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山本 春也; 永田 晋二*; 武山 昭憲; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 249(1-2), p.374 - 376, 2006/08
被引用回数:8 パーセンタイル:50.25(Instruments & Instrumentation)二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であるが、薄膜状で光触媒反応を利用する場合には、薄膜表面の微細構造化による触媒反応の活性化が必要とされる。本研究では、ヘリウムなど希ガスを材料表面にイオン照射した場合に形成されるブリスター(膨れ)を利用して薄膜表面の微細構造の形成制御を試みた。今回は、ヘリウムイオンの照射エネルギー(1
4keV),照射量(1
10
2.3
10
ions/cm
)などブリスター形成条件について調べた。実験では、レーザー蒸着法により
-Al
O
基板上に(100)面に結晶配向したルチル型TiO
膜を作製し、室温でヘリウムイオン照射を行った。走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)により薄膜の表面構造の観察を行い、また、ラザフォード後方散乱(RBS)により結晶構造評価を行った。その結果、照射エネルギー:2
4keV,照射量:4
10
ions/cm
以上で直径が約100nm,高さが20nmのブリスターが照射領域に一様に形成することを確認できた。また、照射量に対してブリスターの大きさがほとんど変化しないことがわかった。さらに、照射量が2
10
ions/cm
以上になるとブリスター表面に亀裂が発生することがわかった。
山本 春也; 武山 昭憲; 吉川 正人
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 242(1-2), p.377 - 379, 2006/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.51(Instruments & Instrumentation)硫黄を添加した二酸化チタン(S-TiO)の粉末試料では、可視光領域の光吸収の発現など光学的特性が変化し、光触媒性の向上が見いだされている。そこで本研究では、S-TiO
粉末を原料とした薄膜の作製を目指し、パルスレーザー蒸着法を用いて多結晶及び単結晶構造のS-TiO
膜の作製を試みた。作製した膜について、X線回折,ラザフォード後方散乱法などを用いて構造評価を行った。その結果、硫黄の添加量を数at.%の濃度で制御し、シリコン基板上にアナターゼ型の多結晶TiO
膜,サファイア(0001)単結晶基板上にルチル型のTiO
(100)単結晶膜を作製することができた。本研究よりTiO
膜中の硫黄濃度を制御する主なパラメータは、ターゲットの組成,成膜中の雰囲気,基板温度であることが明らかになった。
山本 春也; 永田 晋二*; 武山 昭憲; 吉川 正人
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 30(3), p.789 - 792, 2005/09
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であるが、薄膜状で光触媒反応を利用する場合には、薄膜表面の微細構造化による表面積の拡大が必要とされる。本研究では、ヘリウムなど希ガスを材料表面にイオン注入した場合に形成されるブリスター(膨れ)を利用して薄膜表面の微細構造の形成制御を試みた。今回は、ヘリウムイオンの照射エネルギー(1
4keV),照射量(1
10
2.3
10
ions/cm
)など、ブリスター形成条件について調べた。実験では、レーザー蒸着法により
-Al
O
基板上に(100)面に結晶配向したルチル型TiO
膜を作製し、室温でヘリウムイオン照射を行った。走査型電子顕微鏡(SEM),原子間力顕微鏡(AFM)により薄膜の表面構造の観察を行い、またX線回折(XRD),ラザフォード後方散乱(RBS)により結晶構造評価を行った。その結果、照射エネルギー:2
4keV,照射量:4
10
ions/cm
以上で直径が約100nm、高さが20nmのブリスターが照射領域に一様に形成することが確認できた。また、照射量に対してブリスターの大きさがほとんど変化しなかったが、照射量が2
10
ions/cm
以上になるとブリスター表面の剥離が発生することがわかった。
北澤 真一
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 43(9A), p.6335 - 6341, 2004/09
被引用回数:17 パーセンタイル:54.87(Physics, Applied)パルス・レーザー蒸着法により、表面にナノ構造を持つ二酸化チタン薄膜を、酸素雰囲気中でサファイア基板上に作製した。アブレーション・プラズマ状態や薄膜の結晶性・表面形状等に対する影響評価を、雰囲気酸素圧力080Paの範囲で調べた。アブレーション・プルームのスペクトルの変化を調べ、原子状のチタンと酸素から酸化チタン分子が生成することを確認した。蒸着した薄膜の表面形状の走査型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡での観察により、飛行中に二酸化チタンのナノ粒子を形成されたと推定した。X線回折とラマン分光による薄膜の結晶性解析から、雰囲気酸素圧が低いときにはルチル構造のみが生じるが、高くなるとアナターゼ構造も生成することがわかった。
山本 春也; Choi, Y.; 梅林 励; 吉川 正人
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 29(6), p.2701 - 2704, 2004/00
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であるが、薄膜状で利用する場合には、表面の微結晶化による表面積の増大及び結晶性の向上が必要とされている。本研究では、表面積の増大及び結晶性の向上を目的に酸化亜鉛(ZnO)をバッファー層に利用した高配向性二酸化チタン膜の形成条件について調べた。酸化亜鉛及び二酸化チタン膜は、低圧酸素雰囲気下でレーザー蒸着法により石英,シリコン,
-Al
O
などの基板上に作製し、走査型電子顕微鏡観察,X線回折,ラザフォード後方散乱により構造評価を行った。蒸着中の基板温度が約500
Cで、基板上に大きさが数
数十ナノメータの(0001)面に結晶配向した酸化亜鉛の微結晶から成る膜が得られ、さらにこの膜上に(001)面及び(100)面に結晶配向したアナターゼ及びルチル型二酸化チタンの微結晶から成る膜を形成することができた。また、有機色素の分解により光触媒性を評価した結果では、基板に直接二酸化チタンを成膜した試料よりも高い光触媒性が得られ、微結晶化による表面積の増大及び高配向性結晶の形成により光触媒性を向上させることができた。
北澤 真一; 山本 春也
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28(4), p.1133 - 1136, 2003/12
減圧酸素雰囲気下のTi及びTiOターゲットに高出力パルスレーザー光を照射し、発生した蒸気を堆積させて単結晶TiO
薄膜を作製する(パルスレーザー蒸着法)。このときに発生する(Ti蒸気の)プラズマ柱の可視領域の発光を分光解析し、プラズマ柱の構成分子がTiO
単結晶膜の結晶構造に与える影響を調べた。その結果、発生するプラズマ内には、TiばかりでなくTiOが含まれていることがわかった。ターゲットがTiの場合には酸素の分圧に比例してTiOが増加したが、ターゲットがTiO
の場合には、比例関係が失われた。得られたTiO
単結晶膜のX線解析を行って結晶構造を調べた結果、その結晶構造とTiO分子数との間には関係があることがわかった。
八巻 徹也; 伊藤 久義; 松原 正和*; 阿部 弘亨*; 浅井 圭介*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28(3), p.879 - 882, 2003/10
本研究では、KrFエキシマーレーザー(波長248 nm)パルスをTiOペレットに照射し、その直後に誘起されるプラズマ内反応を利用することによって、室温でナノ微粒子を作製した。1Torr以上に圧力を制御したO
とAr混合ガス(5:5)中で作製すると、低次酸化物の混入のない高純度なTiO
微粒子が生成し、これはルチル,アナターゼ結晶相から成っていることが明らかになった。また、雰囲気ガスの圧力を10Torrまで増加させるにつれて、含有するルチル相の重量分率は大きくなった。このことは、本手法がTiO
微粒子中のルチル/アナターゼ混合比を制御可能であることを示している。結晶相の制御性について、レーザープラズマの物理モデルに基づいて考察を行った結果、高圧下でのプラズマ密度の増大が反応系内の温度(ここでは電子温度に相当)を上昇させ、このことが高温相であるルチル体の結晶化を促進していると考えられた。透過型電子顕微鏡観察によれば、微粒子の粒径は10-14nmであり、光触媒材料としての高い応用性が示唆された。
梅林 励; 浅井 圭介*; 八巻 徹也; 吉川 正人
工業材料, 51(7), p.34 - 36, 2003/07
硫黄添加二酸化チタン可視光型光触媒の開発技術の概要,光触媒特性,今後の課題と展望についての解説記事である。本稿では、当該化合物の可視光応答性のメカニズムと可視光下における光化学反応について詳細に解説する。また、実用化を見据えた今後の課題についても触れており、そこでは、イオン注入技術を利用した新規可視応答型光触媒薄膜の開発の試みについても説明している。
梅林 励; 八巻 徹也; 山本 春也; 田中 茂; 浅井 圭介*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 28(2), p.461 - 464, 2003/06
われわれは、可視光応答型光触媒材料である硫黄(S)添加二酸化チタン(TiO)のイオン注入法を利用した新たな作製法を開発した。近年、材料・環境の分野においては、可視光応答型光触媒の実現は最も注目されている研究テーマの1つである。これに対して、最近の研究で、従来固溶しにくいと考えられてきたSをTiO
に添加することにより、当該物質が可視光域でも大きな光触媒能を持つことを明らかにした。しかしながら、ここで利用してきたTiS
を高温で酸化するという作製方法では、ドープ量,深さ方向へのSの濃度分布など、触媒の機能性を決める重要なパラメータの制御が非常に困難である。そこでわれわれは、これらのパラメータの制御が容易で、かつ固溶しにくい元素のドーピングに優れているイオン注入法によって、S添加TiO
の作製を試みてきた。200KeVに加速したS
イオン(8
10
ions/cm
)を室温にて、ルチル単結晶に照射した。照射後の結晶は、空気中、600
Cで6時間だけ焼成した。ラザフォード後方散乱とXPS解析の結果、OサイトにSが置換したS添加TiO
が作製できたことが明らかになった。また、光電流スペクトル測定では、可視光応答性を持つことを確認した。
梅林 励; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳; 田中 茂; 住田 泰史*; 浅井 圭介*
Journal of Applied Physics, 93(9), p.5156 - 5160, 2003/05
被引用回数:300 パーセンタイル:98.63(Physics, Applied)イオンビームを利用した手法によって、これまで困難だと言われてきたTiOへのSドープに成功した。本論文では、イオン注入実験の詳細と、S
注入TiO
の結晶構造,光学特性、及び電子構造について報告している。特筆すべき成果としては、S
注入TiO
は可視光励起によってVBとCBにキャリアを生成することが明らかになった。この結果は、Sドープによってバンドギャップナロウイングが起きるという理論的な予測と一致している。
八巻 徹也; 梅林 励; 住田 泰史*; 山本 春也; 前川 雅樹; 河裾 厚男; 伊藤 久義
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.254 - 258, 2003/05
被引用回数:136 パーセンタイル:98.89(Instruments & Instrumentation)二酸化チタン(TiO)単結晶に1
10
から1
10
ions cm
の200eV F
を注入し、1200
までの等時アニールを各ステップ5時間ずつ行った。アニールに伴う照射損傷の回復過程については、ラザフォード後方散乱/チャネリング解析とエネルギー可変ビームを用いた陽電子消滅測定で調べた。1200
でアニールすると、空孔型欠陥の外方拡散によって結晶性が完全に回復した。二次イオン質量分析によれば、本試料は深部から表面へ向かって増大するような不純物濃度プロファイルを有していた。密度汎関数理論に基づいたバンド構造計算を行った結果、FドープはTiO
の伝導帯の下端付近にわずかな変化を及ぼし、これによりバンドギャップ制御が可能であることを明らかにした。
梅林 励; 八巻 徹也; 住田 泰史*; 山本 春也; 田中 茂; 浅井 圭介*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.264 - 267, 2003/05
被引用回数:24 パーセンタイル:81.71(Instruments & Instrumentation)CrとNbがドープされたTiOの電子構造を第一原理バンド計算と紫外線光電子分光(UPS)によって詳しく調べた。両ドープ体には、電子占有準位がバンドギャップ内に形成されることが明らかになった。これら不純物準位は、CrドープTiO
ではバンドギャップのほぼ中央に、Nbドープの場合は伝導帯(CB)の底付近に位置する。過去に報告された遷移金属ドープTiO
の可視域における光応答特性は、これらの不純物準位を介した電子遷移過程を考えれば系統的に説明できるものと考えられる。UPS測定では、不純物準位に起因するピークが両ドープ体ともに観測された。Crドープに由来する準位のピークは価電子帯(VB)端の近くに現れたのに対し、Nbの準位はより高エネルギー側、すなわちCBに近い側に位置した。この不純物種による違いは、上記の計算結果とほぼ一致した。われわれは、Cr,NbがTiO
にドープされたときにバンドギャップ内に形成される準位の特性を理論,実験の両面から明らかにした。
山本 春也; 八巻 徹也; 楢本 洋; 田中 茂
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206(1-4), p.268 - 271, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:64.52(Instruments & Instrumentation)光触媒材料である二酸化チタン(TiO)は、遷移金属をドープすることにより光学的特性が変化し、光触媒性の向上も期待される。本研究では、パルスレーザー蒸着法を用いてCr, Nb, Ta, Wをドープしたルチル及びアナターゼ構造の高品質なTiO
単結晶膜の作製を試み、成膜条件や蒸着後の熱処理などの条件を明らかにした。作製した膜の構造評価は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法を用いた。その結果、0.2~1.5 at.%の濃度でドープした金属原子が格子位置を占めたルチル及びアナタ-ゼ型のTiO
単結晶膜の作製に成功した。また、SrTiO
(001), LaAlO
(001)基板上に成長させたアナターゼ型TiO
の熱的安定性を調べた結果、約1000
Cまでアナターゼ構造を保持することがわかった。
倉富 敬*; 山口 憲司; 山脇 道夫*; Bak, T.*; Nowotny, J.*; Rekas, M.*; Sorrell, C. C.*
Solid State Ionics, 154-155, p.223 - 228, 2002/12
被引用回数:14 パーセンタイル:57.49(Chemistry, Physical)多結晶質TiOの半導体特性を1023-1223Kの範囲で電気伝導度と熱起電力の同時測定により測定した。それぞれの測定により、バンド幅は3.34, 3.13eVと求まった。さらに、正孔と電子の移動度の比は温度の上昇とともに減少することが明らかになったものの、この事実は温度に対してほとんど依存性を示さなかった単結晶の場合とは異なる結果となった。この違いは、多結晶質TiO
における粒界の影響によるものと考えられた。
梅林 励; 八巻 徹也; 伊藤 久義; 浅井 圭介*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 63(10), p.1909 - 1920, 2002/10
被引用回数:627 パーセンタイル:99.67(Chemistry, Multidisciplinary)F-LAPW法を用いた第一原理バンド計算によって、遷移金属(Cr,Mn,Fe,Co,Ni)をドープした二酸化チタン(TiO)の電子構造解析を行った。TiO
にCr,Mn,Fe,Coをドープした時は、バンドギャップ内に占有準位が形成され、電子は不純物t
軌道に局在することを明らかにした。この不純物準位は、ドーパントの原子番号が大きくなるに従って低エネルギー側にシフトした。一方、Niを導入した場合は、Ni 3d
軌道は、O 2p,Ti 3d軌道とともに価電子帯を形成することがわかった。既報の吸収スペクトル、及び光電流スペクトルの実験結果とわれわれの計算結果とを比較することにより、可視光域における光応答には不純物t
準位が大きく関与していることを見出した。
住田 泰史*; 八巻 徹也; 山本 春也; 宮下 敦巳
Thin Solid Films, 416(1-2), p.80 - 84, 2002/09
被引用回数:22 パーセンタイル:69.55(Materials Science, Multidisciplinary)酸化チタン(TiO)表面の電荷分離性能を,パルスレーザーデポジション法で製膜したCrが一様分布した膜と、イオン注入により作成したCr濃度勾配を持つ膜について、本研究室にて開発したパルス光励起表面電荷分離性能評価法(PITCS)を用いて評価を行った。その際、Crの膜内分布は二次イオン質量分析計で確認を行い、両膜の最表面のCr濃度はXPSを用いて等しくなるように作成を行った。PITCS法は金属電極を用いず、外部電界も印加する必要がないので、TiO
表面の既存のバンド勾配を乱すことなく、その膜の本質的な電荷分離性能を見積もることが可能である。この手法を用いて測定を行った結果、Cr濃度勾配を持つ膜は520nmの可視光に対してまで高い電荷分離性能を示した。これは、Cr一様分布膜や、アナターゼ単結晶膜よりはるかに高い性能であった。
山本 春也; 住田 泰史; 八巻 徹也; 宮下 敦巳; 楢本 洋
Journal of Crystal Growth, 237-239(Part1), p.569 - 573, 2002/04
二酸化チタン(TiO)は優れた光触媒材料であり、触媒特性の大幅な向上にはルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている。本研究では、レーザ蒸着法によりTiO
のエピタキシャル成長を試み、種々の基板と膜との結晶方位関係,基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした。TiO
薄膜試料は、低圧酸素雰囲気下でエキシマレーザ(ArF 193nm)を用いたレーザ蒸着法によりLaAlO
,LSAT,SrTiO
,YSZ,
-Al
O
などの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した。TiO
薄膜は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った。その結果、基板温度が約500
C以上でアナターゼ構造の高品質なエピタキシャルTiO
(001)膜がLaAlO
(001), LSAT(001), SrTiO
(001)基板上に得られ、また、
-Al
O
(0001)及び(01-01)基板上には各々ルチル構造のTiO
(100)及びTiO
(001)膜が得られた。さらに光学的バンドギャップを評価し、アナターゼTiO
(001)膜で3.22eV,ルチルTiO
(100)膜で3.11eVの値を得た。
山本 春也; 住田 泰史; Sugiharuto; 宮下 敦巳; 楢本 洋
Thin Solid Films, 401(1-2), p.88 - 93, 2001/12
被引用回数:129 パーセンタイル:96.78(Materials Science, Multidisciplinary)光触媒材料である二酸化チタン(TiO)では、光触媒特性の向上を目的にルチル及びアナターゼ構造の高品質なエピタキシャル膜の作製が必要とされている。本研究では、レーザ蒸着法によりルチル及びアナターゼ構造のTiO
のエピタキシャル成長を試み、種々の基板と膜との結晶方位関係、基板温度と膜の結晶性の関係を明らかにすることを目的とした。TiO
膜は、低圧酸素雰囲気下でNb-YAGを用いたレーザ蒸着法によりSrTiO
,LaAlO
,LSAT,YSZ,
-Al
O
,などの単結晶基板上に約200nmの膜厚で作製した。TiO
膜は、X線回折とラザフォード後方散乱/チャネリング法により構造評価を行った。その結果、基板温度が約500
でアナターゼ構造の高品質なTiO
(001)膜がLaAlO
(001), LSAT(001), SrTiO
(001)基板上に成長でき、基板との格子整合が膜の結晶性に影響することを明らかにした。また、
-Al
O
(0001)及び(10
0)基板上にルチル構造のTiO
(100)及びTiO
(001)膜を作製することができた。
八巻 徹也; 篠原 竜児*; 浅井 圭介*
Thin Solid Films, 393(1-2), p.154 - 160, 2001/08
被引用回数:10 パーセンタイル:50.64(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、層状チタン酸の剥離反応を利用することによって触媒活性の高い薄片状TiOを調製し、それをLangmuir-Blodgett(LB)法で固体基板上に組織化することに成功した。層状チタン酸化合物H
Ti
□
・H
O(x~0.7,□: 空孔)を水酸化テトラブチルアンモニウム((C
H
)
NOH)水溶液中に分散・攪拌することによって、層状構造の剥離したチタニアゾル溶液を得た。得られたゾル溶液の水面上に膜形成分子としてジオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイド((C
H
)
(CH
)
NBr, DODAB)を展開すると、安定な単分子膜を形成した。この単分子膜を表面圧30-40mN/mに圧縮しておき、膜面を通過して石英ガラスを垂直に上下させること(垂直浸漬法)によって、DODAB分子を基板上に移しとることが可能であった。得られた薄膜はTiO
薄片が有機分子と形成した規則的な層状構造体であることをX線回折分析により示した。
八巻 徹也; 住田 泰史; 山本 春也; 宮下 敦巳
第11回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2000)報文集, p.131 - 134, 2000/11
光触媒材料として有望な酸化チタン(TiO)半導体に非金属のFイオンを注入して、その表面改質効果について検討した。TiO
ルチル(001)基板に200keV F
を注入後、大気中において300
,600
の熱処理を各5時間行うと、TiO
本来の結晶構造はほぼ回復した。試料の光電流スペクトルには、新たな信号が3.4eV付近に観測され、それは注入量の増大とともに突出した。価電子帯内にFによる不純物準位が形成されるという理論計算の結果から、このようなバンドギャップ以上のエネルギー領域における光応答性の向上は、TiO
のOサイトにFが高濃度に置換したことに起因すると考えられる。Crなどの金属イオンがドープされるとバンドギャップ内に不純物準位が形成されるのに対し、Fは価電子帯内に不純物準位を形成する。この結果はTiO
内で酸化電位のより高い正孔が増大したことを意味しており、光触媒の酸化力が一層強力になることが期待される。