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吉富 寛; 谷村 嘉彦*; 立部 洋介; 堤 正博; 川崎 克也; 古渡 意彦; 吉澤 道夫; 清水 滋*; Kim, J.-S.*; Lee, J.-G.*; et al.
Proceedings of 4th Asian and Oceanic Congress on Radiation Protection (AOCRP-4) (CD-ROM), 4 Pages, 2015/07
A series inter-comparison regarding basic quantities of radiation calibration fields and calibration techniques has been made between KAERI and JAEA since 2006. Air kerma rates of the ISO narrow series X-ray calibration fields and neutron spectra at a point of test in each institute and results revealed that KAERI and FRS-JAEA maintained well-defined calibration fields for X-ray and DO-Cf neutron calibration fields. Intensive calibrations of personal dosimeters in RI neutron calibration fields and beta-ray calibration fields were performed in both institutes. Results of calibration factors indicate that almost identical calibration factors could be obtained.
津田 修一; 吉田 忠義; 堤 正博; 斎藤 公明
Journal of Environmental Radioactivity, 139, p.260 - 265, 2015/01
被引用回数:43 パーセンタイル:77.11(Environmental Sciences)東京電力福島第一原子力発電所事故後における広域の詳細な空間線量率マップを作成するために、原子力機構は走行サーベイシステムKURAMA-IIを用いた測定を文部科学省の委託を受けて実施した。KURAMAは、一般乗用車に多数搭載して広範囲の空間線量率を詳細かつ短期間に把握することを目的として京都大学原子炉実験所で開発されたシステムである。KURAMAは、エネルギー補償型線検出器で測定した線量率をGPSの測位データでタグ付けしながら記録する測定器、データを受け取り可視化のための処理や解析を行うサーバ、エンドユーザがデータを閲覧するためのクライアントから構成される。第2世代のKURAMA-IIでは更なる小型化、堅牢性の向上、データ送信の完全自動化等の機能が強化されたことによって、100台の同時測定が可能となり、広域の詳細な線量率マッピングをより短期間で実施することが可能になった。本報告は、文部科学省の委託事業である放射能測定調査に関するシリーズ特集の一つとして、KURAMA-IIの総合的な放射線特性について報告するものである。
古渡 意彦; 谷村 嘉彦; 堤 正博
Radiation Protection Dosimetry, 162(4), p.446 - 458, 2014/12
被引用回数:3 パーセンタイル:23.79(Environmental Sciences)原子力機構原子力科学研究所放射線標準施設(FRS)では、ファンデグラーフ加速器を用いた高エネルギー線校正場の構築を目指している。本校正場は、特にBWR周辺で見られる6MeV程度の高いエネルギーを有する線の正確な測定のために必須である。本校正場では、加速器を用いたF(p,)O反応を利用して6-7MeVの線を発生させ、線校正場を構築する。しかしながら、線エネルギーが非常に高いため、空洞原理に基づく電離箱式空気カーマ計による空気カーマ率の測定ができない。そこで、本研究ではアクリル製ビルドアップ板を加速器ターゲットと検出器の間に設置し、照射距離200cmでの2次電子平衡が成立する最適なサイズ及び位置を計算シミュレーションで求めた。計算シミュレーションで得られた条件で、電離箱とアクリル製ビルドアップ板を用いた空気カーマ率測定を行い、NaI(Tl)検出器及びG(E)関数法を組合せた手法で得られた空気カーマ率との比較を行った。
堤 智昭*; 足立 利華*; 高附 巧*; 根井 大介*; 亀谷 宏美*; 等々力 節子*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 松田 りえ子*; 手島 玲子*
食品照射, 49(1), p.9 - 15, 2014/12
2-アルキルシクロブタノン(ACB)法は、食品中の脂質から放射線照射(以下、照射)に特異的に生じる2-ドデシルシクロブタノン(DCB)と2-テトラデシルシクロブタノン(TCB)を検知指標として、照射の有無を判定する定性試験法である。本研究では、我々が既に報告しているACB法の単一試験室における性能評価法を用いて、汎用されているACB法であるヨーロッパ標準分析法(EN1785)の液卵, カマンベールチーズ, ソーセージ、及びウナギ白焼き対する適用性を評価した。未照射の各食品から抽出した脂肪を陰性試料にDCB及びTCBを0.05g/g lipid添加した脂肪を陽性試料とした。各食品について4個の陰性試料、及び16個の陽性試料を分析し、本法の検知性能を評価した。本法は各食品の陰性及び陽性試料を全て正しく判定でき、これらの食品への適用が妥当であると判断できた。次に妥当性評価した本法の検知性能を確認するため、未照射及び線照射(0.5-4kGy)した上記と同種の食品を本法により分析した。その結果、全ての試料について照射の有無を正しく判定することができ、実用されている線量で照射された食品に対して十分な検知性能を有していた。
谷村 嘉彦; 堤 正博; 吉澤 道夫
Radiation Protection Dosimetry, 161(1-4), p.149 - 152, 2014/10
被引用回数:2 パーセンタイル:16.35(Environmental Sciences)放射線標準施設では、静電加速器を利用した単色中性子校正場を、8keVから19MeVのエネルギー範囲で開発している。このうち、144, 250, 565keV校正場では、LiFターゲットに陽子を入射して引き起こされるLi(p,n)Be反応を利用して単色中性子を発生させている。ところが、これ以外の反応で発生した光子が、校正に影響を与える可能性があるため、この線量を評価する必要がある。そこで、中性子とターゲット・室内構造物との核反応で発生する光子をMCNP-ANTコードで計算した。そして、単色中性子に対する周辺線量当量H*(10)の比を評価した。
谷村 嘉彦; 堤 正博; 吉澤 道夫
Radiation Protection Dosimetry, 161(1-4), p.144 - 148, 2014/10
被引用回数:10 パーセンタイル:60.73(Environmental Sciences)ロングカウンタ(LC)は、広いエネルギー範囲で中性子フルエンスに対する応答が平坦であるため、フルエンスモニタとして広く用いられている。通常のLCは重量が50kg程度あり、異なる場所に移動させるのが大変である。そこで、重量15kgの可搬型LCを開発した。可搬型LCは、He又はBF計数管と円筒型減速材を組合せた構造である。通常のLCは、低エネルギー中性子感度向上用に減速材の入射面に穴を空けているが、可搬型LCでは小型化を図ったため、そのスペースがない。そこで、ポリエチレン減速材の一部を低水素密度で減速能力が低いポリスチレンに置き換えることにより、入射面の穴と同様の効果を持たせて、低エネルギー中性子の感度を向上させた。これにより数eVから数MeVの間で平坦な応答を実現した。
谷村 嘉彦; 藤井 克年; 堤 正博; 吉澤 道夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.388 - 391, 2014/04
放射線標準施設棟(FRS)では、加速器を利用した単色中性子校正場を開発した。8keVから19MeVの範囲で、ISO 8529-1及びJIS Z4521等の国内外の規格に準拠したエネルギー点の校正場が利用可能である。校正場において、中性子フルエンスを以下に精度よく決定するかが最も重要な項目である。そこで、ロングカウンタを校正場に設置して、中性子発生量をモニタリングできるシステムを構築した。本発表では、中性子モニタの種類とその概要、中性子フルエンスの決定法などについて報告する。
谷村 嘉彦; 堤 正博; 吉澤 道夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 4, p.392 - 395, 2014/04
FRSでは4MVペレトロン加速器とH(p,n)He反応を利用して、1.2MeV及び2.5MeV単色中性子校正場を開発している。校正には、中性子フルエンスを精度良く決定する必要がある。そこで、ポリエチレンコンバータ付半導体検出器(CH-SSD)を開発した。従来のCH-SSDは、感度が低いため、フルエンスの精度の高い決定が難しかった。そこで、面積3,000mmの大型シリコン検出器を使用することにより、十分な感度を有するCH-SSDを開発した。感度はNRESP-ANTコード及びPHITSコードを用いて計算した。測定した結果、1m位置の最大フルエンスは1.2MeV及び2.5MeV校正場でそれぞれ1,000及び2,000cmsであることがわかった。
津田 修一; 堤 正博
保健物理, 47(4), p.260 - 265, 2012/12
文部科学省は、東京電力福島第一原子力発電所事故によって環境中へ放出された放射能による線量測定の一環として、走行モニタリングシステムを用いた線量マッピング事業を実施している。本事業の第2次計画において、原子力機構は京都大学原子炉研究所が開発した走行モニタリングシステム(KURAMA)を用いて、福島県だけでなく東日本の広範囲における空間線量率分布測定を実施した。本論文は、KURAMAシステムにおいて精度のよい線量の導出に不可欠なCsI(Tl)シンチレーション検出器に対するスペクトル-線量変換演算子(G(E)関数)の計算及び特性試験に関する報告である。機構の校正場においてCs等の線源を用いた特性試験を実施した結果、直接線に対して7%,散乱線を含んだ条件で2%以内の精度でH(10)を測定できることがわかった。
大倉 毅史; 大石 哲也; 滝 光成; 芝沼 行男; 菊地 正光; 秋野 仁志; 菊田 恭章; 川崎 将亜; 三枝 純; 堤 正博; et al.
JAEA-Data/Code 2012-010, 37 Pages, 2012/05
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によってもたらされた福島第一原子力発電所事故に伴い、原子力科学研究所では、緊急時環境放射線モニタリングを実施した。2011年6月上旬までのモニタリングで得られた結果を提供する。空気試料からはCs-134, Cs-137, I-131, I-132, Te-132, Xe-133などの人為由来放射性核種が検出された。2011年3月15日以降、空間線量率に連動して、大気中放射性物質濃度の変化した。それぞれのピークでの組成はさまざまな特徴を示した。実測された大気中放射性核種濃度を用いて、吸入摂取によってもたらされる内部被ばくを見積もった。
里山 朝紀; 岸本 克己; 星 亜紀子; 高泉 宏英; 堤 正博; 稲野辺 浩; 吉森 道郎
JAEA-Technology 2011-003, 53 Pages, 2011/03
原子力科学研究所のバックエンド技術部では、放射性廃棄物の合理的な処分及び資源の有効利用を図るとともに、保管廃棄施設の保管能力の逼迫回避を目的として、1985年度から1989年度にかけて実施されたJRR-3改造工事に伴って発生し、第2保管廃棄施設の保管廃棄施設・NLに保管している放射能レベルの非常に低いコンクリートを対象としたクリアランスを進めている。JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートのクリアランスにあたっては、2005年度から2007年度にかけて、コンクリートの汚染状況の調査を行った。その調査結果をもとに、放射能濃度の測定及び評価の方法を策定し、2007年11月8日付けで文部科学大臣へ認可申請を行い、2008年7月25日付けで認可を得た。その後、クリアランス作業に必要な測定機器やコンクリートの取り出し設備等のハード面の整備、保安規定や作業要領書等のソフト面の整備を進め、2009年度からクリアランス作業を開始した。本報告は、JRR-3改造工事に伴って発生したコンクリートをクリアランスするために策定した放射能濃度の測定及び評価の方法をとりまとめたものである。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 内田 芳昭; 吉澤 道夫
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 1, p.166 - 169, 2011/02
J-PARCのような大強度陽子加速器施設等における信頼性の高い線量評価のためには、そこで使用される中性子モニターや線量計のエネルギー特性を評価するための20MeVより高エネルギーの中性子校正場が必要である。そこで、原子力機構・高崎量子応用研究所TIARAにおいて45,60,75MeVの中性子場の開発を進めている。校正場を整備するためには、フルエンスの評価とそのモニタ技術の確立が重要である。ここでは、開発した高効率の反跳陽子カウンターテレスコープを用いた絶対測定によるフルエンス評価の結果、及び、ビームを直接モニタするために開発した透過型の中性子フルエンスモニタとその特性評価について報告する。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 内田 芳昭*; 吉澤 道夫; 原野 英樹*; 松本 哲郎*; 水橋 清
JAEA-Review 2010-065, JAEA Takasaki Annual Report 2009, P. 158, 2011/01
20MeV以上の中性子に対する中性子校正場は、国内で未整備である。そこで、原子力機構・高崎量子応用研究所TIARAの数十MeV領域の高エネルギー準単色中性子照射場を利用して、校正場の開発を行った。この校正場の中性子フルエンスを直接モニタするために、透過型フルエンスモニタを開発した。整備予定の3エネルギー点でモニタの特性評価を行い、透過型モニタの計数率と照射中性子強度との相関が良好であることを確認できた。また、各測定ごとのモニタ計数値、及び、ビームタイム中のビーム強度の変動を表示・記録できる計測システムを整備し、運用を開始した。また、絶対測定データをもとに基準検出器の値付けを行い、実験ごとにフルエンスモニタに値を移す手順を取り決めた。これらにより中性子フルエンスのモニタ技術を確立し、高エネルギー中性子校正場を確立した。
谷村 嘉彦; 堤 正博; 三枝 純; 志風 義明; 吉澤 道夫
Radiation Measurements, 45(10), p.1163 - 1166, 2010/12
被引用回数:4 パーセンタイル:30.46(Nuclear Science & Technology)原子力機構放射線標準施設棟では、4MVペレトロン加速器を利用した単色中性子校正場を開発している。8, 27, 144, 250, 565keV及び1.2, 2.5, 5.0, 14.8MeVの中性子場がスカンジウム,リチウム,重水素及びトリチウムターゲットを用いて完成している。加速粒子とターゲット材との核反応で単色中性子のみならず目的外光子も発生する。この光子は測定器校正に影響を与えることがあり、それを評価する必要がある。そこで、フッ化リチウムターゲットで発生し、144, 250, 565keV中性子場に混在する光子を、直径及び長さがともに7.62cmのNaI(Tl)シンチレーション検出器で測定した。そして、光子の周辺線量当量H*(10)を、測定された波高分布にG(E)関数を適用することにより評価した。
瀬川 麻里子; 藤 暢輔; 原田 秀郎; 北谷 文人; 小泉 光生; 初川 雄一; 深堀 智生; 松江 秀明; 大島 真澄; 谷村 嘉彦; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 618(1-3), p.153 - 159, 2010/06
被引用回数:2 パーセンタイル:22.11(Instruments & Instrumentation)keV-MeV領域における中性子捕獲反応断面積の精密データは宇宙で進行する元素合成模型構築のための知見を得ることができ、また値そのものが革新的な原子力システムの開発に極めて重要であると知られている。そこで本研究は、日本原子力研究開発機構・放射線標準施設に中性子捕獲反応断面積の精密測定が可能な新しい実験システムを構築した。このシステムは放射線標準施設・ペレトロン加速器から供給されるパルス化陽子によって生成される8keV-20MeV領域の中性子捕獲反応で生じる即発線を、大立体角・高エネルギー分解能を持つアンチコンプトン型のNaI(Tl)検出器を用いTOF法で測定する。本研究では新たに構築した上述のシステムを用いPb(n,g)反応における幾つかの共鳴状態からの線を測定することで、keV領域の中性子捕獲反応断面積の精密測定を行う同システムの精度を実験的に検証した。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 615(2), p.211 - 219, 2010/04
被引用回数:9 パーセンタイル:54.12(Instruments & Instrumentation)高エネルギー中性子用のモニターや線量計の正確な較正においては、校正点における中性子フルエンスを評価することが望まれる。準単色中性子場の中性子フルエンスを評価するために、校正点での絶対測定用に高効率反跳陽子カウンターテレスコープ(PRT)を開発した。PRTの構成要素の比較的大きなデザインは、ターゲットからの距離が長くて広い照射野となる校正点における高検出効率に貢献した。コンバータの厚さは、バックグラウンド補正を容易にするために、同じ炭素面密度となるように調整された。高検出効率とその厚さ調整の結果、統計精度を改善することができた。中性子フルエンスは、測定データの解析とMCNPXコードを用いて計算された検出効率に基づいて、6%以内の不確かさで評価された。飛行時間データは、陽子イベントの発生源の解釈に有用な情報を提供した。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 清水 滋; 吉澤 道夫; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.5), p.209 - 212, 2008/06
被引用回数:8 パーセンタイル:48.87(Nuclear Science & Technology)J-PARCのような大強度陽子加速器施設において質の高い放射線防護を行うためには、そこで使用される中性子モニターや線量計のエネルギー特性を評価する中性子校正場が必要である。加速器を用いた中性子校正場が、20MeV未満に対しては原子力機構・東海のFRSにて、20MeV以上に対しては原子力機構・高崎のTIARAにて開発されている。FRSでは、4MVのファンデグラーフ(ペレトロン)加速器によって発生させた陽子や重陽子ビームで単色中性子を発生させている。現在までに、8, 144, 250, 565keV, 5.0, 14.8MeVの場の開発が完了した。TIARAでは、45, 60, 75MeV中性子校正場の開発が計画されている。AVFサイクロトロンからの陽子ビームを用いたLi(p,n)Be反応により準単色中性子が生成されて、約3m厚のコリメータを通って照射室へ導かれる。現在、校正場の開発に必要な場の特性評価が進められている。
古渡 意彦; 藤井 克年; 堤 正博; Kim, B.-H.*; Lee, K.-C.*; 吉澤 道夫; 山口 恭弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 45(Suppl.5), p.217 - 220, 2008/06
被引用回数:1 パーセンタイル:10.01(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構(JAEA)と韓国原子力研究所(KAERI)では、ISOで推奨されている直径30cmの重水球でCfを覆った線源(以下「重水減速Cf線源」という。)を整備し、おもに実作業環境で利用される中性子線量計のための中性子校正場として構築している。それぞれの機関が整備した重水減速Cf線源を用いる中性子校正場の信頼性の向上を目的として、双方の機関の中性子校正場の特性を測定し、相互比較を行った。注目した中性子校正場の特性は、重水減速Cf線源から散乱せずに直接測定点に到達する成分の中性子スペクトル及びフルエンス、並びに測定点で評価される散乱成分である。測定はJAEAで整備された多減速材付中性子スペクトロメータを双方の校正場に持ち込んで実施した。測定点に直接到達する中性子スペクトルの比較では、数十keVから数MeV程度のエネルギー領域で、KAERIで整備された中性子校正場のスペクトルはJAEAのものより大きくなった。これは双方の機関で整備された重水減速Cf線源の構造の違いを反映した差異であると考えられる。本研究は、JAEA-KAERI研究協力計画に基づき行われた研究の成果である。
谷村 嘉彦; 三枝 純; 志風 義明; 堤 正博; 清水 滋; 吉澤 道夫
Radiation Protection Dosimetry, 126(1-4), p.8 - 12, 2007/08
被引用回数:12 パーセンタイル:63.58(Environmental Sciences)日本原子力研究開発機構では、加速器を用いた8keVから19MeV領域の単色中性子校正場を開発している。8及び27keV中性子の発生にはSc(p, n)Ti反応の共鳴ピークを利用する。本反応の中性子発生断面積は複雑な共鳴構造を持ち、1keV以下の精度で入射陽子のエネルギーを制御しなければならない。ところが、加速器の電圧制御のみで必要とされる陽子エネルギーの微調整を行うのは困難であり、単色中性子校正場開発の大きな問題点となっていた。そこで、ターゲットに電圧を印加できる装置を取り付けることにより、入射陽子エネルギーの迅速かつ高精度の調整を可能にした。Sc(p, n)Ti反応のしきいエネルギー付近での発生中性子量をモニタし、陽子エネルギーとターゲット印加電圧の関係を決定した。この関係をもとに陽子エネルギーをもとに調整し、8及び27keVそれぞれの単色中性子を発生させた。そして、目的とする中性子エネルギーが得られていることを飛行時間法で確認した。これにより、8及び27keV単色中性子を安定して発生させることができ、これまで難しかったkeV領域での中性子測定器の精度良い校正が可能となった。
志風 義明; 谷村 嘉彦; 三枝 純; 堤 正博; 山口 恭弘; 内田 芳昭*
Radiation Protection Dosimetry, 126(1-4), p.163 - 167, 2007/08
被引用回数:3 パーセンタイル:25.42(Environmental Sciences)20MeV以上の中性子エネルギーに関して、校正場や校正技術の国際的な標準が確立されていない。そこで、日本原子力研究開発機構・高崎量子応用研究所TIARAの4090MeV領域の高エネルギー準単色中性子照射場を利用して、校正場の開発を進めている。ここでは、45, 50, 70MeV陽子がリチウムターゲットと反応して生成された中性子の場の特性を評価した。まず、イメージングプレートを用いて中性子ビームプロファイルをターゲットからの異なる距離において調査した。測定結果から、ターゲットからの距離とコリメータの内径に幾何学的に依存した中性子ビームの空間分布を把握した。また、ビーム強度がターゲットからの距離の逆2乗に比例することも確認した。次に、有機液体シンチレータ検出器を用いて飛行時間法(TOF法)によりエネルギースペクトルを測定した。さらに、照射野外の位置において散乱線の波高スペクトル測定を行い、FORISTコードによるアンフォールディング法からエネルギースペクトルを評価した。これらの異なる方法により得られたエネルギースペクトルからピーク部のフルエンスを評価した。