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角田 直文*; 大塚 孝治; 高柳 和雄*; 清水 則孝*; 鈴木 俊夫*; 宇都野 穣; 吉田 聡太*; 上野 秀樹*
Nature, 587, p.66 - 71, 2020/11
被引用回数:1与えられた陽子数に対し、どれだけの中性子数の原子核が存在可能であるかという問いは、原子核物理における最も基本的な問題の一つである。原子核は独立粒子描像がよく成り立つため、従来は陽子数で決まるポテンシャルが作る束縛状態の個数で決まると考えられてきた。この研究では、最近実験で確定した、フッ素からナトリウムに対する中性子ドリップ線(最も中性子数の多い同位体)を、核力から出発した第一原理的な大規模殻模型計算によって再現し、そのメカニズムを理論的に解析した。ハミルトニアンを単極相互作用と多重極相互作用に分解し、さらに多重極相互作用を対相互作用と残りの部分に分け、基底状態におけるそれぞれの項の寄与を調べた。その結果、多重極相互作用の変形エネルギーに相当する部分が中性子ドリップ線を決めるのに非常に重要な役割を果たしていることがわかった。すなわち、中性子数が増えていくと徐々に変形エネルギーが増大するものの、ある中性子数でそれが飽和し、その後は減少していくが、その減少過程で中性子ドリップ線が決まるというシナリオである。本研究は、ドリップ線に対する新しい見方を与え、天体中の元素合成過程の理解に重要な貢献をすることが期待される。
Heylen, H.*; De Rydt, M.*; Neyens, G.*; Bissell, M. L.*; Caceres, L.*; Chevrier, R.*; Daugas, J. M.*; 市川 雄一*; 石橋 陽子*; Kamalou, O.*; et al.
Physical Review C, 94(3), p.034312_1 - 034312_5, 2016/09
被引用回数:27 パーセンタイル:6.99(Physics, Nuclear)フランスGANIL研究所にて、中性子過剰核Alの電気的四重極モーメントの高精度測定を
-NQR法を用いて行った。この領域の不安定核では、
Mgでは中性子数20魔法数が消滅しており、
Siでは中性子数20魔法数が保たれていることが知られている。その中間にある
Alで魔法数が消滅しているか否かは大きな興味を持たれているが、これまでの実験では魔法数消滅の程度に対する決定的なデータは存在しなかった。この実験では、魔法数の消滅の程度に敏感と考えられている電気的四重極モーメントを高精度で測定し、
mbが得られた。この値を殻模型計算と比較したところ、
Alでは魔法数が50%以上消滅していることが明らかになった。
石山 博恒*; Jeong, S.-C.*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; Jung, H. S.*; 宮武 宇也*; 小柳津 充広*; 長 明彦; 乙川 義憲; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 376, p.379 - 381, 2016/06
被引用回数:6 パーセンタイル:38.13(Instruments & Instrumentation)We have developed an in situ and nanoscale Li diffusion measurement method in Li battery materials using an -emitting radioactive
Li tracer. In this method, while implanting a low-energy (8 keV)
Li beam, the
particles emitted at a small angle (10
) relative to the sample surface were detected as a function of time. Measurement for Li diffusion coefficients in a spinel phase LiMn
O
(LMO) thin film has been started, which is used as an electrode in a Li ion secondary battery. An obvious Li diffusion effect in LMO was observed at the sample temperature of 623 K, and the further measurement is underway.
石山 博恒*; Jeong, S.-C.*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; 宮武 宇也*; 小柳津 充広*; 片山 一郎*; 長 明彦; 乙川 義憲; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 53(11), p.110303_1 - 110303_4, 2014/11
被引用回数:4 パーセンタイル:82.21(Physics, Applied)We have developed a nanoscale diffusion measurement method using an -emitting radioactive
Li tracer. In this method, while implanting a pulsed 8 keV
Li beam, the
particles emitted at a small angle (10
) relative to the sample surface were detected as a function of time. The method has been successfully applied to measuring lithium diffusion coefficients for an amorphous Li
SiO
-Li
VO
(LVSO) thin film with a thickness of several hundred nanometers, demonstrating that the present method is sensitive to diffusion coefficients down on the order of 10
cm
/s, which is more sensitive by about two orders of magnitude than that previously achieved.
島田 健司*; 上野 秀樹*; Neyens, G.*; 旭 耕一郎*; Balabanski, D. L.*; Daugas, J. M.*; Depuydt, M.*; De Rydt, M.*; Gaudefroy, L.*; Grvy, S.*; et al.
Physics Letters B, 714(2-5), p.246 - 250, 2012/08
被引用回数:6 パーセンタイル:58.11(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核における魔法数消滅の研究を目的として、フランスGANIL研究所にて、ベータNMR法を用いて中性子過剰核Alの電気的四重極モーメント(
モーメント)の測定を行った。得られた
モーメントの値の絶対値は、133(18)
mbとなった。この実験値を殻模型及び粒子・振動結合模型の二つの理論模型の値と比較した。その結果、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れていない従来の殻模型計算では、
モーメントを過小評価する一方、魔法数消滅を考慮に入れた大規模殻模型計算では実験値を正しく再現した。同様の値が、中性子数20の閉殻構造消失を考慮に入れた粒子・振動結合模型でも得られた。その結果、中性子20の閉殻構造は
Al核でも相当程度消失していることが判明した。
De Rydt, M.*; Neyens, G.*; 旭 耕一郎*; Balabanski, D. L.*; Daugas, J. M.*; Depuydt, M.*; Gaudefroy, L.*; Grvy, S.*; 挾間 優佳*; 市川 雄一*; et al.
Physics Letters B, 678(4), p.344 - 349, 2009/07
被引用回数:14 パーセンタイル:31.23(Astronomy & Astrophysics)フランスGANIL研究所にて中性子過剰核Alを
Sの核破砕反応により生成し、その基底状態の電気的四重極モーメントをベータNMR法にて初めて測定した。実験で得られたモーメントを機構にてなされたモンテカルロ殻模型計算で求められた値と比較した。実験値で得られた134.0(16)mbに対し、標準的な有効電荷を用いた計算値は155mbとおおむね良い値を与えているものの多少の相違があることがわかった。これまでの磁気モーメントの測定値から、この原子核では魔法数20の殻ギャップを超える励起の確率は小さく、理論計算は良い波動関数を与えていると考えられる。したがって、この相違は有効電荷に帰せられると考えられ、標準的な値よりもやや小さな有効電荷を用いることにより実験値をよく再現することがわかった。この小さな有効電荷は不安定核特有の中性子の緩い束縛と関係すると考えられる。
川畑 貴裕*; 石川 貴嗣*; 伊藤 正俊*; 中村 正信*; 坂口 治隆*; 竹田 浩之*; 瀧 伴子*; 内田 誠*; 安田 裕介*; 與曽井 優*; et al.
Physical Review C, 65(6), p.064316_1 - 064316_12, 2002/06
被引用回数:18 パーセンタイル:30.83(Physics, Nuclear)392MeVでのO(
)反応における反応断面積と偏極観測量が散乱角0°から14°までの角度で測定された。
O原子核の離散準位と共鳴準位へのスピン反転,スピン非反転強度がモデルに依存しない形で得られた。励起エネルギー19~27MeVの領域の巨大共鳴が主に角運動量移行L=1で励起されていることがわかった。
S=1,
L=1をもつスピン双極子遷移の励起強度が求められた。その強度は理論計算と比較された。実験結果は原子核の殻模型から計算された波動関数を用いたDWIA核反応計算で説明されることがわかった。
川畑 貴裕*; 秋宗 秀俊*; 藤村 寿子*; 藤田 浩彦*; 藤田 佳孝*; 藤原 守; 原 圭吾*; 畑中 吉治*; 細野 和彦*; 石川 貴嗣*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 459(1-2), p.171 - 176, 2001/02
被引用回数:17 パーセンタイル:22.58(Instruments & Instrumentation)「まど」なとの氷ターゲットの作成法を記述している。29.7mg/cmの氷ターゲットが液体チッソ温度にまで冷まされて磁気スペクトロメータで使用された。
O (p,p')反応が陽子エネルギー392MeVでこのターゲットを用いて測定された。
長江 大輔; 竹村 真*; 上野 秀樹*; 亀田 大輔*; 旭 耕一郎*; 吉見 彰洋*; 杉本 崇*; 長友 傑*; 小林 義男*; 内田 誠*; et al.
no journal, ,
電気四重極モーメント(モーメント)は原子核の電荷分布に敏感な物理量で、これを測定することによって核の形が球形からどれだけ変形したかがわかる。不安定核の
モーメント測定には
-detected nuclear-quadrupole resonance法を用いた。
モーメント測定では電気四重極相互作用によって
個(
は核スピン)に分離した共鳴周波数を印加しなくてはならない。この
個の周波数を印加する方法は2つある。一つは
個の周波数を順次印加する方法(時系列法)で一つのRFに対して十分なパワーを供給できるため、スピン反転で有利となる。もう一つは
個の周波数を同時に印加する方法(混合周波数法)でRF印加時間が短くできるため、短寿命の原子核に対して有効である。われわれはこの二つの印加方法を一つの装置で行えるようなシステムを新たに構築した。システム評価のため、機知である
Bの
モーメントを二つの印加方法で測定し、どちらでもスピン反転に成功した。このシステムを使って、未知の
Alの
モーメント測定を行い、それぞれ
mb and
mbを得た。