォーク物質において、どのような種類のカシミア効果がクォーク場から起こりうるかを調べる。特に、有限密度クォーク物質の基底状態の候補である二重カイラル密度波において、カシミアエネルギーが物質の厚さの関数として振動することを見いだした。この振動するカシミア効果は、Weyl半金属におけるカシミア効果と類似しており、クォーク場の運動量空間におけるWeyl点に起因すると考えることができる。さらに、クォークのフェルミ海からも振動が誘起され、全カシミアエネルギーは複数の振動の重ね合わせから構成されることを示す。

論文

Dirac Kondo effect under magnetic catalysis

服部 恒一*; 末永 大輝*; 鈴木 渓; 安井 繁宏*

Physical Review B, 108(24), p.245110_1 - 245110_11, 2023/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:16.78(Materials Science, Multidisciplinary)

通常の近藤効果は、伝導電子と交換相互作用を行う不純物を含んだ金属中で起こり、伝導電子のフェルミ面の存在が重要となるが、フェルミ面を持たない系における類似した現象の解明は近藤効果の基礎的理解のために重要である。さらに、通常の近藤効果は磁場中で抑制されるが、とある条件の下では磁場によって増幅することも起こりえる。本論文では、フェルミ面を持たない系において強磁場の存在に起因する近藤効果を記述するための模型を構築・提案する。この模型では、物質中を伝導するディラック粒子と物質内部で局在する不純物から成る粒子対である「近藤凝縮」を平均場として仮定することで、それを秩序変数とする相図を決定することができる。一方で、ディラック粒子・反粒子の粒子対として定義される「カイラル凝縮」は、クォーク系においては古くから知られた基底状態であるが、相互作用するディラック電子系においても類似した基底状態の存在が期待されている。さらに、ディラック粒子・反粒子間に極小の引力相互作用さえあれば、磁場の大きさに伴ってカイラル凝縮が(一般的には)増幅する現象が知られており、magnetic catalysis(磁気触媒機構)と呼ばれている。このため、本研究ではカイラル凝縮と近藤凝縮との磁場中での競合効果に注目し、この競合効果によって磁場をパラメータとする相図上に量子臨界点が現れることを予言した。さらに、磁場だけでなく有限温度の相図の予言も行った。フェルミ面に起因する通常の近藤効果とは異なり、強磁場のみによって誘起される近藤系はモンテカルロ法における負符号問題を持たないため、モンテカルロシミュレーションによって将来的に高精度の検証がなされることが期待される。

論文

Rich structure of the hidden-charm pentaquarks near threshold regions

Giachino, A.*; 保坂 淳; Santopinto, E.*; 竹内 幸子*; 瀧澤 誠*; 山口 康宏*

Physical Review D, 108(7), p.074012_1 - 074012_6, 2023/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:78.14(Astronomy & Astrophysics)

$$udscbar{c}$$からなるペンタクォークの構造を分子構造と5クォーク構造の結合チャネル模型によって調べた。その結果、実験で得られた$$P_{cs}$$の質量をよく再現したほか、敷値近傍に他の粒子が存在することを予言した。

論文

Strong decays of singly heavy baryons from a chiral effective theory of diquarks

Kim, Y.*; 岡 眞; 末永 大輝*; 鈴木 渓

Physical Review D, 107(7), p.074015_1 - 074015_15, 2023/04

 被引用回数:9 パーセンタイル:66.53(Astronomy & Astrophysics)

重いクォークを1個含むバリオンは重クォークとダイクォークの束縛状態として記述できる。本研究では、ダイクォークのカイラル有効理論に基づき、ダイクォーク間のパイオン結合による遷移を模型化して、重バリオンの崩壊確率に関する研究を行った。

論文

Phase diagram of the QCD Kondo effect and inactivation of the magnetic catalysis

服部 恒一*; 末永 大輝*; 鈴木 渓; 安井 繁宏*

EPJ Web of Conferences, 276, p.01015_1 - 01015_5, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

本研究では、重い不純物クォークを含む強磁場中のQCD相図を調べ、特に、平均場解析の範囲でこの系の基底状態を決定した。本研究で扱う模型の基底状態は、軽いクォークとその反クォークの対として構成される「カイラル凝縮」と軽いクォークと重いクォークの対である「近藤凝縮」の二種類の秩序変数によって特徴付けられる。強磁場中のQCDではカイラル凝縮が磁場に依存して増加するmagnetic catalysis (磁気触媒効果)と呼ばれる現象が知られているが、本研究では二種類の凝縮が相関・競合することで誘起される新たな現象として、カイラル凝縮の大きさが磁場の大きさに依らずに一定の値となる(飽和する)現象や、温度の増加に伴ってカイラル凝縮が特異的に増加する現象などを提案した。

論文

Doubly heavy tetraquarks in a chiral-diquark picture

Kim, Y.*; 岡 眞; 鈴木 渓

Physical Review D, 105(7), p.074021_1 - 074021_17, 2022/04

 被引用回数:42 パーセンタイル:94.80(Astronomy & Astrophysics)

重いクォークを二個含むテトラクォーク(ダブルヘビーテトラクォーク)は深い束縛状態として存在する可能性があり、理論的・実験的に昔から注目されてきた。さらに、残りの二個の軽い反クォークはダイクォーク構造が発達している可能性があり、軽いクォークに寄与するQCD真空の理解に役立つという意味でも興味深い。本研究では、カイラル対称性を尊重した(軽い)ダイクォーク自由度を含むポテンシャル模型を用いて、ダブルヘビーテトラクォーク$$T_{QQ}$$ ($$QQ bar{q} bar{q}$$、ただし、$$Q = c, b$$, $$q = u, d, s$$)の質量スペクトルを調べた。特に、$$T_{bb}$$, $$T_{cc}$$, $$T_{cb}$$テトラクォークを二個のヘビークォークと一個の反ダイクォークから構成される三体系として記述し、三体ポテンシャル模型を解くことにより質量スペクトルを求めた。この解析により、$$T_{bb}$$は束縛状態として存在するが、$$T_{cc}$$$$T_{cb}$$は(深い)束縛状態として存在しないことを予言した。さらに、カイラル対称性が(部分的に)回復した状況における(ダイクォーク質量変化に伴う)$$T_{QQ}$$テトラクォークの質量変化の予言も行った。

論文

Heavy-quark spin polarization induced by the Kondo effect in a magnetic field

末永 大輝*; 荒木 康史; 鈴木 渓; 安井 繁宏*

Physical Review D, 105(7), p.074028_1 - 074028_19, 2022/04

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.53(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、クォーク物質中での近藤効果が、磁場下においてヘビークォークのスピン偏極を誘起する新たなメカニズムを提案する。高密度クォーク物質中では、アップ・ダウン等のライトクォークに対してチャーム・ボトム等のヘビークォークが不純物として働き、カラー交換により相互作用を増幅する「QCD近藤効果」が起こることが理論的に示唆されている。この際にヘビークォークとライトクォークによって構成される近藤凝縮により、ヘビークォークとライトクォークのスピンは混成する。そのため、クォーク物質中でライトクォークが磁場と結合すると、近藤凝縮を介してヘビークォークのスピン偏極も誘起される。このメカニズムを示すため、Nambu-Jona-Lasinio型の相互作用を持つモデルを用い、$$U(1)_{rm EM}$$ゲージ対称性を考慮した頂点補正を加味して計算を行う。これにより磁場下で誘起されるヘビークォークのスピン偏極を線形応答理論に基づいて調べ、近藤効果の発現によってヘビークォークのスピン偏極が如実に誘起されることを示す。これらの結果は今後、符号問題を回避した格子シミュレーションにより検証が期待される。

論文

Doubly heavy tetraquark resonant states

Meng, Q.*; 原田 正康*; 肥山 詠美子; 保坂 淳; 岡 眞

Physics Letters B, 824, p.136800_1 - 136800_5, 2022/01

 被引用回数:32 パーセンタイル:96.34(Astronomy & Astrophysics)

ダブルヘビーテトラクォークのスペクトルを計算した。

論文

Kondo effect with Wilson fermions

石川 力*; 中山 勝政*; 鈴木 渓

Physical Review D, 104(9), p.094515_1 - 094515_11, 2021/11

 被引用回数:8 パーセンタイル:42.42(Astronomy & Astrophysics)

「ウィルソン・フェルミオン」と呼ばれる格子上のフェルミ粒子に対する近藤効果を記述する模型を構築し、様々な物理現象の予言・解明を行った。模型として、軽いウィルソン・フェルミオンと重いフェルミオンとの4点相互作用を含むカイラルGross-Neveu模型に対する平均場アプローチを用いた。結果として、ゼロ質量のウィルソン・フェルミオンからなる有限密度媒質において近藤効果が実現可能であることを示し、それに伴う近藤凝縮と軽いフェルミオン対の凝縮(スカラー凝縮)との共存相が存在可能であることを示した。このとき、スカラー凝縮が消える臨界的な化学ポテンシャルの値は近藤効果によってシフトする。さらに、負質量を持つウィルソン・フェルミオンにおいては、パリティ対称性が自発的に破れた相(Aoki phase)が生じることが知られているが、Aoki phaseが生じるパラメータ領域近傍で近藤効果も増幅されることを示した。本研究の発見は、ディラック半金属,トポロジカル絶縁体などの物質や、将来的な格子シミュレーションにおける不純物の役割を明らかにするために役立つことが期待される。

論文

Heavy baryon spectrum with chiral multiplets of scalar and vector diquarks

Kim, Y.*; Liu, Y.-R.*; 岡 眞; 鈴木 渓

Physical Review D, 104(5), p.054012_1 - 054012_18, 2021/09

 被引用回数:20 パーセンタイル:72.25(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、スカラー及びベクトルダイクォークのカイラル有効理論を線形シグマ模型に基づいて構成する。有効理論の主な適用として、チャームまたはボトムクォークを1個含むシングルヘビーバリオンの基底状態と励起状態を記述する。ヘビークォーク($$Q=c, b$$)とダイクォーク間の2体ポテンシャルを用いて、ヘビークォーク・ダイクォーク模型を構築し、$$Lambda_Q$$, $$Sigma_Q$$, $$Xi^{(')}_Q$$, $$Omega_Q$$バリオンの正パリティ及び負パリティ状態のスペクトルを求める。ここで、有効理論に含まれる質量や相互作用パラメータは、格子QCDから得られたダイクォーク質量やヘビーバリオンの実験値を用いて決定される。結果として、擬スカラーダイクォーク質量の逆ヒエラルキーに起因して$$Xi_Q$$(フレーバー$$bar{bf 3}$$)の負パリティ励起状態のスペクトルが、$$Lambda_Q$$とは異なる振る舞いを示すことを示す。一方で、$$Sigma_Q, Xi'_Q$$, $$Omega_Q$$(フレーバー$${bf 6}$$)のスペクトルは、$$Lambda_Q$$と同様である。さらに、我々のヘビークォーク・ダイクォーク模型による結果と実験値やクォーク模型による結果との比較を議論する。

論文

Survival probabilities of charmonia as a clue to measure transient magnetic fields

岩崎 幸生*; 慈道 大介*; 岡 眞; 鈴木 渓

Physics Letters B, 820, p.136498_1 - 136498_6, 2021/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:46.56(Astronomy & Astrophysics)

本論文では、時間依存する空間一様磁場中でのS波チャーモニウムの時間発展を数値的に計算し、各固有状態が磁場の減衰後にどれだけ生き残るかを示す指標(残存確率)を見積もる。このような研究は、RHICやLHCなどで行われている相対論的重イオン衝突実験において瞬間的に生成される磁場の測定(特に、磁場の大きさや磁場の寿命の測定)に役立つことが期待される。本解析では、磁場中で起こる異なるスピン固有状態の混合効果や高軌道励起状態への遷移効果が含まれており、これらの効果は最終的な残存確率に影響を及ぼす。結果として、磁場の寿命が極端に短い場合でさえも残存確率の有意な変化が見られることや、残存確率が初期状態のスピン配位に依存することが判明した。このような残存確率は、スピンパートナー同士(スピン1重項とスピン3重項)の和をとることにより初期配位に依存しない量となり、この量は$$sigma B_0^2$$の関数($$sigma$$は磁場の寿命、$$B_0$$は磁場の最大値に対応するパラメータ)として表されることを示す。

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