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佐藤 正泰; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 都筑 和泰; 木村 晴行; 上原 和也; 小川 俊英; 伊世井 宣明; 谷 孝志; 秋山 隆*; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.1071 - 1076, 2000/11
被引用回数:15 パーセンタイル:68.54(Nuclear Science & Technology)JFT-2Mでは、低放射化フェライト鋼(FS)にかかわる先進材料プラズマ試験を段階的に進めている。この計画の第一期として、FSを用いて、リップルの少ないトロイダル磁場を生成し、高エネルギーイオンの損失を低減するリップル低減試験があり、その設計指針と初期結果について述べる。フェライト鋼板(FB)を全トロイダルセクションに渡って、真空容器(VV)とトロイダル磁場コイル(TFC)の間に装着した。フェライト鋼装着により、プラズマ周辺でトロイダル磁場リップルは2.2%から1.1%に減少した。赤外TV測定によれば、接線方向NBI加熱時のリップル捕捉粒子による壁の温度上昇領域はFB装着することにより、外側へ縮小し、温度上昇は60度から25度へ減少した。バナナドリフト粒子による温度上昇は150度から115度へ減少した。フェライト鋼装着によるプラズマ生成や制御に悪い影響は観測されていない。
都筑 和泰; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 阿部 哲也; 上原 和也; 小川 俊英; 秋山 隆*; 柴田 孝俊; et al.
Journal of Nuclear Materials, 283-287, p.681 - 684, 2000/00
被引用回数:12 パーセンタイル:62.08(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は、次世代の核融合装置の候補材料の一つである。フェライト鋼は強磁性体であるという点で従来の材料と大きく異なる。これまで強磁性体は閉じ込め磁場を乱すと考えられていたが逆に磁性を利用してトロイダル磁場リップルを低減し、プラズマを改善することが期待されている。JFT-2Mでは、実際にフェライト鋼を挿入し、効果を実証する実験を行っている。現在はフェライト鋼を真空容器の外部に設置し、リップル低減の効果を調べている。その結果、高速イオンのリップル損失量はほぼ半減することが示された。また、閉じ込め、制御に関しては悪影響はなかった。これらのことから低放射化フェライト鋼はプラズマ改善の面からも有望であることが実証された。次の段階としてフェライト鋼を真空容器の内部に入れる実験を計画中であり、不純物抑制のための表面処理の研究も進めている。
中山 武*; 山本 正弘; 阿部 充志*; 柴田 孝俊; 大塚 道夫*; 秋山 隆*; 佐藤 勝利*; 菊池 一夫; 和田 豊*; 小池 常之; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.227 - 230, 1999/10
高性能トカマク開発試験装置(JFT-2M)では、将来の炉構造材料の候補である強磁性体の低放射化フェライト鋼F82H(以下フェライト鋼と記す)を用いた先進材料プラズマ試験計画を段階的に進めている。第1段階のリップル低減試験では、フェライト鋼板を真空容器の外部に設置して、トロイダル磁場リップルの低減を図る。本発表は、このフェライト鋼板の機械設計に関するものである。フェライト鋼板の形状は、各トロイダルセクション毎に決定し、ポート、計測器、ベーキングヒータ等を避けた中で最もリップルを低減できる構造とした。フェライト鋼板は、トロイダル磁場コイルケースから支持し、支持構造は可能な通電パターンすべてに対する電磁力を考慮して決定した。また、板厚はトロイダル磁場強度に応じて可変とした。設置後に電磁力試験を実施し、支持具の健全性を確認できた。フェライト鋼板の設置により、トロイダル磁場リップルの基本モードを2.1%から0.8%に低減できた。
佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 川島 寿人; 仙石 盛夫; 山本 正弘; 小池 常之; 柴田 孝俊; 秋山 隆*; 阿部 充志*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 75(6), p.741 - 749, 1999/06
JFT-2Mでは、低放射化フェライト鋼(FS)にかかわる先進材料プラズマ試験を行う計画である。これはFSを用いてリップルの少ないトロイダル磁場を生成し、高エネルギーイオンの損失を低減するリップル低減試験と、強磁性体であるFSによる不整磁場がプラズマに与える影響を調べるフェライト鋼のプラズマ適合性試験からなる。これら先進材料プラズマ試験計画の全容について述べる。特に、前者では基本モードのリップルのみならず2倍のモード数のリップル低減の重要性を指摘し、その実現のためのFS設置法を明らかにした。後者ではJFT-2Mの真空容器をフェライト鋼製のものに改造するための設計検討を行っており、フェライト鋼のプラズマ平衡への影響は小さいことなどを明らかにした。
佐藤 正泰; 三浦 幸俊; 木村 晴行; 山本 正弘; 小池 常之; 中山 武*; 長谷川 満*; 浦田 一宏*
Fusion Technology 1998, 1, p.545 - 548, 1998/00
JFT-2Mでは、フェライト鋼(FB)を用いてリップルの少ないトロイダル磁場(TF)を生成し、リップル捕捉粒子の損失を低減する先進材料プラズマ試験を行う計画である。今までの解析によれば、FBを真空容器(VV)とTFコイル(TFC)の間に全セクション設置することにより、リップルは下がり、プラズマ周辺では磁場構造が著しく変化し、TFCの数(NTF)の2倍のトロイダルモード数(STM)の磁場が発生することが分かっている。このSTMはリップル捕捉粒子の輸送に対して悪い影響を与えることが予測され、STMを抑えつつ、NTFのモードを減らすことが必要であり、それには、FBをVVより遠ざけて厚いFBを設置することによって可能であることが分かった。又FBを1~2箇所のトロイダルセクションに挿入した予備的な実験を行った。この場合、プラズマ生成や閉じ込めに悪い影響は見られていない。
三浦 幸俊; 旭 芳宏*; 花田 和明*; 星野 克道; 居田 克巳*; 石毛 洋一*; 河西 敏; 河上 知秀; 川島 寿人; Maeda, M.*; et al.
Fusion Energy 1996, p.167 - 175, 1997/05
ダイバータバイアスのL/H遷移パワーに与える効果についてまとめたものである。JFT-2Mの上シングルヌルプラズマ配位において、下シングル閉ダイバータ用の外側バッフル板に正のバイアス電圧を印加するとスクレイプオフ層(SOL)に負の径電場が形成され、またバッフル板からダイバータ板へSOL電流が流れる。これらの効果により、ダイバータ部に中性粒子が圧縮されるダイバータ効果が助長される。この中性粒子のダイバータ部への圧縮がL/H遷移パワー減少に対して効果的であることを明らかにした。また、強力なガスパフも過渡的に中性粒子をダイバータ部に圧縮し同様な効果があることを示した。これらの結果は、イオン損失によるL/H遷移理論を支持している。
花田 和明*; 篠原 孝司*; 長谷川 真*; 白岩 俊一*; 遠山 濶志*; 山岸 健一*; 大舘 暁*; 及川 聡洋; 戸塚 裕彦*; 石山 英二*; et al.
Fusion Energy 1996, p.885 - 890, 1997/05
H-L遷移時にプラズマ周辺で起こっている現象を静電プローブにより測定し、その因果関係について調べた結果をまとめたものである。ピンを12本つけた静電プローブにより、スクレイプオフ層から主プラズマまでの領域を測定した。最前面にある3本ピンをトリプルプローブとして使用し、電子温度(T)と密度(n)を決定し、他のピンでは浮遊電位を測定した。浮遊電位と電子温度から求めた空間電子により径電場(E)を決定し揺動との関係を調べた。結果は、初めにセパラトリックス内に形成された負の径電場が減少し、次に揺動レベルの増大が起こり、電子温度が減少し、その後He光の増大が起こっていることを明らかにした。ここで、H-モード中に形成されている負の径電場は、-22kV/mであり、電子温度減少の直前で-8kV/mであった。またこの変化に要した時間は約200secである。
新井 貴; 小池 常之; 清水 正亜
JAERI-Tech 97-003, 49 Pages, 1997/02
JT-60トロイダル磁場コイルは、プラズマを安定に保持するためにトロイダル方向の強磁場を発生させるコイルであり、単位コイルを18個トーラス状に等間隔に配置している。この内の2個(TFC-9及びTFC-14)より水浸出しが発見されたため、ソープションスニファー法によりリーク位置の同定作業を行った。その結果、リーク位置は判明したもののリーク箇所の詳細については把握できていない。そのため、リークの発生については、多種多様の原因が想定され、真の原因は解明されていない。詳細に解析するためには、リーク位置の状況が観察できるようなファイバースコープ等の開発が必要であった。今回の報告では、リーク位置と冷却管内用ファイバースコープの開発および観察結果について報告する。
新井 貴; 本田 正男; 小池 常之; 西堂 雅博; 清水 正亜
Fusion Technology 1996, 0, 4 Pages, 1996/00
JT-60では、外径6mのトロイダル磁場コイル(TFC)を18個配置して強磁場(4テスラ)を作りプラズマ実験を行っている。TFCは、交換することが非常に困難であるため、定期的に冷却管等を、その場で調査する技術を開発する必要があった。小断面(8mm24mm)で長い配管(約30m)を検査するために2種類の方法を開発した。ひとつは、水浸み出し位置を同定する技術であり、粘性流状態を利用した真空リーク検査を改良したものでソープションスニファー法と呼んでいる。ふたつ目は、直接、水浸み出し箇所を観察することができるファイバースコープを使用する方法である。これらの技術を組合せてTFC冷却管の水浸み出し検査に応用し、適宜、運転に反映している。
平塚 一; 三代 康彦; 小池 常之; 清水 正亜; 小室 健一*
JAERI-Tech 94-037, 43 Pages, 1995/01
JT-60Uではプラズマ原料ガスの注入にバイモルフ型圧電素子弁を用いているが、経年変化等により流量に変化が現われ、実験運転に支障をきたしてきた。そこで、特性等に優れた積層圧電アクチュエータを用いててこタイプの圧電素子弁を開発した。開発した積層圧電アクチュエータ型圧電素子弁は、実験運転におけるガス流量範囲が新範囲を有するように動作するものであり、試験の結果、ヘリウムリーク量1.3310Pam/s以下、水素ガス0.2MPa背圧において最大流量~30.7Pam/sを有している。重水素ガスにおいても、分子量比に比例した安定な流量を得た。本報告書は、開発した積層圧電アクチュエータ型圧電素子弁の構造、特性及び試験結果等についてまとめたものである。
正木 圭*; 安東 俊郎; 児玉 幸三; 新井 貴; 閨谷 譲; 芳野 隆治; 辻 俊二; 柳生 純一; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.390 - 394, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.74(Materials Science, Multidisciplinary)最近のJT-60U実験では、高パワーNBI、LHRFの使用によりプラズマ壁相互作用が激しくなっている。昨年6月、ダイバータ近傍のCFC製第一壁タイルが破損した。この原因は、ディスラプション時のハロー電流による電磁力と考えられる。このタイルの破断に必要な荷重から推定すると、ハロー電流値は約20kAとなる。また、破損したタイルが放電中にポロイダル方向に高速で運動する現象が観測された。昨年8月には、ボルトの緩みにより、ダイバータタイル1枚が離脱し、7枚に深いエロージョンが確認された。昨年11月、ベータ線後方散乱測定法を用いて、ダイバータタイル表面の金属不純物量を測定した。その結果、一昨年と同じ測定部の表面に金属が多く残っており、エロージョンは主にタイルのエッジに集中していることが解った。また、1年間の運転の後でも炭化ボロン層が残っていることも確認された。
柳生 純一; 新井 貴; 荻原 徳男; 西堂 雅博; 小池 常之
JAERI-M 93-249, 43 Pages, 1994/01
JT-60Uでは、真空容器内第一壁に黒鉛材料を使用しているが、プラズマ中の酸素不純物の低減及び低Z化のため、ボロナイゼーションを実施している。今回、ボロン化膜の特性を知るため、JT-60Uの180度対称な2箇所の上側垂直ポートにボロン化膜厚測定装置を取り付け、真空容器内にサンプルホルダーを吊り下げたのちに、ボロナイゼーションを実施し、試料に作製したボロン化膜の厚み、密度、元素組成、水素含有量をAES、断面SEM、NRAにて測定した。現在までにJT-60Uでは、ボロナイゼーションを4回、ボロン化膜の測定を3回実施している。測定結果からデカボランガスの供給口を真空容器内で分散して、ボロン化膜の均一度を高める改造を行っている。本報告書は、ボロン化膜厚測定装置の開発及びボロン化膜の評価についてまとめたものである。
西堂 雅博; 荻原 徳男; 嶋田 道也; 新井 貴; 平塚 一; 小池 常之; 清水 正亜; 二宮 博正; 中村 博雄; 神保 龍太郎*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 32(7), p.3276 - 3281, 1993/07
被引用回数:57 パーセンタイル:90.92(Physics, Applied)JT-60Uにおいて、プラズマ不純物の低減を図ることを目的に、デカボランを用いたボロンコーティングを2度実施した。ボロンコーティングにより作製されたボロン被膜の膜厚、元素組成及びその分布を走査型電顕、オージェ電子分光法、核反応解析法により測定し、以下の事が明らかになった。(1)デカボラン吹き出し口付近の膜厚は80nmであるのに対して、トロイダル方向に約180°離れた場所での膜厚は約2nmとうすく、不均一な分布となっている。(2)H濃度は約10%である。(3)ボロン含有量は90%以上であり、H以外含まず純度が高い。これら膜の特性と、プラズマ不純物低減効果との関係について考察した。
西堂 雅博; 平塚 一; 新井 貴; 閨谷 譲; 嶋田 道也; 小池 常之
Fusion Engineering and Design, 22, p.271 - 275, 1993/00
被引用回数:32 パーセンタイル:96.08(Nuclear Science & Technology)ジボランより危険性の少ないデカボランを用いたその場ボロン化処理(ボロナイゼーション)装置を製作し、JT-60Uに設置した。本装置の目的は、JT-60U第一壁表面にボロン膜を作製し、JT-60Uプラズマ中の不純物を低減することにある。本論文では、装置の概要及び、デカボランを用いるとガス供給系が常に大気圧より低く装置自体が受動的安全性を有するなど装置の優れた特長について述べる。さらに本装置を用いて行ったその場ボロン化処理の結果、酸素不純物が著しく減少し、プラズマ性能の向上、プラズマ放電のスムーズな着火など、良好な結果が得られていることについても、述べる。
近藤 育朗; 堀池 寛; 閨谷 譲; 松川 誠; 安東 俊郎; 芳野 隆治; 新井 貴; 二宮 博正; 山本 正弘; 小池 常之; et al.
Proc. of the 14th Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, p.177 - 180, 1992/00
JT-60は大電流化の改造が行われ(JT-60U)、本年3月末に運転開始したが、今回の改造が、運転挙動にどう反映されているかについて報告する。真空容器は薄板二重構造多円弧型で応力集中を避ける設計となっているが6MAに近いプラズマがディスラプションを起こしたときの挙動をしっかりおさえておく必要がある。その他、C/C材ダイバータの熱集中とエロージョン、そのプラズマ特性への影響、真空容器にベローズがなくなったことによる変位発生のメカニズムの第一壁取付状態との関係、トロイダル磁場コイル補強後の挙動、排気系の半分を撤去したことによる特に放電洗浄に要する時間への影響等について実測データに基づいて評価を行う。
宮地 謙吾; 鈴木 貞明; 砂押 秀則; 小池 常之
KEK-Internal-89-7, p.345 - 348, 1989/08
JT-60本体は不整磁場の低減を図るためワンターンループを形成しないこと電位傾度の違う機器の故障電流、ループ電流の流れ込みによる機器損傷及びノイズ発生を防ぐため各部に電気絶縁を施している。また、電位軽減のため各構成部位は適正な位置の建家基準接地端子に接地している。これら機器設備の絶縁監視には、停電圧地絡抵抗監視装置を用いて常時監視を行い、絶縁異常の早期発見に努めていると共に本体室内作業における物品の持込み、持ち出しを厳しくチェックすることにより、異物を残さないようにすること、定期的な清掃を行うことによって塵埃の管理を行っている。
太田 充; 阿部 哲也; 秋野 昇; 安東 俊郎; 新井 貴; 人見 信征*; 平塚 一; 堀江 知義; 細金 延幸; 飯島 勉; et al.
Fusion Engineering and Design, 5, p.27 - 46, 1987/00
被引用回数:6 パーセンタイル:55.61(Nuclear Science & Technology)本稿は、1973年の概念設計から1985年の完成までのJT-60本体の設計と建設を述べたものである。